忍者で勇者ってもうこれわかんねぇな   作:鈍足ハイカー

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二話

フォーマンセル

 

木の葉の里に限らず大抵の里の下忍は担当の上忍を含めた四人一組で動く。俺たちの中で卒業試験に合格したのは28人………単純計算で言えば一人余る。確か………ナルトとサスケと………春野 サクラと言うゴリラ女が一緒の班になるらしい。

 

有名どころで言えば木の葉の里の猪鹿蝶だな。このクラスのイノ、シカマル、チョウジは3人でスリーマンセルは確定。この班に入る事は無いだろう。後目をつけるべきは………木の葉にて最強(笑)日向家のヒナタ、忍犬を使う家犬塚家のキバ、そして虫を使う油目家のシノぐらいか?

 

他の合格者は俺と同じく無名の家から出た奴、それで言えばゴリラ女も一般の家から出た奴なんだけど………

 

「第七班、うずまきナルト、うちはサスケ、春野サクラ、そして一楽ヤマメ」

 

「うん、なんか………知ってた」

 

そもそも勇者に選ばれる様な運命を持った奴が主人公達と関わらない様に行動とかまず無理だろうと思ってたさ。思ってたけどッ………なんか悲しくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

班が決められたその後、他の班の担当上忍達が生徒達を迎えに来た様だがうちの班の担当だけやって来ない。どうしたものかと首を傾げたていると……

 

「へへっ、これをこうしてっと」

 

「何やってんの?」

 

ナルトが黒板消しをドアの間に挟んで簡易的なトラップを作っていた。トラップと言うよりイタズラに近いけどな。

 

「担当の人が来ないから、腹いせにこうしてやるんだってばよ!」

 

「成る程。しかし………仮にも上忍だし、引っかかるのか?」

 

「言われてみれば………じゃあ罠を追加だ」

 

 

 

かなり単調だけどさっきよりはマシかな?

噂をすればと言う奴だな、早速やってきた様だ。

 

ガラガラガラ! ストッ

ナルトが仕掛けた黒板消しがやって来た人の頭頂部に降ってきて白い粉をその頭に被せた。しかし俺が避けられる事を考慮して、扉を開くと同時に後ろから飛んでくるコンニャクがまだ来ていない。

 

やって来た人は何かを感じたのか振り返って………ベチャ

顔面にコンニャクが直撃した。

 

「ぎゃはははッ!」「ぷっ」

 

「お前らの第一印象は………………嫌いだ!」

 

考えられる最悪の形で罠にハマったな………本当に大丈夫かこの人?

 

 

 

 

 

「さて………自己紹介をしよう。」

 

さっきまでの事を完全に無かったことにしようとしているな、まああまり言い過ぎても話が進まないし……ただでさえ他の班より遅れてるのに。

 

「……どんな事を言えばいいの?」

 

「……そりゃあ好きなもの、嫌いなもの……将来の夢とか、趣味とか……まぁそんなのだ」

 

「じゃあ先生からお願いします」

 

「俺か?俺は、はたけカカシ。好き嫌いをお前らに教える気は無い!将来の夢って言われてもなぁ……趣味は色々だ」

 

成る程、名前しか分からん。と言うより、はたけカカシか………確かアイツらに聞いた話だと………常に猥本を持ち歩いている片目開眼中二病先生だっけ?

 

「じゃあ次は……お前から頼む」

 

そう言ってカカシ先生はナルトを指差した

 

「名前はうずまきナルト!好きなものはカップラーメン。もっと好きなのはイルカ先生に奢ってもらった一楽のラーメン!嫌いなものはお湯を入れてからの三分間。」

 

うん、うちの親父もラーメン屋冥利に尽きるだろうな。今度奢ってやろう

 

「将来の夢は、火影を超す!そんでもって、里の奴ら全員におれの存在を認めさせてやるんだ!趣味は……イタズラかな?」

 

いい夢だな。そしてそれが叶う事を知っている身としてはこれからの成長がとても気になる

 

「じゃあ次」

 

次はナルトの隣に座っている俺だな

 

「俺は一楽ヤマメ。ラーメン屋の息子だ………好きなもの……ていうか事は平和な生活。嫌いな事は戦争。将来の夢は莫大な金を手に入れて隠居する事。趣味はラーメンを作ること」

 

「(なんで忍びになったんだ?)んじゃ次」

 

「名はうちはサスケ。嫌いなものは沢山あるが好きなものは別にないそれから……夢なんて言葉で終わらせる気はないが野望はある」

 

出た、第一級俺的危険人物、うちはサスケ、通称変態の標的……変態以外にも兄貴にストーカーされる男

 

「一族の復興と………ある男を、必ず殺す事だ」

 

復讐かな?俺にも向こうで魔族どもが復讐して来たりしたからなぁ………本当戦争って悲惨だね

 

「よし、じゃあ最後は女の子」

 

「私は春野サクラ。好きなものはぁ……てゆうか好きな人は……」

 

そう言ってサスケをチラ見……普通の男子なら効果はありそう……というわけでも無いけどまぁ無理だろう

 

「えっと……将来の夢は……キャーー!嫌いなものはナルトです」

 

自己紹介の完成度としてはナルト>俺>サスケ>サクラ>カカシ先生って所かな?本当にそれでいいのか先生!

 

「自己紹介はそこまでだ。明日からサバイバル演習をやる。」

 

「演習?…………卒業試験の続きですか?」

 

流石に分身の術で合格なら、里の中でもかなりの人数が下忍になる筈………そんな事はあり得ないので別に試験があると睨んでいたんだが

 

「よく分かったな………これ聞いたらお前ら引くぞ?」

 

はー、その辺はアイツらに聞いてないからなぁ……注意すべき人物ぐらいしか教えてくれなかったし……

 

「脱落率66%以上の超難関試験だ」

 

「……………29分の9,3って所ですか」

 

落ちたいなぁ………でも家計もあるし………合格しないとなぁ。はぁ………

 

「んな!じゃあ何の為の卒業試験なんだってばよ!」

 

「ああ、あれは下忍になる可能性のある奴を選抜するだけ。とにかく明日は演習場でお前らの合否を判断する。忍び道具一式持ってこい」

 

クナイと手裏剣か…………聖剣使いたいなぁ。クナイと手裏剣って俺の認識的には使い慣れてないし……

 

「先生。忍び道具以外もいいですか?」

 

「ん?演習に使えるなら別に構わないが………それと朝めしは抜いてこい。吐くぞ」

 

「吐くって!?そんなにキツイの!?」

 

「詳しい事はプリントに書いたから。明日は遅れて来ないよーに」

 

それをあんたが言うの!?まぁ流石に明日は遅刻して来ないだろうな仮にも上忍だし。確かこの人、里でも有名人だったな"写輪眼のカカシ"だっけ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

「やー、諸君おはよう!」

 

「「「「おっそーーい!」」」」

 

こいつはひでぇ………遅刻魔か。有能な人って欠点多くて困る。 おはようと言うより、もう少しでこんにちはの時間なんだが

 

「演習の内容だが………ここに三つの鈴がある」

 

「「「?」」」

 

「これを俺から昼までに奪い取ることが課題だ。もし昼までに俺から鈴を奪えなかった奴は昼メシぬき!あの丸太に縛り付けた上に、目の前で俺が弁当を食うから」

 

そう言ってカカシ先生は丸太を指差した。丸太はご丁寧に4本用意されている。前日の朝めし食うなって奴はこの為なのね………

まぁ朝からラーメン食って来たけど

 

「鈴は一人一つでいい。三つしかないから必然的に一人丸太行きだな………で、鈴を取れない奴は任務失敗ってことで失格だ。失格なら学校へ戻ってもらう事になるだろう」

 

まっ、失格は出来ないな。なんとかして鈴を取るか………この班は先生合わせて5人だから一人だけ落とすのも余裕であり得る

 

「手裏剣も使っていいぞ。俺を殺すつもりで来ないと取れないからな」

 

「でも!危ないわよ先生!」

 

「そう!そう!黒板消しも避けれねー程、どんくせーのに!本当に殺しちまうってばよ」

 

確かにナルトの言う事も一理あるな………でももしかしたらわざと当たって相手を油断させる為の罠かもしれない。それを俺たちにやる意味があるのかは疑問だが。

 

「まっドベはほっといてよーいスタートの合図で……」

 

ドベって言う言葉にムカついたのか、ナルトが忍具入れからクナイを取り出してカカシ先生に飛びかかった。

 

 

すぐにカカシ先生に取り押さえられてるけど

 

「そうあわてんなよ。まだスタートって言ってないだろ?」

 

流石はNINJA速いな。これだけ速いのになんで遅刻するんだろう???まぁ関係ないことかな

 

「(コイツ俺を目で追っていたな)俺を殺るつもりで来る気になったようだな。じゃあ始めるぞ」

 

「スタート!」

 

その言葉が聞こえた瞬間俺たちは周囲に散開した。


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