疾風伝……どうすんべ……
タズナさんの家へ向かう中……ナルト達に迫る影……
「そこかァーー!」
「やめろー!」
先程からナルトが何かを感じるたびに手裏剣を投げているが、今まで何かがいた事は無かった。と、言っても今回は違った様だが……
「……あ」
ナルトが手裏剣を投げた茂みを見てみると白いウサギの頭に手裏剣が直撃していた。ウサギはかろうじて生きている。
「なんだ……ウサギか」
「ナルト!なんて事すんのよ!」
「そ、そんなつもりは……ごめんよ、うさこう……」
「焼いて食べるか………煮て食うか……」
やはり丸焼きが良いかな。中々に身が引き締まっているウサギだ。しかし全員が食べるには少し少ないな………ナルトが獲ったから、ナルトと調理する俺で分割するか。
「「!?」」
「そんな事させないってばよ!」
「そうよ!あんたには人の心がないの!?」
「えぇ……ウサギ美味しいのに………」
異世界では屋台やら出店やらでほとんどの街に売っていたな。店ごとに味付けが違うから中々に楽しめた。燻製とか。エールのつまみに……ああ^〜たまらねえぜ。
「ッ!全員伏せろ!」
「「「!?」」」
俺たちを襲ったのは大きな刀、死角から全く音もせず放たれたそれは俺たちを死に陥れようと、こちらに向かって投げられた。
サスケはすぐに護衛するタズナさんを抱えて伏せ、俺たちも各自その場で伏せた為に犠牲者は出なかった様だ。
投げられた刀は木に突き刺さった。そして剣の上にはその刀を投げた下手人………
「へ、変態だー!」
ギロ
oh……短気やな。別に殺気を送らなくても良いじゃない?
「へー、こりゃこりゃ、霧隠れの抜け忍。桃地再不斬君じゃないですか。………邪魔だ。下がってろお前ら。こいつはさっきの奴らとはケタが違う」
「確かに強そうですね………」
それに………あの剣、中々の名刀だな。頑丈そうだし、何か特殊能力もありそうだ。
「写輪眼のカカシと見受ける……悪いが、じじいを渡してもらおうか」
「卍の陣だ。タズナさんを守れ……お前達は戦いに加わるな。それがここでのチームワークだ」
「りょーかい」
卍の陣……この場合タズナさんの周りを囲うように配置して、タズナさんを守れって事だな。里の英雄の本気の戦闘を見れるとは……運がいいな。
「?写輪眼ってなんなんだ?」
「写輪眼……」
サスケの話によると、幻術、体術、忍術を跳ね返してしまう能力を持っているらしい。はえ^ーすっごい。
「………しかし写輪眼が持つ能力はそれだけじゃない」
「クク……ご名答。それ以上に怖いのは、その眼で相手の技を見極めコピーしてしまう事だ。オレ様が霧隠れの暗殺部隊にいた頃。携帯していた手配帳にお前の情報が載ってたぜ」
「それにはこうも記されていた。千以上の術をコピーした男。コピー忍者のカカシ」
「スゲーってばよ!」
そんなの、もうチートや、チーターやろそんなん!俺が言えた事じゃ無いけど………つまりカカシ先生の左目が開眼している時は、忍者に対してガンメタを取れるっと。メモメモ。
「さて、お話はこれぐらいにしとこーぜ。オレはそこのじじいをさっさと殺んなくちゃならねぇ。つっても………カカシ!お前を倒さなきゃならねぇーようだな」
再不斬は大刀と共にその場から飛び、近くの
「水の上に!?」
「忍法………霧隠れの術」スゥ……
「消えた!?」
水の上にいた再不斬は見えなくなってしまった。水蒸気の反射を利用したステルス……しかも足音がしない。オレと同じく堂々と不意打ち暗殺するタイプか……通りでシンパシー感じる訳だ。
「…………桃地再不斬。こいつは霧隠れの暗部で
サイレントキリング………しっかし足音がマジで聞こえないなぁ。練習すれば出来るか?流石に無理か……教えてもらえば出来そうだけど……生憎敵だしなぁ。
「どんどん霧が濃くなってくってばよ!」
『8箇所』
「!え?な、何なの!?」
声が何処から聞こえてくるのか分からない……徹底してるな。流石は無音殺人術の達人だ。
『咽頭、脊柱、肺、肝臓、頸静脈に鎖骨下動脈。腎臓、心臓……さて……どの急所がいい?クク……』
「うーん…………頸動脈を一つお願いします。」
「ま、真面目に答えてる場合じゃないってばよ……」
いやー達人の技をその目で見たくなりまして………テヘッ(//∇//)っ
カカシ先生が印を組んだ瞬間---周囲のそこら中から凶悪な殺気が放たれた---慣れていないサスケ、ナルト、サクラは身を固め、タズナさんは腰が引けてしまっていた。
「サスケ………安心しろ。お前達はオレが死んでも守ってやる。」
┌(┌^o^)┐ ホモォ………
「オレの仲間は絶対殺させはしなーいよ!」
笑いながら言い切ったカカシ先生は俺たちに安心感を抱かせた………そして俺は妙な勘繰りをした事によって罪悪感が湧いた。
『それはどうかな……?』
音もなく再不斬は現れた
キンッ
「鉄パイプだと!?」
俺は鉄パイプを
グサッ
「先生!後ろ!」
ナルトが声を荒げるのも無理はない。何故なら
再不斬は俺によって打ち上げられたその大刀を手にしてカカシ先生を真っ二つに切り裂いた。
しかし、切り裂かれたカカシ先生は本物では無かったらしい。再不斬の分身と同じ様に水となって崩れ落ち、本物のカカシ先生は再不斬の背後から首の所にクナイを突きつけて立っていた。
「動くな…………終わりだ」
うーむ、高レベルな戦いだ………俺の首を狩るだけの一発芸では対応できそうにない………
「す、スッゲーー!」
「………ククク。終わりだと?………分かってねぇーな。猿真似ごときじゃあ……あのオレ様は倒せない」
どうやら再不斬はまだ秘策があるらしい。
「しかしやるじゃねぇーか!あの時既に俺の水分身をコピーされてたって事か。分身の方に
再不斬の話によるとカカシ先生の仲間を守る的な発言の時には既にカカシ先生は水分身であったらしい。ていうかあの術水分身って言うのか………影分身みたいに忍術を使わせる事は出来そうにないが……実体があるから体術や忍具を使わせる事は出来そうだ。
「だがな…………俺もそう甘かぁねーんだよ」
「!!」
カカシ先生に拘束されていた再不斬は水となって消えた。本体はカカシ先生の背後に、そして再不斬は剣を振り、カカシ先生を真っ二つにしようと襲いかかる。
「ッ(ヤマメよりは振りが遅い!)」
カカシ先生は難なくそれをしゃがんで躱した。再不斬の振った大刀は地面に突き刺さった。しかし再不斬の猛攻はそれでも止まらない。地面に刺さった大刀を支えにカカシ先生を蹴り池の中へ落とした。
「ッぐウ」
それを追うように再不斬も池へ向かおうとするが、地面にはカカシ先生によってまきびしを撒かれていた。蹴られた一瞬に周囲にばら撒いたのか………
「チッ………くだらねぇ」
「センセー!」
"水牢の術"
池に落ちたカカシ先生は再不斬の術によって水の中に囚われてしまった。
「ククク……ハマったな脱出不可能の特性牢獄だ!お前に動かれるとやりにくいんでな………さて………?(断頭・首斬り包丁が欠けている?)」
再不斬は自分の武器を見て何かを感じたらしい。よく見ると奴の刀が欠けている。俺の
俺は異世界で勇者になった。その恩恵としての1つが聖剣だ。色々能力があるが……今回は自由に形を変えることが出来る能力で鉄パイプにしていた。サバイバル演習の時も鉄パイプではなく聖剣を持っていた。
バレたく無いのに聖剣を持って来た理由としては………実はこの聖剣常に持ち歩いていないと拗ねるのである………異空間に収納する能力もあるが………それでも拗ねる。
拗ねると能力を使いにくくなったり、切れ味が落ちたりするのでよろしくない。全くもって面倒な武器である。
「……さてと。カカシお前との決着は後回しだ。まずはアイツらを片付けさせて貰うぜ。」
"水分身の術"
池の水が段々と人の姿を形作り…………もう一人の再不斬が現れた。
「絶体絶命って奴か」
感想欄でネタバレしたけど鉄パイプは聖剣です。
この辺はナルトの成長が目覚ましいのであまり主人公に首を突っ込ませたく無いなぁ……