忍者で勇者ってもうこれわかんねぇな   作:鈍足ハイカー

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前回のあらすじ
カカシ先生が再不斬に捕まってしまったぞ!
奴はカカシ先生を捕まえるのに手一杯だが奴の水分身が俺たちに迫って来ているーゥ!
KEN、どうにかしろ(無責任)


七話

カカシ先生が捕らえられた為に俺達は絶体絶命のピンチに追い込まれていた。俺達を狙おうとする奴の水分身の相手をしなくてはならなかった………

 

「ククッ……偉そーに額当てまでして忍者気取りか……だがな本当の"忍者"ってのはいくつもの死線を越えた者の事を言うんだよ」

 

なん……だと……

その理論だと………俺もじゃん。口には出さないけど。

 

「つまり……オレ様の手配書にのる程度になって初めて忍者と呼べる。………お前らみたいなのは忍者とは呼べねぇ……」

 

再不斬が再び霧隠れの術によって消えてしまった……水分身は影分身とは違い能力のスペックが幾らか落ちる様だが、それでもナルト達では実力差があるある。

 

「!」

 

ナルトが蹴り飛ばされた!奴の忍者である事を認めないと言う主張からか奴は額当てを狙って蹴り飛ばしたらしい。その蹴りによってナルトの額当てが外れてしまった。

 

「ナルトォ!」

 

「お前らは唯のガキだ」

 

コイツの相手は流石に荷が重いんじゃ無いのか?ナルトが主人公らしいが、最初の敵がコイツって……鬼畜か何かなのかな。

 

「お前らァ!タズナさんを連れて早く逃げるんだ!コイツの水分身は一体とは限らない!コイツとやってもお前らの誰かが死ぬだけだ!オレを水牢に閉じ込めている限りコイツはここから動けない!水分身も本体からある程度離れれば使えないハズだ!」

 

「とにかく今は逃げろ!」

 

成る程。複数人奴の分身がいる可能性もあるのか………、居たとしても奴の霧隠れの術で見えないし、足音もしないしで最悪だな。

 

「……………………」ギリッ……

 

確かに逃げるのが理想的な回答だけど……ここでカカシ先生を見殺しにしてもなぁ。こんな時主人公(ナルト)はどうするのかな?

 

「うおおおおお!」

 

「バ…バカ!よせ!」

 

ナルトは再不斬の元に一直線に走り突撃した。なんの策も無い只の突進。それを見た再不斬はナルトに呆れている。

 

「あ!ナルトォ!何考えてんのよ!」

 

「フン……バカが」ドカッ

 

再不斬はまともに相手をする気も無い様だ。ナルトを蹴り飛ばしただけだった。ナルトが吹き飛ばされ、俺たちの元に飛んできたが、

 

「一人で突っ込んで何考えてんのよ!いくら粋がったって、下忍の私たちに勝ち目なんてあるわけ……」

 

面白い。それを取りに行ったのか………ナルトにとって大切な物の1つ。イルカ先生に認められた証。()()()()()()()を……やる気は十分らしい。

 

「…………おい、そこのマユ無し」

 

おっ再不斬の奴、少し反応したな………気にしてるのかな?これは後で煽るしか無いな、相手の精神状態を乱すのも立派な戦術だし。

「お前の手配書に新しく載せとけ!」

 

 

 

 

「いずれ木の葉隠れの火影になる男………木の葉流忍者!うずまきナルトってな!」

 

 

 

 

「………かっこええやん。やっぱりお前はスゲー奴だ」

 

流石は主人公。でも…俺、勇者やってる中こんなカッコいいセリフ吐いたこと無いんだけど………かなしぃなぁ。

 

「へっ、ありがとよ。………サスケ!ちょっと耳貸せ。……作戦がある」

 

「フン、あのお前がチームワークかよ…」

 

"silent(消音)"

 

これは俺からのオマケ……これでどれだけ大きな声で話しても奴には作戦は聞こえねぇぜ。……俺は………適当にフォローするか…

 

「さーて。暴れるぜぇ……」

 

「くく……えらい鼻息だが、勝算はあるのか?」

 

「お前ら!何やってる!逃げろって言ったろ!オレが捕まった時点でもう白黒ついてる!俺たちの任務はタズナさんを守る事だ!それを忘れたのか!?」

 

 

 

「………おっちゃん」

 

ナルトが申し訳なさそうにタズナさんを見る。しかしタズナさんはナルトに感化されたのか笑っていた。

 

「………なぁに、元はと言えばワシが撒いた種。この期に及んで超命が欲しいなどとは言わんぞ。すまなかったなお前ら……思う存分に戦ってくれ」

 

いいおっさんや……。是非ともあの橋を完成させて欲しいな。そしたらあの橋で出張一楽でもしてやるかね。

 

「フン……という訳だ」

 

「覚悟はいいな……」

 

「それに………カカシ先生の話だと……"ルールや掟を破る奴はクズ呼ばわりされるが、仲間を大切にしない奴はそれ以上のクズだ!"らしいですから」

 

先生の教えは大切。守らなきゃ(使命感)

 

「クックックックッ………」

 

「壊れたか?マユ無し」ギロッ

 

あー怒ってる怒ってる。これでヘイトがこっちに来るな。流石に上忍である奴の攻撃をナルトやサスケに向かせたら勝ち目が無い。

 

「…………本当に成長しねぇな」

 

「なにぃ!」

 

「いつまでも忍者ゴッコかよ……オレァよ

お前くらいの歳の頃にゃ、もうこの手を血で赤く染めてんだよ……」

 

おっ、そうだな(適当)

おれもよぉ…今ぐらいの歳の頃にゃ、この手を紫色の血で染めてんだよ※魔族の血は紫でした。

 

「鬼人……再不斬!」

 

「ほぅ……少しは聞いたことがあるようだな」

 

知っているのか雷電。

 

「その昔"血霧の里"と呼ばれた霧隠れの里には忍者になる為の最大の難関があった……」

 

「フン……あの卒業試験まで知っているのか」

 

「あの卒業試験?なんだってばよ?」

 

「クックックッ、生徒同士の殺し合いだ」

 

「………非効率的だな」

 

カカシ先生の話によると、10年前その卒業試験は改革を遂げざるをえなくなった。その原因が同期の卒業生を皆殺しにした再不斬だった。なんの躊躇もなく100人以上の受験者を殺し尽くしたらしい。

 

「楽しかったなぁ………アレは……」

 

---その直後、俺たちに向けられる再不斬の強烈な殺気。慣れていないナルトとサスケは今は動くことができなそうだな。まっ、それより()()()()()()()()()()()()

 

「まずはテメェからだ………生意気なクソガキィ」

 

オレの元に現れ、その大刀を振り下ろして来た。

 

 

ガキンッ

------まぁ鉄パイプ(聖剣)で止めるけど

ギリギリギリ

 

俺の鉄パイプと奴の大刀が拮抗する中、奴の分身が口を開いた。

 

「チッ……首斬り包丁で切れない鉄パイプ……どんな素材で作られてやがるッ」

 

そりゃ……アダマンタイト(魔導金属)?よう知らんな。知っていた所で………本当に教えるつもりも無いけど。

 

「あっ、わかりますぅ?これホームセンターで選び抜いたこだわりの鉄パイプなんですぅ」

 

うーん、我ながら素晴らしい煽り………70点。惚れ惚れするね、奴もかなりイラついたのかかなり本気で大刀を振ってきたが……

 

「死ね!」

 

「オラァッ!」ズドン!

 

再び振られた首斬り包丁を、鉄パイプ(聖剣)を振られた刀を沿う様に叩きつけ地面に半ばまで埋め込んだ。ま、メイン武器を奪うのは定石の1つだからな、本来ならここから勇者のスペックを利用した一方的リンチをしなければならないのだが

 

「今だ!ナルト!」

 

「おう!」

"多重影分身の術"

 

ナルトの膨大なチャクラによって量産された大量の実態ある分身。その全てが得物を失った再不斬へ向けて走り出す。

 

「「「「行くぜ!」」」」

 

「ッ影分身か…………しかし幾ら数が多くても!」

 

しかし、ナルトの技量が足りない。再不斬は何十人ものナルトを体術だけで圧倒し……一体、一体確実に影分身を消していく。しかしそれだけで終わる奴じゃない。

 

「サスケェ!」

 

ナルトの本体は自分の鞄から目的の忍具を取り出して、サスケに投げ渡した。サスケの方も殺気による硬直から解放されたのか何の障害も無くナルトからそれを受け取れた様だ。

 

「風魔手裏剣」

 

ナルトからサスケに渡された忍具は風魔手裏剣。折りたたみ式の大型の手裏剣である。

 

「手裏剣なぞオレには通用せんぞ!」

 

「テメェは黙っとけや!」

 

奴の水分身がナルトに構っている隙を突いて、背後から鉄パイプを突き刺した。すると水分身は形を保てなくなったのか元の水に戻ってしまった。

 

「ッ!」

 

一方サスケは展開した風魔手裏剣そのまま再不斬の本体に向け風魔手裏剣を放った。

 

「成る程。………最初から本体狙いだった訳か……だが、甘い!」

 

一直線に向かって来る風魔手裏剣を再不斬は難なく掴み取った。しかしその風魔手裏剣の影に隠れる様にしてももう一つの風魔手裏剣が投げられていた。

 

「手裏剣の影に手裏剣が……!」

 

上手い。流石はアカデミーのエリート手裏剣の使い方も違うな……俺ではああいう繊細な技は無理だ。出来て無回転手裏剣ぐらいか?(只の力技)

 

「……が、やっぱり甘い!」

 

再不斬はカカシ先生を捕らえている手をそのままに、2枚目の風魔手裏剣をその場で跳ぶことで回避した。

 

 

しかし………それすら作戦通りだ

 

 

ボフッ!

2枚目の風魔手裏剣は再不斬の後ろで手裏剣からナルトに変わった。いや、戻ったと言うべきか……最初にサスケに渡された、風魔手裏剣はナルトが変化して変身したものだったのだ。

 

「ラァ!」

 

ナルトはそこから飛び上がって宙に浮いている再不斬に向かって苦無を投擲。顔面に向かって一直線に飛んでいる。

 

「!?」

 

流石の再不斬もそれは本腰を入れて避けなければならなかったらしい。()()()()()()()()()()()()()()最初に掴んだ風魔手裏剣でナルトを仕留めんと構えた。

 

ガシッ

 

しかし再不斬の忍術から解放されたカカシ先生がそれを許すはずがない。再不斬の持っていた風魔手裏剣をつかんで止めてしまった。

 

「カ、カカシ先生!」

 

「………ナルト……作戦見事だったぞ。成長したなお前ら……」

 

「へへ……あの影分身の狙いは再不斬を倒すことじゃなく、俺自身が風魔手裏剣に化けるのを隠す為だったんだってばよ!もちろんそれだけで倒せるとは思ってなかったけど……水牢さえ壊せればと思ってね。」

 

いい発想だった。まさか手裏剣に変化するとは……しかも影分身ですらブラフか………応用性の高い術だと思っていたが………こうも使いこなすか。

 

作戦を聞いていた俺は投げた風魔手裏剣に干渉されない様に奴の水分身を一応消しておいたが……そんなフォローも必要なかったらしいな。

 

 

 




主人公
「3人に勝てる訳ないだろ‼︎」

再不斬
「馬鹿野郎お前俺は勝つぞお前‼︎」

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