「………なぁ、坊主いい加減喋ってくんねぇか?」
なんでこうなったんだろうか
白衣を着たおじさんに、ここにいきなり連れて来られたらと思ったら、今度は軍服を着た人達が、六人入って来た。
その中の一人、胸に階級章らしき物が付いてる男性が、俺の真正面の席に座り
「どうも始めまして俺達は、ここの研究所の警備をしている者達だ。」
と、こんな感じで冒頭に戻る
「なぁ早く答えてくんねぇかな?
俺たちだって暇じゃないんだよ」
もうこの質問合わせて、6回目になる
俺のいた世界に帰って来れたはいいが、ここは、何処なのだろうかこの人達が日本語を喋っているところ少なくとも日本である事は、分かる。
だが、俺の事を山本神谷本人だと言っても信じてもらえるだろうか、何せ異世界で五年も、たった人物が今頃帰って来ました〜何て言っても、信用なんかされるわけがない
と、この様に言おうかな〜とは思うがやっぱりな〜と、思ってしまい中々言い出せてない
………よしもう思い切って言おう!!
「………山本神谷です。さっき異世界から帰ってきたら気づいたらここにいました。」
「やっと喋ったかと思えば、異世界から帰ってキタだぁ?お前嘘をつくんじゃねぇよ、既に神隠しは、三年前までは、あったがそれ以降は、キッパリ無くなっちまった上に一人を除いては、全員生還して帰ってきてる」
「その、多分ですけどその一人が俺だと思うんですけど」
「まぁいい取り敢えずお前の体を、検査するつもりだったしな、もし違ってたら不法侵入で、警察に突き出すからな」
それから、数時間検査を受けた。歯の手術箇所や、顔の骨格など、その他諸々と、調べられた。
結果として俺が山本神谷だとということが判明した。
「マジかよガチで山本神谷本人じゃねぇかよ」
「だから言ったじゃないですか、山本神谷本人だって」
「あぁ、それは本当に済まない。だがどうして今になって帰って来れたんだろうか、何故お前だけ8年だったんだ?」
軍服を着たおじさんは、腕を組みながら考えている。
「神隠しだから、神様の気まぐれじゃないんですか?」
俺は、そう微笑みながらおじさんに言う。おじさんは、俺か言った言葉に少し虚を付かれた顔をしていたが、直ぐに笑いながら「そうか、その通りかもな」
と言った。
「それじゃあ、今日はここの研究所で体を休ませるといい、研究員には俺から話を通しておくから場所はそこら辺にいる研究員に聞けばいい。」
「ありがとうございます。正直この後どこで寝ようか悩んでたんですよ。」
「そうかそれは良かったな。あぁ、それと君が帰ってきたことはこの後国に報告するからなそれと同時に君の家族にも連絡をするけどいいかな?」
「はい、お願いします!!」
家族のみんなに会える、それは異世界に飛ばされた時からずっと願い続けた事だ。何度夢見たことか分からない程夢に出てきたほどだ。
(やっとだ!!やっと家族の皆に会える。今まで自分にあったことを話したい寂しい思いをさせたことを謝りたい、またみんなと過ごしたい!!)
「任せろ、必ずお前の親御さん達に連絡するからな」
そう言って部屋から立ち去って行った。それからは、そこら辺の研究員を捕まえて寝る場所を聞きそのままベットに入り家族のみんなに会える事を楽しみにしながら意識を落とした。
???side
私たち姉妹には、たった一人の兄がいた。兄は弱虫で泣き虫で運動も勉強も苦手で口下手で、ダメなところがいっぱいあったけどわたし達姉妹は、あの日兄が神隠しでいなくなる前までは兄のことが大好きだった。
お母さんとお父さんは毎日の様に喧嘩をし兄は行方知れずで、家族は別れ、自分達は学園の生徒となっていた。
魔物が跋扈する世界で誰にも保護されていない子供の生存など
ごく一部を除き、誰も信じられず彼女は余計に無理だと思った。
ソレが抜け落ちている者がどうやって生き残れるというのか。
頑なに生存を信じ死んでいった父の姿は彼女には駄々をこねる子供に見えた。
何より母が精神的に弱っているのを感じ取って子供らは母についた。
そうして兄と父の死を受け入れ、全てを誰かのせいにして、
この8年をなんとか過ごしてきたというのにその兄は唐突に現れた・・・。
突然だったお母さんの電話から兄が生きて帰ってきたと
ふざけるなと思ったここまで必死に頑張ってきたのに、まるでその努力が無駄で父親の方が正しかったと言われた気がした。