地雷短編集 作:駄文製造機
マルッコイ「では、こちらが紹介状です。こちらは門番に、そしてこちらはギルドにお渡しください」
ヘルト「ああ、ありがとう」
マルッコイ「そしてお礼と言ってはなんですが、こちらの剣も受け取ってください。由緒ある名剣です。あなたの持つ宝剣には見劣りするでしょうが……」
ヘルト「いや、ありがたく貰っておこう」
マルッコイ「危ないところを助けていただき、本当にありがとうございました。またどこかで」
ヘルト「ああ」
※
ヘルト「この街にギルドが有るのか……」
門番「兄ちゃん、見ない顔だな。この街に何の用だ?」
ヘルト「ギルドに用があってね」
門番「ギルドだって? そんな貧相な体つきじゃ、剣どころか木の枝だって持てないだろうに」
ヘルト「ほっとけ。とにかく、通らせろ」
門番「なら、通行料金を貰おうか」
ヘルト「通行料はないが、紹介状ならあるぞ」
門番「どれどれ……こ、これは! 少々お待ちください」
※
門番上司「先ほどは部下が失礼しました」
ヘルト「まあ、確かに」
門番上司「マルッコイ様のお知り合いだったとはつゆ知らず……」
ヘルト「あのオッサンそんなに有名なのか?」
門番上司「ええ、それはもう。この国では知らない者は居ない大商人です。ヘルト様はどこからいらしたのですか?」
ヘルト「東にある島国から来た」
門番上司「なるほど。では、この国の身分等はお持ちではない?」
ヘルト「そうだな。この国には来たばかりだから、マルッコイ位しか知り合いもいない」
門番上司「でしたら、マルッコイ様の言う通り冒険者になるのがよろしいかと」
ヘルト「冒険者になるにはどうすれば良いんだ? ギルドへ行けば良いんだよな?」
門番上司「ええ、ギルドへ行けば手続きできます。他国の冒険者になるには推薦状が必要なのですが、マルッコイ様から既に戴いているそうなので」
ヘルト「ちなみに、推薦状が無かったらどうなっていたんだい?」
門番上司「この街を治める貴族様に推薦状を貰うことになるでしょう。元は冒険者だったお方なので、他の方に比べて推薦状が貰いやすいです」
ヘルト「冒険者が貴族になれるのか?}」
門番上司「はい。大きな功績を残したのであれば、その功績によって貴族になれます」
ヘルト「大きな功績と言いうと?」
門番上司「そうですね……自分が知る限りでは、邪竜の討伐や王都に押し寄せたモンスターの大群の撃退などで貴族になっています」
ヘルト「邪竜とか居るんだ」
門番上司「ええ。規格外のモンスターはまだこの地に残っています。相対することが死を意味するような個体も居るので、ギルドに行ったら話を聞くといいでしょう」
ヘルト「じゃあ、そろそろ案内を頼めるか?」
門番上司「では、行きましょうか」
※
門番上司「ここがこの街のギルドです。では、自分はこの辺で」
ヘルト「案内、ありがとう」
ヘルト「……さて、入るか」
冒険者A「ん? 見ない顔だな」
冒険者B「本当だ。新入りか?」
冒険者A「馬鹿言え。あんな軟弱な体つきで剣が振れるかよ」
冒険者B「それもそうだな。持ってる剣は上等だが」
冒険者A「本当にいい剣だな。あんな剣、中々お目にかかれないぞ」
ヘルト「……酒場? まあ、ギルドってそんなものか」
受付嬢「こんにちは! ギルドへようこそ! 今日はどんなご用件ですか?」
ヘルト「冒険者になりに来た」
受付嬢「冒険者? ……失礼ですが、紹介状はお持ちでしょうか」
ヘルト「これが紹介状だ」
受付嬢「どれどれ……。なるほど、確かに受け取りました。冒険者登録をするので、こちらに必要事項を記入してください」
ヘルト「……字が読めねぇ‼」
受付嬢「へっ?」
ヘルト「この国の字は読めない。いや、他の国の字も読めないだろうけど」
受付嬢「これは失礼しました。では、読み上げるので口頭で答えてください。まず、お名前から」
ヘルト「ヘルトだ」
受付嬢「ヘルト様っ……と。次に、出身地を聞かせてください」
ヘルト「あー……東にある国、で大丈夫か?」
受付嬢「大丈夫ですよ。最後に、戦い方を教えてください」
ヘルト「魔法になるのか? 中距離から敵を攻撃するのが得意だ」
受付嬢「ありがとうございました。こちらが冒険者の証であるプレートです。なくさないように気を付けてください」
ヘルト「これは銀か?」
受付嬢「はい。本来はD級である鉄製のプレートから始まるのですが、紹介状等の内容によっては最大B級の銀製プレートをお渡ししています」
ヘルト「そこから先は自力でのぼれ、と」
受付嬢「そうです。これから教育係の冒険者を手配するので、あちらの席でお待ちください。何か要望は有りますか?」
ヘルト「特にない」
受付嬢「料理や飲み物も注文できるので、よろしかったらご利用ください」
ヘルト「あー……金ができたら注文するよ」
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