それにツイッターのフォロワーから教えてもらった情報によるとランキングに入ってたらしいぜ〰〰〰〰〰ッ!?
メール通知死んでるんじゃあないかッ!プレッシャーかかるから何位かは知りたくないけども!!!
誠にありがとうございます。
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「記憶を書き換えるスタンド使い?」
ある日の放課後。
授業も終わり人のまばらになった教室から校門へ歩く途中、康一が仗助へと問いかけた。
「ああ。つっても生年月日とか自分の名前とかそうゆーのは覚えてんのよ。忘れてるのはアンジェロの時のこととか、この前の屋敷の…こととか」
「屋敷の…それってつまり、葵さんを敵対してるわけではないんじゃないかな。
その、葵さんがひどい目に合ったところだけ変わってるってことなんでしょ?それにホラ、脳が逃避させてるとか、そういう可能性もあるんじゃないの?」
「そんな都合よくいくかねェー。アンジェロの後の時はおぼろげに覚えてたけどよ、今じゃそのこともスッカリ書き換わってんだぜ」
アンジェロ戦後、目覚めた葵は当時のことをあまり覚えていないと言った。つまり、「アンジェロ戦でイヤなことがあった」ことや、「アンジェロの存在」などは覚えていた。あの屋敷前で思い出すことも、本人以外あずかり知らぬことだが「話の内容」も理解していた。
しかし今回は違う。本日も変わりなく登校してきた葵に仗助は「ウチに泊まった時に忘れ物してったぜ。後で取りに来いよな」とカマをかけた。それに対して、
「前に泊まった時って何年前だったっけ、そんなに忘れてたんならもう仗助ン家のものみたいじゃんねェ」
と苦笑いした。仗助は動揺を顔に出さぬように「おう、たぶんそうだったからおれも気付かなかったんだろーな」と返したが、正直ビビった。
久々に朋子とキッチンに並んだことも、からかい合いながら課題をこなしたことも、良平が未だ入院中のことも、キレイさっぱり頭の中から隠されてしまっている。一度死んだも同然だからなのではという思考が一瞬脳を過ったが、目の前で昼食を取ったり掃除のほうきをスタンドマイクのように扱ったりする姿には全く似合わなかったので、すぐに思考停止した。
「もし脳が変だったとしてもよ、アイツ『変』だとか『他と変わってる』っていうのスゲー気にするんだよなあ。『おまえ脳みそ可笑しいから病院行くぞ』なんて言ったら、アイツ部屋に閉じこもってそれこそ変になっちまうぜ」
「ええっ?そ、そうなの?そんな空気みじんも出さないから知らなかったよ…それになんていうか、こう言っちゃ悪いんだけど、仗助くんと一緒にいるのにすごいね…」
「全くだよなあ…承太郎さんには言うなよ」
「うん、それはわかってるよ」
承太郎に言うなよ。康一は、仗助が葵について何か話すときに毎回終わりにそうくぎを刺される。屋敷でみたあの表情に近い声でいうものだから鵜呑みにうなづいているが、ずっと疑問に思っていた。
仗助はなぜ、ここまで葵に入れ込んでいるのだろう。
デキてるんじゃあないか?というのは以前両者から否定されたから詮索するのはよくないだろう。幼馴染だから?友達以上恋人未満という言葉もある。ありえなくはない。だがそれとは違うとカンが告げている。
春に出会ったばかりの友人二人の関係でこんなに悩むとは思っていなかった康一は、思い切って質問してみよう、と小さく拳を作り、ウンとうなずいた。
「ねぇ仗助くん、仗助君はさ…」
「康一どのォーッ」
その思い切りは、先日康一の家で大分やらかした康一の男気と勇気にあてられた男、小林玉美によって遮られた。
のちに考えれば、質問しなくてよかったのだろう。
「葵ちゃん、ちょっといい?」
その日の葵の班は掃除当番で、放課後の教室を、級友とおしゃべりしながらマイペースに片づけていた。さっきまでスタンドマイクに見立てて遊んでいたほうきをロッカーに仕舞い、机を整えようと支柱に手をかけたその時、別の場所を掃除していたクラスメイトが廊下から話しかけてきた。
「なあに?」
「隣のクラスの人が呼んでるの。ホラ…」
話を聞いたそのままの視線を教室のあけ放たれたドアへと向けると、そこには綺麗な女子生徒が立っていた。刺繍のついた改造制服が良く似合っている。
葵は同じ班の生徒に断りを入れると、用があるという彼女の方へ駆け寄った。
すらっと背の高いスレンダーな美人。少し強気な眉と長い睫毛、つややかな唇。そんな美女が自分に何の用か、と葵は頭の引き出しをひっかきまわしてみるが、隣のクラスとの交流は浅いし、もともと葵は交流を広くもつタイプではなかったために覚えがない。そもそも人間関係は面倒くさいもので、むやみに知人を作るものでもない、とも思っていた。
「えっと、ご用とは」
女子生徒を少し見上げて葵が言った。近づけば余計に背の高さがわかる。葵の背丈は平均よりすこし大きい程度、約155~160センチ程度。彼女はそれよりも背丈が高い。物珍しさからか、つい視線を巡らせてしまう。
「……ついてきて」
「はい?」
「いいからついてきなさい」
眉毛の通りか語気が多少強いようだ。言い残すと背を向けて歩き出してしまう。長い脚で気遣いなく歩くものだから、葵は少し駆け足で着いていった。
「あなた…康一くんとどういう関係なの?」
彼女が足を止めたのは人気のない空き教室だった。着いた矢先にそんなことを聞かれ、葵は頭にはてなを浮かべた。康一君とは、おそらく広瀬康一のことであろう。
「関係…友達かなあ、いや、知人?顔見知りかも…」
「ほぼ毎日一緒に帰っていて顔見知りってわけないでしょう…
単刀直入に言うわ。康一くんに近づかないで頂戴」
ほんとにものすごく単刀直入だ、と葵は思った。ここまでハッキリと言われるのは気持ちのいいものがある。葵は少し目を丸くして、考え込むそぶりをした。
「質問してもいいですか?近づかない、というのはどの範囲なんでしょう」
「嫌がらないのね」
「ああ、まあ、はい。自分のかかわる人間関係にそこまで執着がないもんで…」
エヘヘと葵が頬を掻いた。呼び出した彼女は怪訝そうな顔をすると、窓に体を向きなおして、下校する生徒たちを見下ろした。
「お名前を聞いても?」
「…山岸由花子よ」
「教えてくれるんですね」
「ええ。はじめはあなたのこと疑ってたの。康一くんに近づく雌猫なんじゃないかって…私と康一くんの間を引き裂こうとしてるんじゃないかって。
でも違うって今、わかったわ。あなた、あまりに自分に興味がないんだもの。自分に興味がない人が、他人に恋できるワケないじゃないの」
(自分に興味がない、か。)
その言葉がストンと胸の中に落ちた。納得がいったのだ。
前述の通り、葵は人間関係が苦手である。それは葵の秘密や経緯に比例する。
まだ葵が「琴葉葵を得忘れていなかった」幼少期、葵は他人と違うところがたくさんあった。人間とは大勢の他人と少数が何らかの形で違っていた場合、その少数をひどく嫌う傾向がある。葵はそれを「琴葉葵」の記憶で知っていた。彼女の思う人間社会において、当然のことだったからだ。
葵は他人からひどく嫌われたことはないが、嫌われる恐ろしさを知っている。
だから彼女は周りに合わせる事を学んだ。
幼少期から積み上げてきた対人術は功を奏し、葵は平凡に人生を流されてきた。
「山岸さんは康一くんが好きなんですね」
「ええ。きっと、人生であの人以上に好きになれる人はないわ」
「それは素敵なことですね」
葵の口調には慈愛の気持ちが籠っていることだろう。人の幸せを願うことは人として正しい行いだからだ。そして、由花子の恋路の邪魔になっているというのなら、道を譲り、むしろ背中を押してあげるべきだろう。
「由花子さん、あなたの背中を押しましょうか」
しかし、現実は非情なものである。
葵の「人間らしいいい子」という思想はエスカレートしている。葵は、「人の役に立ちたい、人の役にたてる人になりたい」という優しい心の反面、「人の役に立てないなら生きる価値はない」と思っている。そして、その思いを「自分のエゴを人に預ける嫌なもの」だと思っている。
だから小さいころから仗助の手当てをするし、手当をすると「自分の思想に仗助を使ってしまった」と悲しい気持ちになる。
誰かがけがをすると「その人の役に立てなかった」と悲しい気持ちになる。
控え目に言っても、葵は葵の目指す「世間一般で言う普通のいい子」ではないのだ。
正直今回の更新内容は名に伝えたいのかわからないと思われます。
つまり、葵ちゃんは人の役に立ちたい自己犠牲が高くて自尊心が低い子だってことです。
冬コミに受かってしまいました。二日目東5ヒ48bです。
一応本小説のネタも仕込む予定なので、よかったら遊びに来てくださいね。
そしてそれにより更新はかなり遅くなります。毎回遅いじゃんって言われちゃうと言い返せません。