こういうことを書こう!とだけ考えてあとは行き当たりばったりで打ち込んでるので行き違いがあるかもしれません。
おとなはうそつきではないのです…
原稿は終わりません。
あれで18。10年前の自分のように大人らしいところがあるのだと思っていたが、その度を越えてなにかが爆発したのだろうか。承太郎の突飛な一般とは線を引いた人生経験は、形兆には当てはまらないのだ。環境も境遇も違った相手の思想を見誤ったのはこれが初めてではないが、承太郎は『また』、自分の少しばかり苛烈な過去を悔いた。
承太郎が駆け付けた頃には、形兆の手から葵はすでに取り上げられていた。
勢いよくこめかみに一撃をくらった形兆はうずくまり、頭を手で押さえ呻いている。
コウは、混乱と恐怖でひどく動揺している葵を腕に抱え、背中をさすっていた。
「安心したよ……なんとも、安心した。僕の考えは間違ってなかったね、空条承太郎……」
荒い呼吸を繰り返す葵を落ち着かせながらコウが言った。
その声色は、慈愛に満ちたわけでも、突き放すような怒りでもなかった。
「貴方が葵のことを何も考えてないって、何も認識できてないって、ハッキリわかった。きっと、そう、目的のためなら、人を殺すこともいとわないんだろうってハッキリしました。とても参考になった……」
次第に涙まで流し嗚咽するようになった葵を抱きかかえると、承太郎や形兆の方へ視線を移すこともなくコウは歩き出した。
「!待て、話は……」
「話す、そう、話すって言いましたね。でもダメだ。貴方はすぐ忘れる人だ。忠告したって意味ないんだ。そうやすやすと語れることでもなかったのに、一瞬でもこの大呆けに理解させてやろうと意気込んだのが間違いだったんだ……」
引き留めようと声をかけた承太郎に、いっそ人間味も感じられない機械的な声でコウが返した。背を向けてしまったコウの表情は読み取れない。
承太郎は困惑した。
例えば、仗助から聞いた話。
「葵の親、スか?そうっすねー、母親はいないみたいなんですけど、父親はいますよ。性格?えっと、すごく優しいっすよ。ウチの母ちゃんとも仲いいですし」
例えば、葵や仗助の担任から聞いた話。
「ええ、水奈瀬さんですか?結構淡泊な方でいらっしゃいますよ。なぜそのようなことを…調査、はあ」
ここですでに食い違っているのだ。
苗字の違う遠い親戚の娘を引き取って育てるやさしさがあるのに、別の人物への対応は全く違う。
そして今と先ほどの反応。葵について過剰に反応したのは親心故と思っていたが違う。葵を抱える手つきは確かにやさしいが、裏腹にどうしてそんな声色が出せるのか。行動と思想に差をつけることなどやろうと思えば誰だってできるのだろうが、それも違う。むしろ承太郎がその「誰だって」なのだ。経験があるからこそ承太郎は困惑し、腹の底が冷えるような温度を、コウの声色から感じていた。
承太郎が思考したまま行動を見守っていると、またコウが口を開いた。
「それともう一つも確認出来て、多いに結構。やっぱり『覚えて』…いや、『忘れて』いるんですね。茜は…ちゃんと葵と一緒にいるんだ…」
振り返らずにコウが続けた。
「空条承太郎、あなたが探しているのは、『赤い目』で『青い髪』の『女』なんですよね?」
コウの発する声を聴く脳のどこかで警笛が鳴りやまない。
いつの間にか回復した形兆も、同じくどこか不気味な現象を感じていた。
ただ文章を読み上げるときのような、意味も内容もへったくれも詰まっていないその声は、承太郎と形兆の脳髄に響いて、「そしてすぐに薄れていった。」
「この子は……葵は赤い目で青い髪ですが……違うんですか?」
何を当たり前のことを、と承太郎は思う。
葵が『青い髪で赤い目』なのは、会った時から知っている。
認識している。ずっとそばにいた仗助でさえ、『女』は『葵ではない』と認識しているのだ。
おかしい。響く水奈瀬コウの声に、かすんだように頭が雲ってしまう。
そんなの、
「違うにきまっているだろう」
振り返ったコウの笑みに人の香りはしなかった。
認識災害~!!!歌でも歌いたくなりますね!
ちゃんとこの小説が完結したらこの話が理解できるように
なると思うんで…まっててください…
明日はいい天気だ。また来週。