林の国、七夜城周辺は完全に地形が変わっていた。キノコ雲が立ち昇り、流れ去るまで暫くの時を要したほどにだ。瓦礫を背もたれにしながらバオは口笛を吹く。スケアは疲れているのか遠くを見ながら座り込み、カンクロウは未だに衝撃から立ち直っていないのか微妙な顔をしてスケアに話しかける。
「あいつ、本当にやりやがったじゃん」
「全く・・・まるで、ナルトだな」
荒涼とした大地に雫の声がこだまする。
「そこの三人、リオン探し手伝いなさいよ‼」
ドントと少女は黙々とリオンを探していた。しかし、同僚であるはずのバオは素知らぬ顔で、スケア達のそばで寝っ転がっているままだ。
「そっちは、いたか」
「まだ、見つかってないわ」
ドントがそれとなく少女に話しかけるが、彼女はどこかそっけなく返す。双方とも別に不快な表情をしている訳ではなく、ただなんとなく収まりというか居心地が良くない様子だ。
「そうか・・・・・・」
「ええ・・・・・・」
そんな彼らを眺めながら、カンクロウがバオに話を振る。こちらも、それとなくといったものではあったが、あちらよりは緊張を孕んでいた。
「あんたらの所は、いつもあんな気まずい感じじゃん?」
「いや、あの二人の間だけじゃん。馬が合わないってやつ?あ、お前の口癖が移っちゃったじゃん」
「じゃん、じゃん鬱陶しいですよ」
スケアも二人の会話に混ざり会話が混沌とし始めた。バオはふと七草の他の代表者たちの事を思い出した。鼻をほじりながら、口を開く。
「そう言えば、他の七草はどうなったか知ってるか?」
「風の国の七草は拘束しました、トトとかいうお爺さんとホウイチとかいう僧侶は気づいたら、いなくなっていました」
「ああそう」
そんな所だろうと思っていた彼は大した感慨も無く、ずりずり背中を移動しながらベストポジションの捜索に精を出し始めた。今度は、スケアが口を開く番だ。人のいい顔をしながら切り出す。
「こちらからも一つ良いですか」
「ん?」
スケアがじりじりとバオに近づいていく。それは自然な動作に見えたが、見る人が見れば何を狙っているのかは明白な物でもあった。遂にスケアが口火を切った。
「実っていう組織を知らないですか」
「そういう、あんたらどこの組織のもんだ?」
二人の視線は合わない。それは、単純に見ている方向が違うだけではない。
「私たちはですね・・・」
「いたわよ!」
瓦礫の中から雫はリオンを発見した。
「本当か」
ドントが駆け寄る。そのまますぐに彼を掘り出し、横にした。真剣な様子で体の無事を確認する彼に近寄り、少女も少年を心配そうにのぞき込む。
「生きてる?」
「気絶しているだけだ問題ない」
ほっとした表情の彼女であったが、すぐに呆れたものになる。
「それにしても呑気な顔して寝てるわね」
「雫」
「なによ、気安く呼ばないで頂戴」
雫が彼を振り返ると、般若の面で表情こそ見えなかったが、面から伺える彼の瞳はまだ任務中のそれであった。
「撤退の準備をしろ」
「何でよ、ちょっとくらい休憩しても―」
少女の声は遮られた。後方からの戦闘音によって。
「紫電‼」
「火遁・豪火球の術‼」
雷鳴が轟き、火炎が躍った。黒煙が立ち込める。煙から飛び出したのは二つの影。
「やっぱてめえら裏の者じゃねえな」
「大人しくそこのリオン君を渡してもらえば命は取らないでおきましょう」
少年を庇うように雫とドントが立ちふさがる。バオがアフロを掻き揚げながら、軽薄に笑う。
「いい加減その、不愉快な敬語を止めてくれねえか。スケア。いや、六代目・火影さんよ」
「あっ、ばれちゃってた?」
スケアがポンと煙に包まれたかと思うと、代わりに現れたのは片目に一本傷を持ち、銀髪にマスクの忍。その名も、コピー忍者のカカシその人。
「さっきの紫色の雷遁、あそこまで精密にチャクラをコントロールできる忍を俺は他に知らないね。加えてあんたら雲隠れからチャクラ砲を借りたなんて口走ってたよなあ。裏の者が隠れ里と交渉するなんざ、ちゃんちゃら可笑しい。何より―」
「先ほど貴様が口走った名前。そいつは忍界最強の木の葉の忍びの名だな」
「バレてしまいましたが、どうします火影様?」
カンクロウは焦った表情で指示を請う。
「いいのよ、別に。どうせここで捕まえるしね」
敵前なのにいたって自然体の彼の姿にようやく理解が追い付いて来たのか、雫が声を震わせる。
「火影ってまさかあの」
「はたけカカシ。かつては写輪眼の使い手で、千の術をコピーし操ることができる。そして木の葉の先代火影だ」
ドントが雫に軽く情報共有をした。それは彼女には逆効果だったのか余計にビビらせるだけであったが。
「写輪眼ってあの写輪眼⁉」
「ま、今はもう使えないけどね」
軽い調子で自身が写輪眼を失っていることをカミングアウトするカカシであったが、それはこの程度の情報漏洩では戦闘に何の支障も齎さないという、絶対の自信の表れでもあった。
「おれもいるじゃん」
カンクロウが蠍と書かれた巻物を広げた。ボンと白煙が巻き起こる。
「忍界最優の傀儡使い・カンクロウ。よろしくじゃん」
不敵な笑みを浮かべるカンクロウの前に赤髪の人形が舞い降りた。
「何あれ、傀儡なの⁉リオンほどじゃないけど人間とほとんど区別がつかないわ」
さっきからびっくりすること以外、ほぼ何もしていない少女にドントが指示を出す。
「雫お前はリオンを連れて逃げろ」
「分かった!」
雫はリオンを連れて駆け出した。追いかけようとした、カンクロウの傀儡の前に立つバオ。彼は道を塞がれ一旦傀儡を下げる。
「どうするドント、こいつらとやりあうチャクラはねえぞ。坊に全部あげちまったからなあ」
「倒すことは目的ではない。雫が逃げる時間を稼ぐことだ」
お互いの出方を伺っているのか、ドントとカカシは向き合ったまま動かない。この場にいる四人の中で最初に動いたのはバオであった。
「なら、小技で決めるぜ。火遁・鳳仙火の術!」
一球の火の玉が二球に、それが四球、八球とバチバチ弾け面で襲う。回避は熟練の忍でも厳しいだろう。だが、カカシには造作もない事であった。
「水遁・水陣壁」
水壁が火球を遮り蒸気が視界を遮る。一気に蒸し暑くなり、白靄が漂う。
「毒々・針々百連発」
霧に紛れ傀儡から毒針が連射される。位置が分からなくとも数を撃てば当たる。それを地で行く数の針がばら撒かれた。
「土遁・土流壁」
甲高い金属音。岩壁が毒針を弾いていく。完璧な防御。しかし、防御音がカカシに敵の位置を知らせる。
「紫電!」
千本が紫電を纏い、土流壁を貫通する。カンクロウは蜂の巣になった岩壁を見て、その中にいる人の末路も見て取った。
「一人やったじゃん」
「どうかな」
油断したカンクロウが地面に引きずり込まれた。
「ドント、そのまま抑えてろ」
バオが頭上に躍り出る。
「火炎車‼」
炎を纏った体を車輪のように回転して突進。カンクロウに直撃した。しかし、カカシはバオが勝利を確信した瞬間を見逃さない。
「水遁・水牢の術」
ドントは咄嗟に地面に沈み込み回避するも、バオはカンクロウごと捕獲された。
「ぐっ、こいつ仲間ごと・・・いやっ、ドントこいつは偽物だ!」
水中のカンクロウから塗装が剥がれ落ちてゆく。露出した部分は傀儡。いつの間にか本人と傀儡が入れ替わっていたことを悟ったバオは水牢の破壊を試みた。
「火遁・炎―」
カンクロウと思われた傀儡が破裂したかと思うと、水球を毒霧が埋め尽くした。
「土遁結界・土牢堂無」
土のドームが水牢を覆い、水牢を掻き消した。それだけではない、土のドームは外敵からの攻撃も防ぐ。敵に邪魔されずに味方を助けられるのだ。
「チャクラを吸い取った⁉あの土のドーム内ではチャクラが吸い取られるのか。なら」
紫電がドームを破壊する。が、中にはバオの姿はなく地中に穴が開くのみであった。
*
巨大な水魔の水流でなぎ倒され、原形を失った林道を、雫はリオンを抱えて全力で走っていた。
「も~。私、動くの好きじゃないのに!」
「なら俺が連れて行ってやろうかじゃん」
雫の前にカンクロウが立ちふさがった。いや、彼の操る赤髪の傀儡もセットだ。ドントの妨害がこうも早く突破されることが信じられない少女は、眉間に皺を寄せる。
「何であんたがここに」
「今頃あいつら二人は傀儡に扮した俺と先代火影に捕まってるじゃん」
もうほとんどチャクラの残っていない自分では、一粒の水滴すら作るのに難儀しそうであった。どうする私じゃあリオンを守り切れない。どうすればっ・・・
「赤秘技・機々三角」
サソリの頭部が分離し、首の空洞と胴体から針が連射される。雫は懐のクナイを取り出し、懸命に弾いていく。死角からチャクラ糸で操られたクナイも見切る。だが、とても捌き切る数ではなく、雫の服や肌が引き裂かれていく。
「やるじゃん、ならこれならどうじゃん」
先ほどの倍の針が少女と少年に、雨あられと降り注ぐ。
自分だけなら逃げ切ればいい。でも、ここにはリオンもいる。私が守るしかない!
血しぶきが舞った。
ダラダラと血が流れ、血だまりが出来上がる。三十八か所。少女に毒針が刺さった場所だ。しかし、彼女が膝を突いたのは片膝のみであった。
「・・・仲間を庇ったって無駄じゃん。この毒針は掠っただけで全身が痺れていくようになる」
「・・・・・・」
雫はカンクロウの投降の呼びかけに無言で返す。少女が片手に持つクナイを手放さないことが明白な答えであった。彼女に諦める気が無いのを感じ取ったのか、カンクロウは無言で巻物を広げる。煙が発生し、中から目が三つある、浮浪児のような身なりの傀儡が出てきた。
「これが俺の烏じゃん。黒秘儀・機機四発!!」
カタカタカタという音を立てて、雫の左右からサソリの傀儡と烏が迫りくる。
体が痺れて、クナイが握れない。彼女は半ば意地でそれを握っているだけであった。しかし、どうしても自分の中の弱気な心が諦めろと囁いてくるのを止めることは出来なかった。何もかも投げ捨てたくなる。でも、
『絶対に雫を連れて行くよ』
『僕は絶対に仲間を見捨てないって決めたんです』
あいつはどんなに絶望的な状況でも、決して思考を停止させることだけはしなかった。最後の最後まで。
なら、わたしも‼
雫はクナイを捨てた。カンクロウの口角がニヤリとつり上がる。痺毒が効いたのだと思ったからだ。
「水遁・五色鮫!」
大量の水が数十メートルの高さまで舞い上がる。津波の様なそれに五匹の鮫が凶悪な牙を覗かせた。完全にチャクラ切れだと思っていた少女がこれほどまでの規模の水遁を行使したことに完全に面食らう。
「馬鹿なっ、水の無い所でこのレベルの水遁を」
「水ならあるわっ」
林道には昨日までは存在しなかったはずの川が流れ、水滴が葉から滴っていた。
「そうか、さっきのイカのバケモンが放出した水を!」
爆流に巻き込まれた傀儡が制御不能になった。だが、そこは天才傀儡師カンクロウ。直ぐに水流の中での制御に成功した。が、水中において人形が鮫に勝る道理はない。驚異的な速度に傀儡では追いつけず、傀儡の毒も五色鮫には意味をなさない。
「・・・くそったれじゃん」
五匹の鮫がカンクロウを喰い散らすべく押し寄せる。彼には成すすべも無い。
「誰が考案したのかは知らないけど、なかなか使い勝手のいい術ね。これなら―」
「木の葉・旋風!!!」
先ほどの津波が嘘のようにかき消される。水中の王者たちは全身緑タイツに極太のゲジマユになすすべもなく蹴散らされ水泡と帰した。
「大丈夫ですか。カンクロウ君」
「おめえはっ、何でここに」
水を飲んだのか、むせぶくカンクロウを守るようにして、おかっぱの忍が左手を背に右手を前に構えた。全身から緑の光が巻き起こり、木の葉が舞い散っている。
「火影様のご指名で援護に駆け付けました‼」
「何て格好なのよ!」
もう少しだったのにぶち壊しだわ、なんか緑色に輝いてるし、服ダサいし、髪型ダサいし、眉毛キモイし。まるで珍獣だわ。
「これは失礼。僕は木の葉の青き猛獣ロック・リー‼よろしくお願いします‼」
リーの歯がキラリと光り輝く。
「よろしくしないわよっ。大体あんた、たかが体術で―」
「では、行きます‼」
「ちょっと、人の話を―」
雫の横を一陣の風が通り抜けた。今何が?
「えっ?」
「よくやったじゃん、リー」
寸前まで後ろに庇っていたリオンがリーの手の内にあった。一体どうして?
「次はあなたの番です‼」
雫へ再び青き猛獣が駆け抜ける。少女を捕えるために。だが、猛獣が獲物を捕らえることは無かった。
「悪いが、リオンは返してもらおう」
六門を開いたリーの拳をドントは完全に受け止めていたのだ。土矛で硬化したものを突破するには六門では馬力不足であったのだ。ドントが印も組まず、術を行使する。
「くっ、杜門を開いた僕の攻撃を受け止めるなんて」
「菌遁・種々腐食」
リーの右腕が腐食をし皮膚が爛れ始める。菌遁は血継淘汰。個と個を結び合わせ、有を創り出す。生み出された細菌がリーの身体を蝕んでいく。
「後15秒で全身に菌が回り全身が爛れ落ちる。大人しくリオンを渡せ」
異なるチャクラ性質が複雑に混ざり合って生まれた細菌は、リオンのⅭ4の様に雷遁では無効化出来ない。体内に入りこまれたら死は必至の未来となる。その証拠にリーの腕は腐食が止まらず、その範囲が腕を飛び出そうとしていた。だが、
「第七門『驚門』開!!!」
リーを中心に空気が跳ね飛ばされ、地面に亀裂が走る。その衝撃の前に雫は塵のように吹き飛び、カンクロウは傀儡もろとも転がり消えた。しかし、なおもドントだけは掴んだ拳を離さない。
「この青い光チャクラではないな。汗か」
「体の中の毒は青春パワーで吹き飛ばします‼」
血継淘汰と八門遁甲のぶつかり合い。菌と汗の凌ぎあい。初撃は拮抗している。決着がつくとしたら、二撃目。リーは空いた左手を握りしめた。ドントも術の行使を開始する。
「昼―」
「菌遁・殺―」
カカシの声が響いた。
「リー、今すぐ離れろ‼」
リーは瞬間移動したかの如く、退避する。すかさずカンクロウとリオンを抱えたカカシがリーを伴って、煙と共に消え去った。
ドントは痺れる腕を振りながら呟く。
「全てはシンゲン様の読み通りという訳か」
*
火の国火影室に一陣の煙が発生した。煙から現れたのは、四人の人影。
「どうして止めたんですか?」
「あの忍びは、ほとんどチャクラが残っていないにも関わらず、俺とカンクロウを相手取った。なおかつ、カンクロウが偽物とわかった途端、即座に撤退する判断力。こういう手合いは何をしでかすか分からない。それにもう二名捕獲したしね」
リーはカカシ先生が言うことならガイ先生同様、基本的に全幅の信頼を置いているため大人しく引き下がる。
「分かりました」
カカシは珍獣でも見るような眼差しでリーを見つめた。
「それよりその右手、大丈夫なの?」
「はい、表面だけですし全然平気ですよ」
「いや全然大丈夫じゃないじゃん」
カンクロウも未知の生物とでも遭遇したかのような視線でリーを見る。リーの右腕は異様な色に変色し、だらだらと血が流れていた。
「リー、直ぐに医療忍者に見てもらいなさい」
「かしこまりました!では失礼します」
リーは火影室を退室し、入れ替わりでシカマルが入ってきた。
「先代様、出来れば今日中に報告書を書いていただけると、助かります」
「シカマル、もう僕もそこそこ歳を取っているんだよ。できれば明日が良いかなぁ・・・・・・なんて」
先代火影と現火影側近のなあなあのやり取りに、カンクロウはため息を吐く。
「ところでこの少年どうするじゃん。出来れば砂で―」
「いや、リオン君は取り敢えず木の葉が監視するよ」
今回、少年らを捕獲したのは全て木の葉の忍の功績の為、取り得ず受け入れるしかなかった。
「残念じゃん。こんな精密な傀儡是非とも・・・。ゴホンッ!こいつには老中暗殺並びに土影の暗殺未遂の嫌疑が掛かっているじゃん」
「それについては、本人から聞き取り次第報告させてもらうよ」
カンクロウの質問がひと段落したのを見計らって、シカマルが口を開く。
「で、こいつはどこ所属なんですか?実ですか?」
「いや、実の代表ではなく土の代表の仲間だったから、それは違うと思う。それが、土の傭兵団なのか暗殺集団なのか、はたまた諜報組織なのかは分からないけど」
はっきりとした情報を掴めなかったからなのか、若干申し訳なさそうなカカシであったが、シカマルの方は取り敢えず情報源の確保が出来ただけでも上出来だと思っていた。どちらにせよ、面倒事の未来しか見えない彼は火影室を出たら今すぐ一服しようと決意する。
「にしても、向こうで何があったんですか?ここからでも見えましたよ巨大な閃光が。リーの腕もあんなことになってるし、めんどくせー」
「まあ、後でゆっくりね」
*
雫は憤慨していた。怒りのあまり左右のクロワッサンは蛇のごとくうねっていた。
「なによ‼なんなのよ、あのキモ眉。なにが、ふっ、木の葉旋風よっ」
「落ち着け、リオンは殺されたわけじゃない。貴重な情報源だからな。なら、助けに行けばいいだけだ」
まだ右手が痛いのか腕をさり気なくフルフル振っているドントに、カチンとくる少女。
「なんであんたはそんなに冷静な顔してるのよ。心配じゃないの⁉」
雫は鷹の如き瞳をさらに吊り上げながら、ドントに詰め寄る。が、顔をしかめすぐに距離をとった。
「大体、どこに助けに行けばいいのよ」
「木の葉だ。リオンにはマーキングをしてある。それに、土の暗部では情報が漏れないように特殊な呪印が施されているからな。暫くは安心だろう」
彼は雫の飲の書から氷水を取り出し、右手を冷やしながら言った。
「でも相手はあの木の葉よ、大国最強なのよ。下手を打つと全員お縄よ」
「・・・確かに策は練る必要がある。いったん、アジトに帰還しよう」
ドントが少女に手を伸ばす。逆口寄せで帰投するためだ。しかし、一向に雫はドントに近づこうとしない。
「何してるんだ、近づいてくれないと逆口寄せに置いて行かれるぞ」
「嫌よ」
「・・・・・・何故だ?」
おもむろに雫は口を開いた。
「臭いから。あんた」
「・・・・・・」
微妙な空気になった所に、バオが起き上がる。
「あ~、やっと毒が抜けてきた。うわっ、汗臭さ」
「俺じゃない、あの体術使いの汗だ」
ドントの背にはどこか哀愁が感じられた。
*
五芒星が点滅する。
ピチャン、ピチャン。
血が滴り落ちる。
幽霊のような赤いガウンを全身に纏い、頭からすっぽりと三角帽子を被った集団がずらりと並ぶ。
五芒星の中心に一人の男が立っていた。男は薄汚れたべっとりとした黒髪に黒いローブを纏い、黒く古びた本を持っている。
「諸君。時は満ちた。数千年前、我々は決して口にしてはならない禁断の果実を口にした。そう、チャクラの実だ。その時より人々は原罪を負い、醜く争い続けた。だが、それも終焉の時。神の御子を復活させ、その死をもって原罪を贖い。それをもって、主の再臨を成し、我々は穢土から解放される」
五芒星が真紅に輝く。
「数千年の時をかけ、我々は遂に遍く全ての人々に主の御手を届かせよう。審判の時だ。さあ、汝、隣人を殺戮せよ。これより、木の葉の里に向かう、我らが御子・飛段様の復活の為に。そして、我らがジャシン様の為に」
「「「我らがジャシン様の為に」」」
次話からは新章・木の葉編が始まります。
今話までで、どうにかエタらずに無事、七名の暁の術を出す事に成功出来ました!先が長い。後、あらすじの逆三角形って皆さんどうやっているのか・・・
ペイン(長門)視覚共有・謎の杭 今後出す予定
小南 無し 未定
オビト 開尾法印・謎の杭 未定
イタチ 豪華球・鳳仙花 今後出す予定
鬼鮫 五色鮫・水牢の術 今後出す予定
デイダラ いっぱい 今後出す予定
サソリ いっぱい 今後出す予定
ゼツ(白) 無し 未定・ご本人が健在
ゼツ(黒) 無し 未定
飛段 無し ご本人が一応健在
角都 土矛 ガンダム
大蛇丸 無し 未定・ご本人(ry