さて、ゾルザルという人物(キャラクター)について、皆はどれだけ知っているだろうか? 正直俺はアニメでしか知らない、原作は読んでないのでね。だからこそ、そこまで細かくはしらないので軽く思い返してみようと思う。
『ゾルザル・エル・カエサル』
帝国の第1皇子。物事は自分の思い通りになるのが当然と考え、そうならないことを理不尽と感じる傲慢かつ幼稚な性格。アニメでもその性格を存分に振るい見事なまでの『愚者』を演じていた。それは隠れ蓑であり本当は劣等感が強く臆病な性格らしい。
さて、これを見る諸君等はこの人物をどう思うだろうか。
俺から言わせてもらえば…………はっきり言って小物だ。
皇帝の最初の子ということもあって周りからそれはもう大事に大事に甘やかされて育ったのだろう。特に苦労することなく欲するものがあれば何だって直ぐに手に入る。まさに極上の生活を送ってきた『糞餓鬼』。
それが俺がこの人物に対する印象だ。自分の是とすることが正しいと思い込み、その結果気にくわない物事なんかに遭遇すると癇癪を起こして暴れる。まさに糞餓鬼としか言い様がない。そんな性格をしている男が当然『皇帝』の器なわけがなく、こんな奴を次期皇帝にと考えている周りの連中の気が知れない。そう考えるとこの帝国首脳陣さえ心配になってくる。
そんな奴だ、心の歪んだ糞餓鬼のまま、デカくなったがために性欲任せに獣人の部族を滅ぼしてそこの族長を性奴隷にするなんていう馬鹿丸出しのことを胸を張って自慢するわけであり、そんなクズだから調子に乗って我儘ばかりするわけで、そして巨乳自衛官に半殺しの目にあうのである。
つまり何が言いたいのかといえば…………俺はそんな目に遭うのは御免だということだ。
別に自分が善人だとは思わないがそれでも分別はある。そしてそんなクズになる気は毛頭ない。異世界に来たのだから無双したいとは思ってない。いや、特典とかも特にないから出来ないけどね。それがあろうがなかろうが関係ない。俺はただ、普通に生きたいだけなんだ。人として普通に暮らして寿命を全うして死ねればそれでいい。そこに可愛い女の子と出会って結婚して家庭を持てたら更に幸せだが、それは欲張りというものだろう。異世界に来たからってそんな良い目にあうわけではないのだから。
だが、そんな細やかな夢も叶いそうにない。何せ俺は『ゾルザル』なのだから。この帝国の第1子、つまり王位継承権第1位の王族である。普通に暮らすのはまず無理だろう。原作の馬鹿がどんな風に過ごしてきたのかはしらないが、俺が求めるものは一切無いだろう。既に詰み状態に近い。絶望的でさえあるだろうよ。
だから俺まず始めるべきはこれからだ。
『ゾルザル育成計画』
原作のような汚いゾルザルではなく『綺麗なゾルザル(俺)』を作り上げるのだ。そんなご大層な計画を掲げるわけだが中身は単純だ。
つまり遊び呆ける馬鹿ではなく、勤勉に真面目な好青年。周りが正式に認める王となるのだ。
つまり『優しい王様』に俺はなる!
ふぅ、どこぞの魔物の少年と同じ事を言ってしまったが、彼の気持ちも少しは理解出来る気がする。きっとこれこそがフラグの回避方、そして真の意味で『帝国』に安寧をもたらす方法だ。
だからこそ…………さぁ、始めよう。
『ゾルザル育成計画』を。
始まりました育成計画というわけだが、最初の方は特に何もしない。
何せ身体が満足に動く訳でもなく頭も働かないのだから。なので物心つく……つまりこの身体の支配権を完全に掌握してから計画の始動だ。
年齢にして3歳になり肉体がやっとそれなりに動くようになってきたのでまず最初に行うこと。それは………………。
「ちちうえ~♡」
「おぉ、ゾルザル! まったく、可愛い奴め」
「陛下、当たり前のことを言わないで下さい。我が子が可愛いのは当たり前の事でしょう」
ぶっちゃけ媚を売ることであった。
笑顔満載でとてとてと歩きながら皇帝に抱きつく俺に皇帝はいつもの厳つい顔を若干緩ませながら俺の頭を撫でていた。そんな俺に母親は俺と皇帝の二人を慈愛に満ちた目で見つめる。まさに家族愛に満ちた光景であった。
でだ、何故こんなことをしているのかと言えばだ。まずは地盤固めというのが正解だろう。当たり前のことだが親に好かれる子供というのは好ましい。そしてそんな子供に周りは警戒心を抱かない。だから最初はこれでいい。良くある転生物ならチートな頭脳を駆使して天才と持て囃されるものだが逆に考えてみようか。物心ついた頃合いの幼子が大人顔負けの知恵を振りまく。それもより革新的であり試せば確実に成果を出すようなことをだ。ぶっちゃけ不気味としか言い様がない。年相応でないというのはある種の異物感を生み出す。そしてそれは最初こそ持て囃されるがやがて不気味がられ恐れられるのだ。その結果、暗殺されるなんていうのはよくあることである。それは歴史が証明している。それにだ、下手に出る杭というのは打たれるというのは相場が決まっているのである。彼の源 義経もそうだし織田 信長もそうだ。天才だったり革新的だったりする人物は得てして敵を作りやすい。だからこそ、まず最初に俺がすべきことは………味方を作ることだ。それが例え厳つい父親であろうとも。目指せ、万人に愛されるスーパーアイドル『ゾルザルくん』。
言ってて気持ち悪いが我慢しよう。だってそれが彼の皇子のようになるためなんだから。
そう、『ヤサスィ~ン』な皇子にね。アレが理想だからさ。