多くの力を借りて僕は英雄〈勇者〉を目指す(ゼルダの伝説×僕のヒーローアカデミア)   作:油揚げパン

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ナビィのコンタクト能力

 迷いの森ー早朝

 

 リンクは牛とコッコに餌を上げた後、家を出て森の入口まで来た。

 昨日父さん達には事情を話しているので、受け入れの準備をして貰っている

 

 リンクが到着する時には森の入口に、5tの給乳トラックが1台、輓馬と運搬用ソリが2台準備されていた。

 

 ソリには2KLタンクがそれぞれ1つづつ付いており、このタンクに原乳を入れて運ぶ予定だ

 

 「ロマニさーん、準備出来てる?」

 

 「えぇ、久し振りに輓馬やるからあれだけど、問題ないわ」

 

 「大丈夫なの?」

 

 マヤが心配気味だ

 

 迷いの森では複雑な機械の類いは止まってしまう。なので森の入口から自宅までの区間は馬にソリを引いて貰う

 

 雪道なので下手に車輪が付いたのだと横滑りが大変な事になってしまう、馬もそれに合わせサラブレッドではなく、体が大きい輓馬に引いて貰う

 

 リンクが先頭のソリを引き、後ろからロマニさん達の剃りが付いてくる予定だ。

 

 「後は[ランタン]にオイルを入れて…」

 

 ソリの右前にはランタンが引っ掛けられる様になっており、ランタンにはクリミアさん達の家直伝[デクの実]から作ったオイルを使っているらしく、このオイルが燃えているお陰で森の妖精達にイタズラされずに済んでいるとの事

 

 森の霧もランタンのお陰で周囲が晴れてくれるので、家族以外には絶対教えないそうだ。リンクも絶対他の人に教えるなと注意された。

 

 「じゃあ、出発!」

 

 「お願ーい!ゆっくりね!」

 

 

 リンクは手綱を持ち、ゆっくり前に持って行くと輓馬が歩き始め、2台のソリは森の中に入って行った。

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーー

森の中

 

 出来るだけ真っ直ぐで広い道を見つけながら森をゆっくり抜けて行くリンク達

 

 今は歩くより少し遅い位の速度で緩やかな坂を登っている

 

 「リーンク!」

 

 「あれ?マヤ?」

 

 「暇だからこっちに来ちゃった。」

 

 マヤが後ろのソリを降りてこっちに登って来た。

 

 「ねぇ、東京はどう?」

 

 「どうもしないよ、寮生活になってから殆ど敷地の外に出る事ないし…妖精が増えてトラブルが多い位かな?」

 

 「そっかー!じゃあワタシがヨシヨシしてあげよう」ス…

 

 リンクはマヤの伸ばして来る手を弾いた

 

 「やめい!いつまでも子供扱いするな」バシ!

 

 「ワタシより身長ひ…「その先ゆったらここに置いてぐ」冗談よ!本気でヤメて!」

 

 そんなやり取りをしていると急にナビィが帽子から飛び出した。

 

 「[コンタクト]ガ使用サレタワヨ」

 

 「コンタクト?」

 

 ナビィがリンクの前でフワフワしている

 

 ルクスからか…

 

 『モシモシ?』

 

 「亀よ〜亀さんよ♪」

 

 『ブフォ!…』

 

 ヨシ!定番のネタが通じた様だ

 

 「まだそのネタしてたの?」

 

 「いつか流行らせる」

 

 リンクはフザケているがルクスからの連絡は何だろう

 

 『くっ…り、リンク兄さんフザケすぎ』

 

 「ハッハッハ〜所でご用はなあに?」

 

 『えっと、今日って城下町に来る?』

 

 城下町か

 

 「今日の納品先は城下町までだから近くに行くよ」

 

 「ちょっと!ナビィにこんな機能付いてたなんて聴いて無いわよ」

 

 「ちゃかましい。ルクスと話してるの」

 

 『…ネェ、リンク、誰か女の人と一緒にいるの?』

 

 …あれ?何か声のトーンが変わった様な…

 

 「今、牛乳の配達を手伝ってるんだ。中学時代の同級生だった操記 マヤって言うんだけど」

 

 とりあえず紹介しよう

 

 「どうも〜紹介にあがりました。マヤです……彼女です!」

 

 「『…はい?』」

 

 ルクスとリンクは思わずシンクロしてしまった。

 

 『彼女…リンク兄さんに彼女…』

 

 「ルクス!?ボクには彼女はいない!こんな奇天烈百科小説家を彼女にするつもりもない!」

 

 「酷い!?中学の時将来を誓った仲じゃあないの!」ニヤニヤ…

 

 「それはマヤが文豪になるって将来の夢の話だろうが!!」

 

 『……随分仲がいいのね』

 

 「まあね!リンクはワタシがあってこそ…」

 

 『そんな事ないもん!ルクスとだって仲がいいもん!』

 

 「そうなの…所でルクスちゃんは何歳?」

 

 『8歳よ!立派なレディなんだから!』

 

 おーい…何か変な空気になっちゃったぞ

 「そ、そう、リンク兄ちゃんは優しいんだね」ニヤニヤ

 

 マヤがめっちゃニヤニヤしてこっち見てる!

 

 『そうなの!前にね、森の中で優しくギュ…てしてくれたもん!』

 

 おーい!口車に乗せられて暴露大会になる前に止めねば

 

 「そ…そうなんだ…」

 

 思わず引き始めるマヤ

 

 「ルクスさん?そろそろ…『そしてねリンクがギュってしたらくすぐったくて、お腹がギュ!ってなってアタマがフワフワして』ルクス様!それ以上は…」

 

 「…アンタ、もしかして…ロリコン?8歳の子供に何をしてんのよ」

 

 「違う!ルクスが足を挫いていたから…」

 

 「抱きしめたと…自首するなら今よ」

 

 「だから違うって…」

 

 『それにベットで一緒に寝た時もあるんだから!』

  

 マヤがスマホを取り出した

 

 「ヤーメーロー!」

 

 リンクはマヤに飛びかかった!だがマヤにアタマを抑えられた

 

 「完全に事案じゃないの!(ついでに記憶ゲット♪…そう言う事ね…面白いからそのまま弄ろう♪)」シュイン…

 

 「勝手に向こうがベットに潜って来たんだ!」

 

 『リンク兄さんね、寝る時抱きつく癖があるから…でも良い匂いだったよ?』

 

 「通報…ち!圏外か…」

 

 「やめい!!!そんな積りじゃ…」

 

 『兄さん…ルクスの事嫌いなの?』

 

 「嫌いじゃない!嫌いじゃないけど…」

 

 『じゃあ好きなんだ♪フフッ…嬉しい♪』

 

 「…このロリコン」

 

 マヤが蔑む目でこっちをみている!

 

 もう!!どうしたら良いんだよぅーーー!!!

 

 そんな様子をメモる記者ロマニさんが後ろにいました。




 給乳車…街でガソリン等を運んでいるタンクローリーの牛乳版、普通のタンクローリーより中の仕切りが多く、冷蔵機能が付いている

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