多くの力を借りて僕は英雄〈勇者〉を目指す(ゼルダの伝説×僕のヒーローアカデミア)   作:油揚げパン

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ペガサスの靴

 早朝、4:45頃

 

 リンクは起きて装備を整え、宿舎裏にある大きな養鶏場へと向った。ドームの様になっている養鶏場は普通の養鶏場とは違い、壁が全部鉄で出来ていた。

 

 するとリンクルさんや他の防弾ジョッキに特殊グローブと籠を装備した若い職員と一緒に、まるで戦争でも行くような雰囲気に驚くがリンクル姉さんに聞いた。全員で10人位か

 

 「おはよございます…」

 

 「リンク、ちゃんと起きて来たわね。」

 

 リンクル姉さんはペガサスの靴を履いている。…それって戦闘用じゃあ…

 

 「…卵の回収なのになんでそんなに重装備な人ばかりなの?」

 

 「あんたねぇ、コッコを…舐めんじゃないわよ!ハイラル市役所新人研修で卵の回収…去年の死亡者は6人も出てるんだから!」

 

 「なぜそんな危険な物を新人研修にした」

 

 大体普通に卵を取りに行くだけだろ

 

 「…あれ?リンクの家ってコッコ飼ってるんだっけ?」

 

 「いますよ?」

 

 うちの花子に良く群がってるし…

 

 「本日、谷田部が負傷したため代わりで来とる養鶏管理の花山や!今日のノルマは1人20個の卵の回収や!今日は農水省からの依頼で何時ものより多いが…時間や!気張って行くで!!」

 

 リンク以外が緊張の面持ちで、鉄の扉がゆっくりと開かれた。

 

 「前進!」

 

 

 そう言って入ると二重構造の扉になっており、扉と扉にあるスペースに入って行くと何人かが震え初めている。

 

 「…あの…大丈夫ですか?」

 

 「ひ!…新人か…気を付けろよ…オイラは助ける余裕ねぇからな!」

 

 …どんだけコッコにおびえてるんだよ

 

 「さぁ行くでぇ!業務…開始や!!

 

 扉が開くと温かい春の様な風が入って来た。そこには3方向に巣箱がある暖かく柔らかな光も入った部屋だった。かなりの大きさではあるが床には沢山の藁が敷かれており、匂いも殆ど無い、しっかり管理されているコッコがノビノビと過ごしていた。…百羽以上いないか?

 

 若い職員が1番手前にある巣箱の方に向かうとゆっくり卵を回収し始めた。

 

 そして別の職員が奥に向かっている

 

 「…別に問題無さそう…あ!」

 

 別の職員が雛を蹴飛ばしてしまった。

 

 「あ…や…やっちまった!!逃げろーーーー!!!

 

 1人が叫ぶと一目散に出口に駆け出した。

 

 コッケコッコーーー!!!

 

 コッコ達は蹴飛ばした1人に向かって飛びかかり始めた。

 

 「危ない!」

 

 リンクルは脚に力を込めると電気が飛び交い一気にトップスピードに加速し、襲われている職員をすれ違いざまに連れ去った。

 

 「さっさと入口に戻りなさい!!」

 

 「は…はいぃィ!!!」

 

 「リンクはそのまま卵を回収!それじゃ!」

 

 「え!?ちょっ…こんな数はじめ…ぷ…Plus Ultraァァァァ!!!

 

 リンクルは他の職員の救出優先し、リンクは仕事しやがれと見捨てた。

 

 卵を狙う卵泥棒とコッコ達に狙われたリンクは駆け抜けた。

 

 コッコ達は矢より早く、槍の様に嘴で突き刺す攻撃をしてくるがリンクはスレスレの所で躱す。

 時にジャンプ、前転、壁キック、伏せ、まるでアスレチックで遊ぶ子供の様にコッコの猛攻を交わしていく。 

 

 そして卵を籠の卵ケースに入れてはまた駆け出すリンク

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 入口の非難所ではそんなリンクを見て「…嘘だろ?」って目が点になってる若い職員達

 

 「ちゃんと事前研修で伝えたでしょ!コッコは真っ直ぐしか攻撃してこないから常に動線からズレれば怖くないって…」

 

 しかしリンクは40羽以上のコッコから全方位攻撃を躱し、いなし、飛び越えて卵を回収していく。そして7分程で20個の卵を回収し安全エリアに滑りこんだ

 

 「ねぇさん!いくら何でもいきなりこの量は無理だよ!?」

 

 そう言ってはいるが服はボロボロになっても卵はキッチリノルマ達成したリンク

 

 「何を言ってるの!?こんなの初歩中の初歩じゃない!!大体何でそんなにボロボロなのよ!」

 

 「あんな数初めての上、1回でも攻撃喰らって袋叩きに会うコッコ相手にこんなの流石に死ぬ!!」

 

 「うるさい!!」

 

 「ぐペギャプ!…」ドン!…ベチ!バタン…

 

 リンクルはリンクに横蹴りをし、横の壁に吹き飛ばした

 

 「たかがコッコの卵回収如きで泣き言言ってんじゃないわよ!蹴飛ばすわよ!!」

 

 「も…蹴飛ばし…痺れ……」バチバチ!!ピクピク…

 

 ペガサスの靴の効果で電撃も一緒に食らったリンクは床に蹲ってる

 

 「フン!…「バシ!」…まぁノルマは達成してるから20点あげる、アンタは先に休んでなさい」

 

 蹴飛ばした弾みでリンクが落とした職員カードに実績を入力し、リンクに投げ返した。

 

 「…リンクルはん?流石にやり過ぎや無いかと思うんやけど…」

 

 「あ゛あ゛ん゛!?リンクなんてこれぐらい追い込む位で丁度良いのよ!…他の皆さんもがんばって卵を集めて来てね♪」

 

 

 あからさまにリンクへの対応と他の若い職員が違うリンクルの指導に怯えている。

 

 「…これ…あかん…(今年の新人…何人かな…)」

 

 せめて新入職員が0人にならない事を祈るって花山だった。

 

 

 

 

 




ペガサスの靴…リンクルが持っている勇者コレクションの1つ、電気によって脚の筋肉を極限まで高め、繰り出す蹴りは岩も容易く蹴り砕き、走れば普通の人間では追いつけない速さで駆け抜ける事が出来る。

 リンクルの場合は最高時速120㎞まで加速できるがそこ、まで加速すると今度は曲がれ無いのでスピードは普段は抑えている。最高速からの飛び蹴りはリンクル一撃必殺の技でもある『ペガサスシュート』と言う技もある。

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