多くの力を借りて僕は英雄〈勇者〉を目指す(ゼルダの伝説×僕のヒーローアカデミア)   作:油揚げパン

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魚雷妖精

 こってりと絞られたリンクはウオトリ漁港の近くにあるウオトリ海底調査㈲という会社まで来たのだが…

 

 「ここ…だよな?」

 

 「…看板ガ落チテ『ウ  リ 底調査㈲』ニナッテルワ」

 

 いかにも廃業寸前って感じがする建物だった。…ログハウス風にはなっているが風化してホラーハウスに見えなくもない

 

 「早く入るッス!」

 

 「そうであります!」

 

 「まぁ連絡は事前に行ってる筈だし…」

 

 取り敢えず中に入って見るリンクだった。中に入ると古い机に海図、1番奥には似顔絵や写真が並んでいた。

 

 「…よっこらしょ!…ん?あんたは?」

 

 救命胴衣の入った箱を運んでいたオッサンがいた。

 

 「はじめまして、ハイラル市役所から派遣されて来たリンクといいます。」

 

 「…また随分若い奴が来やがったな…まぁいいそっちの部屋で待っててくれ。」

 

 言われた方向を見ると応接室と書かれていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 応接室には奥に古い海底写真が飾ってあり、リンクはそれを眺めているとさっきのオッサンが入って来た。

 

 「…いい絵だろう?」

 

 「コイツはオレの爺さんが撮った写真なんだ。…おっと!自己紹介して無かったな!オレの名前は春樹・ラインバック!13代続く伝説の海の男だ!覚えときな!」

 

 それとなくパイプ椅子に片足を乗せて肩にジャケットを乗せてでカッコをつけるラインボルトは絵の説明をしてくれた。

 

 「コイツはオレの爺さんがガキん頃に見た物を絵にしたらしいんだ。これは城の遺跡じゃねぇかって思ってる」

 

 「城の遺跡…ロマンがありますね」

 

 「だろう!!わかってんじゃねぇか!…海の男になりたての頃、オレは昔にこの絵にそっくりな場所を見たんだ。オヤジに連れられてるときに運悪く嵐が来てな、その時海に落ちて渦潮に巻き込まれたんだ。…その時だ!ガキん頃は嘘だと思ってた場所をたまたま見ちまったんだ!あん時の爺さんの話にあった海底に沈んだ王国の話は本物だってな!」

 

 ラインバックは生き生きしながら話すがそのまま力なく椅子に座った…

 

 「…でもあれから何度も近くの海域をレーダーで探しても見つからねぇ。まぁいつかは見つけてやるさ、きっと見つけたらきっとスゲェ宝が見つかるぜ!っと…牧場リンクか、個性が『音楽妖精』?」

 

 「はい!妖精の力を借りる個性です。…海だとこの2人の力を借ります」

 

 すると両肩にシィとショットの艤装妖精が登り敬礼した。

 

 「…ほう、どんな妖精なんだ?」

 

 「シィが艦載機の妖精でショットが砲術…砲撃艤装の妖精で、船の古い物に住み着いているのを良くみます。」

 

 「へぇ〜…こんなのヌイグルミみたいな奴がねぇ」

 

 

 「「ヌイグルミじゃねぇッス!!」であります!」

 

 「しゃ…喋ったぁ!!?」

 

 ラインバックは驚いている。

 

 「じゃあよ!もしかしたらオレのお宝の中にもいるかもしれねぇな」

 

 「お宝?」

 

 「おう、オレのお宝の中に昔の日本軍の酸素魚雷があるんだよ。危ねぇパーツは専門家にバラして貰って飾ってあるんだ!…見るか?」

 

 「見たい!」

 

 「そーかそーか!いろんな海底からサルベージした奴見してやるよ!」

 

 そうラインバックが言うと裏にある倉庫へと案内された。かなり古い倉庫の中に入ると、土器に剣、皿や銅鏡、かなり古い羅針盤が並んでおり、その中で一際大きく布に隠されている物があった。

 

 「これが…オレ様自慢の一品…大日本帝国海軍の九五式魚雷だぁ!!」

 

 そこにはフジツボで腐食した跡があるが先端が赤色の魚雷だった。

 

 「デカ!ふとぉ!?」

 

 「フッフッフ!いいリアクションありがとう、コイツはオレが15年前に引き上げた奴なんだ」

 

 「へぇ〜……ん?」

 

 「どうした?」

 

 「いや、あそこ…」

 

 そこには干からびた大根の様な物がスクリュー手前の羽に引っかかっていた。

 

 「「!!!?試製FaT仕様九五式酸素魚雷改水雷妖精殿ォォォォ!!」」

 

 シィとショットが干物になっている何かに駆け寄った。

 

 「ファット?なんだその長いネーミング…」

 

 いきなり長い名前が出てきたが長い名前はどうでもいい

 

 「生きてるッスか!?試製FaT仕様九五式酸素魚雷改水雷妖精殿ォ!!」

 

 どうやら干からびたのは妖精だった様だ。

 

 「…とうとう…仲間が…むかえに…なむさ…」

 

 「迎えにはきたでありますが送るつもりはないであります!!リンク提督!早く契約するであります!」

 

 「ふ…泳げない魚雷は…ただの水雷…」

 

 …これって大丈夫なのか?

 

 「おい、なにがどうなってんだ?」

 

 「気にしないでラインバックさん、艤装妖精の仲間を見つけただけだから…」

 

 リンクは干からびた妖精に触れ、手の三角痣が黄金色に輝き、ラインバックにも干からびた大根の様になってる妖精さんが見える様になった。

 

 「うお!…シオシオに枯れてるのが妖精って奴か?」

 

 「そうだよ。取り敢えず…」

 

 リンクはシーカーストーンから花子のミルクを取り出し、スポイトで少しずつ飲ませてあげた後、シーカーストーンの中で休んで貰った。明日には回復してるだろう

 

 「名前…ライでいいか」

 

 水雷妖精だからライという超安直な考えで決めた。

 

 「…以外に身近にいるんだな妖精って…他のも見るか?当時の沈没した戦艦の双眼鏡や潜水艦で使うヘッドホンとか色々とあるぞ?…さっきみてぇに干からびてるとかこっちもいい気しねぇしな」

 

 「…お願いします…これは?」

 

 そこにはフジツボだらけの箱があった。それも5こも

 

 「それか?ちょっと前に沈没船から出て来た何かの箱みてぇなんだが、チェーンソーでも歯が立たねぇから取り敢えず置いてあるんだ。」

 

 「ふ〜ん…ん?」

 

 リンクが触れると鍵穴の三角マークが光を小さく放ち、ガキが落ちる音がした。

 

 「………ラインバックさん」

 

 「どうした?」

 

 「開きました」

 

 「………ハぁ!?本当に開いてるし!」

 

 「え〜っと…中身は…石?」

 

 リンクは青ルピーを手に入れた!…今箱を開けたら変な音楽が流れて来たような…ゴマダレ〜!…みたいな

 

 「…おいおいおい!ちょっと他の箱も開けて見ろよ!後それはオレのもんだからな!!」

 

 そう言ってリンクから青ルピーを奪い取ったラインバック

 

 ラインバックは青ルピーを手に入れた!

 

 「ついでだ!このまま倉庫整理しようぜ!」

 

 そして古い倉庫の掃除を手伝わされるリンクだった。

 

 

 

 

 

 


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