多くの力を借りて僕は英雄〈勇者〉を目指す(ゼルダの伝説×僕のヒーローアカデミア)   作:油揚げパン

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事務処理

 医務室から新人用の研修室に戻ったリンクは、リンクル姉さんが置いたであろう依頼書を見つけ眺めていた。

 

 「…高得点ではあるが…」

 

・水深1800m海底火山でラネール鉱石探索(難易度A)

・妖精の泉の枯渇問題解決(難易度A)

・ハイラルに眠る3大古代龍の探索(難易度S※証明の為に要鱗か角のカケラを持って帰る事)

・伝説の星のカケラの探索(難易度A)

 

 …無期限任務が4つ…なんだよ古代龍って!Sランクって国が動くレベルじゃなかったっけ?

 

 「う〜ん…どうしよう…」

 

 「あら?リンク!何悩んでいるの?」

 

 「ラナさん、姉さんがこの任務受けろって…」

 

 「どれどれ……………リンク?」

 

 「何?」

 

 「最後にリンクル見たのどこ?」

 

 「二階の廊下、西館の方」

 

 「…リンク?受ける受けないは個人の自由だから自分で決めていいわよ。無期限だし、ちょっとリンクルお話してくるね」

 

 そう言って笑っているのか怒っているのか微妙な顔をしたラナが駆け出した。

 

 …そっとしておこう

 

 ーーーーーーーーーーーーーー

 

 特別生物対策科に来たリンクはリンクルの机に置いてあった依頼書を持って、受付して貰おうと来たが…あれ?

 

 「…インパ課長は医務室として…誰もいないぞ?」

 

 「オカシイワネ」

 

 ナビィと見渡していると職員の人が話しかけて来た

 

 「あ!君!新しい子?」

 

 「はい?」

 

 「デスマウンテンのドドンコの資料リンクルさんにお願いしてたんだけど…まだ来なくて…」

 

 「どんな資料ですか?」

 

 「新しい生息域の資料なんだけど…」

 

 「姉さんだと…ちょっと待って下さい。」

 

 そう言ってリンクルの机に座ったリンク、中学時代にリンクルの身代わりを何度かした事があったので、勝手にパソコンを開き、その資料を開いた。

 

 「…まだ作りかけですね。」

 

 「そんな!あと1時間で締め切りが来ちゃうのに…」

 

 「あぁ…ちょっと待って下さい。…ここを…こうして…こうして…」

 

 …20分後

 

 「この資料で大丈夫ですか?」

 

 そう言って資料を職員に渡した。

 

 「…うん…リチェックしたら声かけるね。」

 

 「君新人?ちょっといいかな?」

 

 ドンドン色々と声をかけられていくリンク…

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 2時間後…リンクル達が戻ってきた

 

 「もう!いい加減面倒な依頼書人に押し付けるのやめなさいよね!?」

 

 「いいじゃない!3日振りの仮眠なんだから!」

 

 「だからって新人のリンク…リンク?」

 

 パソコンの前でカタカタキーボードを叩くリンクがいた。

 

 「あ、姉さん」

 

 「リンク?なんでここに…」

 

 「姉さんのドドンコの資料片付けといたよ。締め切り前だったんでしょ?」

 

 「え?…あ!忘れてた」

 

 「環境省に提出するコッコの異動願い、日にち別に纏めておいたよ。エクセルに分けといたから少しは効率が上がるだろうし、それと…ラナさんとの共同任務報告書、後で前みたいに資料纏めといたから…はいこれ」

 

 そう言って資料を渡すリンク、そしてリンクルとラナが中身を確認している。

 

 「…ちゃんと出来てる。しかもリンクルが作ったっぽい」

 

 「伊達に中学の時、身代わりを何度も「シィー!」…あ」

 

 「…リンクル?」

 

 「アハハ…もう、時効よ!ジ・コ・ウ!」

 

 「…ほう、それは気づかなかった。」

 

 「そ…その声は…部長!?」

 

 「コンのぉ…バカモンがぁ!!」

 

 松葉杖でやって来たインパ課長がリンクルの後ろから現れた。

 

 「…まぁいい…リンクル、ラナ、明日から私とヴァルカはいないので後は頼んだ。」

 

 「…どうしたんです?その怪我…らしくない」

 

 「うぐ!……ちょっとな」

 

 「請求書とかはどうします?」

 

 「取り敢えず机に置いといてくれ、身体が治ったら処理する。」

 

 そうだけ言ってインパ課長は後にして行った。

 

 「…お大事に…」

 

 リンクは移動するインパの肩掛け鞄の中身がチラリと見えた。…ゴロンシティのガイドマップだった事から湯治と思われる。確かにあそこなら死ななければ、大体3日で完全復活出来る。

 

 リンクルとラナは互いを見合わせた後、机に積まれた書類をみる。

 

 そして再度見合わせた。

 

 「…じゃあボクいく」ガシ!

 

 2人に掴まれた。

 

 「…リンクルの仕事を身代わりしてたって事はそれなりに書類仕事は知ってるって事よね?」

 

 「ちょっと手伝ってくれないかな?くれるよね?…やるよな」

 

 「…ハイ…」

 

 リンクは程なくして、予備のパソコンを使って書類の手伝いをする事になった。

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 書類と戦いが始まり8時間、現在21時を過ぎており、死にかけの脳に蜂蜜ミルク生姜ドリンクで栄養を補給し、溜まっていたであろうリンクル姉さんの活動報告書をまとめるリンク

 まだ環境省に提出用書類がまだ残っている

 

 リンクル姉さんはヴァルカ次長に以前頼まれていたハイラル危険生物討伐計画の企画書の素案を制作して、ラナは決算書を電卓で消化している。

 

 「…はぁ、一旦休憩しない?」

 

 「終わるのが日を跨いでいいならいいわよ」

 

 「循環使うのも限界なの!」

 

 「…ボクも…ムリ…」

 

 リンクが限界を迎えている

 

 「とあいっても、もう食堂もやってないし、コンビニもいくとなると1時間かかるわよ」

 

 「給湯室のって…使える?」

 

 リンクはラナに聞いてみた。しかし横に首を振られた

 

 「…前に作っただしもあるし…ちょっと久しぶりに使うか…」

 

 久しぶりにどこでもキッチンを使う事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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