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空賊団フォボスの襲撃より数えて9日後、ついにユウヅキさんからのお誘いがやってきた。
なんのお誘いか?
アセロラが探し求めてやまない膨大な魔力を含んだ黒雲、そのものかもしれないものを発生させてくれるというもの。
ユウヅキさんがそれを言い出してからというもの、アセロラは一日千秋の想いで雨龍に滞在していた。
連絡を受けてワクワクで眠れない夜を過ごし、朝一番で起きるや早々に身支度を整え指定の待ち合わせ場所で待機。
あいにくの雨はなにも気にならなかった。
本日の調子は万全。ツヤッツヤに見えるぐらいだろう。
待ち合わせ場所は中心街からやや離れた飛行艇駐機エリア、その待合所。
雨が多いだけにしっかり屋根付き、どころか木造高床式。よほどの暴風雨でも雨が吹き込まないように作られている。
高床式待合所の柱には、アセロラの太ももあたりに達する高さで泥のラインが残っているので、きっとここまで水が来たことがあるのだろう。
民間のフリー駐機所なのでさすがに軍用ドックのようにタラップはないが、待合所から広い桟橋が高床式で繋がっている。ただし屋根なし。
飛行艇を浮かせたまま昇降板を桟橋に下ろせばそのまま乗り移れるというわけで。
桟橋に屋根があると飛行艇が衝突しそうだからしょうがないか。
そろそろ指定の時間だろうか。そう思って時計を見直したとき、雨音に混じって飛行艇独特のエンジン音が近づいてきたのをアセロラの耳が捉えた。
聞いていたのは、蝶夜さんがここにガルーダで迎えにくる、ということ。
窓の外を見やれば、確かにガルーダの黒緑の機影が桟橋に横付けしようとしていた。
雨は霧雨で、そこまで濡れることを気にしなくても良さそう。濡れてもすぐ乾かせるけれど。
アセロラが桟橋に出るとガルーダ側も気付き、艦側面の扉を開いて蝶夜さんが手を振った。
昇降板を下ろしてきたのでアセロラはさっさとそれに飛び乗り、ガルーダ艦内に滑り込んだ。
「お久しぶりです、アセロラさん。先日はお世話になりました。ユウヅキ様は既に艦内ですので、ご案内しますね」
「蝶夜さん、お出迎えありがとうございます」
桟橋に出るつもりだったのか蝶夜さんは雨具に身を包んでいた。
さてこのガルーダ、以前借りたガルーダよりも内装が立派。
高官用なのか、床も壁もしっかりと磨かれており、空調もバッチリ効いている。
艦内の木製手すりにもしっかりと持ちやすいように彫り込まれていて、しかもおそらく1本のなが〜い木から切り出されている。
蝶夜さんから雨水を拭くためのタオルを受け取ったが、ほんのり温かく物凄くフカフカ。触ったことのない軽さと柔らかさだった。どんな材質なのだろう。
案内された部屋に至っては、もはや貴賓室であった。
比較的小型な飛行艇の揺れを考慮してか置物はないものの、膝下程度に一段高く作られておりまさかの艦内畳敷き。土足厳禁ときたもので。
しかもなにかいい匂いするし。アロマオイルでも使っているのだろうか。
「ようこそアセロラさん。おまたせしました」
「本日はよろしくお願いします」
「ふふっ。ご期待に沿えるといいのですが。目的地に着くまでしばらく時間がありますので、先に今日お見せすることを説明しましょう」
「お願いしますっ!」
可能性を匂わされてから10日以上。アセロラは飢えて渇ききっていた。
「今日行うのは、時空魔法の一種です。この世界と異世界を繋ぐ門を作る魔法です。ご存知ですか?」
「存在は知ってますが、見たことはないです」
「接続先を発見するのも、それを維持するのも、膨大な魔力を使用します。その上で確固たる理論を持ち、かつ体感的に別の世界という存在を想像しなければいけません」
「そもそも別の世界というのが想像し辛いのですけれど」
「私も知りませんでしたよ? それでも以前に概論で成功したんですけれど」
「えぇ……」
天然型天才というやつは本当に手に負えない。
もちろん相応の努力はしているのだろうけど、多少雑にでも望む結果にたどり着いていくのは、努力する凡人とは絶対に交わらない一線がある。
「この別世界に繋げる時空魔法ですが、自然発生することもあるそうです。原因はわかりませんが。私が考えるに、アセロラさんが探している黒雲は、自然発生した異世界への門ではないか、そう思うのです」
「異世界への門、ですか……」
「どこにどのようにして発生するかは不明。ですが、自然に発生するぐらいなのですから目も眩むような魔力で形作られているであろうことは想像に難くありません」
「時空魔法って要求される魔力量が半端じゃないですからね」
魔力の研究は盛んではあるが、人体瞬間移動の
ただし現象としての物体の瞬間移動はもう確認されている。
いや、厳密には瞬間移動と思わしき現象と表現すべきだろうか。
帝国のラファエル朝がクーデターによって斃れた件に先立ち、触手艦隊と評される奇妙奇天烈な無人生体飛行艇が帝国と共和国で確認された。
「空を触手が覆っている」とおぞましく形容された触手艦隊は、両国の防空網を突破して本土空襲を行ったほどの物量と戦闘力を持っていたが、どう考えてもそれはおかしいのだ。
帝国および共和国の戦力は当時最高峰といっても過言ではない。本土空襲できるほどの艦隊規模で接近してはさすがにどこかの段階で哨戒網に発見される。
しかしながら、帝国共和国それぞれが本土から目視できるほどの距離になるまで、なんなら先制空襲を受けるまで発見できなかった。
これが夜間なら考える余地もあろうが、公表されているケースではいずれも白昼堂々、複数回。
1回ならサボタージュも疑われようが、別の国で複数回同様のケースが起きたとなれば、それは別の要因。
つまりは、湧いて出た、ということになる。
それが瞬間移動なのかは議論されているが、なんらかの方法があるのは被害結果が示した通り。
翻って時空魔法。
異世界へと繋ぐ門も、ある種の瞬間移動とカテゴライズできる。
変わっているのは、こちらとあちらの時間軸が必ずしも一致しないことだろう。
繋がる世界自体が異なるのだから時間の概念はあまり意味のないことかもしれないが、とんでもない距離を移動させることには変わりなく。
なぜアセロラが時空魔法の存在を知っているか。
時空魔法は存在が隠匿されているようなものではなく、理論上はそれなりに形が固まっている。
扱える能力を持っている人が激烈に稀少なのと、繋いでどうするという動機とリターンが問題。
ユウヅキさんが言ったように、独力にせよ結集した力にせよ、膨大な魔力が必要になるのとそれを扱える制御能力が前提条件である。この前提条件が滅法高く、アセロラなぞ100人束になっても届くまい。
それをクリアしても、頭をやわらか〜くして別の世界を観測しろときたもので。
要求される魔力の量のせいで術者にかかる負荷は尋常ではなく、数時間も維持できる魔法ではなく。
一握りどころかひとつまみだろう前提条件をクリアできる優秀な人材を時空魔法に押し込めるぐらいなら、もっと他の有意義な道に歩ませるべきなのは明白。
そして、どこに繋がるかは現在の技術では不明瞭ときたもので。
『そろそろ目的地に到着致しますので、着陸準備をお願いします。天候は相変わらずの土砂降りです』
着陸準備と言われても、シートベルトがあるわけでもなし。
やれることは出されていたお茶を飲み干すぐらい。
悪天候もいいところだが、機体の安定感はさすが。
気候に慣れてもいるだろうが、重鎮を乗せているからか操縦士の腕も良い。
滑らかに高度を下げていき、目的地らしい駐機場に着艦した。
「ここは……」
「雨龍東部、完全地下ドックです。ここから歩いて地表に出ます」
雨龍本島は比較的典型的な▽型の浮島。
その上辺部分からやや下の部分を穿ち、巨大洞窟のような形でドックが作られている。
島をくり抜くことで相当な土砂は出るものの、柱を減らして広い空間を作りやすく、中規模以上になると比較的ポピュラーな形式のドックといえるか。
巨大な浮島の下部に作る場合は縦横に余裕が作りやすく、蜂の巣のようになっていることも。
入国および出撃に使われていて、現在エスメラルダが係留されているドックと駐機場は地表を削って半地下にし、屋根を被せたスタイルだった。
こちらの形式は島くり抜き型に比べて簡易にできるのが魅力。
重層化しにくいため面積が必要になりがち。
比較的小型の浮島である場合、完全に横から横へ貫通させている地下ドックもある。
中で機体を転回させる必要性が薄まるので、これも比較的ポピュラー。
一方通行でいいなら非常に小さく作れるのも利点。ドック自体を動かせる場合もある。
雨龍の場合、筒雲の中にそれらしき反応がいくつかあった。補給拠点兼出撃拠点だろうか。
「地表まで行くのはいいとして、どこに向かっているんですか?」
「実は明確な目的地というものはないのです。時空魔法で異世界への扉を開こうとしているので、不測の事態に備えて居住区から遠くて広い場所を、という訳でして」
「軍事施設見せちゃっていいんですかね?」
「雨龍軍で戦っているのに今更ですよ。エスメラルダを預かっている上の出撃拠点も主要な軍事施設ですし。ここは隠している場所でもないですので」
どこまで本気かは掴みかねるが、ユウヅキさんは飄々としている。
昇降機で地上近くの階層まで昇り、そこから階段で地上に出ると、案の定の土砂降り。
「お二方、ちょっと失礼しますね。氷嵐の守護神、発動」
蝶夜さんが肩に触れてきて、魔法を唱えた。
「お、おお!?」
アセロラの体を青い淡い光が包み、さらに周囲を風の衣が覆う。
「えっと、これは?」
「防風と防水の魔法の完全防御です。この人数程度なら、用事が終わるまでは持つでしょう」
「なんか、単なる防風防水の魔法にしては、魔法の名称が大仰すぎません? 氷嵐の守護神って」
「本来は戦闘艦用の大規模魔法ですからね。風、雷、水、氷、冷気、全部無効化です」
「うぇえすごい……」
「母艦級の飛行艇を覆う規模で発動するのは1分と続きませんし、アセロラさんの得意分野には効果がありませんけれど」
防風雷、防水氷、あと防火熱、ひとつひとつ無力化魔法は、比較的ポピュラーなもの。
しかし構築術式の段階で互いに阻害し合うため、併用できない。
それを並列で維持できているのは、よほど本人の魔力傾向が異質であるか、並外れた技量の持ち主であるか。
おそらく蝶夜さんは後者だろう。
人の大きさでこれらの無効化魔法を維持するのは難しくないが、戦闘艦の範囲規模でそれを維持しようとすると、たとえ無効化1種でも使い手は限られてくる。
熱や炎は無効化できないといっても、無効化の範囲が強烈に広い。
効果時間1分足らずといっても、この魔法があればエスメラルダの冷気に弱い欠点を無視できる。
魔力嵐で天頂に隔離された先日の戦闘でも強引な降下ができたはず。
「ささ、行きましょうアセロラさん」
同様に防風防水完全防御を得たユウヅキさんが外への扉の前で手招いた。
外に出て驚いた。
横殴りの雨が全て体を避けていく。
地面を跳ねる水しぶきも、ひたひたに溜まった足元の雨水も全く沁みてこない。
「これなら集中して魔法を組み立てられます」
「でしょうね」
蝶夜さんは誇らしげ。
雨中ということで肌寒いことは否めないものの、それ以外の条件は快適そのもの。
こと雨龍生活においては最強の守りではあるまいか。守護神の魔法名に偽りなし。
願い事
【無】自船団のチェイン数を+20させる
Lv5時TP25で使用回数1回。
弱い(直球)
氷嵐の守護神
【青】3回連続で敵3体に特大ダメージを与え、さらに自身への青・緑属性攻撃を一定時間無効化する ※同系効果と重複しない 【天水陣発動時】天水陣+1回&自身即死回避
45秒間の無効化スキル。
蝶夜が持っている、ディフェンス面では天クラ最強の一角のスキル。バリバリ現役。
この小説も投稿から1年経過。進まねー。