遭難する天空の魔女   作:Kaisu

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 2018年11月22日に天空のクラフトフリートの運営がKlabからトライフォートへ移管されました。
 スタートダッシュと言わんばかりにトライフォートが超絶バラマキ(蟹運営比)を予定したので、ゲームスタートするなら今!
 現在排出中、天クラ史上でも数少ない人権級スキル持ちのコスト28エーミィさえ確保しとけばいける!たぶん!
 
 とりあえず最初に入るであろうランダムな船団は即抜けしてから考えよう!
 このゲームのプレイヤーは新人を見つけると優しいぞ!

 え?新人なんていない?
 開幕過疎船団に突っ込まれて引退する未来が見える?
 今からやっても絶対に追いつけない差がある?


 ……トライフォートに期待しよう
 





休戦中?

 とんでもない隠し玉もあったものだと、空賊団「フォボス」の首領フリードはヒゲを指に巻きつけながら考える。

 部下からの報告は、帝国船がなぜかいると興奮気味に送られてきたもの。

 船の特徴を問い質せば、エドワード朝になってお払い箱となった旧式エスメラルダだ。

 

 

 あまりにも帝国で人気が無さすぎて「フォボス」の会計担当も値付けはそれでいいのかと唸っていた格安船。コストパフォーマンスだけならこれ以上はないだろうと断言されていて、購入の検討も行われたがウチとは動作魔力傾向で相性が悪いと却下された。

 第一、帝国も襲撃対象である「フォボス」。なにが仕込まれるかわかったものではない。帝国船への攻撃不可ぐらいは当然のように基本設定されているはずだ。

 

 それを雨龍が購入したというところか。

 会計が唸るほど安く売りに出されていたのだから小国でも予算は捻出できたのだろう。

 それが今の今まで出てこなかったのはおそらく本土の守り用の旗艦扱いか。

 

 フレスベルクで雨龍本土を牽制したはずが、思わぬ大物が釣れてしまったようだ。

 現在の雨龍本土の防備は相当薄くなっているだろうが、それを突く余裕はない。

 

 あっという間に3隻のフレスベルクの無人機と直掩機を一掃されてフレスベルク自体も1隻落とされている。

 フレスベルク組の練度は決して悪くない。それどころか雨龍の軍程度翻弄して逃げるまでできるだろうと思って送り出している。あわよくば本土も犯すぞ、という構えができる部隊だった。

 

 しかしフリードの予想を大きく裏切る形でフレスベルク隊は撤退を余儀なくされた。

 残った2隻が分かれて逃げているが、片方は猛然と追いかけられているという。逐次入る報告によれば相当厳しい撤退行の様子。

 敵の執念深さ次第ではあるが、フレスベルク2隻目の損失も覚悟した。

 フレスベルクは比較的新しい戦闘艦であり、2隻目も墜とされればその時点で大赤字確定である。

 

 フリードからは、エスメラルダをそのまま本隊から遠ざけろと命令を出した。

 そうするしかないというのも正しい。

 まかり間違って本隊に殴り込まれたら堪らない。

 

 しかしその願いも届かず、数分後にはエンジンとラダーと両翼端の主砲を粉砕されて航行不能になったと通信が入る。

 浮いていることはできるようだが、戦闘能力は失われたと断言できる。

 拿捕するつもりなのかビーコン弾を撃ち込まれて放置状態。フリードの本隊が雨龍軍に勝利すれば飛行艇は回収できるか。

 

 一応エスメラルダに追われなかったフレスベルクには人員回収を命じた。

 破壊された船は残念だが諦めるしかないだろう。

 大型戦闘飛行艇を動かせる人員は空賊の職業柄貴重なのだから。

 

 

 食い詰め者を拾うことが多い都合上、学のある者はそう多くない。

 単座や複座の小型飛行艇ならいざ知らず、旗艦や母艦になりうる大型戦闘飛行艇を預けることができる人員は確保も育成も面倒。

 

 フリード率いる本隊は、現状フリードが指揮の全てを行なっている。

 指揮を執ること自体は首領なので当然ではあるのだが、問題は艦隊運用を任せられる指揮官が自分自身以外本隊にいないこと。

 

 フレスベルク側は独立行動を任せることができる者の集まりで、あれでもフリードの率いる「フォボス」内のエリートにあたる部分なのだ。

 雨龍軍に捕まれば最低でも獄舎行き、最悪全員処刑され空の底の塵。

 2隻分の人員を失うことは、金額では表せないほどの大打撃もいいところ。

 ゆえになるべく多くの団員を回収して帰らなくてはいけない。

 

 

 2隻のフレスベルクを戦闘不能に追い込んだエスメラルダの行方は分からなくなった。

 十中八九こちらへ向かっているだろうなと思う。

 

 それはなぜか?

 目の前の雨龍軍が劣勢だからである。

 

 さすがにこちらが悠々逃げるほどの隙は与えてくれないが、じりじり雨龍軍の戦力は削れている。比較すれば「フォボス」本隊の損害は軽微なものだ。

 今日は支援部隊の読みが冴えている。

 的確に相手の攻撃タイミングを読んで魔力砲を対抗魔法で軽減し、強襲艇は近寄らせていない。

 攻撃面ではうまく火力の集中に成功し少なくない数の雨龍戦闘艦を撃墜している。

 

 彼らの目的は洗濯物の奪還であろう。

 洗濯船となっているインペリウムは拿捕されることを予想してかあえて高速では動けないように弱いエンジンを積んでいるため連れて帰るのもなかなか難しい。

 本隊の後方では部下たちがせっせと「フォボス」の輸送船に洗濯物を移し替えている。

 

 襲撃した際に洗濯船の乗組員が置き土産とばかりにスプリンクラーを作動させていったので洗濯物は全てずぶ濡れ、水を吸って異常に重くなったため積み替えは遅々として進まない。

 あのエスメラルダが介入するより先に積み替えが完了するとは思えない。

 

 そうこうしているうちにレーダーの片隅に大きな輝点が現れる。

 当然、エスメラルダと艦種が表示されていた。

 

 やれやれと、フリードは雨龍最大戦力であろう艦との戦闘を開始することにした。

 

 

 

 

「アセロラさんとこのエスメラルダにはエースアタッカーをお願いしますね?」

「えー」

「撃ち負けていますから仕方がありません。援護はするように言いますから」

 個人所有の戦闘艦が正規軍の破壊力よりも強いってどういうことだ。

 

「雨龍軍は防御には長けていますが、攻撃面では弱いですので。木造主体の船の限界です」

 艦橋から他の船を見渡せば、前衛にプルマス、前後衛に混在するプロテウスとペナルダン。

 

 プルマスこそ比較的新しい船ではあるが、帆船型で火力に優れた船ではない。

 プロテウスは万能型ではあるものの戦闘艦として見ると疑問符がつくもの。

 ペナルダンは支援能力と耐久性と燃費に極めて優れた船だが、プロテウス共々旧型船である。また火力は微妙。

 

 どの船も船体の主たる素材は木を加工して固くしたもの。

 船体が軽くなり飛行の際の動力部の出力が小さくて済むため運用コストに優れるが、戦闘になると力不足は否めないか。

 

 

「雨龍が支え防ぎ、エスメラルダがなぎ払う。それでいいんですよ」

「いや明らかにエスメラルダ狙い撃ちされますよね、それは」

「防御に徹した雨龍軍のサポート力は並ではありません。ドンとこいです」

 弱点が火力不足とわかっているなら対策用意しましょうよ、とアセロラは思ったが口にはしない。

 

 雨龍軍はエスメラルダの火線を阻害しないようにエスメラルダの前には出ないものの、側面やや後方には綺麗に整列し、いつでも支援を行えるように態勢を整えた。

 空賊側も陣形を整えさせまいと果敢な攻めに出てきているが、ユウヅキさんの言う通り雨龍軍は巧みな防御でそれを寄せ付けない。

 エスメラルダを突端とした円錐形の陣が完成した。相次いで準備完了の報告が入る。後方には20隻ほどいるだろうか?

 

 

 艦内無線が鳴る。

「突撃艇ハッチの開閉権限をちょうだい。タイミングがあれば乗り込みに行くから」

「いいですよ。ちょっと時間ください。攻撃開始前にそっちに回しておきます」

「わかった」

 

 ユウヅキさんが矢継ぎ早に味方との交信を繰り返し、行動指針を示している。

 

「今更ですけど、アゲハさんはなぜユウヅキさんと親しげ?だったんですか?」

 アセロラは権限を一部移譲するためにコントロールパネルをマニュアル片手に操作し続けながら、無線越しにアゲハさんに話しかけた。

 

「私は和葉の師匠筋だよ。それにユウヅキ様の元護衛でもある。今は友人ぐらいの関係かな。立場上気安くとはいかないけど」

「どうして護衛辞めたんでしょう?」

「見聞を拡げようと思うところがあってね。剣の腕では雨龍に並ぶ者がいなくなって、外で腕試ししたくなったってこともある。喧嘩別れしたわけじゃない」

 

「じゃあ、今回の参戦は」

「荷物取りに雨龍に戻って、和葉に何日か稽古つけて過ごしてたら巻き込まれた」

「間の悪い話ですね」

「全くだ。一応、アセロラにも感謝してるよ。この船はあたしにも相性がいい」

 アゲハさんから初めて名前で呼ばれた気がする。

 多少打ち解けられたのだろうか?

 

「外の剣の世界はどうでしたか?」

「広いね。色々と手合わせしたよ。黒騎士アルク、カナメ、シグ、ケヤキ、オデット。勝ったり負けたり。剣に炎を纏わせるあたしと同じスタイルの者も結構いて刺激を受けたね。あと、解放されし者や狂戦士には向こうから挑まれたか」

「リーブルとガラシャは有名ですね。悪い意味で……」

「なかなか手に負えなかったよあの2人は」

 

 

 解放されし者の異名をとる女空賊リーブル。

 在野では五指に数えられる戦闘力を持ち、気分屋で祭り好きで強者大好きの神出鬼没。

 傭兵のようなこともしているが依頼主が気に入らないと平気で反故にする。職務放棄しても強すぎて粛清不可能という無敵。

 

 また稀代の脱獄犯としても有名。

 帝国共和国それぞれに複数回捕縛されているが、その都度いつの間にか抜け出している。本人曰く牢屋は宿。

 リーブル本人を満足させる強者を差し向けると割と大人しく捕まるそう。

 ただしリーブル捕縛からの脱獄の流れは、見目麗しく華があるため写真付き定期ニュースの域である。

 

 

 狂戦士ガラシャはさらに尖っている。

 妖怪私と死合え。腕があると見れば誰彼構わず、戦場に乱入してでも果し合いを所望する女型戦闘狂。

 目撃(襲撃)情報は多いが謎も多く、私生活は一切不明。活動は広範囲に及び根拠地は持っていなかった様子。

 空気を読む気がハナからない、ある意味究極のマイペース。トゲトゲし過ぎるマイペースだが。

 それが最近、エドワード朝に降って八大軍団長の一角である。どういう風の吹き回し。

 

 

「結果は?」

「リーブルには街で遭遇して負けて食事奢らされたよ。ガラシャとはお互い半死半生にはなったけど勝った」

「えぇ……」

「確かに抜きん出て強かったよ。2人ともね」

 

 世界が広過ぎる。

 アセロラの戦闘技術でアゲハさんに勝てる気が全くしないのに、それに勝つとは何事か。

 痛み分けとはいえガラシャに勝てたその時点でアゲハさんの強さも大概人外に届いているだろうけども。

 

「最強無敵さんは?」

「まだ出くわしてないね。機会があれば胸を借りたいものだけど」

 

 

 ラモンド最強。

 空賊団であればそれはかつての「最果ての空賊団」を指した。

 

 では個人最強は?

 それは官民の答えが一致する。

 流れの空賊護衛、シュタール。

 常勝軍団お一人様、空賊最強の味方で最悪の敵。

 空賊を足に使う旅人で、戦いを遊びと表現する少女。

 定住スカウト話は全部蹴っている気ままな浮雲自由人。

 

 対峙したり共闘した者の話が民間にも轟いている。曰く強すぎて参考にならないと。

 

 生身で容易に最新鋭の大型戦闘艦を複数破壊せしめ、軍人や軍団からも1人に負けたと敗報多数。

 本人の戦闘能力もさることながら飛行艇操縦技術も高く、空賊護衛の成功率脅威の100%。

 黒い手甲で覆われた左手を軽く振ったら、護衛対象に襲いかかった空賊団が丸ごと全滅したとはどこまで本気か。

 リーブルらと比べてもさらに1段以上上の格付けが為されている規格外。

 

 

 生身で船団壊滅までするようなことを参考にするというのは確かに無理がある。

 そう思って、レーダーに映った敵艦を眺める。

 大小合わせてざっと40〜50隻はあるだろうか?

 これを生身で?嘘でしょう?

 

「アセロラさん、こちらの準備は完了しております。いつでも攻めに転じられますよ」

「あと30秒待って……」

 無駄話でアセロラの手が遅れていた。

 慌ててあと少し残った作業を完遂させ、アゲハさんにハッチの開閉権限を譲渡する。

 

「ふふっ。準備はいいですか?」

「もう大丈夫です」

 

「では、改めて始めましょうか。雨龍対フォボスの艦隊戦を。魔導シールド展開値、上昇開始」




いろいろ人名出てますが、当作品ではおそらく出ません。
姑息な文字数稼ぎと言っておきます。

ペナルダンとプルマスとプロテウスの話は次にでも。



以下wikiよりキャラ説明文のみ抜粋

リーブル(コスト22・一番最初の)
解放されし者の異名を持つ空賊の少女。幾度となく帝国、共和国に逮捕されているが、いとも簡単に牢獄を抜け出してしまう。
好き 脱獄、小石砕き
嫌い コンニャク

天クラの看板キャラの1人。
2014年に登場当初「最凶」の謳い文句と共にガチャに登場……したけど登場しなかった。
実際、当時の水準では超強キャラだったので当時の廃課金がこぞってガチャを回したが排出報告絶無。
無課金微課金が「当てたよー」という報告すらない虚無空間。
天井なぞ今のガチャにもないので、排出されるはずなのに排出されないという炎上案件になりかけた。ただし総プレイヤー数が足りなかったため消費者庁案件までは行かず。
その後、謝ることはせず、排出期間を伸ばすことで対応(これがこのゲーム史上唯一ガチャ延長対応)
延長戦になってようやく排出報告がちらほらしだした。
結果として、蟹のガチャが糞という評価を確たるものとして語り継がれている。

現在はごく小規模な範囲で現役。
まだ排出されるが、ここで挙げたリーブルはトライフォートからはリストラ宣告を実質受けてる。
イラスト違いレアリティ違い性能違いは多数現役。
https://wikiwiki.jp/craftfleet/%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%AB

***

ガラシャ(コスト22)
狂戦士の名を持つ空賊。彼女と出会えば命は無いとまで言われ、獰猛な獣ですらも彼女の気配だけで逃げてしまう。
好き 強い者
嫌い 戦いの無い日

コスト23版
『狂戦士』の異名を持つ孤高の空賊。強者と認めれば、それが大軍だろうと構わず勝負を挑む。自分に傷を負わせるほどの敵の出現を渇望している。
好き 迫り来る刃
嫌い 平和

妖怪私と死合え。設定上はこれで実際間違ってない。
性能は昔は最強の一角(特にコスト22の方)。現在は両方とも微妙のラインに。
それでもなお、コスト23版は星5帯唯一のATK1万超えの可能性がある船員。ステータス要員として使えなくもない、のか?
コスト22は排出停止されている。コスト23はリーブル同様もうじき消えそう。
イラストレーターがデュエルマスターズのボルメテウスブラックドラゴン描いた人だったりする。
ガラシャ2種を見比べるとイラストレーターの進化が凄くよくわかる。
https://wikiwiki.jp/craftfleet/%E3%82%AC%E3%83%A9%E3%82%B7%E3%83%A3


***

シュタール(コスト24)
自分の空賊団を持たず、通りすがりの空賊団の助力をしながら旅をしている流れ者の空賊。実力の高さゆえに、多くの空賊から所属の依頼が絶えない。
好き 天気のいい朝
嫌い 束縛

天クラ初のUR、星6船員。
悪夢のようなバグまみれアップデート事件と共に登場。
上記のリーブル事件から3ヶ月後の登場であり、このころには蟹の糞運営扱いは確たるものになった。

性能は、登場当時シュタール持ちのレギュラーを10人集めればほぼ勝てる時代が確かにあった。
以後もイラストやレアリティや性能違いが多数登場しているが、皆強力であり、常になにかしらのバージョンが環境の一角にいる。
もっとも、このコスト24版を現在使おうとするともれなく地雷扱いされることになる。
https://wikiwiki.jp/craftfleet/%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%AB


アゲハの戦績は最新版のコストに比例……してたんだけどなあ。
当作品のアゲハはコスト30個体となります。
よってリーブルコスト31に負けてガラシャコスト23に勝ちます。

目指せ今年中に最低もう1回更新。
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