ハルケギニアの新生第三帝国   作:公家麻呂

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13話 オルデッサ強襲制圧

 

「幻影術式解除。」

 

ヴァイス中佐の合図で一斉に術式が解除される。

トランシルダキア国境線上に突如現れた、ヨアヒム・パイパー准将率いるパイパー戦闘団、オットー・スコルツェニー中佐率いる第502SS猟兵大隊、マテウス・ヨハン・ヴァイス中佐が指揮代行する第203航空魔導大隊、約2000はトランシルダキアとゲルマニアの国境に突如姿を現した。

 

パイパー戦闘団の主力運用する戦車はⅤ号戦車、通称パンターと呼ばれる戦車であった。

ヨアヒム・パイパー准将が搭乗するⅤ号指揮戦車を先頭に6両のⅤ号戦車、4両のⅣ号戦車と2両のⅤ号駆逐戦車他多種多様な戦闘車両が続く。さらに、第502SS猟兵大隊所属のIII号突撃砲3両が追従する。本作戦は強襲作戦であり、歩兵は全て自動車化された自動車化歩兵であり、歩兵は全てデサントしているか、後続のワーゲンやサイドカー、オペルブリッツ(軍用トラック)に搭乗していた。

 

「総員!蹂躙せよ!」

 

パイパー准将の号令で、先頭の戦車の砲塔が一斉に火を噴く。

轟音と共にゲルマニアの簡素な木造の関所の門が破壊される。

 

関所の櫓からマスケット銃や弓矢で応戦しようとする兵がいたが、パイパーはそれを無視して強行突破していく。

 

行く手を塞ぐ重装歩兵を戦車で轢き殺し、突破した。

道中の村々を後続のアインザッツグルッペに任せ。ゲルマニア王国ライナー地方最大の採掘場、オルデッサへ侵攻する。

 

「パイパー准将、前方より騎兵集団!!ライナー・コサックと確認!!」

副官の報告を聞いて、パイパーは矢継ぎ早に指示を出す。

 

「全戦車一斉射!!コサック共を吹き飛ばせ!!」

「「「「「ファイエル!」」」」」

 

戦車砲の一斉射撃で、密集陣形を取っていたコサック騎兵が一瞬で吹き飛んだ。

オルデッサ侵攻軍は、兵数こそアインフェルト高原の兵力の2割弱だが、投入された戦闘車両の数は、アインフェルト高原のそれを軽く凌駕した。

 

「よし!順調だ!このままいくぞ!」

「「「「「ヤー!」」」」」

 

「北西の村の門に自警団?農兵集団!」

「無視だ!アインザッツグルッペに任せろ!突っ込んでくる奴以外は無視だ!」

「了解!」

 

全速力で、オルデッサまで駆け抜ける。その集団は、逸れてさえいれば挑まない限り無視したが、進路直上に存在する砦や村々を容赦なく粉砕し破壊を齎した。

 

 

 

ライナー辺境伯オルソンは、周辺の村々や警備隊からの通報を受けて右往左往していた。

 

「早い!?早すぎる!!なんなんだ連中の速さは!?」

 

混乱するオルソンに、側近の臣下は対策を告げる。

 

「伯爵様、敵は間違いなくオルデッサを狙っています。オルデッサは石造りの堅牢な城塞。敵はそこで足止めを食うでしょう。そこを、我々で背後から攻め懸ければ撃退できるかと思われます。兵は緊急時故手持ちの兵を連れて行き、村々で強制徴募しましょう!そうすれば個々の兵と合わせて1000は集められるはずです。」

 

深刻極まる状況を前に、オルソンは即断した。

通常なら、正しい判断だ。だが、この場合は尻尾を撒いて逃げることが正解だったのだ。

 

「うむ、それしかあるまい。すぐに支度をせい!」

 

 

 

 

侵攻軍はオルデッサ城塞へ到着する。

 

「ヴァイス中佐!上空援護及び対地攻撃は貴官に一任する!」

『了解!』

 

「歩兵部隊降車!スコルツェニー中佐!歩兵の全体指揮を任せる!」

『了解!』

 

ヴァイス中佐とスコルツェニー中佐の返答を確認したパイパー准将は戦闘車両を整列させる。Ⅴ号戦車、Ⅴ号駆逐戦車、Ⅳ号戦車、IV号自走砲車フンメル、Ⅲ号突撃砲、マルダーIII対戦車自走砲、ヴェスペ自走榴弾砲、軽駆逐戦車ヘッツァー、異世界に渡った砲車両のほとんどが並んでいた。

城壁や前面のバリケードに兵士達が大慌てで結集しているのが見える。

 

パイパー准将は、ニヤリと嗤ってから命じる。

 

「オルデッサの鉱山部分以外の構造物には用はない城塞ごと破壊してしまえ。全車両連続射撃・・・ファイエル!!」

 

大量の砲弾が雨霰のようにオルデッサへ降り注ぐ。オーク材の立派な城門は弾け飛び、城壁は兵士と一緒に崩れ落ち、下の兵士達を押しつぶす。兵舎と鉱夫の長屋の見分けなど、すぐに分かるわけがない。だから、それらしいものは片っ端から潰す。

 

パイパー准将は不敵に嗤う。国際法のない世界、人の命が前の世界以上に軽い世界。勝ってしまえば、全てが許される。なんて、素晴らしい世界なんだ!

 

 

 

瓦礫の山となったオルデッサ城塞や市街地。

 

「制圧!制圧せよ!」

 

オットー・スコルツェニー中佐は配下の士官たちに薬袋を配る。

その袋に入っている薬は、ペルチビン。メタンフェタミンとも呼ばれる覚醒剤であった。

その士官たちは兵卒たちに服薬させる。

そこかしこから、奇声に近い雄たけびが聞こえる。

吸血鬼化して、凶暴性や残虐性がすでに増している現状での服薬は、彼らの箍を完全に外した。

 

「全軍!行け!進め!!突撃せよ!!」

 

スコルツェニー中佐の号令で、兵士達が奇声を上げながら瓦礫の山を突き進んでいく。

 

「「「殺せぇええええ!!」」」

「「「イヤァッハ!!蹂躙だぁああ!!」」」

「「「犯せ!女を犯せ!ガキも犯せ!!男は殺せ!!ひゃはははっはあ!!」」」

「「「キヒヒ!!血だ!血を奪え!!血ぃいい!!」」」

「「「グォオオオ!!破壊!破壊!!破壊だぁ!!」」」

 

立ち向かってくる兵士を殺す。逃げ惑う老若男女の住民たちを殺し、血をすする。肉もむさぼる。家屋に押し入り金目の物を奪うセオリーだって忘れない。

 

蹂躙戦に参加しない付随砲兵や工兵たちと一部の偵察兵は城塞を包囲し人の子一匹逃がさない!!

 

劣等人種は全て浄化を信条に、後の世の禍根を残さないように生き証人など必要ない。

生き物は全部殺す!そう、全部だ!

 

興奮状態の兵士達の心情が、手に取る様にわかると言うものだ。

スコルツェニー中佐は満足げだ。

 

パイパー准将は、その様子を双眼鏡越しに見て副官に告げる。

 

「副官、スコルツェニー中佐に15~18くらいの生娘を2・3人の私用に確保するように頼んでほしい。」

「閣下、それは飲用ですか性玩具としてですか?」

 

副官は、淡々と受け応える。吸血鬼化してから人間への思いは消えた。

だから、人間に対して思うところはない。牛や豚に同情など抱くはずはないのだ。

 

「両方だ。貴官も一人ぐらい確保してもよいぞ。」

「では、4・5歳くらいの童女がいいです。」

「副官、貴様そう言った趣味があったのか。」

 

パイパー准将は、副官に僅かに白い目を向ける。

リクセンブルク同化政策の途上でナチス将兵の間でも婚姻に関する年齢がロリまで許容されてはいたが、ペドは思うところがったのだが副官の返答に胸を撫で下ろす。

 

「食用です。」

 

自分の副官がペドフィリアなのは流石にと思ったが、食用なら問題ない。

子牛や子豚の肉は柔らかくて、美味しいのだから。

 

 

 

 

オルデッサが蹂躙されている頃、ライナー辺境伯オルソンの軍勢は救援に駆けつけることはなかった。むしろ、壊滅の危機に瀕していた。

 

 

「に、逃げろ!」

「うわぁああ!?」

「た、助けてくれ!!」

 

村々で徴兵した農兵達が一方的に殺されていく。

オルソンの直参である領軍兵士も同様であった。

 

アインザッツグルッペの妖犬騎兵とキューベルワーゲンに追い立てられる、その姿はハンティングであった。

 

オルソンと側近たちは剣を奮い、弓を射る。

オルソンの奮う剣が騎兵の剣と当たる。

その騎兵は、リクセンブルクの伝統的な妖犬騎兵や訳の分からない鉄の車ではなく。

馬に乗った人間だった。

 

その騎兵を見た。オルソンは声を張る上げる。

 

「お前たちは!トランシルダキアとマジャルザークのユサール騎兵ではないか!!誇りあるお前たちが何故亜人の味方をする!!」

 

「「「「「ぎゃはっははははは!」」」」」

 

オルソンの言葉への返答は、馬鹿に嘲笑う様な笑いであった。

 

そして、ユサール騎兵たちは吸血鬼特有の尖った歯をオルソンに見せた後で、勢いに任せた突撃を敢行する。

人間と吸血鬼力の差は歴然であった。

 

2騎のユサール騎兵がオルソンの腕を左右から掴む。

 

「な、なにを!?ぎゃああああ!!」

 

ユサール騎兵は不気味に嗤い。それぞれ違う方向へ思いっきり引っ張る。

オルソンの腕は千切れ、両腕を失った体が地面へと叩きつけられる。すでにオルソンに息はなかった。

 

興奮して、ゲラゲラと笑うユサール達のリーダーの肩に手を置いて、アインザッツグルッペの指揮官フランツ・ケイユが話しかける。

 

「どうだい?こちら側の世界は?実に痛快愉快ではないかね?」

「ははははは!全くですな!もっと早くこちら側に来たかったですな!ははははは!」

 

意気消沈している、オルソンの側近たち。

ケイユは彼らを一瞥して、部下に指示を出す。

 

「あいつらを、適当な倉に詰め込んでおけ!この後は、古き良き伝統あるガス室だ!」

 

ライナー辺境伯家は、アインザッツグルッペの手によって断絶。徹底した弾圧統治によってライナー領の反対勢力は消滅した。

 

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