Dream fall(友希那誕生日記念)
「…あちぃ」
先程自宅に押し掛けてきた友希那さんが持ってきた紅茶を飲んでから身体が熱くて思考がボヤけてきた。
「…カズ、少し横になったら?顔赤いわよ」
てかさっきの紅茶出してきたのこいつだし…確信犯だろ、こいつ媚薬か何か入れやがったな…
「あのさ…」
「何?」
「本当に今?」
「…え?」
彼女は俺をソファーに寝かせようとするというか、馬乗りしてきた。
「明日も休みとはいえ、何でこんなぐいぐい来るの?そろそろ寝たいよ、うん、寝たかった」
もう外は暗いし、このまま寝てしまうのは全然ありだ。
「それで?」
「だから馬乗りするのやめてくれませんかねぇ!」
完全に隠す気ないだろ…いやさ…嫌じゃないけど…
「やっぱり嫌だわ!お前で捨てるのが何か嫌だわ!」
「じゃあ目隠しでもする…?」
「そこじゃねぇ!てかゴム持ってんの?」
「…」
「おい、黙るな、そこで黙るな!頼むからそこで黙るなぁっ!」
既成事実でも作ろうとしてたのか…それとも知識がないのか…
「わかった、わかったよ…最悪事に至るのは良いよ?もう遅かれ早かれ貞操を狙ってくるのはわかったから、でもね、でもその前に一つやることがある」
「キス…?」
「そうじゃねぇ!確かに今までキスすらしたことないけどさ!そこじゃねぇんだわ!」
「…一体何が?」
「コンビニ行くぞ!!!」
◇ ◇ ◇
コンビニで滅茶苦茶緊張してコンドームを買ってきた家に帰って来た訳だが…
「対局、よろしくお願いいたします」
「待って、何で将棋…?」
だって萎えちゃったし…寝る気も無くなったからこうしてベッドの上に将棋盤を置いたのだけど
「ごめん、萎えた」
「…今までのやり取りはなんだったのかしら?」
「だって仕方ないじゃん!コンビニまで行って店員に変な顔で見られて会計した時点で萎えない方がおかしいわ!」
「私のSanctuaryがこんなにも熱色スターマインしてNeo-aspectを見せてLegendaryを生み出そうとしているのに…?」
なんだそのポエムは…
「謝れ!Roseliaのメンバー全員に謝れ!頼むから謝って!ファンにも謝れ!」
「貴方とONENESSしてLOUDERをBLACK SHOUTしようとして喉の準備は万端だったのだけど…」
「はっ倒すぞ!酒でも飲んでんのか!」
「飲んではいないわ、未成年だもの」
あー、無理今の会話で完全に萎えた、こいつ抱いても途中で変な事言われそうだもん
「…無理、今日は寝る。しんどい、生殺しだわ…お休み」
「………お休みなさい」
友希那さんに背中を向けて横になって寝る事にした。
もぞもぞする、良い感じに寝れそうだったのに腕の中に人間特有の重さと温もりと柔らかさを感じる。
「んっ…」
腕の中に居る人物によって俺の手が今まで触れたこともない人間の部位に触れた。
「…待て待て待て…いや、待て」
目を開けて腕の中でトンでもない事をしていた服が少しはだけている友希那さんを突き放す。
「…何よ」
「…あのさ、いくら何でもこれはないだろ」
濡れた指をティッシュで拭いてから彼女を押し倒した。
「…貴方が、あそこまで拒むからよ」
「そりゃあんな事されれば拒むわ!そもそも俺達キスすらした事ないんだぞ!」
腹が立つ
「…私に言わせるつもり?」
確かにさ、女の子にキスしてとか言わせるのは紳士的ではないかもしれないけどさ…だからと言って…あんなのはないだろ
「言わせるとかじゃなくて…単純に言い出せなかっただけで…」
「だけで…?」
「…俺だって、男なんだぞ」
彼女の頬に右手を添え
「か、カズ…?んっ…!?」
無言で彼女の唇を貪ると、彼女に抱き締められた。
「…んふ…う…っ…」
舌を絡める度に艶かしい声が彼女から漏れてくる。孤高の歌姫、そう言われてる彼女の喉を蹂躙していると考えると興奮が収まらない。
◇ ◇ ◇
夢だった、軽く昼寝してたらあんな夢を見てしまった。
「死にたい、何であんな女とあんな事しなきゃいけないんだ」
いや、もう、本当に勘弁してくれ、ムカつく寝起き過ぎるだろ、とにかく機嫌が悪くなってきた。そもそもあの人とああなる訳がない、姉貴となった方がマシ。それはそれで嫌だけども
「はー、クソが…漫画買ってからゲーセン行こ…」
財布とスマホを持って家を出た。
誕生日記念なだけで誕生日回は書きません(鋼の意思)
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