お姉ちゃんガチ勢の弟ガチ勢のお姉ちゃんの幼馴染ガチ勢のお姉ちゃん 作:効果音
☆9 金剛石@石ころ様 親指ゴリラ様 八坂未来様 夜刀神 愛里紗様
高評価ありがとうございます
皆様のおかげで前回の更新でも日間ランキングに乗せていただきました。ありがとうございます
「…ん」
目が覚めたらソファーの上で毛布を掛けられた状態で横になっていた。恐らく友希那さんがやったのだろう、勝手に部屋に入られたのはかなりイラつく
身体が重くて起き上がるのも辛かった、飯は最悪の場合はデリバリーでも取らせるか、遅くでも配達やってるピザ屋の広告のチラシ来てたし…
「NFO…ログボ貰わないと…」
動き回るのも起き上がる以上にキツかったけど、飲み物と体温計を持って、自室に戻りパソコンを起動しNFOにログインした、因みに体温は38.2℃だった。
「…今日からイベントだったわ」
ログイン・ボーナスを受け取ってから曜日クエストの初回クリア報酬を貰ってカジノで交換アイテムを消化していたらあこと白金さんに見つかってPKされかけたからログアウトしたら体調が悪化したのでベッドに倒れ込んだ。
数十分後、夢を見た気がした。
「カズ、起きたのね…」
友希那さんの声が聞こえた、現実とは違ってやたらと優しい声色だった。正直なところ絶賛喧嘩中の彼女がこんな声で話しかけてきたら悪夢も良いところだ。
「…Roseliaの…事…リサ姉…の事…あなたの歌の事…アレで…諦めたら…許さない…」
まぁ、でも…どうせ、夢だ。言いたい事は全部言ってしまえ、吐き出そう
「…っ!?」
動揺する彼女、さっきから夢の中なのに身体が重い、夢の中くらい体調不良は引き継がなくて良いだろうに
「…ここで…止まったら…好きな…理由も…嫌いな…理由も…今まで…全部失くすから…」
俺が嫌いな今の友希那さんも、俺が好きなあの映像のRoseliaの音楽も…
「…俺が…見たいのは…今の…友希那さん…じゃないから…」
「そう…そう、だったのね…なら、待っていなさい。それを見せる為にも私にも、Roseliaにもまだ時間が必要だから…」
◇ ◇ ◇
翌日、友希那さんは俺が風邪で倒れている間に、勝手に飯も食べて、朝になったら学校に行ったらしい。俺は目が覚めたら風邪がぶり返してきたので学校を休み、風邪薬を飲んでおとなしく寝ていたら気が付いたら夕方になっていた。
「ただいまー」
少し体調が落ち着いてきたからリビングに降りると何故か冷蔵庫にスポーツドリンクが大量に入っていたり、料理慣れをしてない人間が料理した痕跡が残っていたり、軽くホラーな状態だった。
まぁ、多分姉貴が飲み物を買ってきてくれて、父さんが朝食を作ったんだろうと思って呆けていると、姉貴が帰ってきた。今日はバイトも部活もない日だった筈なのにやたら遅かったな…しかもやたら上機嫌だ。
「おかえり」
「お、体調良さそうじゃーん、それなら来週の日曜日も大丈夫そうだねぇ」
「来週の日曜日って…何の話?」
「アレ?友希那から聞いてない?」
「何も?そもそも昨日はぶっ倒れて何も出来てないんだけど?」
アレレー?と首を傾げる姉貴。そんなに不思議そうにされても知らない物は知らないのだが…
「そっかぁ…はぁ…まだまだ遠そうだなぁ…」
勝手に納得されてもなぁ…こういう雑な所は絶対母さん似ただろ…
「だから、何の話なんだよ…そういえば飲み物。ありがと…あんな大量にはいらないけど」
「それ、アタシじゃないよ?」
「は?」
じゃあ、父さんか…?いや、でも…たまにボカをやらかす父さんだけども…
「あー…それもわかってない感じかぁ…なら、なおの事、来週の日曜日ちゃんと来なさいよー」
「さっきから来週の日曜日って…何の話?」
結局、全部はぐらかされてしまってずっとモヤモヤすることになってしまった。
◇ ◇ ◇
そして、その例の日曜日に姉貴に呼び出されたので差し入れを持って指定されたライブハウスにやってきた。
看板には《Future world fes》の予選コンテストとか書いてあった気がするけど…まさかRoseliaのメンバーがまた集まったのか…?
「まぁ…姉貴のテンション高かったし、そうだろうとは思ったけど…」
やっぱり、ああいう姉貴を見ているのが一番だけどRoseliaが復活してそうなるのは腹立たしい所ではある。
それ程大きいハウスではないからか立ち見だけどRoseliaの番は遅くはなさそうだから彼女達の番が終わったらさっさと帰ってしまおう。そう思っていた。
『それでは…聞いてください』
そう思っていたのに曲が始まった途端そんな事はどうでも良くなっていた。
素人目だからか凄いとは思うけど、演奏がどう変わったとかはわからなかった。けどRoseliaそのものは前に見た時とは違っていたと思う。前は全員ただ必死なだけに見えたけど、今は全員この前白金さんが見せてくれた映像の時以上に楽しそうだった。
その姿と音楽に見惚れていたら、いつの間にかコンテストは終わっていて会場から出ていた。
「あ、良かったーまだ残ってた、ちょっとこっち来な」
「え、ちょっ何…?」
急に会場内から出て来た姉貴に引っ張られてスタジオがあるブースまで連れて来られた。
「ちょっとセッティング終わるまで待っててねー」
「…いや、何がなんだか…」
「先週振り…かしら」
急な事過ぎて呆気に取られていると、友希那さんがスタジオから出て来た。
「…何の用ですかね、わざわざ呼び出しておいて」
やっぱり、彼女の顔を見ると少しイラつく
「…先週の事は覚えてないでしょうけど、ありがとう」
「先週って…俺ぶっ倒れただけだなんだけど…」
しかも覚えてないってなんだよ、そんなに俺が倒れる所を見て楽しんでたってか…
「そう言うと思ったわよ」
「姉貴といい、友希那さんといい…何なんだよ…」
俺が寝てる間に二人で何かあったのは間違いないんだろうけど…
「まだセッティングに時間が掛かりそうね…Roseliaの事だけど…貴方の言う通り私達は、咲くだけで届かない空に、頂点を目指そうとする歪な花、なのかもしれない。だけど」
彼女は少しだけ、目を伏せてから俺の前に来て顔を上げ、その瞳はまっすぐこちらを見つめた。
「だけど、不可能でも歪でも貴方の前では咲き誇れる花になってみせる。だから待っていなさい」
俺の考えはさておくとして、あんな物を見せられて、こんな柔らかい表情を見せられて、手を両手で握られたら、返す言葉は一つだった。
「期待しないで待ってる」
「……そう言うと思ったわよ」
声のトーンがそう思ってなさそうな感じだったけど…何を期待しているのだろうか?俺はまだ友希那さんの事は好きになれそうにはない。
「セッティング終わったよー?って手なんか繋じゃって二人ともどうしたの?」
「「何でもない」」
中から出て来た姉貴にわかりやすくからかわれ、ハモってお互いに手を引っ込めた…何で俺まで引っ込めたのかはわからない
「二人ともわかりやすいなぁ…」
「それよりセッティングが終わったならやるわよ」
「OK、カズも一曲聞いていきな」
帰ろうかと思ったけど、待たされるだけ待たされて帰るって言うのも嫌だし聞くか…そういえばこの人達、コンテストの後に練習しようと思うなんてどんだけストイックなんだろうか
部屋の端に置かれたパイプ椅子を彼女らの前に持ってきて、それに座った。
「今日のコンテストの結果は残念な結果にはなったけど、私はこれで良かったとも思っているわ」
「それでも私は…いえ、私達はあんな結果に満足せず、上を目指すために…」
「アタシは友希那にも紗夜にも…皆にもっともっと楽しいと思ってもらいたいから!」
「結果はすっごい悔しかったけど、でもあこ、それがどうでもなる位すっごい楽しかったから…!」
「目指してきた今までが…とても…楽しかったから…」
各々がポジションに着いてこれからの意気込みを口にし、友希那さんがマイクを握った。
「まず、一曲目《Everlasting Sky》…行くわよ!」
これにて完結です。
あまり後書きで語るのは得意でもないので活動報告で語ります
感想がありましたら是非お願い致します。