お姉ちゃんガチ勢の弟ガチ勢のお姉ちゃんの幼馴染ガチ勢のお姉ちゃん   作:効果音

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いや、思い付きなんでね。

いつぞやの最低ポエムの派生ですけどね。

ツインズリーフ共々よろしくされると嬉しい。


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「うあー、はい、おはようございやす」

 

 時刻は朝の七時。

 カーテンの隙間から漏れる日の光に起こされてカズの一日は始まる。

 寝起きで最初にやることは朝食の調理だった。

 元々実家ではリサと一緒にキッチンに立つこともあり、料理ができる人間ではあったが、一人暮らしを始めてから義務となっても苦ではない。

 

(二人分用意するの癖になってんなぁ)

 

 無意識に二人分の材料を用意してエプロンを着けたカズは同居も同棲もしていないのにほぼ毎朝顔を見ているような気がする人物の顔を思い浮かべて微妙な気分にさせられる。

 コンロの上には二センチほど水を張ったフライパンの上にソーセージを一袋分投入して火を入れる。

 その隣の火を入れたコンロのフライパンには卵を二つ、手にとったそれの殻を割って投入する。

 

「おはよう……」

 

 八時。

 起床した友希那がソファーに腰掛けてテレビのリモコンを操作して電源をつけると、朝のニュース番組が日替わりで猫を紹介するコーナーが始まった。

 

「おはよう。今日のご予定は?」

「……特にないわ」

「あっそ」

 

 何もない。ということは夜まで家に居座られることを意味していた。

 たまには一人でだらだらしたいのだが、外に連れ出されて振り回されるよりかはマシだと溜め息混じりに諦めて、トースターにパンを二つセットした。

 

「カズは?」

「家でゲーム。友希那さんに構ってる暇はない」

「そう。私が勝手に構うだけだから気にしなくて良いわよ」

 

 またしてもカズから溜め息が漏れる。

 程よい加減になった彼女の分の目玉焼きとソーセージ、そして冷蔵庫からサニーレタスを取り出して皿に盛り付けて、トースターからほんのりと表面が焼けた色のパンを取り出して共にソファー前のテーブルに運ぶ。

 

「冷めないうちにどうぞ」

「いつも悪いわね」

「そう思うなら少しは手伝ってくれてもいいんじゃないすかね?」

 

 二人の関係は大きく前に進んではいるものの、未だに二人の間柄を指す名前に変化がないのは、お互いに気持ちを口にしていないことが原因である。

 

「カズが頑張って作ってくれた料理を私が独り占めできなくなるのだけど、それでも良いのかしら?」

 

 涼しい顔でそう言っておけば、自分の作る料理で喜んでくれているならそれで良いと満足する。

 姉のリサと同じ扱いをしておけば良い。とある意味手癖のような扱いをすると、カズは不満気な表情を浮かべた。

 

「俺だって友希那さんが作ってくれた料理。食べてみたいけど?」

 

 カズだって男の子である。

 意中の相手にしてほしいことや、一緒にやりたいことの一つや二つくらいは年相応にある。

 

「……」

 

 予想外のカウンターパンチだった。

 今までのカズならば、ツンとした態度で「どうせ料理作れないしな」と言ってくるものだと思っていたが、普段見せない素直な欲求に友希那は言葉を失った。

 

 今まで散々口喧嘩を繰り返してきたが、素直に甘えられることなど皆無だったせいで年下らしい素振りがクリーンヒットする。

 

「ま、好きで作ってるからいいけど……」

「なら、それでいいじゃない」

 

 何とか再起動した友希那は色も頬も動かさずにソーセージにかぶり付く。

 

 味は普通。

 普通に美味しい。

 リサは友希那に料理を振る舞う時に、気合いを入れて凝ったものを出すが、カズからは逆にいつでも作れるようなものを出される。

 

 以前なら、近くに居るだけで睨まれていたというのに、気を遣わずに彼の日常の中に溶け込めていることは大きな進歩だった。

 

 それから何時間か経って、テーブルに並べられていた二人分の朝食を乗せた皿がシンクの中で油を浮かせている頃。

 リビングで最近発売されたゲームをカズがプレイしている最中に急に明日の用事を思い出して、何食わぬ顔で彼の肩を背もたれにしてタブレットで猫の写真集の電子書籍を読んでいる友希那という構図が日常になっていた。

 

「この前美竹から聞いた話でさ。羽丘のピアノの幽霊ってのがあったんでけど、友希那さんが卒業する前にもそんな話あった?」

「ないわね。少なくとも知り合いの子が学校のピアノを使っているというのも聞いたことがないわ」

 

 友希那が高校在学中、というよりRoseliaを結成してからであれば、その手の話に興味を持つ余裕もあっただろうが、その様子も無いとなると、噂の正体はある程度絞れるような気がした。

 

「また、七不思議の調査でもするつもり? 無関係の女子校に忍び込んだら流石に庇えないわ」

「違う違う。ちょっと知り合いに頼まれ事してるだけ」

「そう」

 

 流石にリサの影響や一人暮らしのおかげで女子力は高いカズではあるが、女装をするには無理がある。

 ふと、ある双子の顔が友希那の頭に過ったが、羽丘の生徒と交流があるせいですぐにバレる気がして言葉を飲み込んだ。

 

「あ、そうだ……明日は一日居ないから今日の内に帰れ」

「……闇バイトかしら? お金ならあるわよ」

「ちゃうわ! バイトではあるけど!」

 

 ナチュラルに貢いでも良いと言われた気がするが、金銭に困っているわけではない。

 

「危ないこと、じゃないのね?」

「……勿論」

 

 一瞬だけ指が鈍ったせいか、コントローラーの操作が遅れてゲームの中のカズが敵キャラクターの攻撃を食らってしまいダメージを受ける。

 

「じゃあ、リサに言える?」

「何で姉貴が出てくる」

「カズは私には嘘をつくけれど、リサには嘘をつかないもの」

 

 友希那は嘘をつかれても気づかないか気づいても気にしないが、リサは嘘をつかれた瞬間に見抜いて指摘する。

 嘘をつけないというよりかは嘘をついたとしても無駄というのが正しかった。

 会話の方に脳のリソースを回すためにゲームの操作を防御と回避だけに専念する。

 

「ちょっと接客のバイトしてくるだけ。姉貴とRoseliaに迷惑掛かるようなことじゃない」

「場所は?」

「ぜっっったい言わない! どうせ姉貴と一緒に来るつもりだろ!」

 

 こういう場合、厄介なのは友希那ではなく、リサである。

 カズもシスコンであるが、リサも立派にブラコンである。

 一人暮らし開始によって解禁された初バイトの姿を写真と網膜に焼き付けるために張り切ってしまうであろうことが用意に想像できた。

 

「ダメかしら?」

「ダメに決まってんだろ」

 

 無論、身近な人間がバイト先に居るのはやりづらく、友希那一人でも嫌なものは嫌である。

 興が削がれたカズはゲーム機の電源を落として、コントローラーをテーブルの上に置く。

 

「なら、明日会えない分の補給はさせてもらうわ」

 

 友希那がカズの服の襟を掴んでひっぱり始める。

 

「あの、服延びちゃうんだけど」

 

 唐突だったが、なんだかデジャブな気がしたカズは冷静に友希那の手を掴んで抵抗する。

 華奢な身体の何処にそんな力があるのかわからないが、思いの外強い腕っぷしに持っていかれて、ソファーの上でもつれ合いになる。

 

「ひりついた素肌も見せて、恥じる事はないの」

「親父さんに謝りに行こうか!」

 

 自分から背中から倒れ、わざとらしく頬を赤らめた友希那が最低な歌詞引用を始めた。

 変な汗を掻きながらカズが服の襟を正すと、家の玄関から解錠音が聞こえた。

 

「カズー、友希那ー。夕飯どうするー?」

「お邪魔します。今井さん、やはり連絡もせずに私まで今井くんの家に来るのは迷惑だったのでは……?」

 

 そして、リサと紗夜が廊下を開けて目にした光景がどう映ったかは言うまでもない。

 

「は?」
 
「は?」
     

 




To Be Continued……(例の曲)
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