お姉ちゃんガチ勢の弟ガチ勢のお姉ちゃんの幼馴染ガチ勢のお姉ちゃん   作:効果音

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今回NFOが出てきますが、原作とは似て非なる何かです。
ここからカズ君がぶっ壊れていきます


Tear drops

 翌日、祝日で親は出掛けているので溜まったアニメ見るぞって感じでリビングに出たら姉貴に正座させられた。

 

「あのねぇ、事情話せとは言ったけど何も友達を巻き込んで喧嘩しろって言ってないでしょ!」

 

「…姉貴が悪い」

 

 色んな意味で

 

「えぇー…アタシが間に居ないとダメ?」

 

「…こっちにその気は無いのに向こうから突っかかって来るんだからクッションは必要でしょ」

 

 向こうがいつからああかは知らないけど。

 

「友希那の態度に心当たり無いの?」

 

「無い」

 

 とは言いきれない。

 

「じゃあ、カズが友希那に冷たくしたのは何で?」

 

「……答えたくない」

 

「それじゃ話進まないでしょー!」

 

 肩を捕まれて前後に思いっきり揺らされた。だって姉貴に言うのはちょっと……

 

「……だって、ねぇ」

 

「どうしても訳は話せない?」

 

「うん」

 

「そっかー……そうだよねー、去年辺りから顔を合わせると喧嘩するなんて無かったよね」

 

「そうだっけ?」

 

「流石にお母さん達の前ではしないけど、居なかったら口で牽制し合う位にはギスギスしてたよ」

 

 気に食わない相手がイライラしてるのは愉快だし、簡単に挑発に乗ってくれるんだから面白いったらありゃしない。

 

「…姉貴はさ、友希那さんの事どう思ってる訳?」

 

 何でこんな事を聞いてしまったんだろうか

 

「え? アタシ? うーん、ほっとけなくて可愛いくて大切な幼なじみかなー」

 

「……さいですか」

 

 そっかぁ、はぁぁぁぁ。

 

「で、それがどうかしたの?」

 

「何でもない…」

 

 やっぱり友希那さんは敵なんじゃないだろうか? 

 

「友希那も突っかかっる感じじゃ無かったのになー」

 

「この前断ってたけど姉貴からも友希那さんに言っといてよ、誤解は誤解なんだし」

 

 まぁ、その方が姉貴は安心するだろうし。

 

「なら、これで誤解が解けなかったら手伝うけど自分で誤解を解くきなさいよー」

 

「わかってる…」

 

「じゃあ、アタシはバイト行って来るから留守番よろしくねー」

 

「はーい」

 

 我が家は母の「帰宅した時に誰かが迎えてくれるのは良いこと」というお言葉のせいで家族全員で出掛ける以外は誰かしら留守番してなければならない掟があった。確か俺に1人暮らしをさせない理由もそれだった。

 姉貴が支度してるのを尻目にテレビで録画していたアニメを垂れ流す。

 

「今期は、あまり見るのねぇな…」

 

 来期は殺戮の天使があるから姉貴に見せるか、姉貴の反応が絶対面白い。

 

「これで、よし…じゃあいってきまーす」

 

「いってらー」

 

 わざわざ、俺の事待ってたのかな。結構急いで支度してたけど。

 

「だとしたら悪いよなぁ」

 

 見終わったアニメを削除しては次のアニメへ、という工程が二回程行われた時に携帯が震えだした。裕司からだ。

 

「はい、もしもし」

 

『おはよう、今大丈夫か?』

 

「通話位なら全然」

 

『そうか、昨日帰った後とか大丈夫だったか?』

 

「別にお隣とかでも毎日会うって訳じゃないからな」

 

 姉貴の部屋の真反対に友希那さんの家の部屋があって俺の部屋が姉貴の部屋の隣にあるのでカーテン閉めてないと顔を会わせる事は多々あるけど

 

『やっぱりアレか? あの後お姉ちゃんに甘えさせてもらったのか?』

 

「…切って良いか」

 

 逆だわ、逆……寧ろ甘えるとか、ねぇ。

 

『悪い、悪い…あとさっきから何か咀嚼音がヤバいから食べるの止めろ』

 

「勝手なやつだな。んっく……げふ」

 

 ポップコーンの袋を手放してコーラを飲み干す。

 

『お前にこの会話録音して聞かせてやろうか!?』

 

「すまん、今のはコーラが悪い」

 

『十割お前だよ!電話しながら飲食すんな!』

 

「んで、何の用だよ…もしかして俺の声が聞きたいとか言うんじゃないよな?」

 

『様子を知りたかっただけだよ、あんな事の後だしな』

 

 割りと純粋に心配されてたみたいだ、何でこいつ彼女と別れたんだ……理由は察するけど。

 

「俺なら大丈夫だよ。家に籠ってればあいつと会う事もないからな」

 

『…そっか、また困った事があれば相談しろよー、また明日な』

 

「ああ、また明日」

 

 通話が終わったので時刻を確認すると11時位だった。

 

「そろそろログインしてるか」

 

 昨日イベントが始まった《Neo Fantasy Online》略してNFOで待ち合わせがあるのだ。

 

「ぱぱっとログインしちゃうか」

 

 パソコンを立ち上げてNFOにログインしてネットで攻略情報を調べてギルドメンバーを待つことにした。

 

「うえ、今回物理高めかぁ……タンクは辛い事になるよなぁ」

 

 ボスの周回方法を考えている間にギルドチャットに通知が来て俺のアバターの《イケナシエル》に女性キャラが二人近づいてきた。

 

RinRin『こんにちはー(^^♪』

 

聖堕天使あこ姫『こんにちは!』

 

イケナシエル『こんー、今回のイベントボス物理耐久高いってさ、今回のジョブは魔戒剣士で行くかな』

 

RinRin『らしいですね(-_-;)』

 

聖堕天使あこ姫『じゃあ今回あこは耐えてれば大丈夫かな? 』

 

イケナシエル『半年に一回は俺の素材庫が消し炭になるよな』

 

 物理耐久特化だと面倒臭い理由としてはこのゲームの攻撃魔法は例外を除いて仕様上あまり強くないのだ。攻撃魔法に人権は無いと言われるくらいに

 なのにRinRinさんは攻撃魔法を完璧に使いこなしているのでユーザーから神か変人扱いされている。

 

イケナシエル『イベント終わったらまたソウルメタル集めか』

 

RinRin『足りなければ何個かなら渡せますよ(*^_^*)』

 

聖堕天使あこ姫『あこも渡せますよ!』

 

イケナシエル『このイベント終わるまでなら耐えられるから大丈夫』

 

 俺のメインジョブの魔戒剣士は全ユーザーがそこそこ必要となるアイテムを一つのジョブを最大強化するのに必要な数の5倍以上の素材毎戦闘要求される、しかも戦闘開始してからスキルリキャストが始まり数分はロクに戦えない上にそもそもジョブ取得条件と強化条件を満たすのにどんな廃人でも数年掛かるのだ

 その代わりこのゲームの魔法で反則レベルに強い魔法攻撃が使用できたりゲーム内最高ステータスが得られたりする

 

イケナシエル『たまに魔戒剣士が周回で必須になるイベント開催する運営ほんとトチ狂ってるわ』

 

RinRin『素材集めは課金しても効率は大して変わらないですよね(-_-;)』

 

聖堕天使あこ姫『それをイベント始まる前に使う分を毎回集めてるイケさんがおかしいよ…』

 

イケナシエル『ま、まぁ…逝くぞ』

 

聖堕天使あこ姫『さぁ、ラグナロクを始めようぞ!』

 

 こうして何度目かの俺の素材庫と運営の戦い(ラグナロク)が始まった

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 あの後十回位イベントを周回して二人が落ちた後、少しだけ素材集めをして切りが良くなったのでゲームをログアウトした

 

「そろそろ姉貴が帰って来る頃か」

 

 俺が留守番してる時は姉貴が帰ってくる前にお茶の準備をしておく、今日は少し暑いから麦茶とおせんべいでも用意しておこうかと色々準備しているとインターホンに呼び出されたので玄関を開ける。姉貴が帰ってくるには少し早い

 

「はーい」

 

「…今は貴方一人なのかしら?」

 

「…何か都合が悪い事でも?」

 

「いえ…その…昨日の事で少し話があるわ」

 

「…あっそ、好きにすれば」

 

 友希那さんだった、一体どういう風の吹き回しだ、お隣とは言えわざわざお説教しに来たのかこの人? 

 予定変更。ミルクも砂糖も切らしているから出す飲み物はコーヒーだ。

 門前払いしても良かったけど姉貴にああ言われた後だ、少しなら話を聞いてやらんでもない。家の中に戻ってコーヒーの準備を始める

 

「…お邪魔するわ」

 

「それで…話は?」

 

 コーヒーカップを友希那さんと自分の分を用意してテーブルに置く

 

「それは貴方の話をまともにしてなかったと思ったから話をしに…「どうせ姉貴に言われたんでしょ」違うわ!」

 

「どうだか…」

 

 ああは言うものの見た感じいつもの友希那さんと変わりはない。

 

「昨日の事は…私のせいで貴方の友人にまで迷惑を掛けたわ、本当にごめんなさい」

 

 本音を言えば俺じゃなくて裕司に謝っていただきたいな、アイツの方から誘ってくれたライブだったし

 

「…で、話はそれだけですかね」

 

 こんなだらだらやってたら姉貴帰って来て面倒臭くなるなぁとか考えながらコーヒーを啜る。

 

「…一つだけ聞いて良いかしら?」

 

「内容によるとしか」

 

 何かデジャヴだ

 

「貴方はリサの事をどう思っているの?」

 

「ごっ…!? うっ…ん」

 

 せんべいを噛ってたらむせかけた、さっき似たような質問を姉貴にしたぞ

 

「どう思ってるのかしら?」

 

「聞こえてますから…」

 

 そりゃ…色々思ってるけど…何の意図が? 

 

「優しくて面倒見が鬱陶しい姉…」

 

「……また素直じゃない事を…面倒見を鬱陶しいと言い出す人、初めて見たわ」

 

 何かよく分からない間があったけどどうでも良いか、姉貴早く帰ってこないかなぁ

 

「さいですか、さっさと飲まないとコーヒー冷めますよ」

 

「…砂糖とミルクが欲しいのだけど」

 

「生憎、今の今井家には砂糖もミルクもない」

 

「………そう」

 

 そこから友希那さんは十分以上掛けて顔には出さないものの苦しそうにコーヒーを飲み干した。嫌がらせで出したのに、昔から何故か普段頼まないブラックコーヒーも俺が出す時だけは変な意地張って飲むんだよな、この人…

 

「私が音楽活動を始めてからよね、貴方がそういう態度を取るようになったのは」

 

「それが何か?」

 

 イラつく、コーヒーを飲んだならさっさと帰ればいいのに

 

「その理由は何なのかしら?」

 

「嫌です、自分の胸に聞いてください」

 

「……そう…貴方は変わってしまったわね」

 

 我慢の限界だった、何ださっきから今まであんな人の話なんて聞かなかったのに、今更そんな事を友希那さん(元々優しかった人)に言われたせいでカチンときてしまった

 

「貴女が…それを言うのか!よりにもよってアンタが!」

 

「っ……そうね…私が言う事じゃなかったわね」

 

 ああ最悪だ、こんな事を言うつもりは俺だって無かった。でも言ってしまった。

 

「アンタらの音楽ごっこで周囲を振り回すな!迷惑なんだよ!」

 

 次の瞬間、俺の頬を叩かれた。

 

「たかが一度ライブを聞いただけで私はともかく他のメンバーを侮辱しないで!」

 

「一回聞いてわかるほどバンドになってないって言ってんだよ!」

 

 今度は逆の頬を叩かれた。しかも、彼女の頬には水滴が流れていた。

あーあ、もうどうにでもなれ

 

「もう一度、言ってみなさい…リサや他のメンバー全員の前でもう一度全部言ってみなさい!」

 

「二人共!何やってるの!?」

 

「…っ失礼するわ!」

 

 最悪のタイミングで姉貴が帰ってきた、それに気づいた友希那さんは逃げるように外に走り去った。

 

「カズ、今のどういう事?」

 

「…ごめん、全部俺が悪い」

 

 姉貴が怒ってるのを見るのは、多分生まれて二回目位だ

 

「誰が悪いとかじゃなくて!どうしてこうなったか聞いてるの!」

 

「今、俺も冷静じゃないから、友希那さんの方に行って…ほっといて…頼むから!」

 

「わかった…後でカズにも聞くから頭冷やしといて」

 

 そう言って姉貴は友希那さんを追った。

 

「アホ!アホかぁ!あそこはせめて表面上だけでも仲直りするチャンスだっただろ!」

 

 自室に入ってから数十分程ベッドに頭を打ち付けた。本当に下手を打った、姉貴にあんな事を言われたのに仲直りするどころか、悪化させてしまった。

 

 悪化させた事で姉貴との約束を破ったという事も精神に響いていた。

 

「最っ悪だ…あー…何もやる気でねぇ」

 

 何かSNSに連絡が入ってたから内容を確認しておく

 

「いっちーか。ゲーム以外でなんて珍しい…『来週にライブやるから金曜日にとりあえず次の住所まで来い、席はお前の好きな姉の分まで取ってあるぞ』って…姉貴とは行けねぇよ…少なくとも今は…裕司でもさそうか、好きそうだし」

 

 裕司にこの事を連絡するのは…明日でいいや

 

 気を紛らわす為にNFOにログインしても結局手に着かずボーっとしていたら姉貴が家に戻って部屋に入ってきた。

 

「ごめんね、さっきは怒鳴っちゃってさ」

 

「別に姉貴が悪いわけじゃ…」

 

「それより、友希那にも聞いたけどどうしてああなったの?」

 

 姉貴もある程度落ち着いたのか声色は優しく微笑んでいた、けどそれが逆に辛かった。

 

「…俺が子供だった」

 

「…何で友希那の音楽活動を遊び扱いしたの?」

 

「音楽活動を始める前はあんな性格じゃなかったあの人に俺が変わったって言われて頭に血が上った」

 

「そっか、それは確かにカズが子供だね…今すぐ謝りに行く?」

 

「…ごめん、まだ無理」

 

「そうだよね、ゆっくりで良いから必ず謝りなさいよ?」

 

「うん…」

 

「よし、じゃあこの話は終わり。夕飯作るから待っててね」

 

「…料理、手伝わないと」

 

 キッチンに向かった姉貴の後を追って料理を手伝う事にした。

 

「あ、手伝うなら、食材切るのお願いねー」

 

「ん…」

 

 受け取った食材は鶏肉、こんにゃく、人参、ゴボウ、里芋…ってこれ筑前煮作れって事か

料理を始めたのは去年からで多分一番得意なのは筑前煮、理由は…

 

「そういえば去年辺りから急に料理始めたけど何で?」

 

 手元が狂って思いっきり指を切った。

 

「大丈夫!? 切ったの親指だけ?」

 

 姉貴が大慌てで救急箱を持ってきて手当をしてくれた。

 

「ごめん、考え事してた」

 

「もう、前から考え事しながら料理しちゃダメって言ったじゃない」

 

 あんだけタイミングよく聞ける姉貴は心を読んでるとしか思えない。

 

「母さんが居たら俺が筑前煮されてた」

 

「あー…確かに、良かったね二人が今日遅くて」

 

 ホント良かった…確か昔指切った時は次から食材が切られた状態で料理させられたなぁ、何も練習にならないからやめてほしい

 

「はぁ、今日はお姉ちゃんが腕によりを掛けてお料理してあげるからおとなしくしときなー」

 

 良かったかもしれない…とりあえず姉貴が料理してる間に姉貴が盛り付けするだけで良い所まで準備を進めておく

 

「準備早いじゃん、やるねー」

 

「まぁ。これ位は…」

 

「そっか偉い偉い」

 

「何だよ、その子供を褒める時みたいな言い方」

 

 もうちょっとあるだろもう高校生なんだし

 

「アタシからしたら全然子供だよ。冷めない内に食べよっか」

 

 心の中でため息を合わせるのと同時に二人共手の平を合わせた。

 

「「いただきます」」

 

 昔から母さんがどんなに状況でもいただきますとごちそうさまは言えって言われていたせいで二人とも癖になっていた。忘れるとトリコの漫画版を読破の刑だった。

あと、食事の時は辛い事は忘れろとも言ってた、多分姉貴さっきの事を口にしないのはそれの影響だ。

 

 特に食事中に会話らしい会話は無く姉貴が一方的に話して俺はたまに返事をして食べ進めていた。

 

「「ご馳走様でした」」

 

「そういや、来週新しいバンドのライブ見に行くことになった」

 

「また? 何だかんだでバンドに興味あるじゃーん、今度アタシ達のライブある時はチケット渡すから来なさいよー」

 

「…あんな事言った手前行けないよ」

 

「途中で帰っても良いから、少しは聞いて欲しいんだけどなぁ」

 

 また友希那さんと会う確率を高めるとなると物凄く嫌だ。

 

「…行けたら、ね」

 

「それで誰かと行くの? 裕司君?」

 

 その他に友達居ないみたいな言い方やめて!

 

「そうだけどさ…」

 

「そっか、大切にしなさいよー。同性の友達少ないんだから」

 

「はいはい…それより俺さ、ちょっとお願いがあるんだけど」

 

「何? 出来る範囲なら聞いてあげるよ」

 

「いや…何でもない」

 

 Roseliaメンバーに謝りたいと思ったけどそもそもRoseliaメンバーに会うって事は友希那さんも居るし今彼女と対面したらまともに喋れる気がしない…

 

「気が変わったらまた言いなさいよ、カズはここぞって時で引いちゃうんだからさ」

 

 全くその通りだよ…

 

「あーうん…その内」

 

「それにしても新バンドかぁ、ライブの場所ってどこ?」

 

「確か流星堂」

 

 あそこって市ヶ谷さんって良いとこの人が住んでるって聞いたけどよく借りれたな

 

「あそこってライブする設備あるの?」

 

「さぁ? やるって言ってるんだからやるんじゃん?」

 

「まぁ、そうだよね…行ったらどんなバンドだったか教えてね? 最近ガールズバンド増えてきてライバル多いんだよねー」

 

「ん、俺はもう寝るよ…おやすみ」

 

「うん、おやすみ」

 

 この日は全く眠る事はできなかった

 




仲良く喧嘩しな

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