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アタシの悩みは親友と弟の仲が悪くなってしまった事だ。昔はそうではなく弟が親友を姉として慕う位の仲ではあった筈なのだけど、親友が音楽活動を本格的に始めてから仲が悪くなったらしいけどそれが直接の原因ではないらしい事がまたややこしい所だ。
「お、アンタまだ居たんだねー」
部活の練習の帰りに近所の公園近くで昔からここら辺に住み着いてる猫が寄ってきた、カズが家で飼おうとしたけどダメで友希那がちょいちょい面倒を見ているらしいけど自分で餌とか取れてるのかな?
猫が来た方に戻ってどこかに行ったのを見送ると入れ替わりでカズがそこに居た。
「カズじゃん。ポピパのライブどうだった?」
「あー…何か勢いがあった…てか姉貴もメンバーに一回は会った事あるんじゃないの?」
かなり渋い顔をしている…まぁ確かにポピパのメンバーは独特だから振り回されたんだろうなぁ、アタシも会ったのは少し前だけど
「うん、会った事あるよー」
「じゃあ俺に聞く必要ないじゃん」
「ねぇねぇ、有咲とはどんな関係なの?」
少し話した事はあるけど、何か引っ掛かるんだよねぇ
「…普通にゲーム仲間だけど?」
「ホントにー?それだけで自分のバンドのライブに呼ぶかな?」
そもそも友希那の気持ちを知ってて応援しているアタシとして彼女の恋を応援したい気持ちもあるし、カズが選んだ相手なら良いという気持ちの狭間で数年悩んでいるのだ…姉のアタシが出てきて良い話かわからないけど
「姉貴は勘繰り過ぎなんだよ、ラブコメじゃないんだからさ」
「でもわざわざ女の子が呼んでくれたんだから何かお礼はしときなさいよ、わかった?」
恋愛抜きで礼儀としてそれはしっかりして欲しい
「わかったよ…ところでさ姉貴に聞きたい事があるんだけど」
「改まって何か聞く事って何?好きな人でも出来た?」
そうだとしても絶賛拗れ中の友希那ではないんだろうけどさ…
「姉貴さ、また辛くなってない?」
あー…カズ的にはまだ気になるとこなんだね、Roseliaを結成する前に一度友希那についていけなくなったアタシはベースを辞めた。その時の事を未だに気にしてるんだね
「大丈夫だよ、今度は」
「なら良いんだけどさ…」
「というか」
「いふぁいいふぁい」
頬を引っ張った。うまく発音できていない所が面白い
「アンタは他人の事より自分の事をどうにかしなさい」
あんまり友希那との事は口を出したくないけど、少し位なら、ね
「…わかってるけどさ、俺完全に嫌われてるだろうし話し合いにならないと思うんだけど」
「こらこら、やる前から諦めない。昔みたいに友希那お姉ちゃんって呼べとまで言わないからさ」
結構考え方が後ろ向きなんだよねぇ…昔はもっと無邪気で普通に可愛かったのになぁ…今はツンデレっぽい可愛さだけど
「それいつの話…」
「最低限でも普通に会話する位にはなりなさいよー」
「…そこまで言うなら、まぁ」
ぶっきらぼうな言い方は相変わらずだけど素直に聞いてくれる所も相変わらずだった。
「じゃ、頑張りなー」
ホントに友希那の為に頑張って貰わないと困る。
◇ ◇ ◇
翌日、バイトのシフトが後輩の青葉モカと被って二人きりになった。
「お客さん来ないっすね~」
「ま、土曜のこの時間だしね」
「弟さん、どうなりました~?」
「あ、あ~…あんまり好転してないかなぁ…むしろ悪化してると言うか…」
「大変そうですね~」
さてはあんまり大変そうに思ってないな?
「いつからああなったかなぁ」
「そもそもいつからカズの態度の変わったんですかー?」
「うーん…中二の時かその前か…それかアタシがRoseliaに始めてからか…」
その時期にアタシに色々あったけどそれでカズと友希那の仲が拗れるのはよくわかんないなー
「リサさんも罪作りな女ですね~」
「え?なんでアタシ?」
「そういうとこですよ~これ以上、モカちゃんは何も言いませんけど~」
どういう事なんだろう?友希那に聞けばある程度わかったりするかな?妙にモヤモヤしながらバイトをすることになった。
その後にRoseliaの練習で友希那が約束通りあこがミスしなかったので友希那がカズの話を…とはならず、少しミスをしてしまった。
「う~友希那さんからカズさんの事聞けると思ったんだけどなぁ」
「アレ?あこ、カズの名前知ってたの?」
確かRoseliaでカズの事を話す時に名前は出したことなかったんだけどな
「この前会ったんだ~それで色々話すことができたんだけど…リサ姉の事ばっかになっちゃって…カズさんからは聞き出せないかなーってリサ姉から話してよー!」
「前も言ったけど、アタシはそんなに二人の関係に詳しい訳じゃないんだよねぇ…」
友希那がカズをどう思ってるかは知ってるだけど、カズから友希那をどう思ってるかは…純粋に嫌いなだけなら良いんだけど…ねぇ
「そもそもこの間のライブの時、彼の近くに行って感想を聞く必要、なかったですよね?」
「…それは、彼の言う事がメンバーに影響しない様に─」
友希那の言葉を紗夜が遮る
「誰かも知らない人に何を言われても私は気にはしないし、気にしたところでRoseliaには関係ない…宇田川さんのやる気に繋がっていたので今までは言いませんでしたが--」
紗夜の問いに答えられない友希那、答えられる筈が無い。だって自分の歌を好きだと言ってくれた人で好きな人の評価が気にならない訳がない。だから友希那はあの時アタシというクッションが居なくても今のカズに感想を聞こうとなんてしない…と思う。
そんな友希那に援護射撃を飛ばす為に紗夜の言葉をアタシが遮った
「ま、まぁ…紗夜もそこまでにして練習の続きやろうよ!アタシから言っておくからさ」
「姉である今井さんがそう言うなら…次は無いと思ってください」
「……分かっているわ」
この日、友希那と紗夜に少し溝が出来たのかもしれない。
◇ ◇ ◇
「…私は、どうするべきだったのかしらね」
家の目の前で友希那がそう呟いた、練習している特に様子はおかしくなかったけどさっきの時の事を気にしているらしい。
「アタシは友希那の好きにすれば良いと思うよ?今までもそうしてきたじゃん」
うん、悪い方向に行っちゃうかもって思うけど…やっぱり友希那が始めた事だし、アタシはそれを応援する…友希那が昔みたいに笑ってくれるようになるんだったらアタシは何だってするそう決めたんだ。
「…そう、よね」
「うん、じゃまた明日ね」
「ええ…また明日」
結構遅くなったなぁと思いながら自分の家に帰ってみたらリビングでカズがうつ伏せで唸ってた。
「う~~~ひまりのやつ復讐してやるから覚えとけよ…」
「ただいま~…って母さんと父さんは?てかフローリングの上で寝そべるのやめな」
「おかえり…母さんは風呂、父さんは部屋で仕事」
カズはそう言うと起き上がってわざわざ二人分の飲み物を持ってきてくれた。
「サンキュ」
受け取ったスポーツドリンクを一口飲んでソファーに腰を掛けると、妙に離れた距離にカズが座った。
「どしたの?そんなに離れて?」
バイトと練習の後だったから臭かったかな?
「別に…深い理由はないけどさ……」
「無いの?それはそれで気になるけど…そういえばさっきひまりがどうとか言ってたけど何かあったの?」
「大した事じゃない…それより紗夜さんってさ、ストイックで努力家な人だよね?」
「うん、そうだけどそれがどうかしたー?」
珍しく自分からRoseliaの事を聞いてきた。
「…話、する機会があるかもだからさ」
急に?…もしかして…いや、確かに友希那と紗夜って似てる所多いけど……
「ダメ!お姉ちゃんそんなの許さないんだからね!」
「は?何言ってんの?姉貴大丈夫?」
「いや、急に会った事が無い姉の知り合いの話しだす方が心配だからね?」
そう言うと少し悩んでからカズが口を開いた。
「…日菜から紗夜さんと仲が良くないって聞いたから、何となく」
「あ、そう言う事…」
いつの間に日菜と知り合ったのか…あことも知り合ってたしその時なのかな?
「まぁ…でも…そうだよなぁ…めんどくせ」
「いや、アタシにそう言われてもなぁ、そもそもカズはあの二人をどうしたいの?」
「家族内でそれに双子で仲悪いって気持ちい話じゃないと思って…」
そういう考えが出来るのに何故幼なじみとの関係はああなのか…昨日似たような事言ったばっかなのにこの子は…
「あー…うん…アタシもあの二人の事はどうにかしたいと思うけどさ、もうちょっと本人達に任せたら?」
「…俺より二人に詳しい姉貴がそういうならそうしとくけど」
納得してくれた様で何よりだ。さてファミレスでの事を注意し--
「あ、そうだ。明後日裕司のデートについてくことになった」
「ふーん…うん?」
今ちょうどボーっとしていたせいか正確に聞こえてなかった、もう一度聞こう
「ごめん、もう一度言って」
「明後日」
「日付じゃなくて内容」
「デートに行くことになった」
カズに近づいて胸倉を掴んだ
「誰!?もしかしてアフロ!?ポピパ!?Roselia!?」
「何でバンド連中なんだよ…」
カズの知り合いが居るバンド名を上げたけど違うみたいだ…なら誰?
「じゃあ誰なの?」
「元カノ?」
友希那の恋が負け戦になりそうでアタシは膝から崩れ落ちた。
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