お姉ちゃんガチ勢の弟ガチ勢のお姉ちゃんの幼馴染ガチ勢のお姉ちゃん 作:効果音
kajyuu0%様 もこもこさん様 アイガイヲン様 エビハウ様
☆9
榛東様 ハイパー扇風機様 はいふりおじさん様 特にはない様
高評価ありがとうございます!
8月31日に日間14位でした!これからもよろしくお願いいたします!
ロクにチェックできてません()
「裕司を殺さなければいけないかもしれない」
昼休み、学校の屋上で真剣にそう思った。
「ふぁっ!?急にどうしたお前」
「お前のデートの話をしたら姉貴が滅茶苦茶ショック受けてた」
「何でリサさんがショック受けてんだよ…もしかして俺の---」
「必殺…浅川裕司暗殺拳」
「…違うよなぁ!知ってた!だから落ち着け!そしてなんだそのピンポイントな技!」
--説明しよう!浅川裕司必殺拳とは特効対象範囲が狭ければ狭い程威力が上がる物とするなら個人に向けた特効にすればとんでもない威力が出ると言う最高に頭の悪い考えで生まれた必殺技である!
裕司がさっきからかなり焦ってる。そんな事言うからだろうに
「俺の中だと裕司を殺すか裕司が殺されるかのどちらしか残されてないんだけど」
姉貴に彼氏出来たらコンクリに沈めてやる。絶対にだ!
「デッドオアダイじゃねぇか!そもそもお前なんて説明したんだ?」
「明後日裕司のデートについてくことになった」
一昨日の会話を思い出す、確かあの時はひまりのせいで疲れてたな…裕司がため息をついて呆れてる。
「聞き返されたりは?」
「した」
「…そん時に何て言った?」
「明後日、デート相手は元カノ…て感じで」
そんな感じだった気がする。何であんな動揺してたのだろうか?
「それ、元カノって言う前に知り合いの名前挙げられなかったか?」
「お前凄いな、なんで分かった」
「…はぁ……お前が悪い」
「は?何で?」
「知らね、知らね…俺は自分の事で一杯一杯だ」
知らねって…こいつ雑になりやがって。
◇ ◇ ◇
週初めの月曜日の放課後に自分の元カノとデートをしているところを友人に見守ってもらいたいというのだから裕司のワガママは、はた迷惑な話である。
そのせいで俺は学校最寄りの駅のカフェ…の向かいのカフェで裕司のデートを見守ることになったのだ。
「ったく…何で友達が元カノと復縁するのを見守らなきゃいけないんだ…」
頼んだコーヒー啜りながら愚痴をこぼしていると向かいのカフェに裕司が彼女を連れて来た。
「名前は…愛香だったっけ」
確か彼女の事を書いてある紙を渡されたていたので鞄からメモを見ると
・身長:可愛い
・学力:可愛い
・特徴:可愛い
・髪型:可愛い
そこまで読んで紙をしまった。使い物にならないアイツが変な事やって別れたに違いない
裕司には携帯の通話アプリをオンにしっぱなししてもらって俺はその音を聞いている。
『なぁ、愛香…俺達y』
『すみません、ジャイアントココナッツデカプリオフラペチーノとアイスコーヒーください』
何だそのメニュー、ゲテモノ過ぎるだろ
『なぁ、愛香…俺達やり』
『裕司、うるさい』
『……はい』
あの調子で何で一回でも付き合おうと思ったのか?
『ほら、飲みなさいよジャイアントココナッツデカプリオフラペチーノ』
向こうが注文した物が運ばれてきた、そういえばさっき裕司は注文してなかったと思ってたらやっぱりそういう事なのか
『あのー…これカップル用ストローが刺さってて1人じゃ飲めないんですが…』
『だって、それで?』
『ちっくしょぉぉぉぉ!!』
気合いでハート型のストローを一人で吸い出した裕司、その眼は激情か悲しみか…
「お客様、こちら相席で宜しいでしょうか?」
「あ、大丈夫です」
相席か…相手に怪しまれない内に場所を変える必要がありそうだな…
「…アレがリサの言っていた貴方の元彼女かしら?」
やたら不機嫌そうな友希那さんが正面に座った。多分また喧嘩するだけだしさっさと場所変えるか
「…帰ります」
「待ちなさい、少しで良いから話を聞きなさい」
立とうとしたら腕を捕まれた、まぁ…聞くだけなら…聞くだけだから…落ち着け。そう言い聞かせてイヤホンを外した。
「…因みに今日ここに来た理由は?」
「ここのスタジオに用事があっただけよ?」
嘘ではないな…この人昔から嘘だけは上手くない人だから信用はある。
「…さいですか、一応訂正しておきますけど…アレは俺の元カノじゃなくて裕司の元カノなんで」
「あぁ…そういう事なのね…安心したわ」
何でそこでアンタが安心する。そもそも勘違いしたっぽい姉貴があんな事してたら彼女なんて出来る訳もないし作ろうとも思わないっての…
「それで、話って何です?」
早く謝れ、それだけでまだ俺の心はマシになるんだから、謝れ俺
「改めてRoseliaについてどう思って聞かせて欲しいわ」
「…その前に一つだけ良いですか」
「…良いわよ」
「…その、この前は」
心臓がうるさい、周囲の喧噪も自分の息遣いも何もかも聞こえない。
「…この前は…すみませんでした…思慮が足りてなかったと思います」
言えた、少しだけ気持ちは軽くなった気がする。
「そう、貴方がそう言うなら…私はもう気にしないわ」
「……そうですか」
少しだけ空を見上げて息を吐く、多分これで俺がよっぽど頭に血が上らなければ喧嘩にはならない筈…
「それでRoseliaについて貴方はどう思っているの?」
そういえばそんな話だった、Roselia以外のガールズバンドだとアフロとポピパ位しか知らないけど…
「…ただただ咲くだけで届かない空に、頂点を目指そうとする歪な花」
こんなポエムめいた言葉しか出てこなかった。
「…えらく詩的な表現をするのね」
「…聞いたのはそっちでしょう」
「…まぁ、貴方の言いたい事はわかったわ」
片耳だけイヤホンを付けて傍聴を再開する。
『ねぇ、裕司。私本屋に行きたいんだけど』
『あっ…はい』
死にそうな顔で会計している裕司が向こう側には居た。
「…移動します、さよなら」
「私も行くわ」
「は?」
何で付いて来ようとするかな、帰れば良いのに
「だから私も行くと言ってるのよ」
「何で…」
「気になるからよ」
この人、他人の恋路とか興味あったのか意外だ
「…さいですか」
会計を済ませて二人で後を追う事にした、正直な所。友希那さんが居た方が怪しまれない確率が高くなるからそれでも良いのかもしれない。
「あの二人は何を話しているのかしら?」
近場の本屋の中で適当に雑誌コーナーから裕司達を観察する事にした。
「女の方はバンドを始めた、男の方もう相槌しかしてない」
アイツ、尻に敷かれてたんだろうなぁ…そもそも馴れ初めが気になる。
「…バンド…こっちでも流行りなのかしら」
知らん、うちの近所で25人もバンドやってる方がおかしいんだ。
『裕司、お友達とバンドのライブ行ったんだって?』
『そうだけど…それがなんだよ』
『ふーん…それってもしかして例のバンド?ロゼなんとか』
『Roseliaな…』
なんで急にその話を…?
『バンドを始めた今の私はどうかしら?』
『え、それってどういう事?』
もしかして、ガールズバンドを熱弁されたから自分もバンド始めて裕司に…って事か?
『…そういう所よ裕司』
何かこのまま聞くのは彼女に申し訳ない気がしてイヤホンを外した。
「もう傍聴は良いの?」
「…帰ります」
後で裕司に謝っておけば良いだろう…
「そうね…アレは見ていて良いものではないでしょう」
本屋を出て、駅とは逆の方向に行こうとしたら友希那さんに腕を掴まれた、一々掴まないとコミュニケーションが取れないのかこの人は
「駅はこっちなのに何故逆に行こうとしているの?」
「俺、徒歩で帰るんですけど」
そう言うと友希那さんが額に手を当ててため息をついた。
「それ、本当だったのね…その件で勘違いしていた事は謝るわ…ごめんなさい」
何を今さら、俺は貴方が俺に干渉せず姉貴に迷惑掛けなきゃそれで良いんだ、さっさと帰らせて欲しい。
「……とにかく帰りますから」
友希那さんの手を叩き落として、彼女を置いてきぼりにして帰った、子供じゃあるまいし帰れるだろうけど
そこから歩くこと十分頃に携帯に母さんからのメッセージが届いた。
『今日はカズの好きなお赤飯よ、ありがたく思いなさい』
「いや…好きじゃねぇし」
何で年末年始でもないのにお赤飯なんか…普通に白米が食べたいんだけどな
「コンビニで何か買ってこ…」
不本意ながら近かったコンビニに入ると見覚えのある店員が居た。
「いらっサンシャイン~」
「おい、真面目に仕事しろよ…」
青葉モカだ、アフロの連中は中学時代になんやかんやで知り合ったのだけど、モカが一番アクが強い気がする。
「いや~最近語感が似てればバレないって気がして~」
「遊ぶなよ…」
やっぱりこいつが居るとツッコミに回らざるを得ないなぁ
「そういえばリサさんとはどうなのさ~」
「…何で姉貴の話になった」
適当に家族の分の飲み物とごま塩を取ってモカの居るレジに持ち込む
「お姉ちゃん大好きなカズの事だからね~」
「別に、大好きじゃないって」
「でも中学時代にリサさんに~」
「わかった、やまぶきベーカリーのパンで手を打とう」
「話がはやーい」
嫌な約束をしてモカを黙らせて会計を済ませてようやく家に帰ると
『おめでとう!初デート記念!』
と書かれた横断幕がリビングに飾られていた。
「いや、何これ?」
「父さんは止めたんだぞ。父さんは…」
「えー、だってカズの初デートだよ?アタシは嬉しいんだけどなぁ」
何か変な流れになってる、どこでこうなった。
「あのさ、全員ストップ。俺はデートしてきてないんだけど」
「「「え?」」」
全員の動きが止まった、うん、この人達は…ホントにもう
「まずな、デートしたのは裕司な」
「あら、薔薇かしら?」
おい、今なんつった母さん、自分の息子を薔薇って言ったぞこの人
「で、でもカズが元カノとデートって言ってたじゃん!」
「それは裕司の元カノが裕司とデートする話だってば…何か姉貴の様子が一昨日から変だと思ったらやっぱり勘違いしてたのか!」
裕司が学校で言ってた事はこういう事か!確かに言葉足らずかもしれないけど!
「まぁ、でも裕司君の祝いで良いじゃないか」
横断幕の『初デート』の前に裕司君のと無理矢理書き足そうとする父さん、実はこの人楽しんでやがるな…
「それで、カズは貴方は何してきたの?母さん2対1のデートは許さないわよ?」
「俺?俺は遠くから裕司を見守ってただけだな…」
そういえばあの店のコーヒー良かったな…今度豆買って家で飲んでみよう
「へ、へー…その時友希那と会ったりしてなかった?」
急に目が泳ぎ出した姉貴、やっぱり友希那さんに勘違いしたまま話しただろ、また面倒臭い勘違いが増えかけてたと思ったら…!
「…会ったけど?」
「い、いやー…妙に友希那と普通に話せてたからお姉ちゃん嬉しいなーって」
「もしかしなくても姉貴見てたでしょ」
何でそこまで知ってるの、と言うかボロが出過ぎてる…
「だってアタシの知らない所で彼女作って別れてたって思うと心配で心配で…」
「と思いつつも?」
「ちょっと面白そうかなぁとか…」
本性現したな!この姉貴何かもうダメだ!その横で母さんが何だダブルデートかつまらんみたいな雰囲気を醸し出した。
「…で、結局今日の飯は赤飯な訳?裕司の復縁祝して?」
頭が痛くなってきた、こんなの初めてだ。
「仕方ないじゃない!もう私が赤飯九合炊いちゃったんだから!」
「炊きすぎ!?」
確かに今井家は姉貴が一番食べる量が少ないけど一般女子高生よりは食べる位な食欲旺盛な家庭とは言え!炊きすぎ!
「そもそもどこにそんな大容量の炊飯器あったの!?」
「お鍋を2,3個使ったに決まってるじゃない!」
何故ベストを尽くしたのか!ダメだ…この家終わってる…今井家って地獄なんだなぁ…
「よし、出来たぞ」
いつの間にかカラーリング豊かに『裕司君の監視ついでにカズの』と横断幕に書き足していた。
「だから!何でこうもどうでも良いことに本気出すの!?」
「まぁまぁ、座りなさい、今日は私が腕によりを掛けて作った料理出すから」
こんな感じで今日の夕飯が始まってしまった、何でこうなった。どこで狂ったか今井家
「まずは普通に赤飯ね、これと言って特に手間は無いわ」
それで良いのか母よ…まぁマシな方だと思っていると次々に皿が運ばれてきた。
「次に赤飯せんべいよ、薄くして焼いて醤油塗っただけよ」
「雑!母さん一応主婦だよね?」
一口噛ったら地味に美味しいのが腹立つ
「次は赤飯をアンコで包んだアレよ」
「おはぎ!おはぎって言いなさいよ!」
俺がツッコミに疲れて息が切れしているのを見ると母さんは不敵な笑みを浮かべた。
「カズが赤飯を食べないのは勝手よ、でもそうなったら誰が赤飯を食べると思う?」
「またか!またそれか!食うよ!お腹空いてるし!九合は無理だけど食うわ!いただきますぅっ!」
この後気合いで四合分食べたけどそこで力尽きた、俺以外が三合食べたので残り二合余った。
「もう当分赤飯いらね」
母さんがキッチンで新たな赤飯レシピを考えているけどそれを放置してソファーに座ってお腹を落ち着ける事にした。
「いやー、良かったぁ、カズに元カノが居なくて…ホントに」
姉貴がお茶を持って隣に座った。地味にそれもドキッとするからやめて欲しいんだけど…言ってもやめないしなぁ
「何で姉貴が安心してんだよ…」
「アタシの知らない所でカズの彼女ができるとか何か嫌だもん…それに友希那とちゃんと話せてたし」
「そんな心配せんでも…」
「アタシあそこでまた喧嘩したらカズのベッドの下の物、友希那に渡そうと思ってたんだけど…」
心臓を掴まれる気持ちとはこの事だろうな、とこの日思い知った
今井父が一番書いてて楽しかったです
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