東方人蛇録   作:あおい安室

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今回はちょっと長め。


act27…克服

 

 

SAKUYAside…

 

「ふあ~あ…良く寝たわね…」

 

私はいつものようにベッドを降りて着替えようとする。すると…

 

「いたっ!」

 

服に体が引っ掛かってベッドから落ちる。?服に体が引っ掛かる?そんな事はなかったわよね…

 

「えっと…鏡は…」

 

私は鏡を見つけて自分を見る。すると私は驚いた。

 

「子供になっちゃってる…」

 

鏡に写ったのは確かに私だった。

だけど、今の様に身長も高くないし、顔も小さい。

 

「夢?なら痛く感じないわよね…?」

 

とりあえず私は服を脱いで昔の服を探す。

 

「あったわ…懐かしいな…あの頃はビクビクしてて、美鈴に迷惑かけたりとか…ふふっ、本当、懐かしい…」

 

私は当時の思い出に浸りながら、メイド服を着る。

 

「さて…誰かいないかしら…?」

 

外に出て人を探す。

 

「う~ん、いないわね…」

 

「………あなた誰?………」

 

(ヒイッ!!)

 

私は突然の声に驚く。声の主が妹様だったからだ。

妹様は今は普通だが、昔の私が会った時、私を壊そうとしてきた。

捕まって血を吸われそうになった時、美鈴が助けてくれた。

でもやっぱり怖い。いつかまた戻ってしまって、私は無事でいられるとは思えない。

強くなったとしても、それは吸血鬼からしたらあまり変わらない。

今でこそ血を吸われる事には慣れたけど、妹様に吸われた時、私は人間として生きていけるのだろうか?

{解説:血を吸い付くされると幽霊にもなれず、ゾンビになるという記述があった。}

 

「あれ?咲夜に似てる…?あ、わかった!咲夜の妹でしょ!?」

 

(……ちょっと違うんだけど……?声が出てない?)

 

「だとしたら妹同士だね!私フラン!咲夜の仕えてる御姉様の妹だよ!よろしくね!」

 

そういって妹様は手を差し出してくる。

 

(……だ、大丈夫よね……)

 

私は恐る恐る手を差し出す。

妹様はその手を取って握手する。

 

 

「………あれ?あなたの名前私聞いてないや。名前は?」

 

私は名前を聞かれる。

だけど相変わらず声が出ない。

 

「??もしかして……声出ないの?」

 

私はそれに頷く。

 

「そうなんだ。なら、あなたは十六夜って呼ぶね。そろそろご飯食べに行こう。咲夜の料理は美味しいんだよ~」

 

そういわれて私は少し照れる。…あれ?私妹様に慣れてきた?

 

 

 

食堂__

 

「あれ?おかしいな…ねえ、十六夜、咲夜知らない?」

 

(それは本人がここにいるからいないでしょう…)

 

私は食堂に入って作ろうとする。

 

(あれ?届かない…)

 

普段の私なら届いたところにも今は手すら届かない。

 

「?あ、上に登りたいの?持ち上げてあげる!」

 

そういって妹様は私を抱き抱えようとする。

しかし私はそれを振りほどく。

 

「…十六夜、どうしたの?」

 

私はやっぱり苦手だ…あの時の光景がどうしても思い出してしまう。

 

「……もしかして……私が怖いの?」

 

それにたいして顔を横に振って否定する。

 

「………大丈夫。十六夜は大切な友達だよ。私を信じて。」

 

そういって妹様はまた私を持ち上げて乗せようとする。

 

「よいしょ…っと。ほら、大丈夫でしょ?」

 

妹様は私を降ろす。

 

(あ、ありがとう……)

 

私はお辞儀をする。

 

「え?いいよー。それくらい。」

 

(……妹って優しいんだな…はっ、料理しないと……)

 

 

 

「わ~すご~い。咲夜みたいにお料理上手だね。美味しい~」

 

(……かわいいなぁ……)

 

私はもうすっかり妹様に慣れてしまった。

妹様を怖いと思っていたのが嘘のようだ。さて、そろそろ掃除しないと…

私は席を立って掃除をしにいこうとする。

 

「あ、待って!!」

 

妹様は私を引き留める。

 

「もし…咲夜みたいにお掃除するんだったら私にも教えて!私もいろんな事を出来るようになりたいの!」

 

妹様はおねだりしてくる。

 

(仕方ないか…)

 

「え?ついてこいって言うこと?」

 

私は妹様を手招きする。

 

「あ、お掃除やるんだね。でも十六夜は声でないんでしょ?私は手伝うから、違ってたら教えて。」

 

そんな感じであっという間に時間が過ぎた。

 

 

夜__

 

「そろそろ夜だね…十六夜はもう寝なきゃダメだよ?子供は寝ると育つってパチュリーが言ってた。」

 

確かに私は今は子供だ。一応そうしたほうがいいだろう。

私は頷いて返事する。

 

「うん、お休み~十六夜~」

 

妹様は手を振って私を見送った。

 

 

 

咲夜の部屋__

 

私は布団にくるまって今日の事を考えていた。

なぜ小さくなったのだろうか?それにどうして妹様しかいなかったのだろう?

……でも、いいか。妹様と仲良く慣れたし。

私はもう目を閉じて寝ようとする。

しかし、その時、後ろから抱きつかれる。

 

(~~!!い、妹様!?まさか…!)

 

「ごめんなさい!やっぱり耐えられない!十六夜!あなたの血をちょうだい!」

 

(ダ、ダメ!私がどうなるかわからない!!)

 

私は精一杯もがくけど、妹様の方が力が強かった。

 

「うん…いやだよね…でも、もう私ももうダメなの…血が欲しいの。でもあなたしか今日はいないの…だから…お願い…もうしばらく飲んでないの…少しだけでいいから…」

 

妹様は少ししおらしくなる。

 

(……きっと妹様なら大丈夫。今日1日しっかりわかったし……なら……任せてみましょう……)

 

私は抵抗をやめた。

 

「……ごめんね……それじゃ……」

 

妹様がお嬢様と同じように噛みついて血を吸う。

 

(あ……力が抜ける………)

 

私が体に脱力感を感じたところで妹様はやめる。

 

「ふう……ありがとう、十六夜……それと……ごめんなさい……」

 

妹様は吸血を終わらせると外に出ていった。

 

(妹様……私も、ごめんなさい……妹様の事を怖がってたわ……でも……妹様……ありがとうございました……)

 

私はそう思って目を閉じて眠りについた。

 

 

 

翌日__

 

「ふう~。良く寝たわね。さて、料理料理。」

 

私は朝食を作りに外にでる。

昨日とは違って体も元に戻っていた。

 

「………あれ?咲夜?」

 

昨日と同じように妹様がいた。

 

「はい、何でしょうか?」

 

い、言えた。妹様に声を。

 

「あのね…これ!」

 

「これは……」

 

妹様は小さな熊の人形…テディベアを差し出す。

 

「これ…昨日頑張って作ったの。咲夜の妹にあげて。昨日のお礼って…それじゃ…」

 

妹様はその場を立ち去ろうとした。

 

「お待ちください、妹様。こちらこそ、妹様に抱きつかれた時に、怖がってしまいました。申し訳ございません。」

 

「え……まさか……咲夜は昨日私と一緒にいた?」

 

「はい。いかにもそうですが?」

 

「……咲夜、その、昨日は……」

 

「いいえ、別に構いません。従者は主に仕えるのが役目なのです。それくらいは当然です。」

 

「……咲夜……」

 

「さて、私はご飯を作ります。妹様はまだ寝ていて構いません。」

 

「………咲夜、ありがとう……」

 

そういう残して妹様は部屋に戻っていった……

さて、私はご飯を作りに行きましょう。私はお嬢様と妹様に仕える従者なのですから。

 

……それにしても昨日は何だったんだろう?本当に……




「咲夜が若返った理由…」
「俺たちがどこにいたか…」
「「真相は次回!!」」
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