「そういやこないだMGSPWで最強のロケラン(M47)を手に入れたんだよ」
「え?S君撲滅ランチャー?」
「(爆笑)」
s君というのは名字の頭文字で、本人のプライバシー保護のため内緒。
「ふにゅう…こんな感じですかね?」
そういって獣夢は文字の練習にわたされた小説の書き写しを俺に見せる。
あの後俺は筆談について獣夢に話したが、なんと文字をほとんど書いたことがないとのこと。そこで小悪魔に選ばせた小説を少し書き写させていた。
「ふむ…なかなか上手だな…」
「そうですか!これでフランちゃんと話せますね!」
「まあ、そうなんだが…書くものはそのインクじゃ不便だろう?」
「はにゃ…」
「おまけにそんな小さいメモ帳じゃ読みにくいぞ…」
紅魔館において持ち運びやすいものはメモ帳しかなかった。小説の書き写しは昔レミリアが拾ったらしいホワイトボードにしていたが、それでもやはりデカい。
「ふにゃ…じゃあどうするんですか?このお屋敷をさがしてもあるかどうかわかりませんよ…」
「そうなんだが………よし。香霖堂に買いに行くぞ」
「え?香霖堂?なんですかそれ?」
「極端に言えば…なんでも屋だな。そこなら色々道具もあるだろう」
「へえ~そんなのがあるんですか…あ、わたし飛べないんですがどうしましょう…」
「?飛べないのか?」
「はい…」
…すっかり幻想郷に慣れていた。てっきり飛べるものかと…
「…お兄様、私が獣夢ちゃん連れて行こうか?」
「フ、フラン…いいのか?」
いつの間にか後ろにいたフランにも気が付かなかった…だいぶ腕が落ちているな…
「私はいいけど…獣夢ちゃんは?」
「はにゃう…え、えっと…」
フランに話しかけられた獣夢はあわててメモ帳に言葉を書く。
『お願いします…』
「わかった!お兄様早くいこー!」
そういって獣夢を背負って窓から外に飛んで行った…
「あ、ああ。わかった…」
まったく…お兄様はどうにかならないのか?
固蛇移動中…
香霖堂__
「ここが…香霖堂ですか…ガラクタ屋敷?」
「物がいっぱいあるんだね…」
フランと獣夢は初めてここに来る。だから外見を見て驚いていた…
「それはともかく、買い物を済ませるぞ…」
「あ、はーい」
ガラっ
「いらっしゃい…おや、スネークじゃないか。それと…誰かなその子供達は?」
「私フランっていってこっちは獣夢ちゃんだよ?お兄さんは?」
「僕はここの店主の森近霖之助だ。ところで、今日は何のようだい?」
「ああ、実は、鉛筆とかの書くものとノートとか持ち運びしやすいものを探していてな…」
「そうかい。確かその辺の棚のおいてあると思うよ」
「わかったー。獣夢ちゃんも一緒に探そう?」
フランに問われて獣夢はうなずきかえして二人は棚をあさりだす。
「ところで…霊夢に似てるやつは変なものを欲しがるんだね」
「?そうなのか?」
二人がさがしているのを眺めながら、霖之助と世間話をする。
「ああ、魔理沙のやつが『械夢に使うんだ』ってなぜか電池を持って行ってたからね。械夢ってどんなやつなんだい?」
「あれはどうもロボットといってわかりやすく言えば電気というエネルギーで動く人形だ」
「ほう。なら電気を発する電池とやらはうってつけだね」
「まあ、そんなもので械夢が動くとは思えないが…」
「あ、これなんかどうかな?」
探していたフランと獣夢がようやく見つけたようだ。
「ふむ。見せてもらえるかな?」
霖之助は二人の見つけた白い表紙のノートと黒い万年筆を見る。
「…うん。この子にはうってつけだと思うよ」
「じゃあ、これにしようよ獣夢ちゃん」
フランにいわれて獣夢はうなずいて「メモ帳にこれください」と書く。
「わかった。あ、スネーク。ちょっといいかな?」
「?なんだ?」
「代金もそうなんだけど、実は今日届け物があるのをすっかり忘れていたんだ」
「…それで?」
「だから代金の代わりにそれを届けてもらいたいんだけど…ダメかな?」
「別にいい。それで、荷物は何だ?」
「花用肥料2袋。外に置いてあるから持って行ってくれ。場所はヒマワリっていう黄色い花があるんだけど、それがたくさん咲いている場所だ。探せば簡単に見つかる」
「分かった…フランたちはどうする?」
「私ヒマワリっていう花見てみたい!」
獣夢は「嫌な予感がしますけど行きます」と俺にノートに書いて見せていた。
「そうか。店主。いろいろ世話になったな」
「いや、こちらこそ。またいつでもきてくれ」
「霖之助さんまたねー」
そう言っておれたちは香霖堂を後にした…
あと2,3話で獣夢編は終了します。次は械夢編の予定です。