もう一度輝くために   作:粗茶Returnees

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ドタバタしてて遅くなりました!ごめんなさい!m(_ _)m


12話

 教室に入って荷物を片付け、今日も追いかけられるかと様子を見ていたが、妙なことに今日はそういうことはなさそうだ。平和でいいのだが、肩すかしをくらった感じがするな。…いかん、毒されてきてる。

 

 

「おはよう雄弥。今日は追いかけられることもなさそうで良かったね」

 

「おはよう愁。それは平和でいいんだが、…あいつらの様子がなんかおかしい気がするんだが……」

 

「ああー。それは今日体育祭の種目が発表されるからだよ。体育祭ってある意味アピールポイントなとこもあるし」

 

「夢見すぎじゃね?」

 

「そこは気にしなくていいんだよ」

 

「…そうか。それで、種目が発表されるってのはどういうことだ?体育祭でやることって毎年大部分が一緒だろ?」

 

「普通はね。けど、今年は4割方変わるらしいよ」

 

「は…?」

 

 

 4割?それってもう改革と一緒じゃねぇのか?リニューアルと言ってもいいレベルだぞ。…てか、そもそもそんなに変えれるほど種目を思いつくのが凄いな。

 

 

「今年の生徒会がイベントの改革に力を入れるらしくてね。1学期の終わりにも案を募集してたんだよ。…採用されるのがあるかは別として」

 

「…変なの入れてるやつが多かったのか」

 

「欲望を丸出しだったね…」

 

 

 馬鹿ばっかなのか?……馬鹿しかいなかったな。ま、そのことは、もうどうでもいいとしよう。ひとまず、男子たちが落ち着かずにソワソワしてる理由はわかった。4割を変えられるとなると、自分が得意なやつがあるか分からないからな。

 

 

「全員席につけー。HR始めるぞ〜。そして、周知のことだろうが、体育祭の種目も発表する」

「「「ウォォォーーー!!」」」

「待ってました!」

「1億年と!」

「2000年前から!」

「「待ってました!!」」

 

「うるせぇーーー!!!次騒いだらこっちで勝手に決めるぞ!!!」

「先生、HRを始めましょう」

「……ったく、現金な性格してるよな」

 

 

 いやいや、先生も先生で今の楽しんでたでしょ。騒ぎ出すの分かっててわざわざ体育祭の話出したでしょ。今日は先生の授業が最初にあって、いつもその用意も持ってきてるのに、今日は持ってきてない。つまり、HRと授業の時間使って体育祭のこと決めるってことだな…。

 

 

「……愁」

 

「どうしたの?」

 

「体育祭のを決めるの、早くないか?まだ先だろ?」

 

「それは生徒会の都合だね。改革しすぎなせいで、ほぼ全部生徒会が準備するんだよ。人手が足りないから、それなら決め事を先にやっちゃおうって」

 

「…なるほど。それにしても詳しいんだな」

 

「ん?言ってなかったっけ?僕生徒会の副会長だよ?」

 

「…初耳だわ」

 

 

 そりゃ詳しくて当然だな!それで全然知らなかったら何してんだって話になるからな!…で、愁がここまでの改革をするとは思えないし、言い出しっぺは会長で、他のメンバーも賛同したってとこか。

 

 

「では!これより種目の発表を行う!各自一覧を載せたプリントを見て、出たいものを決めろ!」

 

「…先生張り切ってんなー」

 

「イベント好きな先生だからね。それに…」

 

「優勝すればビュッフェだぞ!今年の景品はビュッフェ!しかもいい値段するようなとこだ!」

「マジっすか先生!!」

「これは負けられねぇ!!」

 

 

 なるほどな。それなら、たしかに先生がやる気出すのも分かる。こう言っちゃあ聞こえが悪いが、生徒の頑張りで先生は美味い食事にありつけるからな。それで、この景品を聞いて男子だけじゃなくて女子もやる気を出してるってわけか。

 

 

「それじゃあプリントを配るぞー」

 

 

 さてと、どんな競技があるのやら…。

 

 

〜〜〜〜〜

 

 

 昼休みになり、俺はいつものようにリサと弁当を食べるために屋上に来た。リサが先に屋上にいて、場所を指定するのもここ最近で定番となっているパターンだな。そんな"いつも"の中でも今日は少し違うことがある。それは、

 

 

「はい!雄弥くんのお弁当!口に合うといいけど…」

 

「ありがとうリサ。大丈夫だろ、リサは料理が得意って聞いたことあるし」

 

「あ、あははー、得意ってわけでもないんだけど…。それにハードルが上がったような…」

 

「そうなのか?…見た感じでも、料理が上手い人ってのが伝わってきてるが…」

 

「そ、そう?」

 

 

 照れが半分、緊張が半分って具合にはにかむリサを横目にさっそく一口いただくことにした。弁当と言えば定番の卵焼き…。

 

 

「ど、どうかな?」

 

「…美味しい。味も好みのやつに近いな」

 

「そうなんだ。よかったぁ♪」

 

「リサも自分の分食べろよ」

 

「うん!美味しいって言ってもらえて安心したから食べるね☆」

 

 

 本当に、リサが作ってくれた弁当が美味しい。お世辞なんて一切ない。リサの料理をもっと食べてみたいぐらいだ。

 味付けのことを聞きつつ箸をすすめる。どうやらリサは味付けにも拘ってくれていたみたいで、食材を活かした料理になっていた。リサと料理の話をしていたら、リサが「自信無くしそう…」なんて言っていたが、どうか自信を無くさないでほしい。さっきも思ったことだが、リサの料理は本当に美味しいのだから。

 

 

「ごちそうさま。ありがとうリサ」

 

「お粗末さま♪いい食べっぷりだったね?」

 

「美味しかったからな。また食べたいぐらいだ」

 

「そう?ならまた作ってくるよ?」

 

「…うーん、何度も作ってもらうのは気が引けるんだが…」

 

「ならさ!お弁当を交換ってのはどう?」

 

「お互いに相手の分をつくってくるってことか?」

 

「そうそう!それならやってもらうだけ、ってことにはならないわけだしさ!」

 

「…そうだな。ならそうしてみるか」

 

「うん♪さっそく明日ね!」

 

「あぁ。わかった」

 

 

 弁当の交換か…。これは今までやったことがないな。……どういう弁当にするか悩むなぁ。リサも悩みながらやってくれたってことか。頭が上がらないな。

 

 

「…そういやリサ」

 

「ん?なぁに?」

 

「よくあの競技(・・・・)を引き受けたな」

 

「あの競技って……あー、仮装競争のこと?」

 

「そう。仮装競争自体はいいんだが、リサがやることになった仮装が、な…」

 

「たしか…さ…さくばゃす?だっけ?」

 

「サキュバスだな。……ほんと…よく引き受けたな」

 

「え?だって仮装するだけだし…」

 

「…サキュバスを携帯で調べてみろ。男子たちが熱狂してた理由が分かるぞ」

 

 

 リサは首を傾げながら携帯を取り出して調べ始めた。しばらく動かしていた指が止まった。顔を見てみるとリサの顔が見る見るうちに赤く染まっていき、目も泳ぎ始めた。

 

 

「リサ大丈夫か?」

 

「こ、こりぇって…」

 

「だから言ったんだが…」

 

「うぅ…こんなの…ムリだよぉ」

 

「やっぱりな」

 

「…雄弥くん、たすけてぇ。あたし…これは…」

 

「…競技の変更は原則できないって言われたろ?」

 

「でもぉ……こんなの…ヤダよぉ」

 

 

 目に涙を貯め始めたリサを落ち着かせるために頭を撫でる。それでもリサは落ち着かないみたいで、瞳もずっと揺らいだままだ。

 

 

「…なんとかしてみる」

 

「ぇ…」

 

「仮装競争自体は俺も出てるからな。変更はできないだろうが、本番でどうにかしてみる」

 

「どうにかって…?」

 

「リサには、そのまま少しの間恥ずかしい思いをさせてしまうが、…少しだけ堪えてくれるか?」

 

「…うん。…信じていい?」

 

「ああ。任せろ」

 

「うん…」

 

 

 安心できたからか、リサは瞳を閉じて肩にもたれかかってきた。当然ながら結花とは違う温度、髪の匂いに少し戸惑ったが、こうやって信じてくれたのならそれに全力で応えよう。そう決意を固めながらリサのフワリとした柔らかな髪を、時間ギリギリまで撫でることにした。

 

 

〜〜〜〜〜

 

 

「雄弥くんまたね〜!」

 

「ああ。また明日」

 

「……2人って付き合うことにしたの?」

 

「何言ってんだ愁?」

 

「いや…どことなく2人の距離が縮まってる気がしたんだけど…、違うの?」

 

「付き合ってないぞ」

 

「…ふーん?」

 

 

 なんだその「察してます」みたいな反応…。付き合ってないのが事実なんだけどな。妙な反応をする愁スルーして商店街へと足を運ぶ。今日はこっちでバイトだからな。

 ……リサと付き合うなんて、俺にはおこがましいことだ。前にリサに気持ちをぶつけられた時に、リサの想いも聞いたわけだが、結局有耶無耶にしてるんだからな。こんな半端な状態で答えを出すなんてしちゃいけない気がする。

 

 

「それじゃ、僕はここで」

 

「ん?ここって…」

 

「"羽沢珈琲店"だよ。頻度は少ないけど、たまにここの手伝いをしてるんだ」

 

「そうだったのか。また今度行かせてもらう」

 

「うん。ぜひ来てほしいね。良いところだから」

 

「そうなのか。期待しとくよ」

 

 

 愁が店に入っていくところまで見届け、扉が開いたときに少し中を覗き込む。…なるほど、雰囲気もいいな。結花を誘って行くとしよう。

 

 

「あ、雄弥さん」

 

「お、沙綾か」

 

「ここの喫茶店に興味あるんですか?」

 

「少しな。一緒に帰ってた奴が今日ここで働くらしくてな、それで少し見てたんだよ」

 

「あー、なるほど〜」

 

 

 沙綾と肩を並べて歩き、やまぶきベーカリーへと入っていく。ここはフランクな場所で、制服とかはない。だから学校の制服の上からエプロンをつけて仕事をしている。

 

 

「今日は練習ないのか?ライブもうすぐだろ?」

 

「そうなんですけどねー。実はリーダーの子が補習になっちゃったのと、ギターの子が急用できたとかで無くなったんですよ」

 

「そうなのか。…補習って…」

 

「あ、あははー、いつもは大丈夫なんですけど、抜き打ちだったのでそれでやられちゃったみたいです」

 

「つまり、いつもは直前に詰め込むのか…」

 

「そうですね。でも、凄い子なんですよ?いつも元気でいてくれて、私たちを引っ張ってくれてるんです!」

 

「へー?沙綾がそこまで言う子なら会ってみたいけど…」

 

「それはライブの日のお楽しみということで!」

 

「だよな」

 

 

 明るくウィンクをしながらそう言った沙綾が、その子やメンバーのことを大切に想っているのがよくわかった。以前少し気分が沈んでいたようだが、どうやら今は大丈夫らしい。

 

 

「そうだ!ライブのチケットがあるんでした!後で渡しますね!」

 

「ありがとう沙綾」

 

 

 帰り際に渡してもらったチケットは2枚。これなら結花と一緒に見にいけるな。沙綾もそこまで考えてくれてたらしい。…良い子過ぎるな。

 

 

 




あー!最後がうまく締まらないー!!

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