もう一度輝くために   作:粗茶Returnees

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キャラクターの流用はよくないんでしょうねー。
けど僕はやっちゃいます。名前考えるのサボりたいので。

羽丘は共学ですけど、花咲川は女子校のままにします。(今回は花咲川の方は出てきません)


1話

「藤森の席はあそこな、一番後ろのやつ」

 

「わかりました」

 

「毛利の後ろになるんだが…、たしか毛利とは知り合いだったか?」

 

「はい。クラスで唯一の(・・・)知り合いですね」

 

「なら丁度よかったな」

 

 

 …へ〜、そんなこと言うんだ。たしかにあたしはユウくんのこと嫌いになったし、ユウくんは人の悪感情には凄い敏感だから、それを感じ取って関わらないようにしたのかな。

 ユウくんが軽く教室内を見回してみんなの顔をザッと見る。あたしと目が合うと一瞬固まって、アイコンタクトで「ごめんね」って言ってきた。

 

 

(気づいてなかっただけなんだね…)

 

 

 あたしはそのことにガクッてなったし、同時に今でも言葉無しでユウくんと意思疎通できちゃうことに腹が立った。嫌いな人と簡単に意思疎通できちゃうのって嫌だよね〜。

 ユウくんは毛利くんと軽く言葉を交わしながら席に着いた。どうやら教科書類は間に合ってるみたいで、漫画とかでよくある"隣の人と"なんてことにはなってなかった。…なんでこんなとこまで目で追ってるんだろ。イライラするよ。

 

 

「1限目は…あー、現代文だったな。お前ら眠くなっても意地で起きとけよ!」

 

「先生、みんなが寝る前提で話を進めないでくださいよ」

 

「…だってなー、1学期の時に最大で20人寝ただろ?あれ、先生がこっぴどく怒られたんだぞ?あの人話長いから怒られたくないんだよなー」

 

「…あの時は、ねー?」

 

「体育の後だったし、授業の内容も眠くなるやつだったし」

 

「不可抗力的な?」

 

「いいからもうあの惨状はやめめくれよ…。それじゃあ日直、号令!」

 

 

 そんなこともあったなー。あの時はあたしも寝ちゃってた気がする。リサちーですら起きとくのがやっとだったっけな。薫くんは起きてたらしくて、みんなが寝て授業崩壊みたいになったら先生との朗読劇が始まったらしいよ。起きとけばよかった。

 HRが終わったらすぐに1限目が始まるんだけど、転校生なんて珍しいからみんなすぐにユウくんに質問攻めを始める。…まぁ、イケメンだしね。他の男子みたいに下心がある人でもないし。あたしがそれを横目に見てると後ろから背中をポンポンって叩かれて呼ばれた。

 

 

「ヒーナっ!あの転校生が気になるの?」

 

「リサちー…、別にそんなんでもないよ」

 

「ありゃ?珍しくドライだね。またヒナの"ダメ男センサー"に引っかかる人なの?」

 

「それは全然だよ。…そういう人じゃないからね」

 

「…もしかして、知り合い?」

 

「昔に…ちょっとね」

 

「…喧嘩別れでもしたの?」

 

 

 リサちーは人間関係には鋭いよねー。人のことをよく見てるからなのかな。察しのいい人で、気さくで誰とでも仲良くなれる。ギャルっぽい見た目なのに、実際には超家庭的な女の子で心は純粋な乙女。それが男子には魅力らしくて結構告白されてる。全員断ってたけど。…というかそうさせた。だって全員下心が丸見えだったから。リサちーは気づいてなかったみたいだけどね。

 

 

「そうでもないよ。…そんな生易しいもんじゃない

 

「え?」

 

「ううん。なんでもなーい。…リサちーこそ、気になるなら話しかけてみたら?別に下品な人じゃないよ。たぶんリサちーからしても、初めて見るビビビッてくる人だから」

 

「へっ!?うーん、たしかに良い人そうだけど…、話しかけるのは今日じゃなくてもいいや。…というか今日は無理そう」

 

「…たしかに無理だろうね。初日から人気者だな〜」

 

 

 さっきから黄色い声がよく上がってる。ユウくんがいたあのバンドは、一瞬でその業界を登りつめて、すぐにいなくなったから話題性はあったんだけど、案外みんな知らないみたいだね。…毛利くんもそのバンドの一員だったわけだけど。毛利愁くん、キーボード担当だったかな。

 リサちーと「漫画みたいだね〜」なんて言いながらその光景を先生が来るまで眺めてた。クラスの男子(毛利くん以外)はそれを面白くなさそうに見てたね。人の妬みほど醜いものってないよね。それを分かりやすく晒すからみんな彼女できないんだよ。どうでもいい人たちだからそのことは教えてあげないけど!

 

 

〜〜〜〜〜

 

 

 昨日うちのクラスに来た転校生の人気は凄かった。普通、自分の席を囲うように人に集まられて質問攻めにあったら辟易するだろうに、みんなの話を聞いて一人一人に答えてた。ヒナが言うには人付き合いが好きな人らしい。授業でも難しい問題をスラスラ答えてたし、体育でも運動神経抜群なのを発揮してた。…あれってヒナと同じ天才側の人間だよね。

 

 

(うーん、ヒナとどういう関係なんだろ…)

 

 

 ヒナに彼のことを聞いてもヒナはつまらなさそうに、いや…それよりも酷い感情で、答えてくるだけだった。ヒナは彼のことをよく知ってる。それはつまり彼とそれだけ仲がよかったということだ。

 しかも、ヒナは基本的に周りを、人間関係を気にしない人間だ。仲がいい人やヒナにとって興味深い人とは接するが、そうじゃない人にはなんの感情も抱かない。つまり、人を嫌わない(・・・・・・)のがヒナの特徴なんだ。

 

 

(だけどヒナは藤森くんのことを嫌ってる。しかも相当…、いや何よりも嫌ってる)

 

 

 ヒナは彼のことを「いい人」だとあたしに教えてくれた。それは客観的な評価だけど、ヒナの主観的な評価で言うと「最低な人間」らしい。あたしはなんでヒナがそんなことを言うのかわからなかった。

 

 

「リサ、思い詰めた顔をしてどうしたんだい?」

 

「薫…。藤森くんのことでさ、なんであのヒナがあれだけ嫌ってるのかなーって。ほら、ヒナって興味あるかないかなだけで、人を嫌うことってなかったじゃん?」

 

「言われてみればたしかに…。ふむ、興味深いね。…ただ」

 

「ただ?」

 

「私の目からすれば彼は仮面(・・)を付けている」

 

「仮面?映画でよく見るスパイのマスクみたいな?」

 

「ふふっ、それはそれで儚いが…、そうじゃない。昨日彼は席につく前に一度だけ全員の顔を見回していたのを覚えているかい?」

 

「え?…あぁ、うん」

 

 

 たしかに見回してた。でもあれってすぐにクラスに馴染むためのことじゃないの?クラスの人の顔を少しでも早く覚えるためー、みたいな。

 

 

「その時に一瞬彼の表情が強張ったのを気づいたかい?」

 

「……へ?」

 

「気づかないのは無理もない。本当に一瞬だったからね。気づいたのはおそらく、私とムッシュ毛利と、…日菜だけだろう」

 

「あの2人も…」

 

「ああ。そしてそのタイミングは、ヒナと目を合わせた時だ(・・・・・・・・・・・)

 

「…どういうこと?…なんで薫はそこまで分かるの?」

 

「全てを分かっているわけじゃない。…今もほぼ全てを話している。…私は役者だからね。人の表情の変化にはよく気づくんだ。彼は日菜と目を合わせた時に表情を強張らせた」

 

「つまり藤森くんもヒナもお互いに距離を取りたがってる?…でも、なんで…」

 

「それは本人達に聞くしかないね。少しはお役に立てたかい?子猫ちゃん」

 

「うん!ありがとう薫♪」

 

「礼には及ばないさ」

 

 

 薫って真面目な時はとことん真面目だよね。普段からもっとそういうのを見せたらいいのに。……あー、でも薫のファンが多すぎるからそれも無理な話かー。

 教室のドアが開いて、ヒナが戻ってきた。それも藤森くんと一緒に(・・・・・・・・)。2人で戻ってきたから教室がざわめいたけど、ヒナの機嫌の悪さが滲み出てて、みんなそれ(・・)じゃないと理解してすぐに黙った。

 

 

「…リサ、分からないかもしれないが、彼は今も仮面をつけているよ。…他の子猫ちゃんたちと話している時は素のようだがね」

 

「ヒナと話すときだけ仮面をつけてるってこと?」

 

「正確にはヒナと接触した後に、だね。…どういう理由かは推測の域を出ないね」

 

「ふーん。…ヒナ、2人で話してたの?」

 

「…まぁ、言いたいことがあったからねー」

 

「そ、そっか。…あたしも2人で話してきていいかな?」

 

「へ?…別にいいんじゃない?というかあたしの許可なんていらなくない?あたし、あんなの(・・・・)と付き合ってるわけじゃないしさ」

 

「そ、そうだよね〜。あはは…」

 

(あんなのって、えぇ…)

 

「?…変なリサちー」

 

 

 もうお昼休みは終わっちゃうし、放課後に時間作ってもらうしかないかな。今日はバイトもRoseliaの練習もないしね!部活はあるけど、そこまで時間かからないだろうから十分間に合うね!

 たしか次は英語の授業で、あの先生はよくコミュニケーションの練習って言って席を立ってクラス中で思い思いに英語を話させるから、その時に伝えればいいかな。

 

 

〜〜〜〜〜

 

 

 転校して初日は、担任の先生が言っていたとおり質問攻めにあった。結構大変ではあったが、おかげで早くクラスの人たちの顔と名前を一致させれそうだ。日菜と同じ学校で、同じクラスになるとは思ってなかったけどな。

 

 

(日菜には相当嫌われてるし、…それだけのことを俺はしたわけだからな)

 

 

 2日目にもなれば質問攻めをされることもなかった。話しかけてくれる人達がいなくなったわけでもなく、わりと過ごしやすい状態だった。だが、昼休みに日菜に呼ばれて屋上で少し話をした。

 

 

『あたしはもう君のこと大っ嫌いだから、名前呼びも辞めよう。藤森くん(ユウくん)

 

『っ!……日菜が…いや、…氷川(・・)がそう言うならそうするよ』

 

(覚悟してなかったわけじゃないが…だいぶくるな、これ)

 

 

 初対面のフリをしよう。今までのことを全てなかったことにしよう。築き上げてきた友好関係も何もかもゼロにしよう。…そういうことなんだ。日菜は言葉が足りないことが多いが、俺はそれを汲み取れる、汲み取れてしまう。だから日菜がどれだけ俺のことを嫌っているのか、それを正しく理解できてしまった。

 その後にあった英語の授業で、まだ話したことがなかったクラスの女子の一人である今井に声をかけられた。話がしたいから放課後に時間を作れないかと、そう聞かれた。部活に入ってなくて、バイトもまだ探してない俺はもちろん時間を作ることにした。

 

 

「お待たせ〜。掃除が思ったより長びいちゃったよ〜」

 

「気にするな。大して待ってない。俺も少し職員室に用事があったからな」

 

「そう?それならよかった☆…って職員室?」

 

「あぁ。なんか書類がどうとかでな。後日提出すればいいらしい」

 

「へ〜。転校してきてからもやることあるんだね」

 

「いや、本来は何もないぞ。なんか学校側で不備があったらしい」

 

「なるほどね〜」

 

「それで話ってなんだ?たしか部活があるんだろ?」

 

「そうだった。部活があるから手短にするけど……藤森くんとヒナとのことを聞きたいんだ」

 

(おい日菜!初対面のフリをするんじゃなかったのか!?早速俺達のこと知ってるやつがいるんだが!?)

 

 

 




リサが知っちゃってるじゃん!←日菜「うっかりしてたよ〜(*ノω・*)テヘ」

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