後は何度もレポートの内容を練り直すだけ…。1番しんどい作業です。
次回はゼミ合宿の当日に上げれたらなーって思ってます。
4限目が終わって昼休みになる。朝約束したとおり、昼休みにリサと話をするわけなのだが、クラスのバカ達は学習しない。
「俺達が大人しくすると思うなよ!」
「今度こそしばいてやらー!」
「隣のクラスの奴らも手を貸してくれるしな!」
「めんどくせぇー。あ、愁これ頼む」
「はいはい。ちゃんと時間作りなよ?」
「わかってる」
「こいつ!また窓から!」
「クソッ!窓際の席だからそれは防げねぇ!」
「だが先に教室を出てる奴らもいる!」
「今回は逃さねぇぞ!」
(この団結力の高さ…。体育祭とか盛り上がりそうだなぁ)
窓から飛び降りて、監視の目の死角に逃げ込む。死角に入れば監視たちも移動するから、そこをついて逆走。壁に付いてるパイプを利用しながら一気に屋上まで登りきるとしよう。
〜〜〜〜〜
「…男子たちは懲りないねぇ。捕まえれるわけないのに」
「凄い人数で追いかけてるみたいだけど、ヒナがそう言うならそうなんだろうね」
「今井さん、はいこれ」
「毛利くん?…これは?」
「雄弥のお弁当だよ。話をするんでしょ?持って行ってあげてよ」
「いいけど、どこに行けばいいの?」
「さぁ?それは聞いてないからね。僕は図書室行くから、またね」
そう言った毛利くんは、自分のお弁当を持って教室から出ていった。結構図書室には行ってるらしくて、たまに先生に管理を頼まれたりしてる。
「…屋上に行けばいいよ。そこに逃げ込むから」
「へ?なんで屋上ってわかるの?ヒナ」
「男子たちの動きと藤森くんの考え方でわかっただけ。あたしは麻耶ちゃんとご飯食べるから、リサちーは屋上に行きなよ。…もうそろそろ着いてる頃だから」
「そんな早いの!?」
あたしは自分のお弁当と水筒も持って急いで教室を出た。あたしが時間を作ってもらったのに、待たせすぎるわけにはいかないからね。
屋上に行くと、ヒナが言ったとおり雄弥くんは屋上にいた。地面を気にせず、気持ちよさそうに寝転んで青空を眺めてる。あたしはそれを見て思わず固まってしまった。なぜか、邪魔しちゃいけない気がして…。
「お、意外と早かったな、リサ。弁当も持ってきてくれたのか。ありがとう」
「へ、…あ、うん。ヒナのおかげでね。お弁当は持って行ってあげてって毛利くんに言われて受け取ったから」
「……そっか。それでも持ってきてくれたのはリサだろ。だから、ありがとう」
「い、いいってば。お礼言われるほどの事じゃないし、なんか照れくさいし」
「はははっ、リサって世話焼きな性格してるのに褒められるの苦手なんだな」
「…もう、そんなに笑わなくてもいいじゃん」
「わりぃわりぃ。さてと、とりあえずお昼にするか」
「そうだね」
体を起こして、今度はフェンスに持たれるように雄弥くんが座った。あたしはその横にハンカチを敷いて座って、お弁当を手渡した。…なんか、こうやってお弁当を渡すのもいいな…なんてね!
「雄弥くんのお弁当、美味しそうだね♪」
「そうか?自分でやってるとわからないな」
「え!?自分で作ってるの!?」
「まぁな。姉と2人で家事を当番制にしてるから。今週は俺が弁当を作ってるんだよ」
「そ、そうなんだ…」
「リサは料理できるのか?」
「うん、できるよ!趣味はお菓子作りだけど、料理も一通りはできるかな。今度お弁当を作ってあげよっか?」
「んー、じゃあ再来週にでも作ってもらっていいか?来週は俺の姉の担当の週だから、食べなかったら泣かれる」
「あ、あはは…怒られるんじゃないんだ」
「まぁな」
雄弥くんのお姉さんってどんな人なんだろ。今の情報だと、申し訳ないけどブラコンなのかなーって思っちゃうんだけど。
雄弥くんの好みの食べ物を聞いたり、食べれないものがないか聞いたりしながら箸をすすめる。ほら、作るなら喜んでもらいたいしね!
お弁当を食べ終わって一息ついたところで今朝の件を教えてもらうことにした。
「それで、沙綾っていうのは、パン屋さんの子であってる?」
「…知ってたのか?」
「まぁ顔見知り程度だけどね。仲はいい方だと思うよ」
「どっちも人付き合いがよさそうだからな」
「あはは、ありがとう♪…それで、なんで沙綾って呼んでるのかな?雄弥くんって基本的に名字呼びだよね?」
「昨日から成り行きで、あそこで働かせてもらうことになってな。ほら、一家で経営してるからみんな山吹さんだろ?それで名字呼びだとややこしいから、名前で呼んでるんだよ」
「なるほどね〜」
たしかにそれだと名前呼びじゃないとややこしいね。山吹さんって呼んだらみんな反応するってことだもんね〜。…でも、それで朝一緒なのはなんでだろうね?
「一緒に登校してたってのは?」
「それは朝もバイトさせてもらったからだな」
「ふーん?…あたしのとこも来る?コンビニでバイトしてるんだけど」
「掛け持ちってことか?」
「うん」
「…でもなー。今店長が体壊してるから、できる限り店を手伝いたいんだよ」
「じゃあ店長さんが治ったら来てよ!」
「…なんか強引なような。なんか理由があるのか?」
「へ?…いや、あの…そういうわけじゃないけど、一緒に働きたい、から。…あ、あたし何言ってるんだろ!ご、ごめんね。やっぱりいいよ!」
「…店長に相談してみるよ」
「え…?」
「一緒に働きたいんだろ?相談してみる」
「う、うん」
うわぁー、あたし何してるんだろ。…迷惑かけちゃってるよね。あたしの我儘のせいで。
「何もリサが気に病む必要なんてないぞ」
「…なんで?だって、迷惑でしょ?入ってすぐに掛け持ちなんて、誰も良い顔しないことじゃん」
「リサはあくまでも誘っただけ。俺がリサと働いてみたいと思ったから店長と相談するんだ。だからリサが気にすることなんて何一つないんだよ」
「でも…」
「でもじゃない。…っと、そろそろ戻らないとな。そんなわけでこの話は終わり。教室に戻るぞ」
お弁当を片づけた雄弥くんは、そそくさとドアの方に歩いていく。あたしはそれを慌てて追いかけることになり、追いついたら次の授業の話になった。さっきの話は打ち切りってことだね。…ほんと、優しいんだから。
〜〜〜〜〜
「…はぁ」
「ん?どうした沙綾。疲れてるなら休んでていいぞ?1人で捌き切れなくなったら呼ぶから」
「あ、いえいえ!そういうわけじゃないので、大丈夫ですよ!」
「そうか?無理するなよ?沙綾って自分のこと疎かにしそうだからなぁ」
「あ、あはは〜、そう見えます?」
「俺からしたらそう見える。他の人はどうか知らないけどな」
す、すごいなー。まだ会って2日目なのに、私のこと見抜いちゃってるよ。…私は結構自分のことを抑えちゃう性格だから。それでお父さんにもお母さんにも心配されたし、香澄たちが引っ張ってくれなかったら今の私はいなかったしね。
「どうやら今も何か隠してるみたいだしな?」
「…っ!…そこまで見抜かれちゃうんですね」
「…色々とあったからな。相手の小さな変化にも気づけるようになったんだよ。それはともかく、何かあったのか?」
「…いえ、これは自分でどうにかするものですから」
言えないよ。絶対に言えない。特に
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今朝、雄弥さんと別れて、私と結花さんが2人で花女に向かってる時のことだった。
「へー、沙綾ってパン焼けるんだ〜。凄いね!」
「いえいえ。お父さんたちの手伝いをしてたら、いつの間にかできるようになっただけですよ」
「謙遜しちゃって〜。いくら家で作ってるからって、覚えようとしなかったら覚えれることじゃないよ。それを覚えた沙綾はやっぱり凄いよ!」
「そ、そうですか?ありがとうございます。…あはは、ちょっと照れくさいですけど」
「雄弥がパンを焼けるようになったら家でも出来たてのパンが食べれるのかな〜」
「一応、オーブン機能がある家電があればできると思いますよ」
「うちにあったかなー。…無かったら今度買おっかな」
そこまでして食べたいんだ…。うちに来てもらえば出来たてのパンを少しぐらいは渡せるけど、たぶんそれじゃあ駄目なんだろうね。
「ふふっ、結花さんって面白い方ですね。一緒にいてて元気になります」
「んー?さっきまで元気なかったの?」
「あ、そういうことじゃなくて。結花さんと一緒ならどんな時でも楽しいんだろうなーって」
「あー、そういうことね。それもそっか。さっきまでは雄弥と一緒だったもんね☆」
「なっ!わ、私は別に、そういうつもりはなくてですね!」
「そういうつもりってどういうつもりー?私はただ仲良くしてるなーって思ってただけだよ?」
「え……ぁ…〜〜〜っ!!」
「あはは!かわいい♪」
完全にからかわれてる。たしかに結花さんは、ただ仲良くしてるってだけのニュアンスだっただろうに、私ってばなんで…。
「…ごめんね、沙綾。酷いこと言うよ」
「え?」
「もし、雄弥のことを良いなーって思ってるなら、
「なん……で?」
「別に沙綾に意地悪したいわけじゃないんだよ?ただ先に言っといた方がいいかなって思っただけで…。…もし、雄弥の気持ちが昔と変わってなかったら絶対に
「けど…私は…ただ、知りたいだけなんです」
「なにを?」
「雄弥さんのことを。…雄弥さんのことを色々と知りたいだけなんです」
「…そっか。それなら止めないよ。…ホントに。ごめんね?意地悪で酷いことを言っちゃって」
「…いえ」
「さーやだー!おっはよー!」
「わっ、香澄!?ビックリしたー」
「えへへー」
結花さんが私のことを思って言ってくれたのがすごくわかる。さっき結花さんは本当に辛そうに話してたから。私と結花さんの間で流れた変な空気は、私のバンドのボーカルの香澄の登場のおかげですぐに飛んでいった。私たちは、また明るい空気に戻って学校に向かって行けた。
(本当にごめんね、沙綾。沙綾は分かってないかも知れないけど、雄弥のことをもっともっと知りたいって思ってるその気持ちは…)
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なんてことがあって、雄弥さんと一緒にいるのは楽しいのに、どこか心が寂しい。私はただ知りたいだけ。雄弥さんとそういう関係になろうってことじゃなくて、知りたいだけなのに…。
私が考え事してたら腕を引っ張られて、優しい温もりに包まれた。端的に言うと、雄弥さんに優しく抱きしめられていた。
「あ、あの…」
「なんか沙綾が辛そうにしてたから。…俺に話せないことなら話さなくていい。けど、必ず誰かには話せ。絶対に1人では抱え込むな。1人で抱え込み続けても潰れるだけだからな。…ちゃんと誰か話せる相手いるか?」
「…はい。います」
「そうか。それならよかった。沙綾には笑顔でいてほしいからな」
「ふぇ!?」
「…大丈夫か?顔赤いけど」
「だ、大丈夫れふ。…これ恥ずかしいです」
「それもそうだな。ごめんごめん」
「…あ、もうちょっとお願いしてもよかったかな」
(私、自分で言って離れてもらったのに、何言ってるんだろ)
雄弥さんと一緒に店の手伝いをしながらいろんなことを話した。学校がどうだとか、友達のことを話したり。…雄弥さんの話の"他の男子との追いかけっこ"って絶対私の想像超えるやつだよね。話はどんどん広がっていって、バンドの話になった。
「バンドやってるんだな」
「はい!Poppin'Partyって言って、学校の友達と組んでるんですよ!」
「へー。沙綾は…この手ならドラムか」
「わ、わかるんですか?」
「まぁ、俺もバンド組んでた時があったからな。1年半も経たずに活動は終わったが、…あー、一応休止中ってことにしてるんだっけな」
「なんで今はしてないんですか?」
「…ま、色々あってな。…主に、というか全部俺のせいなんだけど」
「え!?」
「意外か?」
「…はい」
「喧嘩して活動休止とかじゃないんだがな。…それぐらいしか教えれないけど」
「そう…ですか」
全部は教えてもらえないんだ…。まだそこまで教えてもらえるほど信頼関係がないのかな、それとも話したくないことなのかな。…どっちにしても私からグイグイ聞くのは失礼だよね。私だって香澄たちにすぐに打ち明けれたわけじゃないし。
「沙綾はバンド楽しんでるか?」
「え…あ、はい!もちろんですよ!みんな仲いいし、一緒にいてすっごい楽しいんですよ!私ポピパに入ってよかったって、ポピパが好きだって心から思えるんです!」
「そっか…。それはよかった」
「あ!雄弥さん、ライブ見に来ませんか?今度のライブハウスでのライブにポピパも出るんですよ」
「ライブか…。…ま、いいか。見に行くよ」
「ホントですか!?やった!きっと雄弥さんもポピパが好きになるようなライブにしますから、楽しみにしててくださいね!」
「わかった。楽しみにしとくよ」
※ヒロインは氷川姉妹です。
沙綾の場合確信犯ですけど、リサはね、書いてたらそうなっちゃうんです。
山吹家に早朝から行ってるのに、自宅で弁当を作って…何時に起きてるんでしょうね