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あの後もしばらくミッテとイチャイチャしていたが、
「し、シンさん……」
突然後ろの方から聞き覚えのある声がしたので振り向くと、リビングの入り口近くに笑顔を引きつらせたアーシアが立っていた。
「あ、ああアーシア!?」
ミッテがアーシアの姿を見てひどく慌てているな。
……まぁ今の状態を見られたくないのは分かる。今も俺の膝の上にいる訳だし、恥ずかしいんだろうね。俺もちょっと恥ずかしいし。
けど、この慌て方を見るとそれだけじゃない気もする。
「ミッテルトさんも何をしているんですか!?」
「あ、あのねアーシア……これにはちょっとした訳があってね…?」
おぉ、アーシアがすごい剣幕でミッテに迫っている。アーシア相手にミッテがたじたじになる光景とか珍しいってレベルじゃねぇぞ、おい。
「んで、どうしたんだアーシア? イリナは大丈夫そうか?」
「あっ…」
ミッテを膝の上から降ろして横に座らせてから、アーシアの方へ向き直って話しかける。
「むぅ……イリナさんならさっきから大泣きしてますよ」
ありゃ? なんかむくれてる?
「うん、泣き出したってことは感情を吐き出せたってことだしもう大丈夫かな。先を間違えなきゃ多分問題無いだろ」
全てウソだったとか思ってそれが怨みに繋がったりしなければ、な。
「それで、さっきは何をしていたんですか?」
いまだにアーシアはむくれている。そんなアーシアの様子に、ミッテはどこか気まずそうだ。
ふむ、この感じ……これは期待してもいいのかね?
「ここ最近ミッテが沈んでいたから慰めていたんだよ。アーシアも気づいてたろ?」
「それは、気づいてましたが…」
「ウソッ!? アーシアにも!?」
ミッテが驚いているが、
「言ったろ? 分かりやす過ぎって」
「うぁ……マジか…」
それを聞いて、ミッテが頭を抱える。
「ま、ミッテはもう大丈夫だろうから放って置くとして「ちょっ、ひどッ!」……アーシアは何をむくれてるんだ?」
「そ、それは…」
さっきの今であれだけど仕方ないかな。
「ミッテ、部屋に戻ってろ。……いや、やっぱイリナの様子を見ていてくれ」
「分かったよ。……シン」
言われた通り戻ろうとして、一度振り返って俺を呼んでくる。
「なんだ?」
「あんまり増やさないでよね」
「……それは保証しかねる」
苦笑しながらそう返してしまった。
「…………」
「…………」
ミッテがいなくなった後、しばらく二人共無言でいたが、
「……いつからミッテルトさんを『ミッテ』と呼ぶようになったんですか?」
アーシアの方から話の口火を切った。
「ついさっきだよ。あんまり可愛いもんでついね」
「むぅ……」
俺の言葉に、またむくれてしまう。
「そうむくれるなって。アーシアは、俺とミッテが仲良くしてちゃ嫌か?」
「そ、そんなこと無いですけど…」
流石にこの言い方はズルかったかな? アーシアは優しい娘だからね。
「ハハハ、悪い悪い。この言い方はズルかったな。大丈夫。俺はミッテも好きだけど、アーシアのことも好きだから」
そう言うと、アーシアは顔を真っ赤にしてしまった。
「す、すすす好きって…」
「ウソじゃないぞ? 俺はアーシアが好きだ。まぁミッテにも同じようなことを言ってるし、この先何人もの女の子に同じようなことを言うかもしれない。でももしそんな俺でもいいなら、付き合ってくれないか?」
……そういえば、ミッテにはこれ言ってないや。まぁ俺の女だって言ったから別にいいか。
「え、えっと……」
アーシアはいきなりのことに困惑しているみたいだ。ただ、言われたことは理解しているようで顔は真っ赤のままだ。
「あ、嫌なら断ってくれていいからな? 最低なこと言ってる自覚はあるから」
「い、嫌だなんてそんなことありません! 私もシンさんのことが好きです!」
おお、ミッテと違って一気に言い切ったな。顔は相変わらず真っ赤だけど。
……あ、今さらだけどアーシア立ったままだね。
「アーシア、おいで」
「え、えっと……はい…?」
こっちに来たので、
「キャッ!?」
さっきまでのミッテと同じように膝の上に座らせた。
「あぅあぅあぅ…」
ハハハ、アーシアは可愛いなあ!
「アーシアは可愛いなあ!!」
おっと思わず口に出してしまったぜ。
「か、可愛いだなんて……そ、その……シンさんもカッコいいですよ?」
「おう、ありがとな。でも本当にいいのか? 自分で言うのもなんだが、俺は最低なこと言ってるぞ?」
「いいんです。私一人だけでなくても。シンさんが私のことを好きだと言ってくれれば、それで幸せです」
アーシアは微笑みながらそう言ってくれた。
……マジで天然記念物じゃないか?
「そうか。ならアーシアは俺のものだ。絶対に誰にも渡さないよ。俺はアーシアのことが好きだからな」
「は、はい。私はシンさんのものです。私もシンさんのことが好きですから」
この後、やっぱりしばらく同じ体勢でイチャイチャしていた。
コカビエルとの戦闘から数日後の夜。俺の姿は白音の部屋にあった。
俺とイリナの二人きりで、他の三人は席を外してもらっている。
「そろそろ整理出来たか?」
「うん。……いろいろゴメンね」
放心状態でもなく泣いてる訳でもなく、淡々と話している。
ちなみに神の不在を知ったことで異端になっていることや、ゼノヴィアも同じ立場であること、エクスカリバーはすでに全て教会側に返還したこと、グレモリーやシトリーの眷属になる選択肢もあるが俺は個人的にイリナが欲しいこと、などの説明は一旦落ち着いた時――具体的にはコカビエル戦の次の日――にしておいた。
「で、どうする? ゼノヴィアは決めたらしいぞ」
「私も決めたわ。……シン君、私をあなた達の仲間にしてくれない?」
そうは言ってるが完全に覚悟を決めた顔ではなく、迷いを抱えているのが分かる。
「本当にそれでいいのか? 後悔しないか?」
だからこうやって確認する。後悔無くとはいかないだろうが、迷ったまま勢いやヤケっぱちで決めることだけはしちゃいけないからな。
「迷いが無い訳じゃないわ。後悔もすると思う。でもシン君は『一人で立てないなら、立てるようになるまで支えてやる』って言ってくれたでしょう? なら遠慮なくそれに甘えさせてもらうわ。どれを選んでも百パーセント満足出来ないなら、支えるって言ってくれる人がいる分だけマシよ」
……なるほど、キチンと考えた上での選択か。ならこれ以上あれこれ言うのは失礼にあたるかな。
「分かった。ならこれ以上は何も言わないよ。俺達はイリナを歓迎しよう」
「ありがとう。これからよろしくね」
その後、リビングに全員集まると改めて互いに自己紹介をした。
…………よく考えたら、互いに名前は知ってるのに自己紹介したことなかったんだよな。
ちなみに、アーシアとミッテの自己紹介の際に一悶着あった。
どっちも俺の女だと言いやがったのだ。いや、そこはまだいい。事実だし。
ただそこでイリナは不潔だと騒ぎ出すし、白音は俺をジトーッとした目で見続けるし……特に白音のは俺が悪いみたいに感じるから困る。
ま、俺がやってることが最低なのは間違いないけどね。
「……アーシアさんとミッテルトさんと付き合ってるんですか?」
自己紹介が終わって解散した後、白音が一人で俺の部屋に来て開口一番にそう聞いてきた。なんだか妙に沈んでいる。
「ああ、そうだよ。……なんだ? 二人が羨ましいのか?」
「…………はい。正直言って羨ましいです。私達は勇気が無くてずっと言えませんでしたから」
……ん? あぁそう思ってるのか。
「あぁ、二人には俺から言ったぜ? 勢いもあってつい、な」
「なっ!?」
やっぱ驚くよな。俺もここ最近の自分の言動には少し驚いてる。
こんな風に仲間や彼女をホイホイ増やすとか、少し前までの俺じゃありえなかったからな。つか、今まで彼女がいたことは無いけど。
「…………な、なんで…ッ!」
あっ、やっべ白音が爆発しそう。すでに涙目でこっちを睨んでる。
「それならなんで私や姉様に先に言ってくれなかったんですか!? ずっと言い出せなかっただけなのは兄様なら気づいていたハズでしょう!? それなのになんであの二人が先なんですか!? なんで!? なんでっ!?」
ここまで想われてたのか……ちょっと予想外だな。それに若干病んでる?
「……悪い。俺もちょっと自信無かったんだ。それに義兄妹の距離が心地よかったしな。でもそれも、今日で終わりだ」
「……えっ…?」
一気にすごい不安そうな顔になったな、おい。
「安心しろ。お前と黒歌はずっと前から俺のものだ。ただし今日からは義兄妹じゃなくて、彼氏彼女として、な」
「…………」
少しの間俺の言葉に呆然としていたが、
「はっ、はい!!」
満面の笑みで元気よくうなずいた。
お、おかしい……こんなの予定に無いぞ?
ま、まぁいいでしょう! これでシン君は四人の女の子と同時に付き合ってる最低野郎になった訳です。
しかも自分は気が多いくせに、彼女達にはそれを許さない鬼畜でもあります。
まぁ気が多いのにも一応理由みたいなのは考えてあるんですけどね。
……はい? イリナが仲間外れ気味? な、なんのことでしょう?
三巻がなかなか終わらないでござる。じ、次回こそ! 次回こそは終わる!…………ハズ