ハイスクールD×D 〜異能者〜   作:綺羅星☆

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前回に今年最後の投稿だと言ったな……あれはウソだ。

ということで投稿〜。思いついちゃったから仕方ないね!


大晦日に産まれるとか迷惑にもほどがあると思うんだ。


幕間
ちょっとした小話


 

 

 

コカビエル襲撃事件から少し経ったある日のこと。

 

 

「ところで、前から聞きたいと思っていたのだけれど」

 

「んぁ?」

 

放課後、部室でグダグダしていると部長が唐突に言う。

 

「いつもあなたが持っている本のことよ。聞いたら教えてくれるかしら?」

 

敵対組織の者に手の内を教えてくれってのもあれだが……まぁどうせ見せ手だしいいか。

 

「ん、こいつのことか。いいよ教えても」

 

そう言って鞄からいつもの本を取り出して見せる。

無地の暗い緑色のハードカバーのかなり分厚い本だ。

 

「これは所謂『魔導書』だよ。魔法や魔術についての記述をまとめた、それ自体が力を持った書ってやつさ。と言ってもこれは未完成品だがね。あ、不用意に触るなよ? 許可されてないやつが触ったら精神を犯されるから」

 

「え、なにそれ怖い」

 

イッセーが思わずといった感じでつぶやく。

 

「未完成ってどういうことかしら?」

 

あ~~、これ言って大丈夫かな……

 

そうチラッと悩むが、

 

「……ま、いっか。”未完成”と言ったけど、これはどちらかと言うと”もどき”だ。こいつは俺が作った物だからね。書の形になってからの時間が短くて、さほど力を持って無い。それに一応書の形にしてるだけで、今はまだただの記述の羅列で一冊の本にもなってなければ名前もつけて無いんだ。いずれキチンとまとめて本当の魔導書にするつもりだがな」

 

俺の言葉に部長はポカンとしている。よく見ると、姫島先輩も似たような顔をしているな。

逆にイッセーや憐、木場なんかは書そのものを恐れてはいるが、俺がやったことについては思うところは無いみたいだ。

 

……あ、魔力の扱いに長けた二人だからこその反応か? それとも悪魔歴の違いかな? あぁ、イッセーはそもそもすごさが分かってないな。

 

「ま、魔導書を作るって、あなたね……」

 

「いろいろ非常識でしたが、これがある意味一番非常識ですわ…」

 

二人してあきれた顔するなよ。俺ってそんな非常識か…?

 

「そ、そんなにすごいことなんですか…?」

 

二人の様子を見て、イッセーが聞く。

 

「すごいなんてもんじゃないわ。普通作ろうと思っても出来ないもの」

 

「魔導書製作において、まず必要なのが魔法についてのとても深い知識。そしてそれを言葉にして魔力を籠めながら書かなければなりませんし、そのための特殊な素材や道具も必要です。特に言葉にするところが難しいのですわ」

 

へ~~、意外と知ってるんだなそういうこと。

 

「言葉にするのが難しいんですか?」

 

「ええ、単に術式を言葉にするだけでもとても難しいわ。術式は数式みたいなものだから。それに、普通そのままではなく暗号化するから余計にね。でも高位な魔導書となると、さらにそれがキチンと一冊の本の形に編集されているものなの」

 

「しかし編集する時に記述を崩してしまうと、そもそも術として成り立たなくなってしまうこともあります。そのさじ加減が魔導書製作をさらに難しくしているのですわ」

 

部長と姫島先輩が交互にイッセーに説明していく。

 

「ま、実は記述の羅列を本の形にまとめて魔力を籠めるだけでも、かなり低位になるが魔導書としては成り立つんだけどな。ただ魔法使いって連中は、そういうのを魔導書とは認められないのさ。魔法使いは基本的に研究者気質だから」

 

例外にテロリストに参加するような連中がいる。ああいうのは魔法という力を振り回したいって連中だな。

 

「それにしても、なんで魔導書なんかを作ったのよ? あなた普通に魔法使ってたわよね?」

 

「あ~~……俺、実はまともに魔法使えないんすよ。いや厳密に言えば使えるけど、戦闘中には使えない。自力で術式を構築すると、構築スピードがかなり遅いんです。とても戦闘中に使えるとは思えないレベルで。だったらいっそ自分で使わなきゃいいじゃないか、と言うことで魔導書を作り始めたんです」

 

部長の疑問に答えると、またあきれた顔をされた。

 

「……なんでそこで魔導書を作ろうとしたのよ……しかも実際に作っちゃうし…」

 

まぁ、思い立ってやってみたら出来ちゃったんだし仕方ないね~。

 

 

 

 

 

 

 

 

今度は自宅にて。

 

「そういえばシンさん。イッセーさんの治療の時に使ってたものって何だったんですか?」

 

皆でリビングでまったりしてると、突然アーシアが聞いてきた。

 

あぁそういえば、憐はコカビエル襲撃以降家に住むのをやめた。イリナが家に来て部屋数が足りなくなったので、部長に言って以前の住居に戻ってもらったのだ。

 

「そういやあの後結局説明してなかったっけか」

 

そう言って魔導書の時のように、意識下から呼び出して皆に見せる。

以前イッセーの治療の時に使ったビー玉のような物だ。

 

「これは『文珠』って言ってな。簡単に言えば力を凝縮して半物質化したものだ。漢字一文字の念を籠めることで様々な効果を起こすことが出来る。なんでも”力の方向を完全にコントロールする能力”らしいが、使ってる俺も詳しいことは知らん」

 

「え、それって大丈夫なの?」

 

イリナが引きつった顔で聞いてくるが、

 

「今まで問題無かったし大丈夫じゃね? 俺だけじゃなく白音も使ってるけど……何かあったことないだろ?」

 

そう白音に確認しても、

 

「はい。今まで何度か使っていますが問題ありませんでした。むしろ便利過ぎるので、なるべく頼らないようにしてるくらいです」

 

と否定的な答えは返って来ない。

 

「まぁ確かにかなり便利だな。ただ、多用されると俺がキツいからやめてくれ」

 

「キツいってどういうこと?」

 

と今度はミッテ。

 

「かなりの力を凝縮するから、短時間に集中して一気に作ろうとすると疲労と消耗が激し過ぎるんだ。だから長時間かけて作ることにしてるんだが、それだと今のペースで二日に一個だ。多用されると供給が追いつかん」

 

「あ、そっか。半物質化するほどの力を凝縮するとなると、そう簡単にはいかないよね」

 

「……そもそも力を凝縮して半物質化すること自体が非常識だと思うの…」

 

納得した風のミッテに、ため息まじりにツッコむイリナ。

 

また非常識か……以前ミッテにも言われたことあるし、ひょっとして俺かなりの非常識人…? 自分では常識人のつもりだったんだが。

 

「そこはほら、シンだし」

 

「……その言葉で納得出来てしまうのが兄様です」

 

「おい、お前ら」

 

「え、え〜っと……だ、大丈夫です! 私はそんなシンさんが好きですから!」

 

「ありがとうな、アーシア……でもそれはフォローになってないよ…」

 

「あ、あはははは…」

 

 

なんだかんだでまったり過ごしていた俺達だった。

 

 

 




いろいろ細かく考えた訳じゃないので、ツッコミどころは多々あると思いますが致命的なものでない限り多分スルーします。


ついでに絶対本編で解説しないであろうクロスについて。

コカビエルとの戦闘で、仕込みからトドメの流れで使った技がそれです。

元ネタ:キングオブファイターズ 2002UM
キャラ:イグニス
技:ディスインテグレイショナルユニバース

詳しく知りたい方はぜひググってください。
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