ハイスクールD×D 〜異能者〜   作:綺羅星☆

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汝に祝福あれ♪

 

 

会談は順調に進んでいた。

 

 

「というように、我々天使は……」

 

ミカエルがしゃべり、

 

「そうだな、その方が良いのかもしれない。このままでは確実に三勢力とも滅びの道を……」

 

サーゼクスが発言する。

 

「ま、俺らは特にこだわる必要もないけどな」

 

たまにしゃべるアザゼルの一言で場が凍りつく。

 

……確実にそれを楽しんでるけどな、この総督(オッサン)は。

 

いろいろ小難しい話をしているが、正直聞くのがメンドい。どうせ終着点は見えてるし……寝てようかな?

 

なんてちょっと知られたらマズいことを考えながら過ごしていると、

 

「さて、リアス。そろそろ、先日の事件について話してもらおうかな」

 

「はい、ルシファー様」

 

ようやく少し面白い話になりそうだ。

 

サーゼクスに促され、部長と会長、姫島先輩が立ち上がり、この間のコカビエル戦での一部始終――俺の知らない部分も含まれていた――を話す。三大勢力の面々はそれに聞き入っていた。

 

部長はかなり緊張してる様子だったが、表には出さず冷静に淡々と話していた。

 

報告を受けた各陣営トップはため息をつく者、顔をしかめる者、笑う者と様々な反応をする。

 

「以上が、私、リアス・グレモリーと、その眷属悪魔が関与した事件の報告です」

 

「ご苦労、座ってくれたまえ」

 

サーゼクスの一言で着席する部長達。

 

「ありがとう、リアスちゃん☆」

 

セラフォルーが部長にウインクして労う。

 

……いや、この場でそれはいいのか、魔王様? アザゼルじゃあるまいし。

 

「さて、アザゼル。この報告を受けて、堕天使総督の意見を聞きたい」

 

サーゼクスの言葉に全員の視線がアザゼルへと向けられる。それを受けて、アザゼルは不適な笑みを浮かべて話し始めた。

 

「先日の事件は我が堕天使中枢組織『神の子を見張る者(グリゴリ)』の幹部コカビエルが、他の幹部及び総督の俺に黙って、単独で起こしたものだ。やつの処理は『異能者』が行った。その後、組織の軍法会議でコカビエルの刑は執行された。『地獄の最下層(コキュートス)』で永久冷凍の刑だ。もう出てこられねぇよ。その辺りの説明はこの間転送した資料に全て書いてあっただろう? それが全部だ」

 

アザゼルの言葉を聞いて、ミカエルが嘆息しながら言う。

 

「説明としては最低の部類ですが、あなた個人が我々と大きな事を起こしたくないというのは知っています。それに関しては本当なのでしょう?」

 

「ああ、俺は戦争に興味なんてない。コカビエルも俺のことをこき下ろしていたと、そちらの報告でもあったじゃないか」

 

今度はサーゼクスが問いかける。

 

「アザゼル、一つ聞きたいのだが、どうしてここ数十年神器の所有者をかき集めている? 最初は人間達を集めて戦力増強を図っているのかと思っていた。天界か我々に戦争をけしかけるのではないかとも予想していたのだが……」

 

「そう、いつまで経ってもあなたは戦争をしかけてはこなかった。『白い龍(バニシング・ドラゴン)』を手に入れたと聞いた時には、強い警戒心を抱いたものです」

 

サーゼクスに同調してミカエルも意見を述べる。それを聞いて、アザゼルは苦笑する。

 

「神器研究の為さ。なんなら、一部研究資料もお前達に送ろうか? って研究していたとしても、それで戦争なんざしかけねぇよ。戦に今さら興味なんてないからな。俺は今の世界に十分満足している。部下に『人間界の政治にまで手を出すな』と強く言い渡しているぐらいだぜ? 宗教にも介入するつもりはねぇし、悪魔の業界にも影響を及ぼせるつもりもねぇ。……ったく、俺の信用は三すくみの中でも最低かよ」

 

「それはそうだ」

 

「そうですね」

 

「その通りね☆」

 

サーゼクス、セラフォルー、ミカエルの意見が一致していた。まぁアザゼルだし仕方ないね。

 

だが、当のアザゼルは面白くなさそうに耳をかっぽじっていた。

 

「チッ。神や先代ルシファーよりもマシかと思ったが、お前らもお前らで面倒くさいやつらだ。こそこそ研究するのもこれ以上性に合わねぇか。あ~、分かったよ。なら、和平を結ぼうぜ。元々そのつもりもあったんだろう? 天使も悪魔もよ?」

 

アザゼルの一言に各陣営は少しの間、驚きに包まれていた。まぁ多分、アザゼルから提示されると思ってなかったんだろう。

 

「ええ、私も悪魔側とグリゴリに和平を持ちかける予定でした。このままこれ以上三すくみの関係を続けていても、今の世界の害となる。天使の長である私が言うのも何ですが……戦争の大本である神と魔王は消滅したのですから」

 

一番早く驚きから復活したミカエルが微笑みながら言う。それにアザゼルは吹き出して笑う。

 

「ハッ! あの堅物ミカエル様が言うようになったね。あれほど神、神、神様だったのにな」

 

「……失ったものは大きい。けれど、いないものをいつまでも求めても仕方がありません。人間達を導くのが、我らの使命。神の子らをこれからも見守り、先導していくのが一番大事なことだと私達セラフのメンバーの意見も一致しています」

 

「おいおい、今の発言は『堕ちる』ぜ?……と思ったが、『システム』はお前が受け継いだんだったな。いい世界になったもんだ。俺らが『堕ちた』頃とはまるで違う」

 

サーゼクスも同意見を口にし出す。

 

「我らも同じだ。魔王がなくとも種を存続する為、悪魔も先に進まねばならない。戦争は我らも望むべきものではない。……次の戦争をすれば、悪魔は滅ぶ」

 

サーゼクスのこの言葉にアザゼルもうなずいた。

 

「そう。次の戦争をすれば、三すくみは今度こそ共倒れだ。そして、人間界にも影響を大きく及ぼし、世界は終わる。俺らは戦争をもう起こせない」

 

先ほどまでのふざけた調子は鳴りを潜め、真剣な面持ちになったアザゼル。

 

「神がいない世界は間違いだと思うか? 神がいない世界は衰退すると思うか? 残念ながらそうじゃなかった。俺もお前達も今こうやって元気に生きてる」

 

アザゼルは腕を広げながら、堂々と言い放つ。

 

 

「神がいなくても世界は回るのさ」

 

 

この後、また小難しい話が始まったが緊張感は若干弱まった感じだ。和平を結べることなったからだろう。

 

 

「と、こんなところだろうか?」

 

サーゼクスのその一言で、お偉い様方が大きく息を吐いた。会談が始まって一時間前後か。

 

……よく寝なかったな、俺。

 

その後、ミカエルやアザゼルがグレモリー眷属、特にイッセーと何かを話していたが俺はあまり聞いてなかった。

 

 

「さて、そろそろ俺達以外に、世界に影響及ぼしそうなやつらへ意見を聞こうか。無敵のドラゴン様にな。まずはヴァーリ、お前は世界をどうしたい?」

 

アザゼルの問いかけにヴァーリは笑う。

 

「俺は強いやつと戦えればいいさ」

 

うん、分かってた。お前はそういうやつだよね。

 

アザゼルの視線が今度はイッセーに向く。

 

「じゃあ、赤龍帝、お前はどうだ?」

 

イッセーは頬をかきながら答える。

 

「正直、よく分からないです。なんか、小難しいことばかりで頭が混乱してます。ただでさえ、後輩悪魔の面倒を見るのに必死なのに、世界がどうこう言われてもなんというか、実感わきません」

 

「だが、お前は世界を動かすだけの力を秘めた者の一人だ。選択を決めないと俺をはじめ、各勢力の上に立っているやつらが動きづらくなるんだよ」

 

と、アザゼルに言われて困った様子のイッセー。

 

「兵藤一誠、では怖ろしいほどに噛み砕いて説明してやろう。俺らが戦争したら、お前も表舞台に立つ必要が出てくる。そうなればリアス・グレモリーを抱けないぞ」

 

「……ッ!」

 

イッセーはアザゼルの言葉に声も出ないほど驚いたらしい。

 

「和平を結べば戦争する必要もなくなる。そうしたら、後に大事なのは種の存続と繁栄だ。……毎日、リアス・グレモリーと子作りに励むことが出来るかもしれない。どうだ? 分かりやすいだろう? 戦争ならセ〇クスはなしだ。和平ならセ〇クスしまくりだ。お前はどっちを選ぶ?」

 

イッセーはここで初めて言っていることの全てが理解出来たようだ。

 

「和平で一つお願いします! ええ! 平和ですよね! 平和が一番です! 部長とエッチがしたいです!」

 

部長はイッセーの欲望丸出しの言葉に顔を真っ赤にしている。ここで木場が何かを口に出そうとして、

 

「ならシン、お前はどうだ? お前もまた、世界を動かすほどの力を持った者の一人だが」

 

唐突にアザゼルが俺に話を振る。

 

「戦争は嫌だね。俺は仲間達と仲良く楽しく暮らせればそれでいい」

 

これはウソじゃない。あいつらが大切な存在になったからか、以前ほど戦いを求めていないのは事実だ。

 

「……そうかい。それならいいさ」

 

何か含むところがありそうな言い方だが、アザゼルはこの場でこれ以上追求する気はないみたいだ。

 

 

 

……と、ここで突然世界が止まった。

 

 

 

 

 




やっぱりカテレア出てこなかったでござる。

つか今回大丈夫かな? セリフがちょっと原作通り過ぎたかも?
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