ハイスクールD×D 〜異能者〜   作:綺羅星☆

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ノリが悪かったな

 

 

 

で、会談の日から数日。

 

「てな訳で、今日からこのオカルト研究部の顧問になることになった。アザゼル先生と呼べ。もしくは総督でもいいぜ?」

 

着崩したスーツ姿のアザゼルがオカルト研究部の部室にいた。

 

「……どうして、あなたがここに?」

 

額に手を当て、困惑した様子の部長。

 

「ハッ! セラフォルーの妹に頼んだら、この役職だ! まぁ、俺は知的でチョ~イケメンだからな。女生徒でも食いまくってやるさ!」

 

「それはダメよ! って、なぜソーナがそんなことを」

 

「堅いな、リアス・グレモリー。いや、何。サーゼクスに頼んだら、セラフォルーの妹に言えと言うんだ。だから頼んだ」

 

まぁ確かに、部長はちょっとお堅いよな。

 

「俺がこの学園に滞在できる条件は、グレモリー眷属の悪魔が持つ未成熟な神器を正しく成長させること。まぁ、神器マニア知識が役に立つ訳だ。お前らも聞いただろうが、『禍の団(カオス・ブリゲード)』ってけったいな組織がある。将来的な抑止力の一つとして、『赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)』とお前ら眷属の名が挙がった。と言うよりも、対『白い龍(バニシング・ドラゴン)』専門だな。仕入れた情報では、ヴァーリは自分のチームを持っているって話だ。仮に『白龍皇眷属』と呼んでおくか。判明しているメンツは今のところヴァーリと孫悟空を合わせて数人だ」

 

「ヴァーリ達はまたここを攻めてくるんスか?」

 

イッセーの問いかけにアザゼルは首を横に振る。

 

「もう攻めてこないだろうさ。一応のチャンスだった三大勢力のトップ会談での暗殺だが、それも失敗した。やつらの当面の目標は天界、冥界だ。冥界は俺のトップ命令で全堕天使が悪魔と共闘する。そう簡単に冥界を落とすことは出来ない。天界もセラフの連中が黙っていないだろう。それに天界には居候の強い聖獣、魔獣もいるしな」

 

「……戦争か」

 

「いや、まだ小競り合いレベルだな。やつらも俺らも準備期間と言える。安心しろ、お前らがこの学園の高等部どころか、大学部を卒業するまで戦なんて起きやしない。学園生活を満喫しておけ。……ただ、せっかくの準備期間だ。いろいろと備えようじゃねぇか」

 

「う~ん……」

 

イッセーがない頭絞って何かを言おうとするが、

 

「イッセー、やめとけやめとけ。どうせバカなんだ。お前の敵が白龍皇ヴァーリだってことさえ理解していれば、今はそれでいいよ」

 

と言ってやる。初対面のカテレアにすら会ってすぐ残念と言われたんだし、バカなのは仕方ないね。

 

「そうだな。今はそれでいい。お前がヴァーリを退けたのは、ミカエルからもらった龍殺し(ドラゴン・スレイヤー)の剣と『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』の力が合わさったからだ。後、やつは手を緩めていた。そうじゃなければ負けていたな。と言うよりも今回は相性のおかげで戦えたに過ぎない。仮に相手がヴァーリ並の力を持つドラゴン以外の存在だったら、お前は殺されていた」

 

「龍殺し様々だな」

 

「確かに。それで、白龍皇の力はあれから使えるのか?」

 

とアザゼルがイッセーに聞く。のを聞いて口を挟む。

 

「え? 何それ? あの戦いで何があったの?」

 

知らなかった、と言うかその時は眠っていて知り得なかった情報だったので、思わず聞いてしまった。

 

話を聞いてみると、イッセーは寿命を犠牲に白龍皇の力を取り込んだらしい。

相反する力の融合、それもドラゴンのものとか死ぬ方が自然だぞ、おい。それが寿命を犠牲にしただけで済んだとかすごいな。

 

「俺、強くなれますか?」

 

イッセーがアザゼルに問いかける。この真っ直ぐなところはイッセーの美点だよな。

 

「強くさせてやるよ。俺はヒマな堕天使様だからな」

 

「つか、イッセーは強くなれると思うぜ? ヴァーリなんかとは違う方向性の才能を感じるし」

 

「え、マジか!?」

 

イッセーが驚いた様子で俺の言葉に反応する。

 

「おう。予想だにしない面白い成長をしてくれそうだ」

 

「そ、それは喜んでいいのか……?」

 

ニヤリとした笑みを浮かべて言うと、イッセーは複雑そうな顔をしてしまった。

 

 

その後、アザゼルがグレモリー眷属の現状の戦力調査と簡単なアドバイスをしていく。

 

 

そして、アザゼルの視線が姫島先輩の方へ向いた。

 

「まだ俺らが……いや、バラキエルが憎いか?」

 

姫島先輩が厳しい表情で返す。

 

「許すつもりはありません。母はあの人のせいで死んだのですから」

 

「朱乃、お前が悪魔に降った時、アイツは何も言わなかったよ」

 

「当然でしょうね。あの人が私に何かを言える立場であるハズがありません」

 

ッ!! これは流石にカチンとくるな……!

 

「そういう意味じゃねぇさ。いや、まぁ俺がお前ら親子の間に入るのも野暮か」

 

「あれを父だとは思いません!」

 

姫島先輩はハッキリと言い切る。

 

「そうか。でもな、俺はお前がグレモリー眷属になったのは悪かないと思うぜ。それ以外だったら、バラキエルもどうだったかな」

 

「…………」

 

姫島先輩は何も返さず、複雑そうな表情をしている。

 

「……チッ!」

 

「おい、シン!」

 

思わず舌打ちしてしまうと、アザゼルに咎められる。

 

「……悪い、席外すわ」

 

そう言って、部室から出て行った。

 

 

 

「……兄様、大丈夫ですか?」

 

部室を出た俺についてきた白音が聞いてくる。

 

「ああ、問題ねぇ。……まぁ実際アザゼルの言う通りで、あれはあの親子の問題だからな。余計な口は挟まねぇよ」

 

「……兄様はそれでいいんですか?」

 

「いいんだよ。どうせ俺のは、個人的な感情の問題だ。俺が自分で解決するさ」

 

「…………」

 

白音はそれ以上何も言うことはなかった。何も言わずにただずっとそばにいてくれた。

 

 

しかし結局、その日はずっと気まずいままだった。

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで夏休みの前日、つまり終業式の日。

 

 

「おう、シン。帰ってきたな」

 

我が家の前でアザゼルが待機していた。

 

「ここで何してんだ? つか、仕事はいいのかよ、先生?」

 

「あぁ、ちょっと伝えておきたいことがあってな。すぐに戻るよ」

 

「……伝えておきたいこと……?」

 

アザゼルの言葉に、思わず怪訝そうな顔をしてしまった。他の皆も似たような表情をしている。

 

「何、大したことじゃないさ。この家、人数増えて手狭になってきただろ? だから夏休み中に改築するぞ! って話だ。すでにサーゼクスには話をつけてある」

 

アザゼルは我が家を指差してそう宣言した。

 

「そりゃ、ありがたいけどよ。住んでる俺らに相談くらいしろよな、まったく。……んで、どんな風にするんだ?」

 

俺の問いかけに、

 

 

「そりゃ、出来てからのお楽しみだ」

 

アザゼルはニヤリと笑いながら言い放った。

 

 

 




よっし、四巻終了!

次の更新は少し遅くなると思います。
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