ハイスクールD×D 〜異能者〜   作:綺羅星☆

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悔い改めなさい

 

 

結局、アーシアの膝枕で眠ったまま終点までの一時間ほどを過ごした。途中でレイナルドという初老の男性が来て、正体の確認と照合をしたらしい。

 

 

で、アーシアに起こされて部長達に続いて列車を降りた瞬間、

 

「リアスお嬢様、お帰りなさいませ!」

 

と怒号のような声が響く。それに驚いていると、続いて花火が上がり、兵隊達が銃を空に向けて放ち、楽隊らしき人達が一斉に音を奏で始める。

 

「ヒィィィィ……。人がいっぱい……」

 

ギャスパーが人の多さにビビッて、イッセーの背中に隠れてしまった。つかうちでも、アーシアなんかはちょっとビビッている。

 

さっきは兵隊が目に付いたが、よく見ると執事やメイドもたくさんいる。部長がそっちへ近づくと一斉に頭を下げて、

 

「リアスお嬢様、お帰りなさいませ」

 

と迎え入れる。

 

「ありがとう、皆。ただいま。帰ってきたわ」

 

部長が満面の笑みで返す。それを見て、執事やメイドの皆さんも笑顔を浮かべた。

 

と、ここで見覚えのある銀髪メイド姿の女性が一歩前へ出てくる。グレイフィアだ。

 

「お嬢様、お帰りなさいませ。お早いお着きでしたね。道中、ご無事で何よりです。さあ、眷属の皆様も憐城様のご一行も馬車へお乗りください。本邸までこれで移動しますので」

 

グレイフィアに誘導されて、豪華絢爛な馬車へ乗り込む。皆の荷物は、いつの間にかメイドさん達が列車から運び出していた。サービスいいね。

 

「私は下僕達と行くわ。イッセーは初めてで不安そうだから」

 

「分かりました。何台かご用意しましたので、ご自由にお乗りください」

 

一番前の馬車にグレモリー眷属とグレイフィアが、次の馬車に俺らが乗り込んだ。

 

信用されていると思っていいのだろうが、それでもグレイフィアがあっちの馬車に乗るとはね。正直予想外だったよ。いや、部長達と俺らを分けて同行者を使用人のみにすれば最悪の場合でも被害は最小限になるし、グレイフィアほどの実力者がそばにいるし、案外いい選択なのかな? つーかそもそも気にしすぎか? でもついこの間まで敵対してた勢力同士だしなぁ……。

 

そんなことを考えていたら、全員が乗り込んだらしく馬車がゆっくりと動き出した。

 

 

 

馬車が走り出してしばらくすると、前方に巨大な建造物が見えてきた。馬車が向かっているのもあそこのようだし、グレモリー家の本邸なのだろうが……。

 

「……もうありゃ、家じゃなくて城って規模だろ」

 

思わず口にしてしまう。そう、見えているのは明らかに城なのだ。

 

 

その後少し経って馬車が止まった。馬車のドアが開かれて、執事らしき人が会釈をしてくれる。

 

礼を言いつつ馬車を降りると、赤いカーペットが敷かれた両脇に執事とメイドが整列して道をつくっていた。カーペットは巨大な城の方に伸びており、これまた巨大な城門がギギギと音を立てて開かれていくのが見える。

 

「お嬢様、眷属の皆様、そして憐城様とその部下の皆様。どうぞ、お進みください」

 

グレイフィアが会釈をして、俺達を促す。部長達は俺達が降りてくるのを待っててくれたみたいだ。

 

「さぁ、行くわよ」

 

そう言って部長がカーペットの上を歩き出そうとした時、メイドの列から小さな人影が飛び出して部長の方へ駆け込んでいく。

 

「リアスお姉様! お帰りなさい!」

 

部長に抱きついた小さな人影は、紅髪のかわいらしい少年だった。どことなくサーゼクスの面影が……いや、部長の方が似てるかも。

 

「ミリキャス! ただいま。大きくなったわね」

 

部長もその子を抱きしめる。

 

「あ、あの、部長。この子は?」

 

「この子は『ミリキャス・グレモリー』。お兄様――サーゼクス・ルシファー様の子供なの。私の甥ということになるわね」

 

イッセーの質問に、部長は抱きしめていたミリキャスを離して答える。そしてイッセーに向き合わせた。

 

「ほら、ミリキャス。挨拶をして。この子は私の新しい眷属なのよ」

 

「はい。ミリキャス・グレモリーです。初めまして」

 

「こ、これは丁寧なご挨拶をいただきまして! お、俺……いや、僕は兵藤一誠です!」

 

イッセーは自分より小さい子相手に緊張してテンパってる。部長もその様子を見て小さく笑っているな。

 

「魔王の名は継承した本人のみしか名乗れないから、この子はお兄様の子でもグレモリー家なの。私の次の当主候補でもあるのよ」

 

部長の言葉に納得顔のイッセー。

 

 

 

「さぁ、屋敷へ入りましょう」

 

部長はミリキャスと手をつないで門の方へと歩き出す。俺らも置いていかれないようついて行った。ふとイッセーの方を見ると、背中にギャスパーがひっついている。

 

……いや、自分で歩けよ引きこもり。

 

そんなことを考えながら歩いていくと、いくつか門を潜った後玄関ホールらしきところで部長が足を止めた。

 

えぇ~……めっちゃ広い。天井のシャンデリアなんかもかなりでかい。金持ち貴族おそるべし。そんな感じ。

 

「お嬢様、早速皆様をお部屋へお通ししたいと思うのですが」

 

グレイフィアが言葉と共に手を上げると、数人のメイドさんが集合した。規律取れてんなぁ〜。

 

「そうね、私もお父様とお母様に帰国の挨拶をしないといけないし」

 

部長はこの後のことを考え込んでいる。

 

「旦那様は現在外出中です。夕刻までにお帰りになる予定です。夕餉の席で皆様と会食をしながらお顔合わせをされたいとおっしゃられておりました」

 

「そう、分かったわ、グレイフィア。それでは、一度皆はそれぞれの部屋で休んでもらおうかしら。荷物はすでに運んでいるわね?」

 

「はい。お部屋の方は今すぐお使いになられても問題ございません」

 

それはありがたいな。うちのアーシアが慣れないものをたくさん見たせいかフラフラしてるし。イリナやイッセーも気疲れしてるように見える。まぁ、野郎の心配をしてやるつもりは毛頭ないが。

 

「あら、リアス。帰ってきたのね」

 

その時、上の方から女性の声が聞こえてきた。そちらに視線を向けると、そこには階段から下りてくる美少女の姿が。ドレスを着ていて、俺達とそんなに歳は変わらないように見える。

だが、”見た”感じでは年齢も実力も部長達とは大きく差があるのが分かる。亜麻色の髪であるのと目つきが少々キツめだが、それ以外は部長にそっくりな見た目なのも考慮すれば自ずと答えは見えてくるな。

 

部長はその人を確認するなり微笑んだ。

 

「お母様。ただいま帰りましたわ」

 

「お、お、お母様ぁぁぁぁああああっ!? だって、どう見ても部長とあまり歳の変わらない女の子じゃないですか!」

 

美少女の登場に鼻の下を伸ばしていたイッセーは、部長の言葉にかなり驚いたらしく大声で叫んだ。

 

「あら、女の子だなんて嬉しいことをおっしゃいますのね」

 

部長の母親は頬に手をやり微笑む。

 

「悪魔は歳を経れば魔力で見た目を自由に出来るのよ。お母様はいつも今の私ぐらいの年格好なお姿で過ごされているの」

 

……つまりは若作りか。

 

「ッ!?」

 

突然背にゾクッとすさまじい寒気が走り、全身から冷や汗があふれ出す。つい辺りを見回すと、部長の母親がこちらに顔を向けていた。その表情は笑顔だが、視線は絶対零度だった。思わずそちらを向いて誠意を込めて頭を下げると、寒気は収まった。……うん、女性の年齢については考えるのもタブーだな。

 

イッセーは話を聞いている間も、部長の母親から視線を外さない。そんな様子を見て、部長がイッセーの頬をつねる。

 

「……私のお母様に熱い視線を送っても何も出ないわよ?」

 

「あら、リアス。その方が兵藤一誠君ね?」

 

「お、俺……僕のことをご存知なんですか?」

 

イッセーの問いかけに部長の母親はうなずいた。

 

「ええ、娘の婚約パーティーに顔ぐらい覗かせますわ、母親ですもの」

 

その言葉にビビッているイッセーを見て、部長の母親はクスッと小さく笑った。

 

 

「初めまして、私はリアスの母、『ヴェネラナ・グレモリー』ですわ。よろしくね、兵藤一誠君」

 

 

 




思いっきり地雷を踏み抜きましたね。うちのオリ主は案外バカなんです。

個人的にこの場面がやりたかった。うん、こっからは修行まで適当に流していいかな。


ということで、次回は一気に修行まで飛ぶかと思います。
予定を変える可能性は十分にありますが。正直、適当な理由をつけて若手悪魔の会合に参加させたいと思っているので。
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