あと今さらですが、感想くれるとこの作者はかなり喜びます。燃料に近いです。
オラに燃料を分けれくれ! なんてことは言いませんよ? くれると嬉しいなぁってだけです。
あの後部長とサイラオーグの会話が再開した。が、そこで突然建物が大きく揺れ巨大な破砕音が聞こえてきた。
部長はそれが気になったのか、話を中断して音のした方――大きな扉へと向かう。
「まったく、だから開始前の会合などいらないと進言したんだ」
サイラオーグは嘆息しながらも、自分の眷属を連れて部長のあとに続く。イッセー達グレモリー眷属もそのあとに続いた。
扉を開いた先には、大きく破壊された大広間があった。少し前までは無事だったテーブル、椅子、装飾品なんかが全部破壊されている。破壊の中心部では二つの陣営に分かれた悪魔がにらみ合っていた。
……一触即発って感じか。広間の隅のもう一組は無視していいかな。
「ゼファードル、こんなところで戦いを始めても仕方なくてはなくて? 死ぬの? 死にたいの? 殺しても上に咎められないかしら」
物騒なことを言っているのはにらみ合う二陣営の片方、女の悪魔だ。眼鏡をかけた同い年くらいの美少女で、青いローブを着ている。肌の露出が少ないのがちょっと残念。
「ハッ! 言ってろよ、クソアマッ! 俺がせっかくそっちの個室で一発しこんでやるって言ってやってんのによ! アガレスのお姉さんはガードが堅くて嫌だね! へっ、だからいまだに男も寄ってこずに処女やってんだろう!? ったく、魔王眷属の女どもはどいつもこいつも処女くさくて敵わないぜ! だからこそ、俺が開通式をしてやろうって言ってんのによ!」
下品なことを言っているのは男の悪魔。顔や体に魔術的なタトゥーを入れて緑色の髪を逆立てていて、上半身はほぼ裸でズボンに装飾品をジャラジャラつけている。どう見てもヤンキーだ。
状況がよく飲み込めてない様子のイッセーに、サイラオーグが説明する。
「ここは時間が来るまで待機する広間だったんだがな。もっと言うなら、若手が集まって軽い挨拶を交わすところでもあった。ところが、若手同士で挨拶したらこれだ。血の気の多い連中を集めるんだ、問題の一つも出てくる。それも良しとする旧家や上級悪魔の古き悪魔達はどうしようもない。――無駄なものに関わりたくはなかったのだが、仕方ない」
サイラオーグは首をコキコキと鳴らすと、にらみ合う両陣営の方へ足を進める。それを見たイッセーがあわてて制止しようとするが、部長が止めた。
「イッセー、彼――サイラオーグをよく見ておきなさい」
「え? は、はい。でもどうしてですか? 従兄弟だから?」
「――彼が若手悪魔のナンバー1よ」
その時起こったことを簡単に言うと、ワンパンKOだ。サイラオーグが彼らに忠告して、それに噛み付いてきたヤンキーが彼の拳の一撃で倒されたのだ。ヤンキー弱ぇ……。
そして、彼がいろいろとフォローしているのを眺めていると会長達が到着した。面倒ごとが終わったところで到着とはタイミングいいね。
あのまま俺がいると面倒になりそうなので少し席を外したのだが、あの後すぐにスタッフがやってきて広間を修復したらしい。で、改めて若手が集まり挨拶を交わしていたとの話だ。ぶっ飛ばされたヤンキーはそれに参加出来なかったそうだが。
ちなみに、これらの話は全てサイラオーグから聞いた。行事が始まるからと案内されて会場へ向かっている時に、向こうから教えてくれたのだ。
案内されて向かった会場は、はっきり言って不愉快だった。
かなり高いところに席が置かれていて、そこにお偉いさんと思われるやつらが座っている。その上の段には四代魔王が勢ぞろいしていた。やっべ、ここだけはかなり魅力的だわ。
だが、あからさまに見下されるような配置の席といい、お偉いさんの見下すような目といい、こんなものを見る為にここに来たのだと思うと気に食わない。俺は結構傲慢なんだ。
若手悪魔達は、王が先頭に立ち眷属は後ろに整列している。俺は一番端っこだ。周りがグループになっている中で一人だと俺がぼっちみたいで嫌だな。
で、若手悪魔の様子を観察しながらお偉いさんの話を聞いていたが……うん、つまらん。なので適当に聞き流していたら、最後にサーゼクスが面白い質問をした。
「最後にそれぞれの今後の目標を聞かせてもらえないだろうか?」
最初に答えたのはサイラオーグだった。
「俺は魔王になるのが夢です」
迷いなく堂々とした宣言。これにはお偉いさんも感嘆の息を漏らしていた。
「大王家から魔王が出るとしたら前代未聞だな」
「俺が魔王になるしかないと冥界の民が感じれば、そうなるでしょう」
やっぱりこいつ面白いわ。
次は部長が言う。
「私はグレモリーの次期当主として生き、そしてレーティングゲームの各大会で優勝することが近い将来の目標ですわ」
部長らしい堅実な目標だな。……面白みのかけらもない、つまらないものだが。
その後、三人の若手が大して面白くもない記憶に残ることもないであろう目標を告げた。そして最後に残ったのは会長。
「冥界にレーティングゲームの学校を建てることです」
会長が言った目標に、お偉いさんは眉根を寄せる。
「レーティングゲームを学ぶところならば、すでにあるハズだが?」
……あぁ、そういうことか。部長より万倍面白いな。
「それは上級悪魔と一部の特権階級の悪魔のみしか行くことが許されない学校のことです。私が建てたいのは下級悪魔、転生悪魔も通える分け隔てのない学舎です」
会長は淡々と答える。匙なんかは後ろで誇らしげに聞き入っていた。
しかし……。
「ハハハハハハハハハハッ!」
お偉いさんは笑った。ただしそれはいい意味ではない。むしろ逆。明らかに嘲笑だった。
「それはムリだ!」
「これは傑作だ!」
「なるほど! 夢見る乙女という訳ですな!」
「若いというのはいい! しかし、シトリー家の次期当主ともあろう者がそのような夢を語るとは。ここがデビュー前の顔合わせの場で良かったというものだ」
お、抑えろ……ここでキレるのは流石にマズい。
「私は本気です」
会長は真っ直ぐに言う……が、ああいうやつらには無意味だ。
「ソーナ・シトリー殿。下級悪魔、転生悪魔は上級悪魔たる主に仕え、才能を見出されるのが常。そのような養成施設を造っては伝統と誇りを重んじる旧家の顔を潰すこととなりますぞ? いくら悪魔の世界が変革の時期に入っていると言っても変えていいものと悪いものがあります。全く関係のない、たかが下級悪魔に教えるなどと……」
ここで、匙が黙っていられなくなったようだ。
「黙って聞いてれば、なんでそんなに会長の――ソーナ様の夢をバカにするンすか!? こんなのおかしいっスよ! 叶えられないなんて決まったことじゃないじゃないですか! 俺達は本気なんスよ!」
「口を慎め、転生悪魔の若者よ。ソーナ殿、下僕の躾がなってませんな」
お偉いさんの一人が言う。他のお偉いさんも同意見のようだ。
……うん、抑えるのはバカだったか。どうせ俺を呼んだのは向こうだ。
「……申し「なぁ、サーゼクス」……ッ!?」
会長が何か言いかけたところで、俺が口を挟んだ。……あ、ちょっと殺気が漏れたな。
「お前は”こんなのもの”を見せる為に俺をここに呼んだのか? ケンカ売ってんなら喜んで買うぞ?」
「「「「ッ!?」」」」
言葉と共に魔力と殺気を全開にする。これで少なくとも、お偉いさんは口を挟めないハズだ。
つか、あいつらにはいい加減頭にきてんだよ。プチッと潰すか?
「……すまない。そんなつもりはなかったんだ。だからその殺気と魔力を抑えてくれないかい?」
「…………」
サーゼクスに何も返さずに殺気と魔力を抑える。だが、若干漏れるのは勘弁してもらおう。お偉いさんに余計な口を挟まれるのは嫌だからな。
その後、セラフォルーが口を挟んだことで事態は一応収束し、グレモリーとシトリーでゲームをすることが決まった。
修行までいくハズがなかった。
ということで、会合だけで終わっちゃいましたね。しかもまだ完全には終わってない始末。
てかよく考えると、後書きの予告通りに行ったことほとんどないかも。これやめようかな?
次回は、次回こそはグレモリー眷属が修行に入ります。……多分。