早い人に比べたら全然遅いですけどね
「ありゃ? 二人だけ?」
「ええ。誰かさんが遠慮なくぶっ放してくれたからね」
部長の所に着くと、気絶した堕天使二人だけで他の堕天使や悪魔祓いが見当たらないので、思わず疑問を口にしたら部長にジト目で睨まれて文句を言われた。
さっき憐にも同じようなことされたし、マジでやりすぎだったかも。
……まぁテンション上がりすぎたからってことにしとこう。
ちなみに生き残ったのは俺の相手をしていた堕天使だ。
おそらく、加護があるとはいえ人間である悪魔祓いと部長の相手をして手負いだった堕天使では、俺の魔法の雨に耐えられなかったのだろう。
辺りを見ると、黒い羽根がたくさん散らばってるし。
「それで、彼女達はどうするの?」
…………あれ?
「どうするもなにも、そっちで決めないんですか?」
俺がそう言うと、部長はなぜか呆れた顔をする。
「あのねぇ、仮にも堕天使よ? 貴方に聞くのは当然でしょう?」
「……確かにそうですね。まぁ首謀者の堕天使についてはそっちで決めていいですよ? もう一人は扱いに困るというならこちらで引き受けますが」
ま、問題を起こした張本人はあっちで裁くのがいいだろう…………イッセーを騙して殺したのもアイツだしね。
「そう? じゃあそっちの彼女はお願いするわ。その娘には特に何かされた訳でもないしね」
「相手をしたのもシン先輩ですし、先輩が適任なんじゃないですか?」
敵のハズなのに、なんか扱い軽くね?
「ん~~~、そっちがそれでいいならこっちは問題ないですけど……イッセーもそれでいいのか? 直接関わらなかったとは言え、お前を殺した奴の仲間だぞ?」
俺の言葉に、イッセーはとても不思議そうな顔をした。
「部長の言うとおり何かされた訳じゃないし、俺に聞く必要はないだろ」
「…………」
あれ? こだわってる俺がおかしいのか?
「じゃあ、そういうことだから。そっちはよろしくね」
部長はそう言うと、イッセーと憐を引き連れて堕天使を引き摺っていった。
まぁ、引き摺ってるのは憐だけど。
それじゃ、こっちもちゃっちゃと片付けますか。
「おい、起きろ」
声をかけながら、頬をペチペチ叩く。
「…………んっ、んん……あれ?」
まだちょっとボーッとしているので、意識がはっきりするのを待つ。
「……あ、あんたはっ!」
「よう。さっきぶりだな」
意識がはっきりすると、俺を見て…………怯えてる?
魔法の斉射がトラウマになっちゃったのか?
「う、ウチをどうする気よ⁉︎ て言うかレイナーレ姉様達は⁉︎」
自分一人なのに気づいて、ますます怯える。
怯えた表情が、やや幼なめな見た目と相まって非常に可愛い。
やっぱ、この娘殺すのやめようかな?
「レイナーレは悪魔達が連れてったよ。今頃はもう殺されてるんじゃないかな? その他の堕天使は……辺りを見れば分かるだろ?」
さっきも言ったが、辺りには羽根が散らばってるからな。
「う、ウソ…………ウチも殺すの?」
「そうしてもいいんだけど……死にたく無いだろ?」
「あ、当たり前でしょ⁉︎」
俺の言葉に、彼女は必死な顔で答える。
ま、死にたい奴なんて…………意外といるかもしれないな。
けど、この娘は間違いなく違うだろう。
「ならさ…………俺の仲間にならないか? そうすれば俺が殺す必要も無くなるし、立派な後ろ盾も手に入るぞ?」
流石にこの言葉には困惑したようで
「……あんた、何者よ?」
怪訝そうな顔で聞いてくる。
「ふむ……自己紹介してなかったな。俺の名前は『憐城慎』。『
「…………は?」
かなりの衝撃だったのだろう、しばらく固まってしまった。
「…………ち、ちょっと待って⁉︎ てことは姉様が上を欺いて進めた計画を、上は全部知ってたって訳⁉︎」
まぁ、文脈からそうとれるわな。
「いや、最初から全部知ってた訳じゃない。たまたま俺がここに住んでいて、偶然アーシアに接触したから発覚しただけだ。そういう意味では、運が無かったのかもな」
「…………」
あまりのショックに、言葉が出ないみたいだ。
まぁ、運が無かったから計画がダメになったとか悪夢だしな。
「で、どうする? 仲間になれば死ななくて済む上、アザゼルという強大な後ろ盾まで出来るし、損どころか得しかないと思うが?」
「……でも、あんたにウチを仲間にするメリットが無いと思うんだけど?」
そこに食いついてきたかぁ……
普通に考えて不可解なところだから、当然と言えば当然か。
「…………どうしても言わなきゃダメか?」
「なんで言いたくないのよ?」
ですよね〜。
「……はっきり言うと、メリットらしいメリットは特に無い。それなのに仲間に入れる最大の理由は、俺がお前の事が気に入ったからだ。ぶっちゃけ見た目はかなり好みだし、能力もまだまだ伸び代がありそうだしな」
「…………え? え、ええ⁉︎」
俺の言葉に、顔を真っ赤にする。
この反応を見るに、全く脈無しって訳じゃ無さそうだな。やったね。
この娘は自分の属性も分かって無いみたいだし、鍛えればある程度まではいけるだろう。
それ以上になれるかは才能次第だが、下級堕天使にそこまでは望めないかな。
天使も堕天使も元は神の創造物だから、基礎スペックから大幅に変わる事は無いハズだし。
「気に入ったから死んで欲しくないし、仲間になって欲しい。それじゃ、ダメか?」
卑怯な言い方だな……逆に言えば、仲間にならなきゃ殺すって言ってるようなもんだし。
でも、ここで生かして連れ帰ってもどうせ罪に問われるだけだし、逃がしても行く先は無い……強いて言えばテロリストとかか?
だから、死なせたくないなら仲間にするのが一番だ。
それは彼女も分かっているだろう。
「……卑怯だ。そんな風に言われたら、断れないじゃん」
拗ねたような表情で、でもどこか嬉しそうに言う。
「断ってもいいぞ?」
「断る訳無いじゃん。あんな事言ったんだから、ウチの事しっかり守ってよ? 一方的に守られ続けるつもりも無いけどね」
さっきまでの怯えた様子は既に無く、その表情は明るかった。
「ウチの名前は『ミッテルト』。これからよろしくね、シン!」
おかしい……今回で一巻終了のハズだったのに…
ミッテルトが仲間になる予定も無かったのに…
てかミッテルトのキャラが掴みきれてない感バリバリですね
そして主人公がドンドン女好きみたいに…
いやまぁ設定上女好きで間違ってないんですけどね
酷い仕打ちを受けた (むしろされた?) 後に優しくされる……ちょっと無理矢理感ありますが、これでウチの作品のミッテルトは堕ちました
一応ヒロイン…………かな?
ちなみに、シンの戦う相手がミッテルトだったのには一応意味があります
イッセーはレイナーレに、ドーナシークはリアスに借りがあるので確定ですが、アニメでカラワーナもイッセーに接触したので、オリキャラ出さないとミッテルト一択かなと思ったんですよね
モブ神父瞬殺でもよかったのですが、フルバースト二連発がやりたかったのでこうなりました
…………え、フリード? 誰それ?