UMP45ちゃん好き。
一月一日
上司のクルーガー氏に「いつ身に何があってもいいよう備えとけ」と言われたので日記をつけることにした。僕が死んだ後やってくる後継者にとって役立つような内容にしていきたいと思う。
いきなり書く内容に困っているのは内緒だ。
一月二日
後継者のために簡単な自己紹介でも書いておこうか。僕はこの民間軍事会社グリフィンで戦術人形部隊の指揮官をしている。戦術人形とは高度なテクノロジーとやらで作られたほっぺふにふに、お肌すべすべ、笑顔キラキラの銃を持った女の子の姿形を取るアンドロイドのことだ。もし君が戦術人形について何も知らなくてもクルーガー氏やペルシカ氏、ヘリアン氏やカリーナという少女に聞けばある程度教えてくれるから心配しないで欲しい。
戦術人形は基本的にいい子ばかりだがどうにもクセがあるのは否めないので、接する際は彼女達のペースに振り回されないように気をつけて欲しい。
一月三日
今日はモーゼルKar98k、読みはモーゼルカラヴィーナーアハトウントノインツェヒクルツ(以下Kar98)という戦術人形に誘われ彼女の部屋を訪問した。白髪、赤目、モコモコのコートの長身の麗しい戦術人形だ。彼女は勤勉で、リーダーシップがあり、口調がお嬢様お嬢様している。こちらがきちんとしていれば友好的に接してくれ、また仕事を手伝ってくれる優しい子だ。名前に関して言いたいことがあると思うが間違えるのはご法度なので、噛む自信があるならカーと呼んであげればそれでいい。
Kar98kは戦闘能力もさることながら料理の腕も一人前だ。友人?友銃?のスプリングフィールドの影響を受けて最近はお菓子作りに凝っているらしい。本日招かれた要件も試作品の味見をしてくれ、というものだった。出してくれたのはマフィン。オーソドックスなプレーン、チョコ、ストロベリーと三種類の味を作っていた点にも彼女の熱中具合がうかがえる。味も非常によく、ついつい食べてしまってその後の執務に支障をきたしてしまうほどだ。おまけに妙に暑くなって服を脱いだ。
お気づきになられただろうか。マフィンをモグモグしただけで身体が暑くなることなどあり得ない。そう、こいつは菓子に一服盛りやがったのだ。
畜生日記をつける日ぐらい静かにしててくれよ。お気づきの通りこれがこいつの本性だ。Kar98kは時たま作る料理にどこからか入手したその手のクスリを入れてくる。指揮官の弱みを掴みたいのか、それとも他意があるのかは不明だが気をつけてくれたまえ。ちなみにそれを理由に断ろうとすると泣き落としを仕掛けてくるのでこいつの危険度は相当高い。
その後服がはだけたKar98kに押し倒されドールズフロントラインと洒落込むハメになりかけたが、すんでのところで事態に気づいたM4A1という天使が助けにきてくれた。やっぱり天使だ……。
一月〇日
突然強襲作戦に参加する運びとなったせいでしばらく日記をつけられなかった。結論からいうと作戦はトントン拍子で上手くいった。ファイル名T-as001で保存しているので、後継者の君は時間があれば目を通してくれるとありがたい。
今日は一日休暇を与えられたので自室でゆっくりしていた。するとやってきたのは9A-91。赤いベレー帽にワンピースっぽい服のロシアン娘だ。デフォルトでパンツ丸見えだが決して彼女に露出癖があるということではないのでそっとしてあげて。
ちなみにこの9A-91、デフォルトで重たい。発言の節々に遠いジャパンのオタークと呼ばれる人種の間で流行った「ヤンデレ」を感じる。戦場に送ると五分に一回は「私を見てください」と暗号通信で送ってくる。ちゃんと見てますから。ドローン越しだけど君の活躍は目に焼き付けてあるから。だから頼むからそのドローンに顔をドアップで映さないでくれ。正直怖い。
加えてこの9A-91、デフォルトでぶっ飛んだ行動に出る。この前は僕がヘリアン氏と作戦会議をしている隙を突いて僕の部屋に忍び込み、あろうことか僕のパンツを盗もうとしていた。部屋に戻ればそこには天使M4A1に組み敷かれるトランクス片手の9A-91。唖然とし数分フリーズした。どうにか復帰し奇行に走った訳を問い質してみると、「指揮官をそばに感じたいから」と言う始末。 もしやこいつ僕のことが好きなのでは?その先が怖いので思考を止め営倉にぶち込んだ。
そんな9A-91が訪ねてきたとなれば僕の心臓はもう破裂しそう。だが指揮官という立場である以上人形の訪問を拒絶するのはなるべく避けるべきなので、戦々恐々と迎え入れ──
一緒にお昼寝しました。
一月〇〇日
もし君の部屋に見慣れぬ銀髪のチビ助がいたらその身体から掛け布団を剥ぎ取り叩き起こしてやってくれ。彼女の名前はG11。どこからともなく現れては僕の部屋に忍び込みベッドを占領する悪魔みたいな人形だ。
G11、またの名を寝坊助は基本的に寝てばかりいる。命令すればしぶしぶ動くが頼むような口調で話しかけてもまず通用しない。ひどい時は丸一日寝て過ごしていたのだからこいつの睡眠に対する執着心は計り知れない。何故寝てばかりなのか、何故僕の部屋を住処に選んだのか、そもそもお前はどっからきたんだという疑問を抱くだろうが、考えるだけ無駄なので捨て去るべきだろう。
そんなG11も本当に必要な時は人が変わったかのように仕事をキッチリこなすので悪い点だらけではない。曲者揃いの戦術人形の中で、こいつは人格的にはそこまでぶっ飛んでいるわけでもない。寝てばかりなことを除けば、だが。
まあなんだ。慣れれば一種のおもちゃとして扱えるようになる。親しくなればほっぺたを引っ張ってみるのもいいだろう。うにょーんと伸びるので遊んでて飽きない。本人は絶妙に嫌な顔をしているが抵抗しないうちは特に問題ないのでどんどん遊んでやれ。
注意していただきたいのがこのG11という存在は最も厄介な三人の戦術人形を呼び寄せてしまう場合がある。特にUM──。
そして変態ヤンデレ一服盛りやガールと化したKar。