フラワーナイトガール 短き物語   作:ひかみんとかカズトとか色んな名前

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とりあえずテストに一話です。
テスト投稿なので初投稿です。



ロッツと花騎士達

「団長さん、お茶が入ったぞ。」

「…貰おう。」

 

花の世界、スプリングガーデン。

その世界のある場所に存在する花騎士団の拠点。そこの執務室でとある青年と女性が仕事に励んでいた。

青年の方はロッツ・ラルド。若い外見をしているが、詳細な年齢は知られていない。的確な指揮で花騎士達を導いてきた信頼されている団長である。

そして彼の仕事を手伝う女性はウメ。ピンク色の髪にすらりとした体を覆う防具と服、糸目が特徴なブロッサムヒル出身の花騎士だった。

何でもブロッサムヒル最強とも名高いのだとか。

 

「…ん、いいな。美味い。」

「ふふ、団長さんにそう言って貰えると嬉しいな。」

 

仕事にほぼ集中しているために口数は少ないが、自分が入れた物を褒められると誰でも嬉しいものである。

ウメもまた微笑みつつ自分の与えられた仕事に戻った。

 

 

 

仕事に真剣に取り組む性格の二人である以上、集中するとただペンの進む音のみが部屋に響く。

ロッツもまた大して喋る性格でもないため、ただただ無言で仕事を片付けていく。ウメもまたそんな彼の性格を知っているため、邪魔することもなく黙々と仕事のサポートをし続けた。

 

 

 

 

 

「団長さん、休憩時間だ。」

「む…そうか。助かる。」

 

数時間続けて黙々と続けたロッツに、ウメが声をかける。これはロッツがウメに頼んだことであり、彼は一度集中すると丸1日どころか何日も集中し続けるため、こうして適度に切ってもらっている。

過去にまだ小さな騎士団だった頃、ぶっ続けで一週間ほぼ休むことなく仕事を続けたところ、団員達に総出で叱られしばらく安静という名の拘束をされたこともあった。

 

「ふふ…」

「どうした?」

「いや何、私がこの騎士団に来たばかりの頃を思い出してな。」

「昔、か…俺は魔力があれば酷使しても死なんと言ってたんだが、信用されずに何度も喧嘩じみた口論をしていたな…」

「それはそうだろう。団長である以上きちんとちゃんと休息、食事、睡眠を取り、見本となるべきだというのに…貴方はどれも平気で無視していたんだ。当時の花騎士達とぶつかって当然だろう。」

「一部は休ませる目的の夜襲だの決闘だの仕掛けてきた奴もいたな…今となっては最早思い出な感じだ。」

 

休憩しながらウメと懐かしむように昔の自分達を思い出していた。そんな時、ウメから一つ提案が飛んでくる。

 

「そうだ、団長さん。仕事ももう終わりに近いだろう?見回りも兼ねて少し思い出に耽ってくるのもどうだ?」

「…そうだな…少し外す。頼んだぞ。」

「了解だ、任せてくれ。」

 

執務室にウメに残り僅かな本日分の仕事を任せ、ロッツは部屋を出た。

 

 

 

 

 

 

 

「オラオラ、もっと張り切れ!そんなんじゃ害虫とロクに戦えねぇぞ!」

 

まず彼が向かったのは、主に新米花騎士が扱かれている訓練所。今日の指導を担当するブラックバッカラの大きな声が響いていた。

 

「ブラックバッカラ。」

「あん?おーう、団長じゃねぇか。どうした?」

「少し見回りといった所だ。皆、訓練に取り組んだままで構わん。…どうだ?」

「どうもこうもって感じだなぁ、まだまだ基礎を叩き込む段階だぜ?」

 

団長であるロッツの登場に、新米達はすぐさま礼儀正しく迎える。ロッツも気にせず取り組むように指示し、ブラックバッカラに話を振る。

彼女もまた新米達を見守りつつそう返した。

 

「そういや、さっきカトレアがお前と話したくてここ来てたらしいぜ。迎えに行ってやったらどうだ?」

「…そうするか…。」

 

ブラックバッカラのその情報に、ロッツは呆れと困った表情でため息をつきつつ、彼女の指導の声が響く訓練所を後にしカトレアを探しに歩き出した。

 

 

 

カトレアといえば自身の魔力が強すぎて他人に影響を及ぼすがために隔離されていた。だが、魔力の扱いに長けたロッツが仕事の合間に苦労に苦労を重ねて対策を施し、何とか屋敷外の世界でも生活出来るようにしてやることが出来た。

とはいえその対策も万全ではない上、まだカトレアは世界に慣れていない。それもあってロッツは急ぎ足でカトレアの魔力を探りながら彼女の後を追う。

 

 

「やっと見つけた。どこ行ってたのよ。」

 

ロッツの後ろから拗ねた声をかける女性の声。ロッツが振り向くと、探していた彼女がそこにいた。

 

「カトレア…来るなら連絡を寄越せと言ってるだろう。お前の魔力対策も万全ではないんだぞ。」

「そうだけど、外を見てからじゃ屋敷は退屈なんだもの。」

「全く…他人に影響が出てからじゃ遅いんだぞ?」

「貴方とデンドロビウムがつけてくれたコントロールの練習もきっちりしてるのよ?まだ信じてくれないの?」

「まだまだ青いな。」

 

そう言いつつロッツはカトレアの肩に手を置く。すると、カトレアのコントロールから漏れていた魔力が彼女の元へ戻っていく。

 

「だが、ここまでコントロール出来てるのは流石だな。…次からは細かい調整にも慣れておくといいだろう。」

「わかったわよ…相変わらずお堅いわね…。」

 

ロッツからの次の指示を受けるも、むすっとしているカトレア。

 

「そういうところも、だ、カトレア。少し素直に、謙虚になることも大事だぞ…世界に出るならな。」

「むー…」

「子供か。とりあえずデンドロビウムを付けておく、何かあれば彼女に言え。」

 

子供のように拗ねるカトレアだが、ロッツは静かに適当に流す。

そして彼も見回りの途中のため、デンドロビウムに任せてその場を去ろうとする。

 

「あら、行っちゃうのかしら?」

「俺も暇人ではないのでな。」

「でも、デンドロビウムはどこに」

「こちらに。」

「Σうひゃあっ!?」

 

ロッツの背に気を取られていたカトレアは、いつの間にか後ろに現れていたデンドロビウムに驚きの声をあげていた。

ロッツとデンドロビウムが軽く吹き出し、カトレアが拗ねたのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

「ん、団長さんじゃないか。」

 

ロッツがまたふらふらと見回っていると、アカシア隊の副隊長であるハリエンジュが声をかけてきた。

ロッツもまたハリエンジュの方を向き、おう。と短く返した。

 

「団長さんはこの時間だと…仕事中じゃないか?」

「昔を思い出したついでに、思い出に耽るって理由で見回ってきたらどうだと提案されてな。仕事を任せてこうして回っているんだ。」

「なるほど、昔か…懐かしいな。この騎士団の旋律に慣れずに四苦八苦していた覚えがあるよ。」

「…騎士団、というよりも俺のやり方に慣れなかった、という方が正しいんじゃないか?」

「それもあるかもしれないな、団長さんの奏でるリズムは独特過ぎたからね。」

 

先ほどまでの花騎士達との態度とはまるで違い、ハリエンジュに対しては微笑みや苦笑いがよく見えるロッツ。

それもそのはず、ハリエンジュはこの騎士団で最も長く副団長を務めており、ロッツも彼女の事を深く信用しているからである。

勿論、他の花騎士達も信用しているが、ハリエンジュは特別深い、ということである。

 

「そうだ、団長さん。この後アカシア隊の皆でティータイムのつもりだったんだが、よければどうかな?」

「お誘いはありがたいが、こう見えても仕事中でな。また暇な時に頼む。」

「わかった。団長さんも無理しないようにね。」

「わかってるさ。」

 

そう言い残しハリエンジュと別れた。

 

 

 

 

その後もロッツは見回っていたが、やはり皆勤務中な事もあってか遭遇することそれほどはなかった。

時折すれ違ったりすることはあったが、大抵軽い挨拶だけで済ませてしまう。

 

「…見回りもこのぐらいでいいか…しかしまぁ、でかくなったもんだ…」

 

廊下を歩きつつ、これまでの事を思い返すように窓の向こうに見える空を見上げる。

初めは本当にありえない出会いから始まった事。それがなし崩しで続いていたとはいえ気が付けば長く、大きくなるまで団長として務めていた。

 

最近入った花騎士もそうだが、昔からのここの騎士団を知っている花騎士達もまた大事にすべき仲間達。

ロッツは改めて彼女達を守り抜く決意を固めるのであった。

 

 

 

 

 




そんな訳で始めました花騎士短編。
この先は団長×花騎士で進めていこうかなと考えております。
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