フラワーナイトガール 短き物語 作:ひかみんとかカズトとか色んな名前
やはりこの団長の副団長は彼女しかいないな!という勝手な感じ。
とは言っても彼女らしさではなく、彼の所の彼女っぽさ+時期であるクリスマスをさりげなく混ぜただけになりました。酷い
「……。」
「おや、団長が煙管なんて珍しい。どうしたんだい?」
副団長担当のハリエンジュが執務室を訪れた時、団長であるロッツは不機嫌そうに椅子にもたれながら煙管を吹かせていた。
「…依頼を受けて処理に向かったウチの団員に対して理不尽なクレームつけやがった馬鹿共を処理してきた。それだけだ。」
「またそういうのか…最近はおかしな者達も増えたものだね。」
「全くだ。」
ふぅーっと荒っぽく吹き出しつつ、煙管を机の傍らに置き仕事に取りかかるロッツ。ハリエンジュは相変わらず切り替えが速いと苦笑いを浮かべつつ、彼の仕事をサポートすべく動き始めた。
「…………ん、団長。時間だぞ。」
「……。」
「団長?」
「…ん、時間か。」
ロッツに一息つかせるための休憩時間。その時間になったと報告するタイマーにハリエンジュが気づき、彼を呼ぶ。
だが普段以上に集中していたのか、彼女の声に気づくのが遅れていた。
「考え事でもしていたのかい?」
「そんな所だ、ハリエンジュ。」
「ん、何かな?」
休憩時間になったロッツは立ち上がると、彼女を呼び、告げる。
「街に出る。少し付き合え。」
「いきなり街に行くなんて、何かあったのかい?」
「気分転換といったところだ。」
「そうか、では何故私を?」
「今日の副団長はお前だ。」
「なるほど。」
それほど多くを語らない彼に冗談やからかい、煽りを交えて話してもロッツは関係ない話題をほぼシャットアウトする。
たまに彼の気まぐれでノッてくれる事もあるが、大体はこのように短い会話で終わることの方が多かった。
「気分転換となると…カフェか何かで一息入れるのかい?」
「いや、ただ単に見回るだけのつもりだ。何か希望でもあるのか?」
「ここ最近団長と話すことが減っていたからね、久々にどうかな?と思ったんだ。」
ハリエンジュの提案にロッツはふむ…と考える。
余計な事を言ったかな、と戸惑いかけたハリエンジュにロッツは声をかける。
「…いいだろう、店は決めてあるのか?」
「えっ、いいのかい?」
「他ならぬお前の希望だからな、なければ適当に決める。」
見回る歩みを止めないままそう告げたロッツに対し、ハリエンジュは困惑した表情で悩んでいた。
我が儘を言ってもいいものか、それに彼の性格上許可が降りるとは思わず店すら決めてなかったのもあった。
「…ハリエンジュ、言い方を変える。」
「え…」
「カフェか何かに行く、だから俺と何か話せ。それでいいだろう?」
返事に困っていたハリエンジュの悩みを見抜き、即座に気を効かせるロッツ。
そんな彼に、ハリエンジュは苦笑いを浮かべた。
「…バレバレだったかな。」
「バレバレだ、行くぞ。」
いつまでも冷静な彼に手を引かれ、ハリエンジュとロッツは近くの喫茶店に入っていった。
入った喫茶店は比較的静かな店内であり、落ち着いた雰囲気があった。
「…いいところだね。小さく流されている音楽も良い旋律だ。」
「適当に選んだが、正解だったようだな。」
店員に案内され、窓際の二人席に座るロッツとハリエンジュ。そのまま二人はメニューに目を通す。
「…ハリエンジュ、決まったか?」
「…もう少し待ってくれ。」
さっくりと決めるロッツはすぐにメニューを閉じ、ハリエンジュが決まるのを待つ。
少しして決まったハリエンジュと共に注文を済ませ、待つことに。
「…団長と知り合ってもう何年経つかな?」
「2、3年ぐらいか?割と経ってないな、大分長い付き合いにも感じるが。」
「奇遇だね、私も長く感じてたところだよ。」
「つくづくお前とは気が合うようだな。」
ハリエンジュが振った話に淡々と、しかしどこか楽しげに返すロッツ。
今となっては100人を余裕で越える花騎士がロッツの元に集まってきているが、その中でも彼の性格を把握しきれているのはほんの一部しかいない。
「初めて会った時はかなり融通の利かないお堅い人かなと思ってたけどね。」
「その第一印象、もう何度も聞いたぞ。」
「おや、そうだったかな…でもその第一印象を、これから出会っていく花騎士達に与えると良くないと思うよ。」
「…今更どこぞのバカみたいにへらへらしてても気色悪いだけだろう。それを信用しない奴だっている。」
「違いないね。」
呆れるロッツに苦笑いを浮かべるハリエンジュ。
ちなみにロッツの言うバカとは花騎士達ではなく、彼の仲間の内のリーダーを指しているのだとか、なんでも大の胸好きだとか。
そんな話をしている中、注文したものが運ばれる。
ロッツはブラックコーヒー、ハリエンジュは可愛らしい飾り付けの小さなケーキと紅茶だった。
「うわぁ!団長、これ見てくれ!かわいいなぁ!」
「そうだな。」
「……あっ。」
そのケーキを見たハリエンジュが興奮しながらそれを見る。そしてロッツを見て冷静になり…
「……えっと、その…」
「今更恥ずかしがるな。お前だって女性なんだ、可愛い物に興奮したってかまわん。」
「…それはそうでも、恥ずかしいものは恥ずかしいんだ…」
「夜、あんな事までしたのにか?」
ロッツの言い出したあんな事…それを思い出したハリエンジュはさらに顔を赤くしながら慌てて言い返した。
「なっっ…ああああれは団長さんが悪いんだからな!私を…依存、させるから……」
だんだんと歯切れが悪くなり、もじもじと縮こまってしまうハリエンジュ。
アカシア隊副隊長である彼女の普段の凛々しい姿からは想像出来ない、女性としてのハリエンジュを見れたロッツは満足そうにコーヒーを一口啜る。
「……また団長さんに弄ばれた気がするな。」
「どうだろうな。とりあえず食うなら食え、時間はそれほどないぞ。」
「はぐらかしているようにしか聞こえないよ全く…」
なんとか落ち着いたハリエンジュは、可愛らしいケーキを味わうように食べ始める。
そんな彼女を見て、ロッツもゆっくりと休憩を楽しんでいた。
「団長さんも、た、食べてみるか?」
「…何?」
と、そこにハリエンジュが爆弾を投擲する。
ハリエンジュの事を微笑ましく見ていたら、それをケーキが食べたいから見ていると勘違いしたらしく、彼女からそういった提案が出たようだ。
「…い、嫌なら大丈夫…」
「いや、断る理由もないが…どう食わせる気だ?」
ケーキを食べるためのフォークはハリエンジュの持っている一つのみ。
それを指摘された彼女は一瞬止まり、おどおどした後に覚悟を決めたように自身の持つフォークに一口サイズにしたケーキを突き刺し、ロッツに向ける。
「ほ、ほら!これならいいだろう!?」
「…まぁ、構わんが…」
所謂、あーん。というやつである。
慌てた様子が隠せてないハリエンジュに対し、全く動揺していない冷静なロッツ。
そして差し出されたケーキをパクリ、とロッツは食べる。
「…ほう、これは確かに美味いな。」
「だろう?」
「で…お前はそのフォークでまだ食べるのか?」
ロッツの指摘に、ハリエンジュはフォークをまじまじと見る。そして、ロッツの言いたいことを理解すると、また顔を赤くした。
「……言わないでくれよ団長さん、意識しちゃうじゃないか…」
「わかってて言っただけだがな。」
「~~~~ッ!!!!」
ハリエンジュの言葉にならない声と真っ赤になりながら怒った表情を涼しい顔で流すロッツ。
その様子は、温度差のあるカップルのようだった。
「全く…一息入れるつもりが仕事よりも疲れた気がするよ…」
「お前の行動が見てて飽きんのが悪いな。」
「タチが悪いよ…ん?」
すっかり夕日は落ち、空は暗くなってきた外に出た二人を迎えたのは、白い雪。
「…そういえばもうすぐクリスマスがあるんだったね。」
「色々と忙しかったからすっかり忘れていたな。」
「全くだね。」
その空を見て苦笑いを浮かべる二人。と不意にハリエンジュがロッツの腕に抱きつく。
「どうした?」
「…クリスマスだから、甘えてもいいだろう…?」
「構わないが、もっと大胆でもいいんだぞ?」
「…じゃあ……」
白い雪が舞う中、二人は静かに唇を合わせた。
その後、某悪戯ウサギによって拡散された情報によって部屋に閉じこもってしまったハリエンジュと、彼女へとてつもないお仕置きを叩きつける団長の図があったのはまた別のお話。
うーん、難しい(´・ω・`)
とりあえず気まぐれで団長×花騎士は続けていくつもりです。
リクエストあったらもしかしたら書くかも?とはいえウチの騎士団にいるかどうか、私の気分がノるかという二個の分厚い壁がありますけど!!!!