有名蹴球児のバイト生活 in CIRCLE   作:かるな

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今回は試合メインです!




三試合目

今日はインターハイ予選。シード校である俺らは、二回戦からの参戦である。俺らにとっては初戦だが、向こうは違う。勝利を得て勢いを付けている。油断はならない。

 

 

「って思っても、俺は出れないんだけどなぁ」

 

「でも、カイトさんのチームです!絶対勝てますよ!」

 

 

俺はある人と一緒に、チームの初戦を応援席で見守っている。彼女こそ、'若宮 イヴ'である。事務所がどういう意図でやってるのかは知らないが、彼女は数か月前から密着取材を初め、今ではそれなりにチームに馴染んでいる。彼女の元気な姿に全員が元気をもらっている。それを見てマネージャーが嫉妬するときもあるが、それも含めてよい雰囲気を作り出している。

 

 

「それにしても、初戦だというのに凄い数ですね!」

 

「初戦だからというのもあるけどな、一応強豪校だし。去年は決勝で負けちった分、他の皆も気合入ってるんだろ。嬉しいもんだぜ」

 

「心強いですね!」

 

 

最前列にいた俺とイヴの後ろには二軍、三軍のメンバーや、吹奏楽部、応援団、それ以外の生徒、OBなんかもいた。

 

 

「お、そろそろ始まるな。若宮、今のうちに水分取っとけよ。試合が始まると水分補給忘れるからな」

 

「はい!えっと・・・あっ!すみません、水筒を家に忘れてしまいました・・・今から買いに行ってきます!」

 

 

がっくりと項垂れる若宮。鞄の中にはメモ帳やサッカー雑誌、タオル等色々なものが入っていたが、水稲は無かったようだ。

 

 

「おい待てって。お前ここ初めてだろ?一緒に行ってやるよ」

 

「お願いします・・・」

 

 

最前列にいる他の生徒に道を空けてもらい、自販機を目指す。途中、すぐ傍で「いいな~月島先輩」という後輩の声が聞こえたので、小突いておくのを忘れない。

 

飲み物を買い終えて応援席へ戻ると選手が既に整列しており、試合が始まろうとしていた。

 

 

「ま、間に合いました!」

 

「んじゃ、精一杯応援しようか」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

試合は思ったよりも拮抗した。相手はそれ程強い学校ではない。だが最初に抱いた不安が的中し、こっちは中々攻め切れないでいた。

 

 

「海人さん、大丈夫でしょうか・・・?」

 

「まずいな。格下相手に点が取れなくて、デフェンス陣が苛立ち始めてる。このままだと、ミスから先制点を取られるかもな・・・うおっ!あっぶねぇ」

 

 

若宮に説明をしていたまさにその瞬間、恐れていたことが起きそうになった。デフェンス陣がパスミスをし、そのままボールを取られてシュートにまで持ち込まれたのだ。

 

幸いキーパーが素早く詰めていたためシュートを弾くことが出来た。間一髪だ。もしこれが入っていたら、俺たちの夏は終わっていたかもしれない。それ程の決定打だ。

 

 

「危なかったですね、カイトさ・・・っ!」

 

 

安堵した若宮だが、俺の顔を見るなり怯えてしまう。恐らく、今の俺の雰囲気はすさまじいものなのだろう。俺はフィールドにいる一人の選手を視界に捉えると、フェンスから身を乗り出して叫んだ。

 

 

「おい狩谷!腑抜けたプレーしてんじゃねぇぞ!!」

 

 

突然の俺の怒号に、若宮のみならず周りにいた応援団もビックリしていた。俺はある一人の選手に対して叱責した。一言言い終えた俺は、不機嫌そうに椅子へと座った。

 

 

「あ、あの。カイトさんはどうしちゃったんですか?カリヤさんと言うと、先程ミスをした選手ではないですよね?」

 

 

若宮が怯えたように他の選手へと聞いていた。

 

 

「あー、月島がさっき言ってた奴は、あいつの代わりに試合に出てるんですよ。ポジションはボランチで、簡単に言うとゲームを組み立てる戦術家なんです。今のピンチに直接絡んではいませんけど、さっきまでチームの調子が上がらなかったのは狩谷が原因なんです。月島は、自分の代わりに出てるあいつに期待してるんですよ。あいつ二年生ですし、来年キャプテン候補なんで」

 

「成程、サッカーは奥が深いんですね」

 

「結構簡単にまとめましたね・・・ま、そんな感じです」

 

 

納得したらしい若宮は、未だ不機嫌な俺の方に向き直った。

 

 

「カイトさん、まだ試合は終わっていません!さぁ立ってください、応援しますよ!」

 

「・・・・・・ま、そうだな」

 

「月島先輩が素直に従っ・・・いててて!先輩ごめんなさい!マジすんません!!」

 

 

若宮の純粋さを目の当たりにし、何だか怒るのがアホらしくなってしまった。気を取り直してグラウンドへ目を向けると、メンバーが先程とは全く別の動きをしていた。どうやら、先程のピンチのお陰で目が覚めたらしい。

 

 

「すごいですよカイトさん!皆さんの動きが全然違います!」

 

「ようやくエンジンかかったって感じだな。ったく、心配させやがって」

 

 

それからの試合展開は一方的だった。自分たちの動きを取り戻したあいつらは相手を全く寄せ付けず、完全にボールを支配していた。

 

気づいてみれば4-0の圧勝。試合終了後はキャプテンと監督がインタビューを受け、そのまま解散した。

 

 

「若宮、先バス行くぞ」

 

「ハイ!お供します!」

 

 

俺は若宮を連れ、ひとまず先にバスへと戻った。

 

 

「いやー、勝って良かったっすよ!月島先輩の声が聞こえた時は殺されるかと・・・」

 

「よぉ狩谷。こっち座れよ」

 

「・・・ハイ」

 

 

皆が勝利の余韻に浸るバスの中。俺は一番後ろの席を陣取り、今日の戦犯とも言える〇〇を自分の隣へ座らせた。しかもその場所は窓際のため、絶対に逃げることは出来ない。さらに俺を宥める役目を担う若宮は前の方のマネージャー集団の席へ座らせているため、俺を止める者はいない。死んだような顔をする狩谷を横に、学校へ着くまで説教をするのであった。

 

 




試合描写って難しいですね。ほとんど書いてないんですけど()

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