今回はご報告があります!
前回までモブキャラ(MF)のMF子を〇〇と表記していました。これからもそんな感じでやってこうかと思ってたんですが、名前を付けた方が良いとご指摘を頂きました!物語でサッカーをやっている以上、オリキャラが多くなるかもしれませんが、なるべく分かりやすく書いていきます!
最後に、MFの彼には'狩谷 京介'という名前を付けました!彼の活躍にも期待してください!
夏休みへと入っても俺のバイトは続く。だが、今日はちょっと一休みだ。
「んー、どれにすっかなぁ」
俺は今、近くのスポーツ用品店へと来ている。目的は勿論サッカー用品だ。怪我をする前に使っていたスパイクはもうボロボロで、怪我の再発を促しかねない。そこで、バイトで貯めたお金を使い、スパイクを新調しようと考えた。
「練習用と試合用で分けるのもいいんだけどなぁ・・・」
両手に持った二つのスパイクを見比べ、どれにするか悩むこと数分。結局決まらず、頭をリセットするためにその場を離れた。
他のスポーツ売り場にも足を運んでいると、テニス用品の所である人物を発見した。
「よっ、上原」
「あ、海人先輩!どうしてテニスコーナーに?」
「ちょっと気分転換にな。てかお前、テニスやってるのか?」
「そうなんですよ!今度大会があるので、思い切って靴を新しくしようと思いまして!」
正直、上原がスポーツをやっていたことが驚きだ。彼女と言えばスイーツと豊満な胸しか思い浮かばない。こんなことは本人の前では決して言えないが・・・
「海人先輩は何を買いに来たんですか?」
「スパイクをな。試合がテレビ放送されんのに、ボロボロのスパイク履いてたんじゃかっこ悪いだろ?」
「テ、テレビに出るんですか!?」
「まだ県予選だから全国放送はされないが、確か決勝ぐらいは放送してくれるはずだ」
自分がテレビに出るかもしれない伝えると、上原の目がキラキラと輝いていた。
「あ、あの!サイン下さい!!」
「気がはえーよ。まだ三回戦だっての」
一応断るが、俺の顔は珍しくにやけていた。最近はまともに練習に参加してないこともあり、あまり尊敬の目を向けられることが少なくなったのが原因だろう。
「じゃあな上原。お前も頑張れよ」
「ありがとうございます!先輩も頑張ってください!」
上原と別れ、またスパイクを選びに戻る。悩んでいた物を再検討すべく、先程いた場所へと向かったのだが・・・
「今日は良く知り合いに会うな。おい若宮、何やってんだ?」
スパイクの棚を見ていた女子がいて珍しいなと思えば、その後ろ姿は見慣れた人物の物であった。俺に気付いた若宮は開いていたメモ帳を閉じ、俺の方へとやってきた。
「カイトさんお久しぶりです!押忍!」
「お、押忍・・・。お前、サッカーでも始めるのか?」
俺がそう尋ねると、若宮はサムズアップした。どうやらそのようだ。
「はい!私もやってみたくなりました!」
「そうか。なら、最初はトレシューを使うんだな」
「トレシュー・・・ですか?」
「トレーニングシューズの略だ。お前、サッカー初めてだろ?だからまずはボールに慣れろ。それにこっから先、トレシューはサッカー以外のスポーツでも使える」
若宮は俺の説明を聞くと、感動したような表情を浮かべた。
「では、まずはトレシューですね!早速行きましょう!」
俺は若宮を連れてトレシューのコーナーへと向かった。
「いろんな種類があるんですね!」
「確かにな。レディースでここまで多いのは珍しいもんだ。ところで若宮、お前足のサイズはいく・・・あ、いやすまん。トレシューやスパイクを買うときは、普段履いている靴よりも少し大きめの物を選べよ」
サラッと芸能人の個人情報を聞き出そうとしていたことに気付き、慌てて言い直した。
「どうして大きいサイズを選ぶんですか?」
若宮の疑問はもっともだ。サイズが合わない靴を履いてしまうと靴擦れが起こる可能性がある。しかもサッカーの様に走り回るスポーツでは怪我もしやすいのだ。
「こいつらを履くときは、普通の靴下とは違うやつを履くんだよ。サッカーソックスっていうんだけどな、普通のやつより厚みがあるから、普段通りのサイズを選ぶときつくなっちまうんだよ。ま、ズレは大体0.5cmぐらいだ」
「流石カイトさん、物知りです!」
「これぐらいはやってれば・・・いや、ありがとな」
若宮の言葉にはどうも敵わない。心に響くのだ。そのせいか彼女に尊敬されたり、叱責されたりすると自分でも驚くほどに素直になってしまう。この前の初戦でも、不機嫌だったはずの俺は、若宮の言葉ですぐに普段通りに戻った。不思議なものである。
「カイトさん!私これがいいです!」
少しだけ考え事をしていたのだが、その間に若宮は靴を決めたようだ。女子というのは買い物に時間がかかる印象がある。身近な人物で言えば姉ちゃんや、後輩のマネージャーなんかが当てはまる。
「へぇ。お前、紫が好きなのか?」
若宮が選んだ靴は紫を基調としたもので、所々に黄緑のラインが入っている。
「私のイメージカラーは紫なんです!」
「成程な。いいんじゃねぇか?後は履き心地だが・・・ちょっと待ってろ」
俺は近くにいた店員を呼び、試着用のソックスを貸してもらうとそれを若宮に渡し、近くの椅子へと連れて行った。
「んっ、よいしょ」
「・・・・・・っ!」
履いていた靴と靴下を脱ぎ、今までに見たこともないような白くて綺麗な足が露になる。俺はその足にくぎ付けになってしまった。
「どうしたんですか?」
「綺麗な足だなと・・・・・・はっ、忘れてくれ若宮!頼む!!今のは忘れてくれ!!」
つい素直な感想を言ってしまい、若宮の両肩を掴んで揺さぶりながら懇願する。普段見せない俺の態度に、若宮は困惑しつつ素足を褒められた嬉しさからか、それとも恥ずかしさからか、おそらく後者だが、顔を赤らめていた。
「あ、ありがとう・・・ございます」
「~~っ!!」
若宮のその反応に、俺はさらに恥ずかしくなってしまう。しまいにはお互いに顔を赤くして黙ってしまう。その後はお互いに何とか気を保ち、黙々と買い物を進めたのだった。
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