テルミが壊す!   作:ロザミア

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どうも、ロザミアです。

早速新作あげてみましたが、少しお試しというのもあります。

それでもあー俺様強すぎてやべぇなwという方は見てください。


ユウキ=テルミ

餓鬼は皆寝るであろう月が照らす夜。

誰にもバレない場所から俺は一人この国を見渡す。

 

感想としちゃあオイオイ……って感じだ。

あの野郎と協力、その子孫とも協力してきた結果がこれかい。

これじゃ先代の皇帝様も浮かばれねぇってもんだなぁ?

 

まあ、そこに関してはもうどうでもいい。

問題は、この腐敗の原因ってとこか。

さぞ頭の冴えた屑野郎だろうなぁ。

緑の瞳で今代の皇帝が居る城を眺める。

 

これに関しては俺一人じゃ動きにくいからなぁ…傾ききってねぇ今が好機ってところか。

利用…ってのは違うか、いつも通り協力してやる。

俺が気に入ればの話だがなァ。

 

まずは、テメェの()に入れて貰うぜ、操り人形(皇帝)

 

俺は城の方へと飛んでいく。

壁やらは気にしなくて良いのが精神体の楽なところだ。

後、見られても多少は誤魔化せる…といったところか。

俺に関しての情報は殆ど消している筈だからな、知られる心配もねぇ。

 

知られたら知られただが。

 

壁をすり抜け、ある一室へと辿り着く。

ベッドには、餓鬼が一人。

間違いなく、こいつが現皇帝様だ。

俺様にはそういったもんが分かる。

 

起こしても良いが、そうなると餓鬼は喚くだろうし、面倒だが入るか。

…人間の体を介さないと会話が面倒なのは困るな。

あの器を手にいれるのも視野に入れるか……

 

最悪、この餓鬼を器にするのも悪くはねえが、演技するのも馬鹿馬鹿しい。

 

ここはこいつを味方に引き入れることを考えるか。

 

俺は冷静に考えながら餓鬼の中に入る。

拒絶されると抑える必要があったがその心配は無用だったようだ。

 

餓鬼の見ている夢は空想といっても良い外を知らない餓鬼の妄想だ。

余程平和に統治出来ていると思っているようだが……ここまでとはな、洗脳に近いな。まだ侵食されきってはいねえか。

 

俺は早速餓鬼に声を掛ける。

 

─おい、クソガキ。

 

「……えっ?」

 

─何驚いてやがる、テメェの夢なんだ、テメェしか返事はできねぇだろうが。

 

夢に干渉できる奴がいるならもう一人くらいは返事をくれるかもしれねぇけどな?

心底驚いた様子の皇帝に俺は笑う。

俺が笑ったからか、怯えたように皇帝は震える。

 

「化け物…!」

 

─ああ?…この姿が原因か。餓鬼はこれだから面倒だ。

 

マインドイーターを使っちまえば楽なんだが、そうしたら計画はパーだ。

ここは我慢して姿を変えるか。

 

まあそりゃ、初対面が夢の中でその人物が緑色の丸い眼で半月みてぇな口で笑う黒い化け物じゃ驚くのは普通か。

 

俺は人の形を取る。

精神体で形を取るのは負担がかかるが夢や他人の精神空間なら負担要らずだ。

例え他人だろうがテリトリーみてぇなもんだからな。

 

黄色いフード付きのローブをシャツの上に着た緑髪で金の瞳の男…この見た目なら怪しさはあるがさっきまでの怖さってのはねぇだろ。

 

「姿が、変わった……貴様は、何者なのだ…?」

 

「まあ、俺様がテメェを知っててテメェが知らねぇのはこれから契約する上では不都合だな。

俺様は…ユウキ=テルミって名だ。よろしくなぁ、皇帝ちゃん?」

 

「ユウキ=テルミ…貴様は余を知っているのか?」

 

「ああ、腐敗していく国を見てねぇ表向きの統治者って事くらいはなァ。」

 

「腐敗していく?何を、言っている?

妄言は好かんぞ!」

 

「妄言、ねえ。なら、見るか?ここなら夢を介して俺がじっくりと見てきた帝国の現状が見れるぜぇ?

まあ、俺様の言葉を信じねえで自分を信じるなら話は別だが、どうする?」

 

「……。」

 

皇帝は俺を訝しげに見ながらも真剣に悩む。

さっさと決断してほしいもんだが。

 

しばらくして、皇帝は俺を真っ直ぐと見捉え、一言。

 

「見せてくれ。」

 

「へえ、俺を信じるってのか?」

 

「大臣が余を騙しているとは思えんが、もし貴様の言葉が真ならば…」

 

「大臣を許せないってことね。

いいぜ、見せてやるよ皇帝ちゃん。

これがテメェが人形として働いた結果だ。」

 

そう告げてから、俺は皇帝にモニターを出し、帝国の現状を見せた。

その時の表情は、意識してねぇと笑いが漏れちまう位に愉快痛快だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─それは理想とかけ離れた光景だった。

 

貧困により倒れ行く民、窃盗をしなくては生きていけない民、貴族に奴隷として扱われ殺されていく民。

 

余の理想とは、これ以上ないほどかけ離れていた。

 

この映像は本物なのか?

映像から視線を動かさずに聞いた。

嘘であってほしいと願った。

 

「ああ、マジだぜ、マジ。

テメェが何も知らずにその大臣って奴にいいように扱われてた結果がコレ。

どうだ?テメェの理想は砕け散ったかぁ?」

 

ユウキ=テルミの余をからかうような口調でそう告げた。

真実であると。

余にはこれが嘘には見えなかった。

 

…あまりにも、人の感情が現実味を溢れさせてくる。

大臣が余を騙していた。

つまり、今の実権は大臣が所有している?父上の息子である余よりも?

実際好き勝手するだけの権力はあるのだろう。

 

父上は謎の死を遂げた、と聞いてはいたが、政治の実権を握りたかった大臣がやったのでは?

そうして余をユウキ=テルミの言うように操り人形とすることで帝国を腐敗させた。

 

仮に、今から大臣が死んだとして、余がこの国を建て直すとして…果たして余に出来るか?

所詮、余は未だに子供、政治も学んでいるとはいえお世辞にも上手いとは言えない。

大臣、まさか余が子供であるということも自身の企みに利用しているのか。

 

…しかし、それは余が一人でやるならばの話。

余を、利用したのは大臣だ。

 

「……いや、余の理想は、潰えん。」

 

「へえ?テメェがやらかしたとも言える状況を見てか?平和な帝国はどうやって創るんだ?こっから、どうやって?是非教えてほしいねぇ…ヒヒヒ。」

 

「民は確かに現状に疲弊しきっている。

上に立つものだけが私腹を肥やし、守られる立場の下の者は…ああも苦しんでいる。

だからこそ、この現状を打破しなくてはならない。

余は、大臣を打ち倒したい。だが、余は子供だ……。」

 

「…皇帝家の血筋ってやつかねぇ……。」

 

「頼む、会ってばかりのお主に頼むのは筋違いやも知れぬがそれでもだ。

余に協力してはくれぬか!」

 

「構わねぇけど。」

 

「余に用意できるものは…えっ?」

 

「えっ、じゃねぇよ。俺様に協力して欲しいんだろ?

いいぜ、構わねぇ。その代わり、テメェにも協力して貰う。」

 

「本当か!」

 

「お、おう。」

 

「うむ、感謝する!して、お主の何に協力すれば?」

 

「……器だ。」

 

「器?」

 

神妙な面持ちで器、と口にしたユウキ=テルミに余は首を傾げるしかない。

器とは……もしや。

 

「お主、現実では体がないのか?」

 

「…鋭い餓鬼だ、そこも父親讓りかぁ?」

 

「父上を知ってるのか?」

 

「さあな。んで、俺様には今、器がねえ。

精神体でそこら辺彷徨く訳にもいかねぇだろ?

だからこそ、俺様本来の器を探してる。」

 

「お主本来の……?帝具か何かか?」

 

「ああ…ぶっ壊れてたら諦めるが、俺が見るに、まだそうなっちゃいねえ。

或いは…別の意識が目覚めたか。」

 

「帝具に自立できるほどの意識があるのか?」

 

ユウキ=テルミ……長いな、テルミでいい。

テルミは俺様も知らねえよと吐き捨てるように言う。

テルミは帝具の意識、精神体なのだろうか?

そんな帝具は聞いたことがない。

 

先代の皇帝である父上か、その祖先ならば知ってたのかもしれないが……。

 

「元々帝具は危険種を用いた兵器だ、意識もあるっちゃある。使えば使うほど侵食したりもする位にはナァ。

だが、俺様のいう器は少し違ってな。」

 

「だが、帝具ならば危険種を使ってるのだろう?」

 

「そこが違う。

俺様の器は危険種を使っちゃいねぇ。

俺様の器としての機能だけがある帝具だ。

だが、帝具としての意識が芽生えたのなら立派な兵器になってんだろうよ。」

 

そう言って、考える仕草をするテルミに、余は驚きしかない。

つまり、テルミは帝具の魂という事だからだ。

テルミの器である帝具を手にいれ、テルミが入れば、どうなるのか……不安でしょうがない。

 

「テルミは取り戻したらどうするのだ?」

 

「さあな、その時による。ぶっ壊すのもいいが、そうするとうるせぇからな……。

まあ、テメェにとって悪いようにはならねぇよ。

んで、だ。その器、帝具の名前だがよ。」

 

 

「─アーキタイプって名前だ。

恐らくテメェの城にあると踏んでるんだが、今の俺様じゃ探すのは手間でな。」

 

アーキタイプ。

聞いたことがない。

 

48の帝具にそんな名前の帝具があるのか。

どのような性能なのかも分からない。

 

だが、テルミの言葉を信用するのならアーキタイプを手に入れても余に危害は加えないだろう。

…早急に探し出したい所なのだが。

 

そう思案していると、余とテルミのいる部屋が揺れだす。

 

「な、なんだ!?」

 

「安心しな、夢から覚めるだけだ。

これからはテメェと俺様は協力者、共犯者だ。

せいぜい楽しもうや…ヒ、ヒヒ、ヒャハハハハハハ!」

 

邪悪な笑いを隠さずに声に出すテルミに不安を感じつつも仕方ないと子供ながらに考え、余は目を閉じる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──はっ!……テルミ?」

 

余は夢から覚め、まず口にしたのはテルミの名だった。

鮮明に記憶として残っているあの夢は、余を忘れさせる気はないと感じさせる。

 

しかし、呼び掛けてもテルミは応えない。

まさか、おかしな夢を見ただけなのか?

 

そう焦っていたら

 

─よう。

 

「うわっ!?」

 

脳に響くようにテルミの声が響いた。

突然のことで驚き、ベッドから転げ落ちそうになるが何とか姿勢を整える。

 

夢ではないことが分かってよかった。

いや、夢でのことだから夢なのか?

ううむ、分からぬ。

 

─ヒヒ、不安そうだったなぁ?そんなに俺様のことが恋しかったかぁ?

 

「(馬鹿を言うな…余にあのような光景を見せてそれが夢では堪ったものではない。)」

 

─だろうなぁ。んで、皇帝ちゃんはこれからどうするんだ?大臣を今すぐ殺すのは楽じゃねぇぞ。

 

「(……その事だが、テルミ、確認したい)。」

 

─考えがあるってか。なら、聞かせてもらおうじゃねぇか。

 

余は、子供ではあるが政治などの教育は受けている。

大臣相手ならばバレるような稚拙な策ではあるが、大臣に知られなければいい。

 

テルミは精神体だからすぐにバレることはまずない。

 

その点を考慮して、これからやることが出来るかの確認を、余はすることにした。

 

それを聞いたテルミは

 

 

─いいねぇ。中々に悪くねぇ。それならテメェが真っ先に疑われる心配もねえってことだ。

 

「(うむ、頼めるだろうか?)」

 

─それぐらいならしてやる。だが、テメェもアーキタイプ探しを餓鬼なりにやれよ。

 

「(やれることはやろう。)」

 

─なら、いいんだが。

 

結構乗り気だった。

 

色々と疑問はあるが、テルミが話すとは思えぬ。

手伝いながら大臣の様子を伺うしかないか……。

 

大臣ではなく余に協力した真意も分からんし。

 

これは操り人形である筈だった余と謎の精神体のユウキ=テルミによる暗躍の話である。




オリ主って、タグでありますよね。
つまりそういうことだ。

原作で不憫極まりない皇帝君と共に暗躍していく話となります。

気長に読んでくださるといいです。
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