テルミが壊す!   作:ロザミア

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テルミ「よう、テメェら。俺様だぜ?」

イザナミ「テルミよ、これは何だ。」

テルミ「んなの決まってンだろ?前書きだろ。」

イザナミ「何処かで似たのを見たような気がするが?」

テルミ「パクってんだから今さらだろうが。オラ、今回は言ってた通り過去の話だ。」

イザナミ「懐かしいものだな。」

テルミ&イザナミ「さぁ始めるぞ、19話。」


イザナミ「……やはり、これは」

テルミ「それ以上いうな。」


過去の幻影

何代も見てきた皇帝家。

そこには数々の出会いと別れがあった。

 

友として別れた、敵として殺しあった。

何人も、何人とも。

だが、苦ではなかった。

 

そうするのが一番で、その為に邪魔する奴は殺す。

 

誰が何と言おうが俺という個は悪だ。

大臣を屑だ何だと批判できる立場じゃあねぇ。

だが俺様にも忘れたくはない思い出ってのはあった。

 

始皇帝との始まりもあるが、その後の代の皇帝たち。何処までも、続く帝国の歴史に、人知れず俺は居た。

 

もう千年近くになる。

 

 

─建速須佐之男、否、ユウキ=テルミ。

 

─何だ。

 

─余はもう長くはない。お主を信頼して頼みがある。余の息子を、子孫を助けてやってくれ。

 

─…飽きるまででいいなら、やってやるよ。だから、さっさと死ね。

 

─まだ死なん。まだ、な……。

 

 

始皇帝、喜べ。

まだ飽きちゃいねぇことをな。

テメェとの日々はつまらなくはなかった。

 

頭のおかしい帝具を発案したのには頭抱えたがな。

それを実行できる技術力を発揮するのはおかしい。

 

ま、あの世で見てろや。

 

……まあ、俺の感性がおかしくなったが。

あの、時代のせいでな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウォォオオ!!」

 

「ヒヒヒ、頑張れ頑張れぇ!」

 

鎌を振るう白髪の男を煽りながら紙一重で避ける。

まあ、その方がコイツの煽り耐性の無さが発揮されるからやってるわけだが。

 

「テルミィィ!」

 

「そう名前を呼ぶなって、テメェホモか?」

 

「んな訳あるか!打ち合ってる最中に無駄に煽んのをやめろって言ってるんだよ!」

 

「あー?テメェに煽りが効かなくなったら考えてやるよ。それまでは、馬鹿で愚図なラグナちゃんで居やがれ。」

 

ラグナ・ザ・ブラッドエッジ。

賞金稼ぎであり、そこらの業界じゃ『死神』の名で知れ渡っている白髪の男。

煽られなきゃかなり強い相手だ。

使っている武器も武器だしな……

 

ラグナちゃんは苛ついたのか鬼のような表情で迫ってくる。

 

「ウゼェ!」

 

鎌が変形し、大剣になり、横凪ぎに振るう。

当然、んな大振りな攻撃に当たるわけもねぇ。

 

「避けんな!」

 

「思い通りになるのは盤面だけで十分だろうが。

テメェの望み通りに当たってやる訳ねぇだろ。

後、大振りの攻撃はやめろ。隙がでけぇ。」

 

「チッ……それもそうか。煽りはウゼェがきっちり教えてくれるし、よく分からねぇ奴だぜ……。」

 

「ま、頼まれたからな。」

 

「頼まれた……ああ、帝か。

テメェは帝に信頼されてるんだったな。」

 

「恐れられるよりはよっぽどマシだと思うぜぇ?」

 

「邪魔な奴は寄ってこない利点はあんだろ。」

 

「ま、そうだな……今日はここまでか。」

 

武器を仕舞い、座り込むラグナに俺は壁に寄りかかる。

ラグナの来た経緯は簡単だ。

この帝国に寄っていたら帝直々に誘われたって訳だ。

 

金払いもいいとのことで承諾したラグナに帝は実力を確認したいとのことで俺とやりあい、敗北した。

最初の頃は苦戦したねぇ。

殺されるかと思ったぜ。

 

敗北したラグナは俺に稽古をつけてもらう事になったが、困ったことに俺はそういったのを教えんのは苦手の苦手。

ぶっちゃけると他の奴にぶん投げろよと思った。

 

だが、頼まれたもんはしょうがねぇ。

俺なりのやり方で教えてやってるが、これが食らい付いてくるのなんの。

 

「…それで、他の奴等は?」

 

「ああ、聞いてないのか。ラグナちゃんと俺様は城に待機。他は化物退治だ。最近、活発だからな。」

 

「視察とかで帝の護衛はやんのか」

 

「今日はしねぇよ。

毎日やるわけねぇだろ。俺の身が持たねぇ。」

 

「だろうな。」

 

そうだ、アイツは毎度毎度俺を連れ出しやがって……3代目はお転婆だ……クソ。

 

「じゃあ、アイツらは遅いのか。」

 

「遅くても4日、5日だろうが。

それまでは俺様が組手してやるよ。

……にしても、テメェも難儀なもんだ。

帝具に選ばれねぇ……なんてな。」

 

「黙ってろ。」

 

面倒そうに頭を乱雑に掻くラグナに俺は哀れむ。

 

そう、コイツは俺たちのメンバーで唯一帝具に一つも選ばれなかった。

だからこそ、メンバーの一人がラグナに特注の武器を作ったのだ。

それがあの大剣『アラマサ』。

 

すぐ名前つけたしな

まあ、相当喜んだんだろうよ。

ガキか、コイツ。

 

「だからこそ、コイツがある。」

 

「まあ、いいんじゃねぇの?

帝具が全てを揺るがす訳じゃねぇ。

テメェの強みはそれを引っくり返せるしな。」

 

「うわ、気持ち悪……急に褒めんのやめろよ!」

 

「あ"?ぶっ殺されてぇのか子犬ちゃんがぁ!」

 

「おーいいよやってやるよ。」

 

「テメェとは気が合わねぇ!

ここで誰が上かを教え込んでやるよクソガキ!!」

 

「アァ?テメェみたいなクソウザ蛇野郎を上司にするか屑が!」

 

「……。」

 

「……。」

 

 

 

「「ぶっ殺───「何をしておる。」…。」」

 

二人して、声のする方を見る。

 

紫の髪を束ね、全身を覆う和装束。

……散歩のつもりか?

 

まあいい、俺とラグナは互いを見てから舌打ちをして目の前の赤い瞳で俺らを見つめる少女へ向き直る。

 

「何も。それより、散歩か?」

 

「まあ、そのようなものだ。

本を読んでばかりでは体に悪い。

少しばかり城を歩こうと思ってな。」

 

「へえ、帝の読む本、ね……高そうだな。」

 

「…ラグナ、余の読む本は寧ろ安いぞ。」

 

「そうなのか?」

 

「恋愛小説だとかばっかだ。政治の本とかの本も読んでるがな。」

 

「へぇ、意外だ。もっと堅いイメージがあったからよ。」

 

「民衆や臣下の前で無様では示しがつかぬ。

このような時間くらいは、な。」

 

「俺達も臣下だろ?」

 

帝はそれを聞き、クスリと微笑む。

 

「其方らは…友人に近い。特に、テルミはな。」

 

「帝直属の護衛は伊達じゃねぇってことか。」

 

「テメェ実力を聞いてから言う台詞だろうが。」

 

「余はテルミが誇らしいぞ。」

 

「うるせぇアマ!」

 

「……素直じゃねぇな。」

 

「子犬ぅ……!」

 

俺様をからかいやがって、ぶっ殺してやろうか。

ウゼェ、マジウゼェ。

 

俺様が大人しくしてりゃいい気になりやがって。

 

「それで、二人はいつもの鍛練か?」

 

「コイツで鍛練になるか。俺様が鍛えてやってンだよ。」

 

「癪だが、仕方ねぇ。」

 

「……ラグナよ、何故そこまで強く在ろうとする?」

 

「あ?何でって……」

 

ラグナは考えるような仕草をする。

まさか、あまり考えずに強くなろうとしてたのか?

 

いや、恐らく言ってもいいのかとなってんのか。

 

「……さあな。だが、強くなりてぇのは確かだ。

何でかもハッキリしてる。」

 

「…そうか。」

 

「……。」

 

何処か寂しげな雰囲気のラグナに俺はからかいの言葉をかけてやれなかった。

 

強くなる理由、か。

 

んなの、簡単だ。

 

 

─神様。

 

─……。

 

 

神は、要らねぇ。

あの力が不要だからこそ、(中身)が強くならなきゃならねぇ。

 

ムカツクがな。

 

あの力は、世界を酔わせる。

 

 

「テルミ?」

 

「……あ?」

 

「ボーッとしておったぞ。疲れてるのか?」

 

「…いや、何でもねぇよ。

ただ、人間ってのはつくづく面倒だな、と思ってただけだ。」

 

「そうか。……では、余はもう少しだけ歩く。」

 

そう言って帝は歩いて去っていった。

中庭に、俺らだけになる。

 

「おい。」

 

ラグナが言葉を発する。

 

「んだよ。」

 

「テメェはどうなんだ。」

 

「何が?」

 

「惚けんな。テメェは強くなってどうしてぇ?

帝を守ることだけがそこまでの強さを持たせたのか?

俺には、そうは思えねぇ。」

 

「へぇ?頭が悪~いラグナちゃんが俺様を測ろうってのか?何がどうしてそう思ったのか聞きてぇな。」

 

「テメェの目って言うか、雰囲気だ。」

 

「雰囲気、だぁ?」

 

どうして、という俺の問いに真剣に答えるラグナ。

雰囲気、か。

 

「テメェは確かに守ろうとしてる。だが、その他にも何処か……焦りに近いのが見える。

何となくだ、だが、なんだかんだで俺とお前は付き合いが長ぇ。この何となくは間違ってねぇと思うんだが。」

 

「……チッ、変なところで思考が回りやがる。」

 

焦り、確かにな。

ウロボロスだけになったのも、神に近い力を捨てたのも、焦りからなのかもな。

 

焼き付いて離れない更なる過去の記憶。

いわば、俺は過去の存在だ。

 

過去の幻影(クロノファンタズマ)だ。

 

どうしたって過去を振り返り、焦らずにはいられねぇ。

 

そうだ、二代目…あの時代から、武神は……

 

 

─武神、降臨し厄を払い人々は其の姿に魅了された。

 

 

そうだ、其の通りだ。

強すぎた(・・・・)

あの力は、異常を通り越したモノ。

システムに近い力。

 

破壊と言う機構を担った神の御業。

 

だからこそだ。

人類には早かった。

 

 

「…いずれ来る、世界の酔い(・・)。」

 

「酔い?」

 

「それを、覚ますために俺自身が強くならなきゃならねぇ。」

 

「……よく分からねぇが……。テメェが目指すのはそれか。」

 

「ああ。」

 

「…世界と一人、お前ならどれを選ぶ?」

 

「は?」

 

唐突だった。

小難しい質問だ。

天秤のような話だ。

 

世界と一人を重りにして秤に置く。

どちらが、重いか?

 

「世界と、帝。」

 

「……テメェ。」

 

「分かってる。だが、テメェの守るは、この二つを同時にやろうとしてる。

けどな、それは……無理だ。

世界を守って個人を守るなんざ、無理だ。

だからこそ、聞かせろ。テメェはどっちだ。」

 

「どっちか、だと……?」

 

そんなもの、世界だ。

(世界)を守り、次の皇帝の支援をする。

そんな存在が俺なのだ。

 

 

─どうか、助けてやってほしい。

 

 

それが契約だ。

国を守れ、という。

国を助けろ、という。

 

……だが。

 

 

─テルミ。

 

 

あの声が、俺を狂わせた。

決意を粉々に打ち砕いた。

俺様も一人の人間だってのか。

 

あの女が、帝が俺を縛る。

悪くない縛りだった。

 

だが、俺には契約がある。

それを理解して帝は俺に引っ付いてる。

 

そうだ、問題はねぇ……。

 

 

「……んなの決まってる。──だ。」

 

「…へっ、そうかよ。」

 

ラグナに答えて、俺は少し迷いが生まれた。

だが、この迷いは大事なものだ。

俺という個が持つべき迷い。

 

……よりによって、コイツからか。

 

悪くない。ウゼェが筋は通す男だ。

 

俺とラグナはそのあともう一度だけ鍛練を始めた。

強くなってくる『死神』に感心しながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……ケッ。

ウゼェ記憶だ。

 

それは、後の時代において、過去に見ないほどの大罪人との話。

だが、俺と帝…仲間たちにとってはそれは罪の話ではなく。

 

 

─後は、頼んだぜテルミ。癪だがな。

 

 

なぁ、ラグナ・ザ・ブラッドエッジ。

 

テメェは何で俺に託した。

 

其の疑問は、今でも続く。

 

悩む俺を見るのは、明かりを俺に当てる月だけだ。




大学受かったぞぉ!
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