テルミが壊す!   作:ロザミア

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どうも、ロザミアです。

今回は私の文章力のなさの披露もとい交渉回になります。
ふへへ、もうダメだ、おしまいだぁ……


酒場での交渉

昼の帝都は表向きには賑やかだ。

真面目に働くのもいれば、そこらでダラダラと過ごしてる奴もいる。

……ま、表向きってのはそういうこった。

一度裏にしちまえば平和そうだとかのイメージは崩れる。

夜の帝都はそれこそ地獄だろうよ。

不正をしようが何しようが、警備隊に賄賂を渡せば一部を除いてそれで解決しちまう。

 

どうしようもねぇくらいに腐敗しきっていやがる。

 

俺は陽を背に浴びながら帽子を深く被り、道を歩く。

 

器のない剥き出しの精神体で実体化してるのはおかしくないかってか?

実体化は負担がデケェんだよ。

戦闘なんざしたら俺様の身が持たねぇ。

 

雑魚相手ならいけないことはねぇが、帝具使いや実力者相手ならこっちが時間切れになるってとこだろうな。

 

あのクソガキ、中々エグい注文をして来やがる。

 

『外での繋がりが欲しい。実体化して余の代わりに動いてくれぬか?』

 

だとよ。

人使い荒いぜ、ったくよぉ……

 

ま、下手な動きをしなけりゃいいんだ。

確か、現状の帝国に不満を抱いて動いてる組織がいたな。

ナイトレイド……だったか?

 

多少の情報は事前に持っちゃいるが果たして会えるかどうか。

…というよりは、会えたとして、繋がりを持てるかどうか、だな。

危ない橋ばかりじゃねえか。

 

チッ……。

 

現在の俺は夢で見せたような姿……ではなくシャツの上に黒いスーツを着込み、ネクタイを絞め、黒の帽子を深く被っている。

服とかはどうしたって?

 

服屋から盗んできた。

 

まあ、バレはしねぇだろ。

バレても……なぁ?

 

怪しい格好なのはわざとだ。

一々誠実な服装しようがナイトレイドは気にも止めやしねぇだろう。

 

だからこそ、怪しい格好をとることによって記憶に残りやすくする。

……周りの目もひでぇがな。

 

遠回りな方法を取っているのにも理由はある。

近道をすると余計な可能性まで持ってきちまう。

そうなるとナイトレイドの連中と繋がりを得れても怪しまれて敵対する可能性すらある。

 

それは本末転倒ってヤツだ。

 

生まれてこの方、暗躍してきた俺様には楽なことだ。

 

……さて、名前はどうしたもんかね。

ユウキ=テルミのままだと不都合だ。

身元を調べられれば辺境から越してきたと言えばしばらくは何とかはなる。

 

…やっぱ表通りには来ねえか。

当然っちゃ当然だが。

酒場にでもダメ元で行ってみるか?

 

クソ、こんなことならナイトレイドの情報を事前にもっと持っておくべきだったか。

 

幸い、金はあるからな。

…あ?金はどうやって手に入れた、だあ?

んなもん取り憑いて意識を奪ってから財布とっておさらばよ。

 

精神体だからなぁ、これはバレねぇ自身はあるぜ?

 

こんな身だから満足に働けねぇのは痛手だが、まあいいだろう。

 

早いところアーキタイプを見付けてくれねぇと困るな。

 

「……やれやれ、ここまでやることが多いと疲れますよ、ほんと。」

 

獰猛さを隠し、胡散臭さは隠しきれないものの相手も話しやすい声を作る。

ま、多少疑ってくれた方がこちらとしても楽だからな。

 

酒場には着いたが……居るといいねぇ。

 

俺は扉を開け、中へと入る。

 

瞬間、酒の強烈な臭いが鼻を刺激する。

酒は慣れちゃいるが、酒場程となると違うな。

 

辺りを見渡す。

一目見りゃ周りと違うのは分かるんだが……

流石に暗殺者組織 ナイトレイドのメンバーがいるわけもねぇよな。

 

「おい、店に入ったなら注文をしな。」

 

「これはすみません、なら…ミルクをお願いしても?」

 

「ウチは酒場だが……まあいいだろう。」

 

「はい、ありがとうございます。」

 

敬語にはそれほど使ってても違和感は感じない。

というより慣れた。

昔から一部以外にはこうやって接してたときがあったからな。

昔の年数が人間と違ってかなり違うがな。

 

「……。(…あ?)」

 

俺はある人物が気になり、注目しすぎない程度に見る。

 

金髪…女…酒をかなり飲んではいるが何時でも殺りあえる、か。

まだ確証は持てねぇが……。

 

「ミルクだ。」

 

「すみません、お酒を頼んでもよかったのですが、何分そういうのは夜にと決めておりまして。」

 

「ふん、なら夜にでも来い。」

 

「気が向いたらに、なりますかねぇ。」

 

この場だと多少は浮く格好だな、そういや。

警戒をさせちまうか?

もう一度先程の女に視線を向ける。

 

……いねえ。

感付かれたか。

 

「…何か、御用で?」

 

俺はため息を吐き、後ろにいる()に話し掛ける。

へえ、と声が聞こえ、女は俺の横の席に座る。

 

…近くならよくわかる。

酒に紛れちゃいるが、血の臭いだ。

 

何人か殺してきたってことか。

こりゃ言葉を選ぶかねぇ。

腹の内を探らせないようにするべきか。

 

「いやぁ、悪いね。

アンタの視線が気になったもんで、ね。」

 

「これは申し訳ありません。

酒場に似合わない麗しさを持った女性がいたのでつい。」

 

「それは口説きかい?」

 

「どう捉えられるかはお任せします。」

 

「ふぅん。」

 

…視線が気になったのは本当で、今のうちに危険分子か探りに来たってところだろうな。

少し踏み込んでみてもいいかな、こりゃ。

 

「帝都に来たのは最近でして、このような酒場に来るのも初めてなので視線が泳いでしまいましてね。」

 

「引っ越してきたのかい?

その服装からすると、良いとこの坊ちゃんか何か?」

 

「いえいえ、少し奮発して買ったってところです。

この帽子、気に入ってるんですよ。」

 

「似合ってるとは思うよ。」

 

「おや、それは口説いてます?」

 

「ご想像に任せるよ。」

 

不自然だが、仕掛けてみるか。

 

「それで、本当の目的は?」

 

「視線が気になって来ただけだって。」

 

「確かに、気になりますよねぇ……私、貴女に狙いをつけてましたし(・・・・・・・・・・)

ええ、出会えて僥倖、というものです。」

 

「…お前。」

 

「ああいや、違います違います。」

 

分かりやすく伝えると、目が鋭くなる。

怖いねえ。

俺は勘違いされる前に否定する。

 

小声で女にしか聞こえないように伝える。

 

「そう警戒なさらないでくださいよ。

ナイトレイドとの繋がりを得たいだけですよ、私は。」

 

「それで私たちに何の得がある?」

 

「帝都の、それも深い情報を提供します。」

 

「例えば?」

 

大臣(・・)。」

 

「…!」

 

掛かった(・・・・)

このまま畳み掛けるか。

周りには気づかれちゃいないが良い反応だ。

 

「この言葉の意味、分からない貴女ではないですよね。」

 

「……信用できる情報なんだろうな。」

 

「ええ、保証します。何なら首を賭けてもいいですよ?」

 

俺様はその程度じゃ死なねぇからな。

それくらい賭けてやるよ。

閉じていた金の瞳を片方覗かせ、女を見やる。

 

そこまで言うのかと思っているだろうが、さて、どう出るか。

長引く交渉はされた側も不利になっていくが。

 

交渉はあんまし得意じゃねぇが、切れるカードは切るに限る。

俺様事態、ずっと懐に持っとくとか好きじゃねぇ。

 

女は、観念したようにため息を吐く。

 

「分かった……でも、私の一存じゃ決められない。

ボスには相談してあげる。」

 

「ありがたい、私、ハザマと申します。

貴女は?」

 

「私はレオーネ。ま、明日にでもこれに書いてある場所にでも来てよ。サービスするから、さ。」

 

「…マッサージ師、ですか。」

 

「そ、まあ払うもんは払ってもらうけどね…ってやば。」

 

「はい?」

 

「何でもない。じゃあ、私はこの辺で……。」

 

何だか落ち着かねえ様子でそそくさと店を出ていったレオーネに、俺は仕事の時間か?と勘繰るが意味はないので残りのミルクを飲み干す。

 

「……さて、私も戻りますかね。」

 

「おい、兄ちゃん。」

 

「はい?」

 

「あの女の分まで払ってもらおうか。連れだろ?」

 

「……えっ?」

 

俺のことか?と自分を指差す。

店主はお前以外に誰がいるとばかりに力強く頷く。

 

……あのクソ女ァ……!

 

ずる賢い女だ……侮れねぇな。

 

俺は仕方ないと金額を聞き、その額を聞いた瞬間、さらに苛立ちが募った。

温厚な俺様も流石にキレそう。

 

盗んだ財布から金を取りだし、渡す。

俺まで食い逃げならぬ飲み逃げは出来ねぇからな。

 

これで繋がりが持てるんなら安いもんか……?

いや、まだ決まってねぇんだった。

やっぱ仕返しは確定だな。

 

俺は店を出て、まだ昼なので帝都を適当に歩くことにした。

思わぬ収穫があるといいがな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…何?腕利きの情報屋?」

 

「ああ、あの大臣の情報を持ってる、だとさ。

どこまで信用できるかは分からないけど取り合っても良さそうだよ。」

 

「……ふむ。」

 

二人の女性が話す。

一人は昼間に酒場でハザマと出会ったレオーネ。

もう一人はナイトレイドのボスであるナジェンダである。

 

レオーネは早速ハザマの事をナジェンダに伝え、どうするかの指示を仰ごうと相談している途中だった。

 

ナジェンダはその話を半信半疑…いや、疑の方が割合高めで聞いていた。

信用できるか、といえばNOだ。

知りもしない相手、それもレオーネに狙いをつけて、大臣の情報を提供する代わりにこちらとの繋がりを欲しているのだから怪しむのは当然だ。

 

だが、一度会ってみた方がいいと判断したナジェンダはレオーネに指示を出す。

 

「明日、そのハザマと会うんだな?」

 

「本人が来ればね。」

 

「ならば、私のところまで連れてきてくれ。

会って話がしたい。」

 

「分かった、じゃ、私も行ってくる。」

 

「ああ……。」

 

レオーネはさっさと部屋を出て仲間たちのところへと行った。

今夜他のメンバーと協力して腐敗した貴族を暗殺してもらうよう頼んであったからだ。

 

ナジェンダは一人考える。

 

ハザマという男には何かがあると、自身の長年の経験から培ってきた勘が告げていた。

警戒は怠らない方が良さそうだと結論を付け、タバコを吸い始めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夢の中、テルミと余はソファーに座って今日の話をする。

収穫はあったのか、それが重要である。

 

「テルミよ、どうであった?」

 

─ああ、まあ、結果としちゃあ五分だろうな。

 

「それは繋がりを持てる可能性は得たがどうなるかは分からない、ということか?」

 

─察しのいい餓鬼で助かるぜ、皇帝ちゃん。

 

「……まあよい。

アーキタイプの件だが、あまり進展はない。」

 

─まあ、そう簡単に見つかるとは思っちゃいねえよ。

誰が持ってるかなんて想像がつくからな。

 

「大臣か?」

 

目の前のテルミは以前最初に見た姿…精神体としての本来の姿で会話している。

ニヤニヤと口を吊り上げながら碧の目で余を見る。

 

─だろうよ。あの帝具を所持してて、アーキタイプを見付けられない訳がねえ。

 

「むぅ……では、余ではどうしようもないではないか。」

 

─そう落ち込むことじゃねぇ、テメェが活躍する場は確実にあるから、安心しなぁ。

 

胡散臭い。

素直にそう思った。

余としてはさっさと見つけ出したいが、そうはいかない歯痒さよ……。

 

「…して、その明日会う予定の者はどのような輩だ?」

 

─ナイトレイド、皇帝ちゃんでも知ってんだろ?

 

「何ぃ!?」

 

─おいおい、デケェ声あげんじゃねぇよ!

 

余は、驚きのあまり大きな声をあげる。

テルミはその声に顔をしかめるが、普通は驚く。

 

「いや、ナイトレイド…どうやって?」

 

─ま、色々とな。

 

「……そうか。では、明日、どうなるかになるな。」

 

─だな、今日のところはここまでにしとこうや。

 

「うむ……。テルミよ。」

 

─んだよ。

 

最後に聞きたいことがあったので呼び止める。

面倒くさそうに聞いてくるが、聞いてはくれるのかと安堵した。

 

「父上とはどのような関係だった?」

 

─…さあな、知らねえよ。

 

その言葉のすぐにテルミは消えた。

…そう簡単には教えてくれぬか。

 

あ……アーキタイプの詳細を聞くのを忘れてた。




多少ご都合主義かもしれませんが、博士、お許しください!

今回、ハザマとしてのテルミが出てきましたね(?)。
原作のハザマと違って、ハザマの精神はないので、ご安心ください。
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