テルミが壊す!   作:ロザミア

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今年最後の更新かなぁ……




二つの組織の対決、そして

東ロマリー街道ねぇ……。

ここらの地理には詳しくはねぇが……さて、どうしたもんかな。

 

馬に乗り、到着した翌日、俺たちはナイトレイドの情報を聞き回り、昼食を取りながら全員の得た情報をエスデスへ伝える。

 

「ナジェンダはそのまま東へ、アカメは南へ。

ここに来て、二手に分かれたか。」

 

「東へいけば安寧道の本部であるキョロクへ。

南へ行けば反乱軍の息がかかっているであろう都市へ。

……いずれにきてもキナ臭いですね。」

 

「ふむ。」

 

「急げば追い付きますよ、行きましょう!」

 

「いや、待て。」

 

深く考えるのが苦手なウェイブの発言にエスデスが待ったをかける。

 

「ナイトレイドは帝都の賊だ。

地方まで手配書が回ってないからと油断し、顔を出したところを追跡されたあげく二手に分かれたところも目撃されている。

……都合がよすぎるな。」

 

「ええ、高確率で罠かと。」

 

「わざとらしく人目についたって事ですか?

私達を誘き出して倒せために。」

 

「となると、私達を分断させて倒す作戦でしょうかねぇ……どちらにせよ…これは面倒だ。」

 

「ナジェンダはそういう奴だ。

燃える心でクールに戦う……油断ならん。」

 

エスデスをしてそう言わせるか。

元将軍は流石って事ね。

 

「ってことは追うと危ないですね……」

 

「……いや、この機は逃さんよ。

今まで巧妙に隠れてきた鼠どもがご丁寧に顔を出してきた。

罠だろうとそれごと叩き潰すぞ。

私とセリュー、ランはナジェンダを追う。

そして、残りのメンバーのハザマとボルス、クロメとウェイブはアカメを追え。」

 

「……。」

 

その指示を聞き、俺はクロメを見やる。

クロメは全てを顔には出さないが、その口元を僅かに歪ませていた。

 

……姉妹の対決・序ってとこかね。

 

「常に周囲を警戒しておけ。

そして相手があまりに多数で待ち構えていたようならば退却しようと構わん。

攻めろと言えど特攻して死ねと言っている訳じゃないからな。

だが──」

 

 

「─帝都に仇なす最後の鼠だ。

着実に追い詰め、仕留めてみせろ!!」

 

『了解!!』

 

…ったく、こういうのは嫌いじゃねえんだがな。

 

さて、どうするか。

恐らくは戦闘になるが、どう立ち回るかね。

今回の戦闘で俺の担当場所に居てほしい奴は……

 

鍵はアイツか。上手く回るとするか。

 

誰が死ぬか……誰が生きるか。

見物だな?

 

 

 

 

 

 

 

 

馬に乗り、アカメ達を追う。

何にしても、俺様がスパイしてるとはいえアイツらは俺相手でも容赦はしない。

下手に加減するとバレるからな。

まあ、アイツらの攻撃で死ぬかと聞かれれば冗談きついと返してやる。

 

どのみち、通るべき道だ。

誰が死のうが……

 

……。

 

チッ、面倒だ。

 

恐らくではあるが、本命はこっちだ。

だからこそ、俺がこっちに配備されたのは…僥幸なのかもな。

 

ナイトレイドがエスデスを除いてイェーガーズの中で特に警戒しているのはボルスとクロメだ。

 

帝具さえ無くなれば……何てこともない。本人の実力もあったからこそイェーガーズに配属されたんだからな。

 

「帝都最強のナイトレイドが相手か…私なんかで勝てるのかなぁ……」

 

「……。」

 

隣のボルスが弱気な声を出す。

…まず、神ってのは与えるものを間違ってるよな。

この見た目でこれなんだから世の中おかしい。

 

「大丈夫ですよ。前に一度、ナイトレイドの一人と戦った時には応戦されませんでしたけど実力的には俺と同じくらいに感じました。

力を合わせればきっと勝てますって!

ボルスさんの帝具は多人数相手に向いてますし、むしろ心強いです!」

 

「……そうかなあ……」

 

「なんて調子の良いこと言ってるけどさらウェイブが一番足引っ張りそう。」

 

「なにおうっ!?」

 

「あー」

 

「ハザマさんも何を納得してるんだよ!

俺の実力が信用できないのかよ!」

 

「うん。何か、ここぞって時に弱そう。」

 

「俺だってグランシャリオを装着すればなぁ!」

 

「じゃあ強いとこ見せてよ。」

 

「おお上等だやってやろうじゃねえか!」

 

「……。」

 

二人のやり取りを聞きながら、ウェイブの言葉を頭の中でもう一度再生する。

 

力を合わせれば、ね……。

 

「二人ともケンカはしちゃダメだよ!」

 

「そうですよ、お二方。

いつ、どこで襲撃があるか分かりませんからね。」

 

「うぐ…すんません……。…!

おい、前方に何かあるぜ。」

 

ウェイブの言葉を聞き、俺達は前方を見る。

そこには、

 

「かかし……?」

 

「本当だ、これ以上ないくらい怪しいね。」

 

「後、何だかウザい顔してますね……池面って……」

 

そこには、妙に筋肉のあるかかしがあった。

すげぇウザい。蹴り飛ばしたくなるほどウザい。

胸には池面の二文字があり、更にウザさを助長させている。

 

「罠だったら大変だね。

用心して調べよう。」

 

「そうですねぇ……。」

 

─なるほどな。

 

ナジェンダ、テメェの作戦が読めたぜ。

だが、悪いな。

俺様も、お前らの行動に合わせて、やらせてもらう。

 

俺達は馬から降り、かかしの方へと向かう。

 

にしても、むかつく。

このかかし、どうにかならなかったのか。

 

「……‼」

 

クロメが何かを察知したのかその場から横に跳ぶ。

 

─直後、クロメの立っていた位置にパンプキンのレーザーが飛んでくる。

 

惜しい。あと少しだったものを。

ウロボロスで固定するわけにもいかねぇ……チッ。

だが、腕は掠めた。狙いは良い。

 

「敵襲……!」

 

池面のかかしもミシりと音を立てて、そのまま破裂する。

 

「……!」

 

中から出てきたのは、スサノオだった。

スサノオはその手に持った棍棒で続けざまにクロメを殴りにいく。

 

「クロメ!危ねぇ!」

 

「む……」

 

「うおっ……!!」

 

ウェイブが咄嗟にクロメとスサノオを間に割って入り、グランシャリオの鍵で防ぐ……が、スサノオの筋力に押し負け、吹き飛ばされる。

 

「ウェイブ君!!」

 

「狙撃にはしくじったが戦力を1つ…かつ標的でもないやつを吹き飛ばせたのは大きいな。」

 

「……これはこれは。」

 

帽子を深く被り、臨戦体勢を取る。

 

声をした方にいたのは、ナイトレイド。

 

そのメンバー全員だった。

 

「ナイトレイド…?しかも、全員!

東は全くのフェイクだったんだね……。」

 

「クロメにボルス。イェーガーズの中でもお前たちは標的だ。覚悟してもらうぞ……!」

 

「ふむ……。」

 

人数差を埋められたのはでかい。

が、しかし……

 

クロメの骸人形がどんな奴かによるな。

 

「数えきれないほど焼いてきたから…刺客に狙われるのもしょうがないとは思ってる……でも。

私は死ぬわけにはいかない!」

 

ボルスはルビカンテを構え、応戦の意思を示す。

 

……ボルス。

 

『うん、結婚してもう六年!私にはもったいないくらいのお嫁さんだよ。』

 

嫁さん、んでもって、娘。

 

『妻と娘は私のやっていること全部知っててなおも応援してくれるの!

だから私は辛いことがあっても全然平気。』

 

テメェはそうかもしれねぇが。

二人はそう思ってるか?

テメェが死ねば、守り手がいねぇだろうが。

 

─くそ、ウゼェ、マジウゼェ。

 

「…ボルスさん、前衛は、お任せくださいな。」

 

「うん。ハザマさん。」

 

「はい?」

 

「頑張って生き残ろうね。」

 

「─ええ、はい。」

 

疑いもしねぇ。

この男……。

 

決断は、近いか……。

 

俺の葛藤なんざ、誰も気にしねぇで、勝手に話が進む。

 

クロメとアカメが話し、どちらも帝具を構える。

 

クロメは八房を掲げる。

すると、地面から沸くわ沸くわゾンビども。

 

そして、地面が揺れる。

何が出るかと思ったが……そこまでの上物を手に入れてたか!

 

「何だ!?地震か!?」

 

巨大な手が地面より出てくる。

次に頭、体、足。

全体が出てくる頃には、俺達は自分達が豆粒のように感じるデカさとなっていた。

 

「昔と私と違って死体なら何でも人形に出来るようになったんだよ。お姉ちゃん。

 

それが例え、超級危険種のデスタグールであってもね。」

 

「此れは頼もしい。」

 

「うん……私達もやろう!」

 

「ええ、油断なさらぬよう。」

 

ラバックとチェルシーが見えねぇな。

チェルシーは暗殺向けの帝具。

ラバックは万能型の帝具。

となると、一人は暗躍でもう一人は裏方に務めてるな。

エスデスが来たときようか。

 

なら……

 

「やれ!デスタグール!」

 

「──」

 

デスタグール、帝具の素材にもなる超級危険種に分類される化け物。

 

クロメの号令と共に、デスタグールは力を溜め込み、その口から、超級の名に恥じない力を解放する。

 

ようするに、極太の衝撃波である。

 

しかし、デスタグール程の巨大さでの衝撃波ならばそれは並の兵器を凌駕する殺戮兵器と早変わりする。

 

各々の判断でナイトレイドはそれを避ける。

 

デスタグールの衝撃波はそのまま地形を破壊するだけとなったが……

 

「流石、お強い。」

 

「あれを避けるなんて……流石はナイトレイド。」

 

「ええ、それでは我々も動きますよ。

クロメさんが骸人形の一体を私達の守備に回してくれていますし、私もいます。

存分にその炎をお使いください。」

 

「……うん!」

 

─動くか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どぅわっ!?」

 

その頃、ナイトレイドメンバーのラバックはエスデス達がこちらに来たときのための見張り、そして足止め係に努めていた。

デスタグールの衝撃がこちらにも来たので声をあげたが、至って無事である。

 

……が、そんな彼にも、嵐は来る。

 

「……!なんだ!?」

 

ラバックの隠れている木。

その大木が揺れている。また先程の衝撃かと思ったが、連続して続く揺れに何かが違うと思ったラバック。

しかし、行動が遅れたことが命取りだった。

 

「これは……(誰かが木を倒そうとしてやがるのか!?イェーガーズのメンバーは確かに……!)」

 

そう考え、木から離れようとした正にその時。

 

 

─木が横へと傾きそのまま崩れ落ちる。

 

「う、ぉぉ!?く、そ!」

 

離れようと立ち上がったラバックは木と共に落ちる……と思いきや何とかクローステイルの糸を他の木に巻き付け、木と共に落下する事態は防いだ。

 

そのままゆっくりと着地したラバックは木を倒した犯人を探す。

 

 

「─ほう、やはり居たか、ナイトレイド!」

 

「っ……!?」

 

しかし、まさかのこちらに声をかけてきた犯人を見て、ラバックは戦慄する。

 

「……何だ、ナイトレイドのメンバーはもう少し筋肉があると思ったが……案外ヒョロイな。」

 

ゆっくりと近付いてくるその巨漢。

 

「マジかよ……!」

 

見る目があるラバックには分かる。

それが恐ろしく強いということが。

 

「だがまあ、貴様もナイトレイドならば覚悟は出来ているだろう?」

 

「殺す殺される。弱肉強食の世界なのは百も承知だろう。ならば、味わうと良い──」

 

その巨漢は暴力的な笑みを浮かべ、拳の骨を鳴らす。

 

 

「─最強の暴力をッ!!」

 

暴虐が、戦場へと姿を現す。




??「やってやるデス!!」
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