テルミが壊す!   作:ロザミア

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どうも、ロザミアです。

今回は展開が早すぎるかもしれません。
ご了承を。


アーキタイプ

交渉結果を聞きに行く当日、俺は『ハザマ』としての姿を取り、レオーネのいるマッサージ店までいく。

昨日の借りをどう返してやろうか……。

 

はっ倒すのも出来ねぇしな。

チッ……人に奢らせるってのは中々出来ることじゃねぇ。それも、悟られずってのはな。

あの女の方がそこは上手か、伊達に暗殺組織の一員じゃねぇな。

 

利用しがいがあるじゃねぇか。

 

ハザマでいるときは極力笑顔を崩さないようにしている。

そうしないといけないという感覚もあるが、何よりそうした方が距離感を掴みやすい。

 

あからさまに怪しい方がいいんだよ。

 

これが終わったら、皇帝ちゃんとやることもあるし、さっさと済ませねぇとな……。

アーキタイプの回収……そして、あの野郎自身の威光の帝具を一目見ねぇといけねぇからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

レオーネの言っていたマッサージ店は、ここか。

意外と普通だな。

俺は扉を開け、中に入る。

 

中も掃除は行き届いているようだな。

 

「いらっしゃーい……って、アンタか。」

 

「一応客なのですが、その反応は如何なものかと…。」

 

奥の部屋から顔を出してきた女、レオーネは俺の顔を見た途端に落胆したような表情をした。

…おうこの女、流石に一発蹴ってもいいよな?

 

「ごめんごめん、冗談だって。

……それで、早く済ませたい?」

 

「ええ。…それで、私を情報屋として雇いますか?」

 

「んー……それなんだけどねぇ…」

 

「(……?)」

 

歯切れが悪いな、なんだ。

 

「うちのボスがアンタと話したいんだとさ。

だから、私は案内係。」

 

「……ナイトレイドのリーダーが、ですか?」

 

「ああ、早速連れてくことになるけど、いいよな?」

 

「……ふむ、まあいいでしょう。

何処に連れていってくれるかは聞いても?」

 

「うちの組織がよく利用してるいいカフェだよ。」

 

「なるほど、趣味がよろしいようで。

ご案内お願いしますよ、レオーネさん。」

 

「まあ、任せな。」

 

相当警戒されてやがる。

当然っちゃ当然だが俺様がどこまでやれるかになってねぇか?

 

しかも、リーダー直々とはな。

都合がいい(・・・・・)

 

寧ろ、リーダー様はミスをしたといってもいい。

俺を認めさせりゃ、それは他の部下の総意といってもいい。

ならば、俺様は疑われることはねぇ。しばらくはな。

リーダー代理(・・・・・・)がいたとしても、だ。

 

是非会わせてもらおうじゃねぇか、ナイトレイドのリーダーさんになぁ……ヒ、ヒヒヒ……。

 

俺はレオーネの後ろについていき、ナイトレイド御用達のカフェを目指す。

あー、楽しみだぜ。

革命軍は俺様の目的の助けになるしな、最終的には……クク。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここだよ、近いだろ?」

 

「ええ、通いやすく、そして集まりやすい。いい場所です。バレないモノなのですねぇ……。」

 

「色々と手を回してるのさ。」

「へえ……。」

 

いい感じの場所だがよぉ……俺様が横流ししないと考える辺り、中々に甘いなぁ暗殺者様。

……まあ、しねぇけどな。

俺様の敵じゃねえからな、しても無駄だ。

なったなら…そういうこった。

 

中に入ると、レオーネは奥まで進んでいく。

俺はついていくが、このカフェに入った時から、何かの気配がしやがる。

いつでも始末できるって訳か。

いいねぇ……。

 

奥までいくと、一人の女が座っていた。

 

ただの女じゃなく、眼帯をしていやがる。

……強さも中々ってとこか…。

 

女はタバコを口にくわえて俺を見ている。

 

「レオーネさん、この方が?」

 

「ウチのリーダーだよ。んじゃ、私は戻るから。」

 

「ええ、案内ありがとうございます。」

 

レオーネはさっさと戻っていき、俺と女だけになった。

正確には、このテーブル(・・・・・・)では、二人か。

 

俺は女の座る席の反対に座り、対面する。

 

「リーダー直々からお呼びいただけるとは、光栄ですよ。私はハザマと申します…まあ、レオーネさんから聞いてますよね。」

 

「ああ。私はナイトレイドでリーダーをしているナジェンダだ。

今日は、お前と話がしたくてな。」

 

「ほう、私と?わざわざ危険を冒してまでする程の価値がおありで?

周りにいる貴女の部下にやらせた方がいいと思うのですが。」

 

「そう言うな、情報屋に騙されて組織が壊滅になんてなれば堪ったものではないだろう。」

 

要するに、判断しに来たって訳だ。

やっぱり、運がいい。

 

「しかし、どうやって私は信用を勝ち取ればよろしいよでしょうか?」

 

「それはお前がよく分かっているだろうに、なあ?」

 

「ペラペラと話すほど安いものではありませんよ。

まして、あの大臣相手に一方的に有利になれる可能性のある情報ですし。 」

 

「その情報が確かならの話だ。

それに、どうやってその情報を得たかも分からんしな。」

 

まあ、分からないやり方だからな。

そりゃ分からないだろうよ。

 

俺は勝手に来た珈琲を無視しながら話を続ける。

 

「どう得たかを教えればよろしいので?」

 

「並の情報ならばここまでの警戒はしていない。

だが、あのオネスト大臣の情報、となれば話は別だ。

話してもらおうか。」

「……まあ、どうやったかを教えても支障はありませんし、構いませんよ。その代わり…周りの人の目が邪魔なんですよね……耳は結構なんですが、見られるのは困ります。

ナジェンダさんだけならば、教えてもいい。」

 

「話すだけなら目があっても変わらんだろう。」

 

「私が化けてるとしても?」

 

「……変装ということか。」

 

「ええ、まあ。」

 

それも、絶対に分からねえ変装だよ。

テメェがいくら観察眼に優れようが、俺様の姿ばかりは分かるわけがねぇだろ。

 

ま、条件的にナジェンダにはリスクがあるんだがな。

 

耳だけでも行動できるだろうが、目もあった方が判断しやすい。

俺様が万が一にも敵なら……って事だろうよ、お悩みの種は。

 

「……分かった。」

 

ナジェンダはそう言ってから手をあげて何かのサインを送る。

……視線が無くなったな。

さて、これで俺も見せなきゃならなくなったわけだ。

 

「感謝します。」

 

「これで見せてくれるんだろうな。」

 

「ええ、私は言葉を違えませんよ、ええ…」

 

言葉はな。

俺は帽子を取り、実体化を解く。

 

ナジェンダは俺を見てそりゃもう驚いた目をしている。

声を出さなかっただけ合格点をやってもいい。

ま、驚くなってのが無理な話だろうよ

 

「これは……!」

 

「あーその顔最高だわ。

そういう驚愕もだが、恐怖、憎悪の表情はいつ見ても最高だ。

で?約束通り見せてやったぜナジェンダぁ。」

 

「それがお前の正体か…人間ではない。生物型帝具か?」

 

「惜しいなぁナジェンダ。

いいぜ、教えてやるよ。

俺様は生物型帝具とは違う、俺様は精神体だ。

テメェら人間よりもずーっと長生きのなぁ。」

 

「精神体だと……?」

 

「あんまり人前で見せるもんじゃねぇがな。

ナイトレイドを知ったのも、糞豚(大臣)を知ったのもこうして知ったって訳だ。

精神体なら壁なんざ無いようなもんだからな。」

 

「なるほどな……存在を知られることもなく、情報収集が出来るとは。

……だが、解せんな。人間でないのなら、お前は何故私たちに協力しようとする?」

 

「くそ野郎から頼まれててな。

仕方無くだ。」

 

「依頼ということか。誰から?」

 

「そうだなァ、始皇帝ってのはどうよ?」

 

「ふっ、教えるつもりはないということか。」

 

「そういうこった。……で?テメェにとっては俺様は中々の武器になる、それこそ、情報なんざ筒抜けだからな。」

 

ナジェンダは考え込む。

ま、ここまで来たら任せてやるよ。

俺としちゃナイトレイドが一番今後の役に立つってだけだからな。

宛はそれこそ腐るほどある。

 

「いいだろう。お前の存在は我々にとっても強みとなる。」

 

「英断だぜ、ナジェンダァ。

テメェは今神を手にしたも同然だぜぇ?」

 

「言い過ぎだろう…お前は神ではない。」

 

「だといいな…」

 

「今後用があるときは……ここに来い。」

 

ナジェンダは俺に紙を渡してくる。

これは地図か。

……ナイトレイドのアジトねぇ。

 

「いいのか?俺様が、裏切るとは考えねぇのか。」

 

「得があるのか?」

 

「ケッ、ねぇな。」

 

素直に受け取っておく。

 

その後、服に入り込み、ハザマの姿に戻る。

あーこりゃ後で気直さねぇと……

 

「これからご贔屓に頼みますよ、ナジェンダさん?」

 

「ああ、こちらも頼む、ハザマ。」

 

これで一歩前進か。

大臣をぶっ潰せばあとは簡単だな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハザマが去っていった後、ふぅ、と一息ついてからタバコを吸い始める。

全く、あのような化け物とは思っていなかった。

ああもあっさりと正体をバラすということは痛手ではないということか。

 

「ボス、よかったの?」

 

「ああ、寧ろ、ああした方が平和的だ。

ポジティブに考えれば反撃の手をいくつも手に入れたも同然だからな。」

 

こちらに来た少女に向かって私は笑って返す。

そうは思えないけど、と疑いを解こうとしない少女、マインに私は当然かと思う。

 

「胡散臭いにと程があるわ。」

 

「まあな……だが、しばらくは協力してくれるだろうさ。」

 

しばらくは……な。

 

あの存在が何をもたらすのか……

それは今後判断するとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

「おお、結果は上々であったか!」

 

─まあな。俺様に掛かればこんなもんよ。

 

「……して、今日はどうするのだ?」

 

─夜の城の散歩といこうや。

 

「な、何?」

 

─アーキタイプの所在は分かったしな、テメェが居ねぇと困るんだよ。

 

「ふむ……分かった。

しかし、何故余がいないと困る?」

 

─皇帝、何で俺がこの精神体で居たか分かるか?

 

「む?分からぬが……。」

 

部屋を出て、声を極力小さくしつつ歩く。

どこに向かうかはテルミが指示を出してくれるので問題はない。

 

─俺様は自分からあの器から出た。

 

「何故だ?」

 

─そうしねぇといけなかったからだよ。だが、今は必要になったわけだ。丁度いいからアーキタイプの詳細を教えてやる。

 

「……。」

 

今日教えてもらおうと思った事を自分から話してくれるとはありがたい。

耳を傾けることにした。

 

─始皇帝は自分が死んだときの為に自分の魂を入れるための器として作った帝具とは全く違う物を作っておいた。それがアーキタイプだ。だが、アーキタイプには欠陥があった。

 

「欠陥?」

 

─始皇帝の魂をアーキタイプは受け入れなかった。そうなるように作った筈なのに拒まれた。だが、一人だけ適合者が居た。

 

「……そうか、お主が……!」

 

ヒヒヒ、と笑い声が己の内から聞こえる。

当たりらしい。

 

─その通り、俺様だけが何故かアーキタイプに適合できた。そこから俺様はアーキタイプの中にずっと居たわけだ。皇帝家の奴等を助けてやりながらな。

 

「父上を知ったのも、それがあったからか。」

 

─ああ、だが、あの馬鹿は死んじまった。以前話したが、大臣の野郎が毒を盛ってな。ポックリだったぜ。

その際に、俺様の情報を大臣に知られねぇよう抹消し、アーキタイプもまた封印された。テメェの親父のお陰でな。元々、俺様はテメェの親父とお袋しか知らなかったがな。

 

「なるほど……。」

 

─だからこそ、その封印を解くのにテメェが、皇帝としての血筋がいる。アーキタイプを手にいれ、あの帝具を手にいれりゃテメェの仇討ちをより確実なもんに出来る。

 

テルミの言うままに進み、ある部屋に辿り着く。

ここは父上と母上の……。

指示通りに壁のある部分を押す。

すると、小さな音を立てて階段が現れる。

 

「……何故そこまでお主は余を、皇帝家を助けてくれる?」

 

─……柄にもねぇが、俺様にもダチってのは居たもんでな。死んだアイツからの頼みだ。ま、皇帝家が滅んだら俺様は好き勝手させてもらうがよ。

 

ならば、テルミは長い間友の……始皇帝の頼みを聞いてきたというのか?

それは、束縛されているのではないか……?

 

─勘違いすんじゃねぇ、俺様はやりたくてやってんだ。気紛れが幸運を呼んだと思っておけばいいんだよ、テメェは。

 

「……うむ、そうするとしよう。」

 

いや、無いな。

こいつはこんな性格だ、好きにやってるだけなのだ。

ならば、それでいいのだろう。

 

ずっと階段を下りていると、ある場所に着いた。

 

そこにあったものは……

 

「これは……!?」

 

─テメェの祖先、始皇帝の威光そのものの帝具がこれだ。そして、テメェの親父とお袋の仇、オネストの野郎が切り札とするのもまた、これだ。

 

目の前にあったものは、とても巨大な、帝具だった。

これはまさか、伝説にあった始皇帝の……至高の?

 

「テルミ、これはまさか!?」

 

─シコウテイザー……テメェが所持すべき王権だよ、皇帝ちゃん?ほら、ボサッとすんな、さっさと行くぞ。

 

「う、うむ……!」

 

一歩一歩前に近付く。

これが、父上の、余の祖先たちの王権……シコウテイザー。

 

─シコウテイザーはあまりにも巨大だ。それ故に、隠し場所としてはこの上なく適した代物だった。何せその宝物庫を開けられるのはもうテメェしかいねぇんだからな。

 

「…余しか、もう……」

 

シコウテイザーに触れる。

余の思い違いなのかも知れぬが、感じる。

皇帝たちの意思を。

 

シコウテイザーは余が触れた途端、喜ぶような音を立て、足の一部が開く。

 

─入るぞ。

 

「うむ。」

 

余は、シコウテイザーの中へと入る。

何やら、昇るような感覚がするが、これはもしや動力部に向かってるのか?

 

そして、昇っていく感覚は徐々に無くなり、それと同時に広い場所へ着いた。

そこにあったのは、いくつもの武器。

隠し場所……なるほど、殆どの帝具は行方不明となっていたのはこういうことであったか。

 

それでも、残り全てが入っているわけでは無いようだが。

そして真ん中には、顔もない人形が佇んでいた。

 

すると、テルミは余の内から出てくる。

人形へとテルミは近づいていく。

 

「テルミ、それがアーキタイプなのだな。」

 

「ああ。俺様の器となる人形、アーキタイプ。

戻ってきたぜぇ……。」

 

テルミは中へと入る。

人形はテルミが中に入ると呼応するように光り輝く。

余は目を開けていられずに目を閉じた。

 

やがて光は収まり、目を開ける。

そこにはテルミが居た。

夢の中で共に話した時と同じ姿だ。

アーキタイプがテルミの姿になるよう自ら変わったのか……?

 

「この体だ……俺にしか扱えねぇ器、俺様の力!

ヒ、ヒヒヒ……ヒャーハハハハハハ!!」

 

「悪党にしか見えぬぞ。」

 

「そう言うんじゃねぇよ皇帝ちゃぁん!

俺様は今無性にはしゃぎてぇ気分なんだぜぇ?

それによぉ、武器もある。」

 

「武器……帝具か?」

 

「ああ……」

 

「馬鹿な!帝具は一人一つしか扱えぬはず…あっ!」

 

「気付いたか。

そうさ、アーキタイプは帝具じゃねぇ(・・・・・・)のさ。

だからこそ……このウロボロスを扱える。

この無間蛇双 ウロボロスをなぁ!」

 

テルミはさらに武器をとる。

 

それは蛇頭を端に付けた鎖だった。

テルミは武器を手にいれ、器を取り戻した。

余は、皇帝としての誇りを、王権を取り戻す決意を得た。

 

人知れず、余とテルミは大臣の首を噛み千切る為の蛇の牙を研いでいた。

 

 




というわけで、テルミが器と武器を取り戻しました。
早すぎる?
そうしないと今後戦えないし、皇帝君を守れません。
早めにしないとね、こういうのは。


アーキタイプ

かつて始皇帝が己の魂を保存するために造り上げた帝具とは違う人形。
しかし、始皇帝は適正を得れず、テルミが得てしまった。
適合者に応じて望む姿になる力を持つ。
適合者が入っていないとただの白い何も飾らない人形。
ロックマンEXE6のコピーロイドをイメージしよう。

無間蛇双 ウロボロス

適合者 テルミ

皆大好きウロボロスゥ!ヒャッハー!キモチイイダロォ!?
ターマンネェナァwwwww

端に蛇頭が付いた鎖の形をしている。
異空間から召喚され、相手の精神に対して直接攻撃できる能力を有する。
奥の手はナ・イ・ショ
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