テルミが壊す!   作:ロザミア

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久々のテルミ更新。
待ってる方っているの?(自己評価低)




正義執行

人の行う物事には理由がある。

人が何かをするにはそれを正当化するための理由が要る。

 

理由のない行いは機械と変わらないから人が行うという灯のための理由。

私はそう思う。

 

ただ、人を殺すという行いへの理由はいくつも壁が出来てしまう。

前の私はそれを簡単に飛び越えていた。

いや、砕いていた、と思う。

 

今の私はどうだろう。

人を殺すのを躊躇ってしまう時が稀にある。

それは恐ろしいことをしようとしてる自覚があるからか、それとも新しく備わった倫理観が邪魔してるだけか。

それは私には分からない。

 

それでも、私はそれを越えなくてはならない。

この剣を、刃を以て人を斬らねばならない。

何処までも愚直に向かうのが私なのだと教わった。

ねじ曲がった道でも、正しい道でもただひたすらな迄に走る。

 

理由を失ってはならない。

それを失えば機械と変わらない。

 

私は私の正義(理由)を手に、また人を殺す。

これが地獄へ落ちる行いでも、構わない。

それで正義を成せるのなら。

他人から見て正しくなくても、構わない。

それを肯定する人がもういる。

 

理由は十分(いつでも殺れる)

躊躇はまだある(躊躇うな)

自問自答するときもある(これは正しい行いだ)

 

けれど。

 

これが私の正義だから(正義の剣を振るえ)

 

だから、戸惑いはない。

胸の内で覚悟を決めて、私は私の剣と私の盾を手に取る。

少し駆け足を、全力で走るに変える。

 

向かうはただ一点のみ。

体は絶好調で、心は安定している。

問題は何一つとしてない。

あるとしたら相手がどれ程罪深い(外道)かだけ。

 

剣は私の意思に肯定するように鋭さを増す。

 

正義を執行する。

それだけが私を私たらしめる。

私という異端を肯定するための理由となる。

 

盾は私と意思を守るように堅牢さを増す。

 

正義を執行する。

それが願う未来へと導くと信じ込む。

私が人々を守る武器である。

 

彼女にはより良い国の為の犠牲になってもらう。

殺気を限界まで抑えて一歩後ろの距離まで詰めた。

 

 

「──ッ!」

 

(──チッ。)

 

 

後ろから一刺しで決めようと思ったけどバレてしまったようで心の内で舌打ち。

どうしても、最後の一瞬だけ殺気が強くなる。

いざ殺すとなるとこうなるのは仕方ないのだろうか。

 

ドMはすぐに私から距離を取る。

その額には冷や汗が一筋。

「どういうつもり?」

 

「どういうつもりだと思います?」

 

「私を殺そうとしたようにしか見えなかったけど。」

 

「お、正解です。

凄いですね、花丸あげちゃいますよ。」

 

「いや、要らないよ。」

 

「そうですか、残念です。」

 

「全く思ってないでしょう?」

 

「あはは、当たり前じゃないですか。」

 

別に殺す相手に感傷なんて不要でしょう?

そう言って、(イザヨイ)を構える。

 

「裏切り者だったって訳ね。

お姉さん、そういうの良くないと思うなぁ~」

 

「裏切り?私が?……ふふ、ふふふ……」

 

黒い感情が噴き出しそうになる。

それを抑える。

ああ、でも、ほんの少しだけならいいですよね。

 

結構我慢してますし、少し位なら許してもらえますよね?

 

「私が裏切ったのではなく、帝国が裏切ったんです。

同僚が、先輩が、議会が、大臣が、国が私だけでなく民を裏切った。

だから私の正義を執行する。」

 

もう帝国の正義は存在しない。

私利私欲が溢れる監獄と化していた。

 

絶望した。

正義のない事実を知った私は純粋ではいられない。

純粋に人を嬉々として殺すことはできない。

 

だから、仕方無い。

 

「だからこれは、報復であり、立て直しです。

私欲のために民を殺すのが国の姿なのか?違う。

民が苦しみ続けるのが国がやるべきことなのか?違う。それは帝国ではない。

私は、それを帝国と認めない。

間違っていると思いませんか?

先代の皇帝様が死去し、平和は崩れ去ったと。」

 

言葉を並べる。

理由を連ねていく。

意味などない。

理解を求めているわけではないから。

ただ、言葉を並べるのは人の特権だ。

 

「正義が必要です。

この帝国には悪がいる。

それを殺す正義が。ただ一度だけ振るえる正義が。

私でなくてもいい。だけど、誰かがその正義(責任)を背負う。」

 

「その正義に意味はある?」

 

「意味なんて後からつくものです。

最初から秘めているのは本人だけだ。」

 

「無茶苦茶な女……」

 

「無茶苦茶……いいですね、それ。

そうなってでも私は誰かが悪ではなく正義を背負える国にするために殺しましょう。」

 

何度でも言葉を並べる。

 

私の理由が増えていく。

そして、テルミさんが私に行動を与える。

動けるときを待ちながら白々しく生きる。

 

私の行動が何かを変えるなら、私は誰かを殺せる。

 

「無駄話はもういいでしょう。」

 

「んー……貴女の痛みは楽しめなそう。」

 

「楽しませるために斬ってないので。」

 

左腕に盾を着け、右手に剣を持つ。

ドMは腰を低くして構える。

 

体術……隊長ほどではないだろうけど、厄介なのは間違いない。

少しの油断が命取り。

一度目は外した。

二度目は早々来ないだろう。

何処かでそれを作らないと。

 

相手からなんて待ち戦術は似合わない。

私から、仕留めにいく。

 

地を蹴り、構えるドMに接近する。

まずは様子見として腹を狙い横に薙ぐようにイザヨイを振るう。

 

ドMなら斬られてくれると期待したが、流石に馬鹿じゃなかったようだ。

通常ではあり得ないほどに膝を曲げて体を後ろに倒して避けて、地面に手を付いて私の顎めがけて蹴りを放ってきた。

 

(中々に重いですね。)

 

左の盾で防ぐ。

 

「流石に帝具に斬られるのはねぇ……それに、色々と報告しなきゃいけないみたいだし。」

 

「逃がしませんよ。貴女はここで死ぬ。

そうすれば……皇拳寺羅刹四鬼は全滅です。」

 

「言ってくれるじゃない……私もそれなりに腕に自信あるんだけどな~?」

 

「弱いと言ってるわけではないです。

寧ろ、強いの部類に入るとは思いますよ。」

 

「それは、どうもっ!」

 

(爪が……!)

 

ドMはどういう原理か両手の指の爪をこちらへ伸ばす。

冷静に横に走る。

 

特殊な体なのかもしれないが、爪は自在に方向を変えられないようだ。

まあ、指を少し動かせばいけるから自在な方かもしれないけど。

となると、他にもあると考えよう。

まだ少し余裕なところから見るに何かある。

 

ここは攻めた方が得策か。

 

そのまま足を止めず盾をドMに向けながら接近する。

 

「あら、また───!?」

 

盾の真ん中が開き、そこから圧縮した空気を飛ばす。

私が殺したDr.スタイリッシュが改造したイザヨイの機能の一つ。

空気を圧縮し、それを放つ。

当然、それはただの圧縮した空気に過ぎない。

色なんてものもない……だから、視認は不可能!

 

そして、それを運よく避けれたとしても、私がイザヨイで斬る。

 

「─カハッ……!」

 

どうやら、ドMは避けれずにモロにくらったようだ。

右胸に拳1つ分程のめり込みが出来たと思えばドMは口から血を吐いて吹っ飛んだ。

 

けれど、体の何処かを操作して咄嗟に致命傷を防いだ可能性もある。

油断をしないでそのまま近付いて倒れるドMを突き刺す。

狙いは頭ではなく心臓。

 

隊長程の実力なら頭でもいけると思うが私は駄目だ。

頭を動かされて外した隙を突かれるだろう。

 

だから、心臓だ。

イザヨイの刃がドMの心臓へと吸い込まれていき─

 

「─っとぉ!」

 

「チッ……!」

 

─意識が回復したようで、すんでのところで転がって避けられた。仕留められず、舌打ち。

けれど、完璧な回避ではなかったようだ。

右腕に少し斬られた痕がある。

これでいい。

 

避けられたら避けられたで、それでいい。

勿論、殺せたなら最高だったが……上々だ。

最悪なのはイザヨイで傷もつけられなかった場合だ。

けれど、傷をつけれたのでいい。

血が流れている。

 

イザヨイの力を発揮できる。

 

切れ味が良くて、盾が面白い機能を積んでいるだけではないのだ、イザヨイは。

 

「─正義執行、貴女を断罪します。」

 

イザヨイは刃に付着したドMの血を吸収する。

 

そして、頭に流れてくる。

 

殺せ、殺せ、殺せと。

断罪しろ、目の前の女は悪だと。

 

イザヨイは私の正義を肯定し、呼応する。

 

力が沸き上がる。

刃がより鋭くなる。

 

「中々、罪を犯してきたようですね。」

 

「まあ、成り行きって感じ?仕事って奴。」

 

「仕事、ね……どうでもいいか。」

 

こうなったイザヨイは相手の犯した罪の重さだけ力を発揮する。

目の前のドMは大臣お抱えというだけあって罪深い。

鋭くなったし、他にも色々とやれるようで何より。

殺せる手段が多いに越したことはなし。

 

でも、お喋りも飽きたし時間を掛けすぎだからさっさと終わらせないと。

 

今のイザヨイなら、いける。

 

会話で誤魔化そうとしてるのかは知らないけど先程の一撃はかなり効いたようだ。

呼吸が乱れている……肺をやれたのかもしれない。

 

それならそれでよし。

相手が不利ならそれだけ殺しやすくなる。

 

また駆ける。

 

「あーらら……そんなに、殺したい?」

 

「……」

 

「うわ、マジだよ……ケホッ」

 

足掻きのように爪をこちらへと伸ばしてくる。

 

視える。

どのようにこちらへ伸びてくるのか視える。

避ける必要性を感じない。

 

「ふっ……!」

 

だから、イザヨイを振るった。

すると、簡単に爪が切れた。

切れ味が上がっているし、イザヨイの強化が私の義手を通して私にも共有されている。

私の五感が鋭くなっているが……これもDr.スタイリッシュのイザヨイと私に施した機能。

 

何も来ないことを見るに受け身な戦い方をするのだろう。

なら、これで終わらせる。

 

私は突きの姿勢を取る。

 

距離的にもこの位置が一番いい。

相手が察する前に、さっさとやる。

 

「これで、終わり!」

 

「何を──」

 

ただ、素早く突くだけ。

それだけで、後は強化されたイザヨイが──

 

 

 

「──マジ、かぁ」

 

 

 

─伸びるだけだ。

 

出来るかは疑問だったが、やってみるものだ。

ドMの爪伸びを参考にしてみた即興だが出来たようで何より。

 

イザヨイは一直線に伸びてドMの喉を刃が貫通した。

元の長さへと戻り、ドMはうつ伏せに倒れこむ。

喉から血が多量に出て、既に血の水溜まりが出来ている。

 

私は警戒しながらドMへと近づく。

 

「剣が伸びないと思いましたか?」

 

「──」

 

「意外と出来るもんですね~私も初めてですけど……貴女のお陰でまた1つ成長できた。」

 

「──」

 

「……ああ、喉をやられてるから喋れませんよね。

じゃあ──」

 

 

 

 

 

「──さようなら。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、一応様子でも見ておきますかね。」

 

ため息1つ。

ドMならもう処分済み。

最後に丁寧に首を斬ってから適当に処分しておいた。

 

とりあえず、タツミ達の様子を確認してから戻ってもいいだろう。

 

少し見てから帰る。

正直疲れた。

強化が切れると疲労感が少し体にくる。

 

「……こういう時、コロがいれば独り言じゃなくていいんですけど。」

 

まあ、無いものねだっても仕方無い。

 

今の相棒はこれですし。

 

「あーあ、報告しても『そうかい』とかしか言わないんだろうなぁ……」

 

一人邪魔者を殺せたから、それでよしとしよう。

 

気だるい体でタツミ達の方へと向かう。

やっぱり情報の共有だけでもしておくかな。

 

帰ったら甘いもの食べたい。

 

 

 

 

 

─────────────────────

 

 

 

 

 

「おいおい、そう怖い顔すんなよ。

俺様が何かしたかぁ?」

 

「疑いがかかってる。お前にな……」

 

「疑う?俺を?一体どんな疑いか聞かせてくんねぇかなぁ──」

 

 

 

「──ナジェンダさんよぉ」




一波乱あってまた波乱。
テルミに休みはない。
有給もない。
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