テルミが壊す!   作:ロザミア

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どうも、ロザミアです。

わーいザンクだぁ。
誰に殺されるんだろ。

ではどうぞ


蛇は狡猾に

首斬りザンク。

元々は罪人を処刑する首斬り役人であった男であり、処刑を繰り返す内に精神が病んだのか監獄長を殺し、ある帝具を奪い辻斬りとして一躍有名になる。勿論、悪い意味で。

 

五視万能 スペクテッド……確か、名の通り適応者の戦況を有利に変える五視の能力を持ってるんだったか。

 

霧などに阻害されずに遠くまで見透すだとか、心を読むだとかだったか。

全部が全部を把握してる訳じゃねぇが、問題はねぇか。

 

新たに手にいれておいたバタフライナイフを手で遊びながら歩く。

あんましハザマを演じすぎるのも疲れるんだが、そこはいいとしてだ。

 

どうやら、戦闘が始まったらしい。

 

五視の能力は防ぐ方法は無いことはないが…滅茶苦茶な方法が多い。

やれと言われたら誰でもできる方法ではない。

 

だが、やれる奴が対処するなら……後は、お互いの技量と知識の差が物を言うだろうな。

厄介な能力ではあるが完全無敵ではないってこった。

 

雑魚が使っても意味ねぇからな。

首斬りザンクは雑魚ではないから、余計厄介なんだがな。

 

建物の上から見下ろす先には、アカメとザンクの姿があった。

技量はアカメが上だ。ならば知識は?

 

……恐らく、アカメだろう。

場数が違うのは嫌というほど差を生む。

それにアカメは慢心しないだろうしな。

 

「念のために仕掛けてはおいたが、この分だと意味はなさそうだな。人斬りの最後もまた人斬りか。

中々面白くていいんじゃねぇか?」

 

一斬必殺 村雨は一度でも、それこそかすり傷でも与えれば勝ちが確定する帝具。

対処法は簡単だ、当たらなきゃいい。

村雨の呪毒を受けて生き残れる人間は居ねぇ。

……いや、どうだろうな、居る可能性はあるか?

 

毒が回る前に斬られた箇所を切り落とすなりすればいいからな。

…このご時世、んな狂人も居そうだな。

 

村雨の脅威性を再確認しながらアカメとザンクの戦いを眺めているが、突然アカメの動きがピタリと止まった。

 

スペクテッドに催眠の類いは……いや、そうか、それがあったか。

 

愛するものを見せる能力があったな。

まずいか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突如、現れた人物に私は不覚にも動きを止めてしまった。

 

『……。』

 

「…(クロメ……。)」

 

「アカメ、それは偽者だ!」

 

「無駄だ、催眠は一人にしか使えないがその分効果は絶大だ!!」

 

置いていってしまった妹。

帝国を裏切った際、置いていってしまった。

 

クロメは私を憎んでいるだろうか。

……憎んでいるだろう。

 

今も帝国で戦わされているのだろう。

大量の薬物投与によって体がもう既に壊れていると言うのに。

 

クロメは私に向けて駆け、その刀で斬りかかる。

 

「最愛の者に斬られ、死ね、アカメぇ!!」

 

……だからこそ。

 

私は村雨で容赦なく、ザンクの映し出したクロメを切り裂く。

 

「なっ……さ、最愛の者さえ斬るというのか!?」

 

「最愛だからこそ…早く救済()してやりたい。」

 

「……ぐっ!」

 

「…勝負あったな。」

 

先程の一撃を防いだからかザンクの片方の剣に皹が入る。

切り札だったのか、戸惑いと焦りを隠さないザンクに私は油断なく村雨を構え、ザンクへと駆ける。

 

「クッ、オオォォォ!!死んでたまるかぁ!」

 

「……!」

 

互いの刃で突き、斬り合う。

未来視で私の動きが読まれているからと言えど、動きまでは制限できない。

 

「(…ここだ!)ふっ!」

 

皹の入った剣に村雨を振るう。

剣はぶつかった瞬間に折れ、ザンクの体勢もまた崩れた。

 

「ォ、ォォ……!」

 

「葬る!」

 

ザンクの首に向け、一閃。

体勢を崩され、もう片方の剣を振るう隙も無かったザンクは斬られ、首と口から大量の血を噴き出す。

 

「ぐ、ぶぁぁ……」

 

「これで、死者の声は聞こえないだろう。」

 

首斬り役人として狂った男に対して、せめてもの手向け。

それは彼を蝕んできた声をその生を絶つことで消し去る事。

殺してきた罪は消えないが、声を聞くことなく安らかに地獄へと落ちろ。

 

私は背を向け、負傷したタツミの方へと歩く。

 

「声が……止んだ……?

ああ……ハハハ、愉快愉快……

ありがとよ、アカメ……。」

 

後ろから私に感謝する声を聞きながら。

 

……先程からだが視線を感じるな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…強いな。」

 

素直にそう思った。

アカメが村雨による呪毒を視野に入れつつもあれほどの速さと卓越した技量を持ってるとはな。

 

本格的に俺様は要らねぇな。

 

様子見として来たのは正解だったが…皇帝ちゃんにどう報告したもんかなぁ。

 

愛するものねぇ……あのアカメには何が見えたのかねぇ。

ま、それを即座に斬れるってのは心強いな。

誰でも出来るわけじゃねぇ。

割り切ってるのか、それとも……。

 

まあいい、やるか。

 

俺はザンクの側にまで降りる。

 

当然ながら、二人にはバレる訳で。

 

「ハザマ…先程からの視線はお前か?」

 

「視線って……じゃあ、傍観してたのか!?」

 

警戒心丸出し、仕方ねぇよな。

取り敢えず、弁明でもするか。

 

「いや、ちゃんと助太刀はすべきだとは考えてましたよ?しかしながら、アカメさんが予想より強かったので却って邪魔になるかもと思い、本当に危険なときに現れようと思ってたんですよ。」

 

「…ボスからは何も聞かされてない。」

 

「私がそう頼んだので。

突然参加したら怪しまれるでしょう。

それに、興味があったので。」

 

「興味?」

 

「ええ、帝具使い同士の戦いという、ね。

素晴らしいですねぇアカメさん。

それほどまでの技量を何処で身に付けたのか、気になってしまいますよ。」

 

「教える義理はない。」

 

「でしょうね。

……タツミさんは無事なようで。」

 

「いや、無事じゃねぇよ!」

 

「生きてる限りは無事ですよ、その稼業は。

よかったですね、生きてて。」

 

「……まあ、そうだな。」

 

不満そうなタツミに俺は微笑む。

生きてるだけ儲け物なのは間違ってない。

そもそも何時死ぬか分からないのがナイトレイド、暗殺組織だ。

 

それを、帝具使いと戦って生き延びたのは運がいいって訳だ。

それも、帝具を持ってすらいない若造が、だ。

 

「そういえば、ハザマも帝具使いなんだろ?」

 

「護身用に持ってるってだけで私は弱いんですけどね。アカメさんと本気で戦えば間違いなく殺されるでしょうし。」

 

「前のアレを見てるとそうは思えないぞ。」

 

「あれはアカメさんも大分加減してくれてましたし。

ね?アカメさん。」

 

「…半分殺す気ではあった。」

 

「ちょっと!初耳ですよぉそれ!」

 

……分かっちゃいたが容赦ねぇな。

俺様が帝具使いじゃなかったらこのか弱い体が斬られちまう処だったぜあん時はよ。

 

「スペクテッドは回収するので?」

 

「回収して、ボスに渡す。

お前はどうするんだ?」

 

「ザンクさんに用がありまして。」

 

「ザンクは死んだのにか?」

 

「ええ、死んで間もないのなら……あるでしょうし。」

 

俺はウロボロスを出してザンクの胸へと刺し込む……いや、食い込ませるが正解か。

 

それを見たアカメは構え、タツミは驚愕した目で俺を見る。

 

「何を……!」

 

「食べてるんですよ、魂。」

 

「魂……?まさか、お前の帝具は!」

 

「いやいや勘違いしないでください。

話に聞く死者行軍 八房とは違って死者を操りはしませんよ。」

 

「ならば、何故死んだ者の体にそんなことをする。」

 

俺はウロボロスに魂を喰わせながら笑みを崩さずに説明する。

 

「このウロボロスは帝具として弱くなっておりましてね。

いや、弱くなるようにできているんですよ。

そこで、こうして他人の魂を取り込ませることで帝具としての強さを取り戻させてるんですよ。」

 

それも、帝具に魅入られた奴の魂なら尚更だ。

よりウロボロスの強さを取り戻してくれるだろう。

何より、あの手が解放できねぇのは痛いな。

 

あの時壊されなかっただけでも奇跡ってな位まで弱体化してやがる。

じゃじゃ馬なのはこいつも同じってことか。

 

「だからといって死者の魂を喰らうのは死者への冒涜だ。」

 

「冒涜ねぇ……そんなの、殺し屋稼業をしてる貴女方が言える口ではないでしょうに。」

 

「……。」

 

「それでも、俺達ナイトレイドはそこまで酷いことをしちゃいねぇ!」

 

「してますよ。

何にしても人を殺すということはどうあっても貴方の言う酷いことでしょう。

私が一人の魂を帝具に喰わせるのと貴方方が殺してきた人間……一体どこが違います?

そも、殺人と言うのは特例を除いて全てが冒涜に値する物でしょうに。私、何か間違ってます?」

 

二人は俺の言葉に押し黙る。

いや、アカメの方は違うな。

理解しているからこそ、忠告はしたが俺の態度に対して黙ったんだろう。

 

……終わったな。

俺はウロボロスを引き抜き、スペクテッドを持ってアカメ達の所まで歩く。

スペクテッドを差し出して帽子を深く被る。

 

「斬るなら、今ですよ。」

 

「……お前はこの帝都の腐敗になる存在か?」

 

「違うと、誓って言いましょう。」

 

「……ならいい。タツミ、帰ろう。」

 

「あ、ああ。……ハザマ、お前は…味方なんだよな?」

 

「味方ですよ、ええ。でなければ近付かないですよ。」

 

「そう、だよな。」

 

会話はそこで終わり、それぞれ逆方向へ歩を進める。

 

俺はザンクを一瞥し、拠点へと戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……そうか、首斬りザンクは死んだか。

ご苦労だったな、テルミ。」

 

─俺様は何もしてねぇよ。

 

「それでもだ。

……愛するものを見せる能力か。」

 

─所詮は幻影だぞ。テメェの両親を幻で見てぇのか?

 

「そんな訳あるか。…お主には居ないのか?」

 

─愛する者?俺に?クク、ヒハハハ……冗談キツいぜ。皇帝ちゃん。

 

「…そうだな、お主に居る筈も『─一人』え?」

 

─一人だけ、それもかなりの昔だが、愛してもいい女は居たな。

 

珍しく真剣な顔で余に告げるテルミはどこか暗い雰囲気だった。

余はそれを聞き、

 

「ハ、アハハハハ!」

 

─あ?

 

笑った。

とても愉快な話だったので、笑ってしまった。

 

テルミは苛立ったのか今にも殺そうとする気迫で余を見る。

 

「いや、すまぬ。お主にも居るとは思わなんだ。

お主も人だったのだな。」

 

─…チッ、もう随分と前の話だ。今は居ねぇよ。それより、提案がある。

 

「む、なんだ?最近夜更かしをしてるせいで成長が止まらないか不安なのだが。」

 

─テメェ軽口言うのも大概にしやがれ。…このままだと行動制限がありすぎるって話だ。

 

「ふむ、確かに。ナイトレイドと繋がったとはいえ変わりはないか。」

 

─そこでよぉ……

 

テルミはいつもしている不気味な笑みを更に深める。

余は、察した。

 

ろくでもない事を言うに違いないと。

それも、余に飛び火するだろうと。

 

 

─テメェの表の権限なら、出来る話だ。皇帝ちゃん?

 

その内容を聞いて、不安になってその夜は中々寝付けなかった。

とにかく分かるのは、明日は激務かもしれないということだ。




はい、戦闘回でしたね。

アカメの。しかも原作通り。

テルミが介入しなくてもいいですからね、戦闘。

ひたすら暗躍です。


ちなみに無間蛇双 ウロボロスの覚醒は

・魂を喰らわせる。

・???

……等の条件があります。
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