テルミが壊す!   作:ロザミア

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どうも、ロザミアです。

忙しいけど投稿します。(ドM)

今回は皇帝様の味方の一人とか豚とかと話します。


蛇はほくそ笑む

今よりずっと前……それこそ、オネストも居ねぇ、先代も居ねぇ時代。

 

いつの代かも覚えちゃいない。

だが、どんな皇帝だったかは始皇帝と同じ位に脳裏に焼き付いている。

忘れたくても忘れられない……というヤツだ。

 

今の俺からするとらしくないと言われるだろう。

だが、知ったことじゃない。

テメェの想像の俺は俺じゃねぇからな。

 

……毎度毎度、ソイツとは部屋に招待されては話し、招待されてなくても自身で直接統治する国の様子を見ようと護衛として連れられていた。

話すことなんざ毎回同じだった。

 

何を見たのか、だとか誰と話したのか、だとか。

俺の体験談を聞くのを楽しみにしているのだとか。

そんなの聞いて何になるんだか。

 

「其方の話を聞く限り、余の先祖たる始皇帝は存外後先考えぬ男であったのだな。」

 

「ああそうだ。あの野郎は俺に帝具を作るとか提案してきやがってどうやって作るんだと聞いてみたら分からんって言いやがる。つまりは俺に丸投げだ。

そりゃ、俺以外にも居たから案だけを伝えて他にも丸投げしたが分からんはねぇだろ。」

 

「ククッ、確かにな。

だが、そういう男だからついてくる臣下も多かったのだろう?」

 

「……珍しく女で皇帝してるテメェと同じ位変な奴だったぜ。

…ま、このアーキタイプを俺に託して死にやがったが。俺に面倒押し付けて死ぬなんざ後にも先にもアイツだけかも知れねぇなぁ。」

 

「余が変とな。」

 

「ったりめぇだ。女の身で皇帝なんざどれだけ無謀か分かってねぇテメェじゃねぇだろ。

事実、皇帝家の女で皇帝してるのはテメェが初めてだ。」

 

ソイツは俺の言葉に可憐に微笑むのみで、それについては何も言う気はないという意思表示だった。

 

頑固なのか何なのか。

 

「体が弱ぇ癖に視察ってのも馬鹿だろ。

この前倒れかけたの忘れたのかよ。」

 

「何、其方が居る限りはその場で死ぬこともなかろう?」

 

「俺は万能じゃねぇぞこのアマ……」

 

「元より茹で玉子しか食わぬ其方を万能とは思わぬ。 何じゃそのひょろひょろの身体は、それで余の護衛が出来るのか?」

 

「挑発してんなら乗ってやろうか、あ?

テメェを狙ってる陰湿な輩程度なら十分だっての。

大体毎度俺様を連れてるテメェが言うことじゃねぇだろうが。」

 

「冗談だ。

それで?次はどのような話をしてくれる?」

 

「……その前にここの視察だろうが。」

 

「ふむ、残念だ。」

 

……もう少し成長する前に来ておけばよかったと今更ながらの後悔がある。

でなきゃ変な情も芽生えねぇで餓鬼扱いで終わってた。

しかもコイツモコイツで俺にべったりだ。

 

チッ、面倒くせぇ。

 

「先に言っとくが……」

 

「黙れ。」

 

「…あァ?」

 

「それ以上口にするなら、余にも考えはある。」

 

「……はいはい、ままごとに付き合ってやるよ、女帝さん。」

 

「それでよい。では行くぞ。」

 

「さっきまで仕切ってたのは俺様だろうがよ……」

 

そんな何とも言えない日々を、過ごした気がする。

 

俺の中では珍しくあまり血が流れねぇ年の話だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突然だが、この帝国の腐敗の原因であるオネスト大臣は困惑していた。

一体どうしてか……。

それは彼の目の前の光景にこそ答えはあった。

 

「これはこれは陛下、お初にお目にかかります。

私、ハザマと申します。

この度は、宮廷へのご招待真に感謝いたします。」

 

「うむ、構わぬ。

あのブドー将軍の友人ならば一度顔を見ておきたいと思ったのは余故にな。顔をあげよ、ハザマ。」

 

「陛下がそう仰るのならば、そうしますが……」

 

そう、友人。

あの、ブドー大将軍の友人だと、突然現れたこの男は言うのだ。

一体何時そんな事を、と困惑せずにはいられなかった。

 

丁度隣にはブドー大将軍もいるではないか。

聞いた方がよいだろうが、彼は自身を嫌っている。

教えてくれるだろうか。

 

「……ブドー将軍、彼は本当に貴方の友人なのですか?」

 

「……陛下。」

 

「よい、答えるのを許す。」

 

「はっ……ハザマは私の古い友人であり、今は情報屋として世界を旅していると聞いている。相違無いな?ハザマ。」

 

「ええ、間違いなど1つもありません。

事実、東方にも赴いたことはありますが…あそこは慣れてないと逆に辛いかもしれませんねぇ。

っと、無駄口失礼。

しかし、オネスト大臣は余程私を疑っておられるようだ。何故か、聞いても?」

 

もはや白々しいとすら思える態度にオネストは苛立ちを隠せなかった。

死刑にしてやりたいとすら思ったが、表向きの権利はまだ皇帝が持っている。

それに、ブドー将軍の友人というのが真実ならば…その先を考え、下手な行動を起こしたくなかった。

 

「突然として来日したというので、真意を図りかねまして。陛下に何かあれば事ですからね。

陛下も、何故私に事前に言ってくださらなかったのです?」

 

「う、うむ……すまぬ。

余も楽しみにしてしまっていた故…。

次から気を付けよう!」

 

「はぁ……」

 

この餓鬼…と悪態をつきたいのを堪え、溜め息を吐くに留めた大臣の忍耐強さはある種見習うべきである。

やっていることは外道そのものだが。

 

苛立ちを抑えるのに尽力しているオネストに畳み掛けるようにしてハザマは口を開いた。

 

「それは申し訳ありません。

私もこの忙しいときに出向くのは気が引けたのですが……久しくブドーさんの顔を見ていなかったものですから、うきうき気分で来ちゃいましてねぇ。

暴挙に近い行為であるのは理解してます、申し訳ありません。」

 

「む、ぅ…………。

……ハザマさんは情報屋なのでしょう?

ならば、ナイトレイドについて何か情報は無いのですか?」

 

気軽に聞いてみたつもりだった。

勿論、知っていれば聞こうと思ったが。

 

だが、話題を持ちかけた瞬間、ハザマが金の瞳を覗かせる。

 

「どのような情報がお望みで?

ナイトレイドの情報だけでは分かりかねますね。」

 

「…あちらの所持している帝具について。」

 

「何を出します?」

 

「……金ではないと?」

 

「私、そこらの情報屋とは違って物という対価でしか情報を渡さないんです。

どうします?あ、勿論住居なんて要りません。

ナイトレイドはこの帝都を騒がせている暗殺組織……でしたよね。そのような組織の情報を得たいと言うのです。

私、身の危険も考慮して余程の報酬を貰わないと渡せませんよ。」

 

「……保留でよろしいですかな?少し考えさせてもらいたい。」

 

今この場で渡せるのは少ないと判断し、保留を提案する大臣。

 

すると、先程までの自身に絡み付くような雰囲気が無くなり、いつもの笑みを浮かべたハザマがそうですかと言う。

 

「構いませんよ。ただし、買われてしまってもしりませんが。」

 

「……もうよいか?ハザマはブドーと積もる話もあるであろうが、ブドーも将軍故に忙しいのだ。

すまぬが、今日のところは……」

 

「ええ、分かっています。

突然押し掛けてしまい申し訳無いことをしました陛下。

では、私はこれで。

……ああ、そうだ。」

 

去り際にハザマは振り返り、大臣を見る。

 

「私はしばらくここに居るつもりですので、色好い返事を待ってますよ、オネスト大臣さん。」

 

「……ええ。」

 

ぶっちゃけると、オネストはもうストレス発散のために何かを食べたい気分だった。

あの男にはこれからも付き合いが長くなりそうな、そんな予感が彼の頭に過ったからである。

 

ハザマはそれだけ言ってブドーと共に去っていった。

 

皇帝は内心ガッツポーズをする。

冷や汗ものではあったが成功したからだ。

 

そもそも、何故このような事態になったのか。

それは今日の早朝にまで遡る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大臣よりも早く起きた皇帝が服装などを整えて何をしたのか、それは至って簡単である。

 

ブドー大将軍を呼びつけたのだ。

当然、皇帝に真の忠誠を誓うブドーは直ぐ様飛んできた。

 

「よく来てくれたなブドー。」

 

「陛下の命とあらば。」

 

「うむ……なあ、ブドー。

余の今からする質問に正直に答えてほしい。

…大臣は、オネスト大臣は余を騙し、何をしている?」

 

皇帝の言葉に、ブドーは内心驚いた。

気付いているとは思っていなかったからだ。

それとも、気付かずに子供の妙に鋭い勘で聞いているのだろうか。

 

どちらでもブドーは構わなかった。

皇帝の命令が正直に答えろというものならば正直に答えるし、元より虚言を吐く理由などありはしない。

 

ブドーは正直に語った。

 

「陛下の言うとおり、大臣は陛下を操り、陰で良からぬ事をしております。

己に従わぬ貴族、兵士などは軒並み処刑されました。」

 

「……そうか。」

 

事実を口にしたら、皇帝は辛そうでも悲しそうでもなく淡々と事実を呑み込んだ。

やはり、気付いていたのだろうと断定したブドーはどのような罰が来るかを待った。

 

事態に気付きながらも何もしなかった己を主君はよく思うまい。

 

だが、何時まで経ってもブドーに罰を告げる言葉は来ない。

 

「顔をあげよ、ブドー。よくぞ語ってくれた。

大方、余がお主を罰すると思っているのであろうが、それはない。寧ろ、罰せられるは無知であり、人形であった余自身だ。」

 

「いえ、陛下は……」

 

「よい。子供であれど余は皇帝だ。民を導かねばならぬ身でありながら、全てを任せすぎた。

……ブドー、余は大臣を倒したい。

そして、この腐敗してしまった帝国に嘗ての栄華を戻すのだ。手伝ってくれるな?」

 

ブドーはその言葉、その表情に感銘を受けた。

皇帝の命令は絶対であるとするブドーは、何を命じられても従う気ではあったが、これは願ってもない命令だった。

 

改めて頭を深く下げたブドーは皇帝へ告げる。

 

「御意に。」

 

皇帝は嬉しく思った。

ブドーだけは自身を裏切りはしないと信じていたが、実際に言葉として、姿勢として告げられるとその感動は計り知れない。

 

だが、今は声をあげて喜ぶときではない。

 

「…感謝する。ブドーよ、早速だが、余の頼みを聞いてほしい。」

 

「如何様な命で。」

 

「うむ。実は、既に余にはもう一人の味方が居るのだが、その者と協力してほしい。」

 

「…どのような人物でしょうか。」

 

己より先に皇帝に協力する者。

余程の慧眼を持っているのか、それとも味方に引き込みたかっただけか。

 

会って判断をしなくてはならない。

 

─こんな人物だが、何か問題があるかよブドーちゃん。

 

後ろから人の声がするので振り向く。

いや、人の声にしては直接頭に響くような感覚。

 

ブドーは今まで然程驚愕したことはないのだが、今日ばかりは多い。

 

そこに居たのは、壁に寄り掛かる明らかに人間ではない形をしたナニカだった。

 

ブドーは咄嗟に構えるが、先程の言葉を思い出す。

 

「……貴様が陛下の協力者か。」

 

─そう身構えるんじゃねぇよ、将軍様。まあ、協力者のユウキ=テルミだ。

 

「ブドー、テルミは余に帝都の腐敗を知らせてくれた奴でな。見ての通り人間ではない。

口は悪いがそこまで悪い輩ではない。」

 

「…テルミとやら、貴様が陛下に協力する理由はなんだ?」

 

─あ~?理由だぁ?…まあ、契約だよ、契約。

 

「……分かった。もし陛下を害する真似をするのならば即座に始末する。」

 

─それぐらいの気持ちでいてくれる方がやりやすい。これからよろしく頼むわ、ブドー大将軍様よぉ。

 

こちらをからかうように顔を歪める精神体にブドーは一々反応しても仕方がないと判断し、作戦の内容を聞くことにした。

 

「まず、テルミはハザマとしてこちらに来て、ブドーはそれを友人として出迎えるという体だ。」

 

─俺様の友達なんてレアだぜレア。

 

「……。」

 

「あー…事前に余にもブドーから珍しく通達が来たということで余も会いたいという形で謁見の権利をテルミ…ハザマに渡し、ブドーは共に来てほしい。

そこからはハザマが上手くやって大臣との交渉を始める。……そうだな?テルミ。」

 

─大方、合ってる。周りの反応を見ながらやってくしかねぇだろ。俺様も動きやすくならねぇといざって時に遠くに出れねぇからな。あの豚とも形だけの繋がりは持つべきだ。

 

「……仕方無いか。」

 

「頼むぞ、これが成功すれば一層大臣の喉元に近付ける。」

 

「お任せを、陛下。」

 

─随分とまあ深い忠誠心だことで。

 

一々からかうな、と皇帝が言うと鬱陶しそうにはいはいとだけ言ってテルミは黙る。

一応言うことは聞くらしいと判断したブドーは警戒を少しだけ抑えた。

 

そして、テルミや皇帝と打ち合わせを軽くしてからそれぞれ悟られないようにするのだった。

 

この後起こることは、先程の展開通りである

 

 

 

 

 

 

 

 

 

城から出るべく歩く俺は帽子を深く被る。

最近はこうすることが多い。

 

「…さて……。」

 

「どうした。」

 

「そろそろという訳ですよ、ブドーさん。」

 

「…なるほど。」

 

ブドーが聞いてくるので答えると、理解したのか視線を戻す。

……ま、皇帝があの場には居たし出来ない話題だろうよ。

 

「ハザマさん、少しよろしいですかな?」

 

「……あまりご自身で動く方とは思いませんでしたねぇ。」

 

「ええ、普段はね。…ブドー将軍、少し彼をお借りしても?」

 

「…いいだろう。」

 

ブドーは渋々と了承し、去っていく。

オネスト大臣は俺を何処かへと案内していく。

ま、普通に応接室ってとこか。

 

扉を開けて中へと入っていく奴に警戒しつつ俺も中へ入る。

そして、向かい合う形でソファーへと座る。

 

「あの場では長引く会話は気が引けましたので。

ここでさせてください。」

 

「元々こうするつもりだったと。回りくどいですねぇ。

……それで?報酬、どうします?」

 

大臣はむふふと気色悪く笑ってから報酬の内容を提示する。

 

「この城で過ごす権利はどうですかな?

ここならば危険も少なく、情報屋の貴方としては盾としてもいい場所でしょう?」

 

「その場合は逃げればいいだけですが?」

 

「逃がすと思っているのですかな?」

 

「……へぇ。」

 

「ナイトレイドの情報なんて物を持ってる何て輩、わざわざ逃がすわけ無いでしょうに。」

 

実力行使も考えてる、と。

面倒くせぇな。

この場で事を起こしても不利だ。

 

「…別にその権利でも構いませんが、少ないですね。

もう1つくらい下さいませんと。

例えば…貴方の企みへの参加、とかねぇ。」

 

「…ほう?情報屋の貴方が、何故?」

 

「否定しないということはある種認められてるんですかね、私。」

 

「さあ、どうでしょう。」

 

「まあ、構いませんけど。

実は、1つだけ隠してることがありましてね。

貴方にとって私の価値というものを上げる程の物を。」

 

俺の言葉に大臣は訝しげだ。

一介の情報屋じゃねぇのは既に分かってるだろうが底を探ってるってとこか。

 

「帝具使いです…なんて言ったら貴方どうします?」

 

「貴方が?」

 

「ええ、とある筋から戴いた物でして。

名前は何だったかな……無間蛇双 ウロボロスでしたかね。」

 

見せ付けるように異空間から鎖を取り出す。

大臣は疑っていたが実物を見て驚く。

 

「無間蛇双……行方不明の1つ。

まさか貴方が持っていたとは。」

 

「ええ、これが便利な物でして重宝してます。

お陰で戦闘も問題なしですし。

意外と価値があると思いません?

戦闘も、諜報も出来る存在なんて便利だと思いませんか?」

 

「……。」

 

大臣は黙り混む。

俺的には意外と便利だと思うが。

ま、駄目ならここにいる権利だけでいいさ。

 

大臣は考えが纏まったのか口を開く。

 

「……まあ、いいでしょう。

分かりました、その条件を呑みましょう。

その代わり、情報はお願いしますよ?

あちらの帝具等の情報提供をね。」

 

「ええ、構いませんとも。

そちらの企みへの参加も、楽しそうですし。」

 

互いに笑みを浮かべる。

 

さて、こっからが働き時だな。

見極めながら動かねぇと。

夜で動くときは偽装しながら動かねぇとバレるしな。

 

…楽しみになってきたなぁ?

 

さて、後は……魂と……アレだな。

 




原作、壊さなきゃ(スサノオ感)

出るかもしれないし出ないかもしれないテルミ本来の姿。
でも出したら殆ど勝ち確なんだろうなぁ……
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