BLEACH〜死神代行の少女〜 作:北神聡美
その日、目を覚ました私は、例の女死神を見て驚く。
「てめえ、なんでいんだ!?」
「てめえではない。
「で、その砕蜂様が私になんの用よ?」
「これを渡しておこうと思ってな」
砕蜂にドクロを模した死神代行戦闘許可証を渡される。
「これは?」
「代行証だ。それを使えばいつでも死神化できる。虚に遭遇したらそれを使え。さらばだ」
砕蜂はそう言って消え去った。
代行証ねえ……。そんな毎回、虚と遭遇するなんてあり得ないと思うが。
あれ以来、私は虚の姿を一度も見ていない。エンカウント率が低いのか、それともただ単に虚そのものが少ないのかはわからないが。
私は学校へ行く支度をすると、食卓でご飯を食べて家を出た。
ん?
先日、男の子の霊がいたところに、不良どもがたむろしている。ふざけているわけではない。
「ちょっとあんたたち!」
不良どもが驚いてこちらを見る。
「あ……お嬢さん」
「俺たち、あなたを待ってたんすよ」
私も頼られる存在になったか。
「私を」
「はい。この前、オレンジ頭の高校生に理不尽な暴力受けまして」
オレンジ頭の高校生……一護のことか。
「それで、その高校生をギャフンと言わせたくて。ご無理を承知でお願いします!」
不良どもが頭を下げた。
「断る!」
私はスタスタと歩き始めた。
「待って下さいよ」
「お願いしますって」
私は立ち止まり、怒声を上げた。
「てめえらも花を生けてやらなきゃならないようにしてやろうか!?」
「ひええええ! すみませんでしたああああ!」
不良どもは慌てて逃げていった。
「ふ。人気者は辛いね」
男の子の霊が現れる。
「ああ、花忘れた。ごめんね」
「いいよ、別に。その気持ちだけで十分嬉しいよ」
「優しいんだね」
私は霊の頭を撫でた。
笑顔になる霊。
私は霊の胸の鎖が短くなっていることに気づいた。
「鎖が短くなってるね」
「うん。わかんないけど、鎖が自分で自分を食べるみたいに短くなっていって。完全になくなったらどうなるのかな」
そこへ、一護とルキアが通りかかる。
「うっす」
「あ! おはよう、一護!」
「魂葬しねえのか?」
「魂葬?」
「お前、死神のくせに魂葬も知んねえのか? 刀の柄を魂魄の額に当てるんだ」
私は死神化する。
「僕をどうするの? まさかその大刀で斬るわけじゃないよね?」
霊が不安げに訊く。
「案ずるな。尸魂界へ送るだけだ」
と、答えるルキア。
私は刀の柄を霊の額に当てた。すると、魂魄が光に包まれ、尸魂界へと送られた。
「行こっか」
私は体に戻り、歩き出した。