エボルトになった俺がプリキュア世界に転生したんだけど……【一時休載】 作:ロボ戦極凌馬
どうも、作者の戦極凌馬です。投稿が遅れて申し訳ありませんでした!!
モチベーションが中々上がらず、思った通りの文章が書けない日々が続いていました。
久し振りの更新なのに、今回も短いです。次回は、次回こそは長く書けるように頑張ります!
では、どうぞ!
EP5 赤き蛇は動き出す
━━nascita 地下研究室━━
喫茶店nascitaの地下にある研究室、そこに俺は居る。ここ最近、店を閉めた後は朝まで研究室に籠って作業をしている。
「よし、完成だな」
そして、その作業がついに終わった。俺は座っている椅子の背凭れに寄り掛かり、両腕を上に伸ばして肩をほぐす。いや~、流石に疲れたよ。
「にしても、流石に作り過ぎたかな?」
目の前のデスクの上に置かれている二種類の物を見ながら呟く。フルボトルと同じ形だが意匠が無く、色も透明なボトル。もう一つが、紫を主体に金の装飾が施された機械的な銃。ここまで言えば、もう分かるよね?
そう、成分が入っていないボトル──”エンプティボトル“とトランスチームガンの原型である”ネビュラスチームガン”だ。
ボトルは十本以上がデスクの上に鎮座している。前にも言ったけど、ここの研究室にある設備が万能過ぎてさ、エンプティボトルを一本作ったら作るのにハマってしまったよ。ハハハハハハハッ!! ……すみません、反省してます。言っておくけど、ちゃんと理由があるからボトルを作ったんだぞ? 本当だからな!
えっ? なら、理由を教えてくれって? それはだな……
───ヒ・ミ・ツ♪
ほら、お楽しみは最後まで取っておかないとさ。面白くないでしょ?
上機嫌の俺は、鼻歌を歌いながら完成したエンプティボトルをボトル専用のアタッシュケースに仕舞っていく。ボトルを仕舞うと、今度はネビュラスチームガンを右手で持って見つめる。一応、戦力強化を兼ねて作った物でもある。俺の所持している武器はトランスチームガン・スチームブレード。他にも、この二年の間に桐生戦兎が所持及び開発した武器も開発済みだ。ドリルクラッシャー・ホークガトリンガー・四コマ忍法刀・海賊ハッシャー・ビートクローザー・フルボトルバスター等をね。
ちなみに、俺が今手に持っているネビュラスチームガンは二台目なのだ。ちょっとした理由で、一台目は一年前に開発済みだ。
俺は椅子から立ち上がり、歩き出す。向かった場所は研究室内にあるもう一つの部屋。その部屋の中に入ると、大人一人が余裕に入れる一台のカプセルがが置かれている。中を覗くと、人ではないナニカが入って居る。
人間の様に手足がある人型で、黒色の特殊スーツの上から赤と青の歯車が手・胸部・肩・顔に装着されている。
カプセルに片手を置きながら、俺は呟く。
「起動実験はクリア。シミュレーションを使った戦闘実験でも問題なく稼働。後は、実戦での稼働データの収集のみ」
実戦で問題なく動けば、俺のサポーターとして強力な戦力になってくれる筈。俺はカプセル内の存在に期待を膨らましながら、部屋を出た。
「さて、出掛ける前にシャワーと朝食を済ませないとね」
今日は店を休みにして、横浜のとある場所で行われるイベントを見に行く予定なのだ。故に、今日は楽しもうと思う。
……と、思っていたんだけどなぁ~。
「なんで、厄介事が起こるかなぁ」
イベント会場に来たものの、イベント開始まで時間がそこそこあった為に缶コーヒーを飲んでいた。俺が淹れる珈琲より缶コーヒーの方が何百倍も美味いなんて……複雑な気持ちだ。缶コーヒー美味しいです。
それで、何が起きたかって? 缶コーヒーを飲んでいたら、空から変な気配を感じたと思ったら、ナニカが少し離れた海に落ちた。うん、確実に面倒事だと思われる。出来れば無視したいのが本音だけど、目撃してしまった以上、見て見ぬ振りは良くないかなと思ってしまう。
それに、放っとおいてイベントが中止になったら困る。今日は楽しむ為に来てるんだから。
「仕方ない、行くか」
缶コーヒーの中身を一気に飲み干し、缶専用のゴミ箱に捨てる。素早く人気の無い場所まで移動すると、ある能力を使用する。俺の背後の空間が歪み、そこに黒い穴が出現する。ビルド本編で完全体になったエボルトが何回か使用したワープ能力だ。穴の中に吸い込まれる様に入ると、穴が閉じる。
再び穴を出現させ、出る。そこは、先程とは別の場所。ナニカが落下した付近のビルの屋上にワープした。
「さて、元凶は……下か?」
ビルの下から普通ではない邪悪な気配がする。見下ろすと、とんでもない光景が目に入った。
ピンク・ブルー・イエローのカラーが入った衣装をそれぞれ着ている三人の少女が、デカイ怪物相手に戦っている。
……プリキュアじゃん。まさかのプリキュア関連の出来事か。プリキュアに任せるか? いや、よく見るとちょっとだけ敵に押されてる感じだな。
「……ここまで来たんだ。手助けぐらいは良いよね」
プリキュアの手助けをしよう。そう決意した俺は直ぐに行動に移す。右手で懐から機械的な黒い銃『トランスチームガン』を取り出し、服のポケットから一本のボトルを左手に持つ。そのボトルは、縁の部分がまるで錆びている様な銅色で、中心部には銀色で蛇の意匠がある。
蛇のボトル『コブラロストフルボトル』を、手首のスナップを活かしてシャカシャカと数回振る。振った後、ボトルの蓋『シールディングキャップ』を正面に合わせる。トランスチームガンの銃身下部にあるスロットにボトルを下からスライドさせる形で装填する。
すると……
〈 COBRA!〉
トランスチームガンから低い電子音声が鳴り、不気味な待機音が屋上に鳴り響く。スチームガンを顔の横まで持っていき、あの言葉を告げる。
「────蒸血」
〈 MIST MATCH!〉
スチームガンを下ろし、引き金を引きながら上に向かって振るう。銃口から灰色の煙が噴出し、俺の全身を呑み込み、煙の中で赤銅色の発光が数回起こる。煙が徐々に晴れていくと、俺の姿が露になった。
〈 CO・CO・COBRA! COBRA!〉
ワインレッドの特殊スーツに身を包み、その上からパイプが二重に巻かれたアーマーを纏っている。アーマーの中心には青緑の蛇の意匠があり、顔にも蛇を模したバイザーが装着され、バイザーの中から青いツインアイが輝いている。頭部には塔を模した煙筒が付いている。
〈 FIRE!〉
煙筒とパイプの排出口から青と赤が混ざった花火が噴出する。
血の蛇─────【ブラッドスターク】へと姿を変えた。
今度は、赤いバルブの付いた片刃の黒い剣『スチームブレード』を取り出した俺は、それを分離。二つに分離したパーツをスチームガンに合体させる。
〈 RIFLE MODE!〉
銃剣形態のライフルモードに移行させると、懐から縁が黒でロケットの意匠があるボトル『ロケットフルボトル』を左手に持つ。
『んじゃあ、行くとしますか!』
エボルトの声に変えた俺は、ビルから勢い良く飛び降りたのだった。
如何でしたか?
やっとブラッドスタークの登場ですよ。プリキュアの明確な描写は、次回になります。
なるべく早く更新できる様に頑張ります!
次回の『エボルトになった俺がプリキュア世界に転生したんだけど……』は!
EP6 赤き蛇の乱入
次回もお楽しみに! 感想待ってます!