絶対虚構少女 ダンガンロンパ舞園 ~亡き希望達の学園死活~ 作:ゼロん
恐竜最高、いやっはー!
……死にゲーにも程があるぜ。リゼロ並みのトライ&エラーだぜ……。
「あ、和樹くん。こんなところにいたんですか!」
二階に続く階段の近く。そこには以前、舞園達が幽閉されていた希望ヶ峰学園と同じように、シャッターで塞がれていた。
そしてそのシャッターの手前に彼、
「……あぁ、おはよう舞園。談話室はどうだった?」
声をかけられるまで気がつかなかったのか、少し驚いた様子で返答する和樹。
「え? え、え~と……特に変わった物はありませんでした」
――なぜ和樹は談話室にはいかなかったのだろうか。
「……そうか」
考えすぎか、と和樹は呟いた後、顎に手をあてて目を舞園からそらす。
「和樹くんはここでなにを?」
「オレは……ちょっと探検かな」
「探検?」
あぁ、と和樹はシャッターの方に寄り掛かる。
「モノクマの放送は聞いてたよな? 『談話室が開放されたぞ』って」
「え、ええ。だから私たちは談話室の探索に……」
「……まぁ、当然そうなるよな。今まで開かれてなかった場所が開いたとなれば、みんなそっちの方を気にする」
だが、と和樹は背にあるシャッターを軽く叩く。
「――もしそれが陽動だとしたら」
「え――」
和樹は背もたれにしていたシャッターから身を起こし、真剣な表情を舞園に見せる。
「モノクマは言ってたよな。『ここは不幸な死に方をした魂の安住の地であり、待合室』。つまり、死んだ人の来るあの世の世界だって」
「はい。それと……どうやら人だけではないみたいです」
「ん……詳しく聞かせてくれるか?」
舞園は先ほど信晶の死んだはずのハト、動物もここに来ていることを伝えた。
その事実を聞いた瞬間、和樹は驚嘆の色を顔ににじませる。
「……人間だけじゃなかったのか」
少し考えこむ素振りを見せた後、和樹は首を横に振る。
「ちょっと考えなければならないことがあるが……それは後にしよう。とりあえずオレも集めた情報を分けることにするよ」
舞園は談話室には、特に何も変わったことは無かったと和樹に報告した。
「そっか……やっぱりモノクマは」
何かにたどり着いたかのような素振りを見せた和樹に、舞園は疑問を口に出す。
「和樹くん。さっきの話……『陽動』とモノクマの言っていた『再生学園』の役割。何か関係があるんですか?」
「あぁ。大アリだ」
和樹は天井に仕掛けられているカメラに背を向ける。
「――もし物も持ち込めるんだったら、携帯ゲームでも持ってきてもらおうかな、って思ってさ。オレ、テレビゲームよりも一人でDS派なんだ」
「こ、こんな時に! もう少しまじめに話してくださいよ!」
和樹は頬を膨らませて怒る舞園にスッと一枚の紙を渡す。
「え――」
和樹はしっ、とあまり反応しないでくれと暗に言う。
「これ、昨日貸した飲み物代の請求書。キチンと払えよ」
「い、意外としっかり者なんですね……」
――嘘だ。和樹に金は貸りていない。おそらくモノクマの見ている所では大っぴらには言えない話なのだろう。
カメラ越しで見ているであろうモノクマにバレぬよう、演技を続行する舞園。
「――わかりました。キッチリと全額返します」
「って言っても250円だけどな」
紙をそっとポケットにしまい、和樹の言葉に舞園は笑顔で返す。
「和樹くん、信晶くんに……信じるよう言ってくれたんですね」
「バッ……!! あの野郎、口が軽すぎだ……!!」
和樹が焦っていることから本当のことだとわかり、つい笑みが零れてしまう。
「ふふっ、ありがとうございます」
「ち、違う。そうじゃなくてだな……その、なんていうか」
和樹は恥ずかし気に頬を真っ赤にして目を舞園からそらす。
「……舞園は、その……自分のやったこと、後悔してたんだろ」
「はい……もうあんなことは二度としません」
舞園の言葉に強い意志を感じたのか、和樹はどこか安堵したような感情を顔に浮かべる。
「――そっか。ならいいんだ。たぶん、お前はもう大丈夫だよ」
「大丈夫、ですか……」
「あぁ。理由がどうであれ、人を殺すことは罪だ。もしお前が何の罪悪感も感じないような人間だったなら、オレはたぶん……舞園を信じてなかった」
むしろ不信感しか湧かなかった、と和樹は正直に白状する。
「けど……舞園はあんなに苦しんで、自分をあんなに傷つけて……それでも前に進もうとしてるんだよな」
「前へなんて……そんな」
自分は全く進めてなんかいない。和樹や不二咲、田上にただ泣きつくばかりだ。今だって、ここから脱出する糸口さえ掴んでいない。
「私なんか――」
自分を戒め、卑下する舞園に和樹は優しく笑って言った。
「――あんたは……たぶんいい人だよ。その苗木って人も。今でもきっと……舞園のことを信じているよ」
舞園は言われるとは思えなかった言葉が和樹から飛び出したことに目を丸くする。
「え、あ……う……えっ……和樹くん……?」
意表を突かれたためか間抜けな声が口の外に漏れてしまう。
言い終えた後、急に恥ずかしくなってきたのか、再び顔を朱色に染める和樹。
「ご、ごめん。なんか――オレらしくないな。その……勝手なこと言ってごめん。オレはその苗木って人のことを全く知らないっていうのにさ。なんか知ってる人のようにしゃべっちゃって」
「――ううん、いいんです。気持ち、伝わりましたから」
舞園は首を横に振り、和樹に感謝を伝える。
一人で騒いでいるのが馬鹿らしくなり、和樹は落ち着きを取り戻す。
「そ、そうか……。ん……舞園?」
和樹が微笑む舞園を見て怪訝そうな顏を浮かべる。顔に変なものがついているとでも言うのか。
「はい、どうしたんですか?」
「――頬」
舞園は頬を自分で触り、ハッとする。その手は……濡れていた。
「な、なんで……私、涙……なんか……」
片目から一筋の涙が頬を伝い、床に落ちていく。
止まらない。手でおさえても、拭いてもどんどん流れてくる。泣き顔なんて、誰かに見られたくないのに。
「止まって。止まってよぉ……」
「――」
一筋の涙を流す少女に、和樹のかける言葉はなかった。
ただ、その泣き顔を見ないように……彼女に背を向けていただけで。
「う……うぅぅ……!」
「――泣くのって、悪いことじゃないと思うぞ。ストレス発散にいいんだって」
背中を向けたまま、和樹はそうつぶやいた。
彼が言った言葉は――どこか懐かしい気がした。
▲▲▲
「落ち着いたか?」
「はい、もう大丈夫です。落ち着きましたから」
和樹は背中越しに尋ねるのを止め、舞園の方に顔を向ける。少し目元が赤くなっていたが。もうだいぶ彼女も落ち着いたようだ。
「じゃあ、オレも疲れたし部屋で昼寝でもするよ」
和樹は大きなあくびをし、口元を手で覆う。
「昼寝って……ずいぶん呑気なんですね」
「ばか。いいか舞園、昼寝は身体にもいいんだ。こんな時だからこそ、頭を休ませなきゃならん」
「はいはい。じゃあ、そういうことにしておきますね」
舞園は呆れ笑いを浮かべた後、穏やかな笑みで返す和樹。両手を首の後ろに回し、居住区の方へ歩を向ける。
「舞園、モノクマのゲームになんか乗る必要なんてない。この場所のことを調べれば絶対に脱出できるはずだ」
舞園は即座に首を縦に振る。
「はい。わかってます。希望は……もう捨てません」
「――あぁ、絶対にここを出よう。
▲▲▲
――さっきの紙、何が書いてあるんだろう。
舞園は部屋に一人で戻った後、和樹に渡された紙を開く。もちろんカメラから見えない位置で。
『この紙を見た後、すぐに焼却炉に放り込んでくれ。モノクマの手に渡ったらまずいことになるかもしれない』
「……わかっています」
あのモノクマのことだ。
この紙に気がついたら、きっと自分か和樹の元へ何らかの形で危害を加えるに決まっている。
「――続きを読みましょう」
『さっきの話の、「談話室への陽動」と「再生学園」についてだ。これは状況からの推測でしかないが……おそらくモノクマを操っている張本人――「黒幕」はオレ達と同じく死んでいる奴のはずだ』
「確かに……」
ここに来るのは舞園と同じく、選ばれた魂。死人であることに間違いはないはずだ。
『死んで初めてここに来たってことは、「黒幕」もまた、この「再生学園」の全てを理解していないはずだ。みんなが談話室へ向かっている際に、オレはモノクマが何か仕掛けていないかを探ってみたんだが……尻尾どころか熊の毛一本すら掴めなかった』
「……」
みんなが談話室に行っている間、彼はそんなことをしていたのか。
「和樹くん、あなたは一体……どんな才能の持ち主なんですか……?」
舞園はふと思い浮かんだ疑問に関する記述がないか、彼のメッセージの続きに目を凝らす。
『それと……もう一つ、これは誰にも言わないでくれ。これはオレ自身もまだ理解が追い付いていないところだし……きっと混乱を生む』
舞園が続きに目を通すと、驚愕で目が開かれる。
「――え」
『――オレには一部の記憶がないんだ』
皆様はダンガンロンパはどこまで見ていますか?
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初代まで。アニメも含む。
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2まで。3やV3は知らん。
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絶対絶望少女まで。
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v3まで。全部やったお!!
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1のアニメor3のアニメのみ。